2023年9月30日土曜日

花だより 「いじめ」はなぜ減らない? ヤブラン 秋刀魚

 

 管内いじめ不登校等連絡協議会 
 管内の人権擁護団体、各地区PTA代表、警察、児相、教育委員会、学校関係などの代表が集まって「いじめ」について意見交換(情報交流)を行いました。
 《こんな意見が出ました》
・いじめ調査をすると、いじめを見たり、聞いたりしているはずの友だちや仲間からの申告
 がほとんどない。見て見ないふり、関わりたくない。という交友関係にこそ問題である。 
 望ましい交友関係を築く努力をしなければならない。

・『いじめ撲滅キャンペーン』をやればやるほど、子どもたちはいじめが悪いものだという
 意識が深まる。しかし、そのことで、いじめを隠したり、見て見ぬふりをしたりするよう
 になる。そのことがいじめ問題をさらに深刻にしている。

・SNSによるいじめが深刻化している。便利なツールも使い方で凶器になる。子どもを指導
 しなければならない大人が、スマホ依存症であったり、マナーを守らなかったりする。顔
 を見ないで、声も聞けないでどう相手を信用するのか?コミュニケーションの基本はフェ
 イスtoフェイスであることを忘れてはならない。

・警察から、この場で具体的な(個別な)事例は紹介できませんが、当管内においてもネッ
 トトラブルは多発していて深刻です。 

 いじめは絶対に許さない!いくら「いじめ対策」に取り組んできても、いじめはなくならない。確かに表面的ないじめは減ったかもしれないが、今度は、コロナウイルスのようにSNSでの誹謗中傷に変化していく。アンケートで「いじめは悪いことだと思いますか?」の問いに、必ず「そう思わない」と答える子がいる。「いじめられる子にも原因はある。」と思っているのだ。多様性を認めるということは、その副産物が生まれることを覚悟しておかなければならない。



2023年9月29日金曜日

花だより ニッポンの課題 国産ジェット旅客機「スペースジェット」なぜ失敗したか? コスモス ナンバルキセル

 

 
     国産ジェット旅客機「スペースジェット」なぜ失敗したか?
 スペースジェットを巡っては、経済産業省が主導で、日本人による、日本のための1兆円を費やした国策だった。過去にはO戦を作った国である。日本の高い科学技術からして、それほど難しいことではないと高をくくっていたのではないか?
     三菱航空機 元社長 川井昭陽氏
「日本はもう長い間、民間機をつくっていない。、分かっている人が誰もいない」
   「型式証明」が壁に
 今回の最大の壁は、安全基準などを満たしていることを証明する「型式証明」の取得でした。製造する日本と納入先の国で必ず取得が必要ですが、携わった経験のある人材が不足していた。
 “飛ぶ飛行機”をつくるのはやさしい。しかし、“安全ということが証明できた飛行機”をつくるのは、すごく難しい話。型式証明については、みんな素人集団であったと言わざるを得ない。
 どう人を育てるかというところで準備が足らなかった。開発は継続させるべきだった。本当に「継続は力である」やめてしまえば何もなくなる。だから小さくてもいいから開発をずっと続けるべきだ。その核となる人間はずっと長い間かけて育てていく。そっちのほうに希望を見いだしたい。
 “学ぶ姿勢”が欠如していた
 危機感を覚え、型式証明の取得の実績がある外国人技術者を招いた。しかし日本の技術者たちには、謙虚に学ぶ姿勢が欠けていたという。
「その当時の日本の技術者たちは『俺たちは飛行機を知っているんだ』とプライドが高かった。外国人技術者は世界のトップレベルだった。しかし、彼らが言っても『年寄りが何を言っとるんだ』となった。変なプライドがあった。
 「開発を継続させること。やめれば何もなくなる」
  結局、開発陣は型式証明の壁を崩せず、プロジェクトは終わりを迎えた。今回の事業撤退は、長年、人材育成をおろそかにしてきた結果だ。プロジェクトの経験と教訓を生かすために、航空機産業などで開発を続けていくべきだ。
 日本の科学技術は、もう世界トップレベルではない。自動車も家電もスマホも中国や韓国に後れをとっている。日本人が謙虚さを失えばこうなる。
 千歳にできる半導体工場「ラピダス」は、世界最高水準を目指すというが、スペースジェットの二の舞にならないことを願う。

肥料になるひまわり畑(訓子府)


2023年9月28日木曜日

花だより 前期終業式の話(竹の節目) タマスダレ ひまわり畑

 

 
 前期終業式の話 「節目」というのは、竹の節のことです。筍が土から顔を出して2~3ケ月の間に1日1m以上も伸びます。生長が早く一気に10m~15mまで伸びて、それからは生長が止まります。何か人間と似ています。
 特に小学生は、竹が伸びる時期と似ています。人間と竹は違うので、いくら伸び盛りでも一日で1㎝も伸びることはありませんが、頭(脳)や心は、計り知れないくらい伸びる時期です。私の年齢になると、いくら本を読んでも、次から次へと忘れてしまいますが、子どもは、勉強すればすれるほど頭の中にいろんな知識がどんどん入っていきます。ただし、何もしないで、ただお菓子を食べて寝っ転がっていたり、ゲームばかりしていては伸びません。
 これはよくできたけれど、こんなところはダメだったと反省して、これからこんなことをがんばるぞと次の目標を決めることが大事です。節目節目で心に決めないと竹のように伸びることはできません。
 ところがまだ子どもです。なかなか自分だけで反省したり、目標を決めたりすることができません。そこで 先生が“前期は、こんなところは、よくできていますが、ここはちょっと気をつけてやるといいですね。”と書いてくれているのが通知表なのです。秋休みの間、お家の人と一緒に、よ~く見て、反省し、後期の目標をしっかり立ててください。

 ひまわり畑(訓子府)

2023年9月27日水曜日

花だより 地域と共に(東川町) 彼岸花 サンゴソウ(能取湖)

 

                 サンゴソウ(能取湖)
 

 朝7時頃から、わが家の近くの商店街では、店先の掃除と花壇の世話が始まります。街づくりは行政だけではなく、商店主や商工会の努力で支えられていることが分かります。ビックモーターの店舗周辺の環境整備とは主旨が全く違います。
 小学校校長会全道研究大会で知り合った東川町の校長先生の話
 東川町は旭川市のベットタウンとして発展を遂げる豊かな町、木工製品の町として有名なほか、きれいな街並みと田園風景が美しく、毎年「写真甲子園」が開催されている。豊富な伏流水で上水道がない町としても有名(水道代がタダ)、道内でも数少ない人口が増加している町、教育にも熱心で教育予算も手厚い。全国学力テストも上々と次々自慢話が出てきました。
 “子どもたちの健やかな成長は、学校だけでなく、家庭や地域と共にある。学校は、地域・家庭から信頼されなければならない。”北海道知事からのメッセージが紹介されました。その通りだと思いました。

2023年9月25日月曜日

花だより AI時代と哲学 ゲンノショウコ コスモス

 


 9月22日の読売新聞に、社会に変革をもたらす生成AIの急速な発展に、どう向き合うべきなのか。7月に「京都哲学研究所」を設立したNTTの澤田会長と哲学者の出口京都大学教授の対談が掲載されていた。
 新たな社会感が必要 「一人で生きている」錯覚 人の道徳問われている
 SNSのような疑似空間が、社会と切り離されて極端に個人化されると、本当は伝達能力に乏しい人にも影響力が備わっているかのような錯覚を生じさせ、社会性を失わせてしまう。自分のいる国や地域、会社、学校などを意識しながら人間関係を築いていく大切さを、もう一度想起する必要がある。国や地域によって文化の違いがあっても、共有できる「道徳」を互いに認めることが必要である。
 17世紀、近代哲学の祖であるデカルトは、目の前の事象がすべて偽りであったらどうするかという問いから思索を始めた。「絶対に確実なものなどないのではないか」というデカルトの懐疑が、AIによって現実になってしまった。
 人間は一人では生きていけない。常に家族や仲間、あるいは動物などに囲まれている。そのうちの一つにAIが加わってくる局面が来たともいえる。ただ重要なのは、道徳が問われているということだ。今のところ、AIには道徳や倫理観はない。損得を超えた道徳心を持つ人間の責任で、AIを社会全体の中に位置づけなければならない。(以上抜粋)
 学問の最高は哲学である。なぜ勉強するか、正しい判断力の身に着けるためで、人間として成熟することだが、急速な科学技術の進歩に、人間の道徳や倫理観が追い付いていない。未成熟な人間に刀や拳銃を持たせてはいけない。学校教育で取り組まなければならないことが、また増えた。
網走天都山「花テント」ミステリーツアーの場所にもなった


2023年9月24日日曜日

花だより 雑草という名の草はない(牧野富太郎) オトコエシ シラヤマギク

 


 NHK連続テレビ小説「らんまん」が最終回を迎える。偉人と同じ姓というのは、誇らしいと思う反面、おこがましくもある。小学生の時に伝記を読んだくらいで、実は牧野博士の生き様、人となりは知らないでいた。
 当時20代だった山本周五郎が「雑草」という言葉を口にしたところ、牧野富太郎博士はなじるような口調で次のようにたしなめた。
「きみ、世の中に〝雑草〟という草は無い。どんな草にだって、ちゃんと名前がついている。わたしは雑木林(ぞうきばやし)という言葉がキライだ。松、杉、楢(なら)、楓(かえで)、櫟(くぬぎ)——みんなそれぞれ固有名詞が付いている。それを世の多くのひとびとが〝雑草〟だの〝雑木林〟だのと無神経な呼び方をする。もしきみが、〝雑兵〟と呼ばれたら、いい気がするか。人間にはそれぞれ固有の姓名がちゃんとあるはず。ひとを呼ぶばあいには、正しくフルネームできちんと呼んであげるのが礼儀というものじゃないかね」
            (木村久邇典『周五郎に生き方を学ぶ』実業之日本社より)
 どんな植物にも固有の名前がある。それを無視して「雑草」「雑木林」などと人間にとって要不要だけで分類するのは、おこがましいという主張だ。
 山本周五郎はこの言葉が胸に刻まれたようで「これにはおれも、一発ガクンとやられたような気がしたものだった。まったく博士の云われるとおりだと思うな」と振り返っている。
 牧野富太郎は、現代においてSDGs(持続可能な開発目標)の先駆者だった。人間と自然環境がどう向き合っていくかを問いかけ、ひとつしかないこの地球で暮らし続けられる「持続可能な世界」を実現するために進むべき道を考えるという思想を、当時から持ち合わせていたといえる。
 NHK連続テレビ小説は、史実には忠実ではないが、主人公の生き様から、いろいろなことを考えさせられる。視聴率が毎回高いのもうなずける。

2023年9月23日土曜日

花だより 思考スキル・シンキングツール フヨウ

 


 「ベン図」、「Xチャート・Yチャート」、「くま手図」、「ボーン図」、「イメージマップ」、「ピラミッドチャート」、「PMI」???
 生活科・総合の全道大会で知った《思考スキル・シンキングツール》
 単純に『思考する』といっても、言葉の意味は曖昧です。『思考する』とはどういうことなのか、曖昧に授業が進み、子どもたちは何をどう考えたらよいか分からず、困ってしまっている場面が多く見受けられます。そこで『思考する』という言葉を「思考スキル」という子どもの行動レベルに具体化することが必要です。
 整理・分析の過程においては、「思考スキル」を明確にして分析することにより、探究の質が高まっていきます。しかし、これだけでは具体的な手法とはいえず、子どもたちにはなかなか伝わりにくいのです。そこで「シンキングツール」を活用するのです。
「思考スキル」とは、社会の変化に求められる人材や能力、21世紀型学力との関連で、今まさに身につけさせたい子どもたちの能力です。情報を可視化し、思考を方向付ける思考ツール、全国学力・学習状況調査や総合的な学習の時間の指導資料に見られる思考ツールです。今、求められる思考力の育成と思考ツールへの理解が、学校現場では求められています。
 思考ツールの第一人者、黒上教授が、教育目標としての思考力について、その課題とさまざまな思考スキル例を知っておくべきだと言っている。
 シンキングツールチャートは24種類ほどあります。ベン図とは、複数のコンセプトの集合の関係や範囲を視覚的に整理、分析するためのシンプルな図で、PMIとは、P=プラス(いいところ)、M=マイナス(だめなところ)、I=インテレスティング(おもしろいところ)を表にしたものです。これを知ったのは、もう5年も前です。このような実践が現場で行われているとしたら、さぞ学習効果は上がっていることでしょう。
 
 

ひまわりは漉き込んで肥料にします。訓子府:9月15日撮影

2023年9月22日金曜日

花だより 「お彼岸」よりハロウィン? ツリガネソウ ススキ

  

お彼岸
 秋分の日をはさんで前後3日間がお彼岸です。どこの家庭でも仏壇には亡くなられた方の好物やおはぎなどたくさんのお供え物があがります。ところがそのお宅には、薄く切られたリンゴが2切れしかのっていないのです。おばあちゃんに聞くと、りんごは亡くなったおじいちゃんの好物でした。歳をとって歯が弱くなってからは、堅いりんごは食べづらく、いつも食べやすいように薄く切っていたのだと言うのです。生前と同じくりんごを食べやすいように薄く切って、「さあ、召し上がれ」と言わんばかりに爪楊枝をさしてお供えしてあるのです。
 豪華なお供えがたくさん並べられていてもラップにくるんだままのお宅が多い中、質素ではあるが亡くなったおじいちゃんを偲ぶおばあちゃんの優しい気遣いを見て取りました。これが本当の供養なのです。
 学習状況調査の質問紙の結果で、地域の行事に関心がない子が多いことが分かりました。これは子どもの問題ではなく、大人も昔ながらの季節の行事をおろそかにしてきているからではないでしょうか。
 先日、地元神社の秋の例大祭が行われ、トラックに載せられたお神輿が町内を回りました。「子どもたちに神社にお参りに行ったの?」と聞くと、ほとんどの子が行っていない。 そんな時代になった。お彼岸にお墓参りをして、おはぎをお供えする家庭もほどんどないかもしれない。「それどころか『お彼岸』て何?」と若い親は言う。それよりこれからはハロウィンの準備なようだ。???

訓子府のひまわり畑

2023年9月21日木曜日

花だより 朱肉ですか???(ハンコレス) ススキ キキョウ

 

  《ハンコレス》
 出張で道教委に行った時、旅費の領収書にハンコを押すのに朱肉がなく、若い職員に「朱肉を貸してもらえますか?」と頼むと「朱肉ですか?」と探し始めたのです。
 明治初め、政府内にはハンコかサインかで論争があった。当時は字を書けない国民が多かったことからハンコが採用されたという。この決定がやがて経済活動にも浸透し、日本のハンコ万能主義を形作っていったと、新関欽哉『ハンコの文化史』(PHP研究所)にある。ただし明治政府内では、サインと併用しながら、字を書ける人が増えるのを待つべしとする考えもあった。
 河野氏が行政・規制改革相時代に、全省庁に行政手続きで押印を使用しないように要請した。廃止できない場合は、理由を明示するように求めた。1世紀半を経て論争が再開したといえる。
 生きている間に人は何回ハンコを押すだろうか。恐らく気の遠くなるくらいな数に違いない。といいつつ、小欄は初めて作った実印を社会人になった証のように思えて、今も愛着を持っている。しかし、デジタル時代に社会全体が対応するには、まだまだ時間がかかりそうだ。
 川柳欄に次の句を見かけた。“キャッシュレス 通帳レスに ハンコレス”(小寺道子)。新しい生活様式に「3レス」が加わることを覚悟しなければならない。
 夏季休暇を取って休んだ次の日、決裁文書にハンコを押す量が半端なかった。内容によっては20ものハンコの乱れうち状態だった。しかし、役場職員は、それが当たり前でそれほど不便さを感じていない? 地方にまでハンコレスが浸透するには、時間がかかりそうだが、ハンコレスでシステム改革、意識改革を加速することを期待したい。
わくわく園の1歳児さん

2023年9月20日水曜日

花だより 免許更新時講習廃止と研修履歴 ツユクサ ヒマワリ畑

 



やせた土地にひまわりを植えると枯れた後根元が肥料の代わりになる

 ~学ぶ姿勢を子どもに示す 研修(研究と修養)の大切さ~
   教員の誇りと責任(免許更新時講習)   
             元北海道教育大学教授 村瀬千樫氏の講演から   
 教員免許更新制が平成21年から導入され、免許状の更新申請には「免許状更新講習」はが必須になりました。充実した更新講習を提供するために道内の6国立大学が連携して設立した教員免許状更新講習実施事務センターのコーディネーターとして、国、道教委、他大学などとの連携・調整等に携わってきました。
 実施当初は、制度そのものに反対する教員、費用の面だけを問題にする教員、プロとして学ぶ謙虚さに欠ける教員などが多かったせいか、とげとげしい雰囲気が感じられました。ところが最近のアンケートでは、「退職まであと数年だが、教職の原点を振り返り、残りの教員生活を前向きに捉えるきっかけになった。」とか、「講習が問題解決のヒントになり、これからの教職生活の励みになった。」などという前向きな感想が増え、受講者は自ら学びたいという姿勢で来るようになりました。
 一方、受講者の一部には、服装、言葉遣い、時間に対するルーズさ、発言内容など、教員としての資質が疑われる言動もあるが、こうした一部の受講者に対して「同じ教員として恥ずかしい」などと厳しく批判する教員が多くいて、一抹の安堵を覚えました。
 専門的力量を高め、人間性、社会性を磨くための研鑽は、教員としての最低限の誇りと責任だと思います。教師に対する厳しい目があることを自覚しなければなりません。
 私は、免許状更新講習の選択必修「国の教育の動向」(会場:北見工大)講座の講師を務めました。受講生は10数名くらいの少人数でした。私の講座には、幸いにも批判的な教員はいませんでしたが、いくら長期休業中とはいえ、受講する教員は大変です。特に女性教員は、子どもを預け、家事は旦那に任せ、それにお金もかかります。ですから、講座を担当する側も、現役時代以上に、教育関連記事に目を通し、慣れないパワーポイントで資料作りをしました。
 免許更新時講習が働き改革と相まって廃止されました。安堵した教員が多くいたと思います。しかし、その代わりに研修履歴を作成することになり、研修を重ねるための指導が管理職に求められました。さらに教頭先生の仕事が増えることになりました。教員に「研修の自由」はありません。信頼されていないのです。




2023年9月19日火曜日

花だより 内閣改造と「良夫賢父」 ツユクサ ヒョウタン

 


 内閣改造が行われ、過去最多と並ぶ5人の女性閣僚起用など話題作りに腐心したが、副大臣、政務官の起用には女性は一人も入っていない。大臣5人では刷新感は感じない。そもそも自民党には、全体の12%の45人しか女性議員がいない。首相の「女性ならではの感性や、あるいは共感力を…、期待したい。」という発言に対し、「女性ならでは…。」という発言こそ古い男性が持つ差別発言ではないかと批判された。
「良妻賢母、良夫賢父」

   板東眞理子(昭和女子大学学長)「母の品格」より
 現代の良妻賢母に必要とされるものは、裁縫、調理、掃除などの家事能力だけでなく、家計を管理し、子どもを教育し、そして何より良きパートナーとして夫を理解し支える能力が必要である。将来が見えない社会でどういう子どもを育てるか、洞察力と子どもが社会人として職業人として生きていく力を与える人間性が求められる。
 一方儒教的な社会では男性に対しては良い夫であれとか、良い父親であれという特性は強調されなかった。むしろ忠義とか友人との信義(付き合い)が優先され、妻子の愛に引かれて進退を誤らないように、女性の色香に迷わないようにと教育された。家族に対する愛情のうちでは親に対する孝だけが推奨された。もともと儒教は国を治める官僚や組織の倫理が中心だからか、妻への貞節、信義は軽んじられ、子孫繁栄のために妾(めかけ)を持つことも正当化し、良妻は夫の浮気や妾に嫉妬しないことを期待された。儒教だけが悪いのではない。仏教も男女の愛や子どもへの愛は煩悩として退けた。こうした煩悩から解脱して悟りの境地に達するよう修行することが理想とされた。
 しかし、本来日本人は、万葉、平安時代の恋歌や物語に見るとおり、ものの哀れや男女の恋愛を尊重してきた。それを描くのが中国文学と異なる日本文学の特徴である。
 ところが、それが外来の儒教や仏教が重んじられるようになった。ここでもう一度日本男性に、本来のものの哀れを解し、妻や子への愛にあふれる生き方や価値観を取り戻してほしいと思う。 
                                   
  網走天都山の「花テント」
 

2023年9月18日月曜日

花だより 敬老の日 50年前の若者 オミナエシ アキノタムラソウ

 

 
  敬老の日
 65歳以上が最高の29.1%に、75歳以上が2000万人を超えた。「65歳以上を高齢者」と年齢でひとくくりに捉えるのは現実的ではないだろう。
 通信に「敬老の日」の記事に「和服を着たおばあちゃんのイラスト」を選んだ。ちょっと待てよ、こども園のおじいちゃん、おばあちゃんは、自分よりずっと若いことに気づき、他のイラストを探したが、どれも似たり寄ったりだった。保護者に「敬老会の日は、何かしますか。」と聞くと、「まだ年寄りではないので祝う必要ないですよ。」と言われた。
 夏になると駅前のホテルの駐車場には、大型バイクが何台も並ぶ。皆、年寄りライダーばかりだ。時間とお金があるからできることだ。
 敬老会の出し物は民謡、土産に紅白まんじゅうを配る自治体もあるようだが、そんな古い考えはもう止めた方がいい。
 50年前、若者だったころ流行ったのは、ダッコちゃんやフラフープがブームになり、VANを着こなしたアイビールック、女子はみんなミニスカートだった。そして、ボーリングをした。髪を伸ばしジーンズを履いたヒッピー族にリーゼントのロカビリー旋風も起きた。東京オリンピック、大阪万博、もはや戦後ではない言われた高度成長期の昭和のよき時代を生きていた世代が「敬老の日」を祝ってもらうようになった。
 60の定年退職を迎えたら、老後は好きなことをしたいと思っていた人は多いはずだが、楽しみにしていた年金は出ず、働かざるを得なくなった。仕事をしている人のおよそ7人に1人は高齢者となった。働けることを幸せだと思って頑張ることだ。高齢者の意欲を生かせる社会になること望みたい。

2023年9月17日日曜日

花だより 前期の通知表 オシロイバナ 玉ねぎ

 

 
 ~・~通知表「あゆみ」の所見から~・~
 「がんばったこと」~1年生の作文より~ 
「一つは、じゅぎょうちゅう、おしゃべりをしていて、せんせいにちゅういされていたけど、おしゃべりをしないようになりました。二つめは、水がこわかったけど、プールでもぐれるようになりました。」
 9月23日まで「あゆみ」を見るため校長室閉鎖!
 「校長先生、どうして入ったらダメなんですか?全員の『あゆみ』見るんですか?私より先に私の成績わかっちゃうの?校長先生は、「B」を「A」にしてくれたりできないの? 」と言われました。
 通知表「あゆみ」の所見は、担任から家庭へ、前期の学校での様子をお伝えするものです。限られたスペースの中で、どうまとめるか先生方は頭を悩まします。
《2年生の女の子の所見です。》
「社交的な〇〇さんは、休み時間は、みんなと仲よく遊んでいます。友だちの仕事を手伝ってあげたり、意見がぶつかったときは、間に入っておさめたりと気配りができます。そして、気になることは何でも質問するので勉強もよくできます。自分で考えて行動することができるようになりました。」
 所見を読んでいると、子どもたちの成長がわかります。全てに目を通すのは、時間がかかりますが、これがこの時期の楽しみです。前期を振り返り、後期の目標の参考にしてください。
 学期間休業日は、前期のテストやプリント物の整理、合わせて身の回りの整理整頓をしましょう。夏服から秋服へ模様替えの時期です。洋服ダンスの整理整頓も自分でやることを勧めます。

こども園の玄関ホールにあるホワイトボード



2023年9月16日土曜日

花だより 50年前の教育学の講義 ソバ コスモス

 


  私が教育大に入学したのは50年前です。当時の教育学の教授の講義は、もう過去の遺物です。平安時代の1日が今の時代の1年に相当するといいます。今の5歳児が大人になる20年後、どんな社会になっているか?私は88歳になっていて、生きているかどうか分かりませんが、想像もつきません。社会の変化は、日進月歩どころか、秒進分歩です。そんな時代を生きて抜いていく子どもたちに、5年、10年前の教育内容ですらもう通用しなくなりました。教育観、学力観、指導内容は大きく変化しています。ですから、研修が大事なのです。全国大会に参加した先生が、記念講演を聞いて目からうろこだったと言っていました。
 ところが大学の先生も様々で、それぞれ考え方が違います。大学こそ「学問の自由」が尊重されています。ですから、その先生の考えがベストだとは限りません。文科省主催の研究会では、文科省寄りの学者を講師に選びます。新聞の社説と同じで、同じ案件を扱っても「朝日」と「読売」では見解が違うのと同じです。いろいろな話を聴き比べて自分なりに判断することが大事です。
 また事例研究(実践事例)も、成功事例をそのまま自校で実践してもその通りにはなりません。例えば、建築学会で〇〇工法を開発したと発表したとします。その工法を使えば、どこの現場でも同じく建物を建てることができるでしょう。ところが、教育学では、それが難しいのです。なぜなら人が違うからです。子どもの実態、教師の指導力が違うと、当然のように展開が変わってきます。そのままコピペして使えるならこんな楽なことはありません。われわれ現場の教員は、実践が大事なのです。「教育は人なり」、「学問に王道なし」これこそ「不易と流行」の不易の部分です。

2023年9月15日金曜日

花だより 敬老の日 親孝行 ヤマブドウ

 

『敬老の日』の親孝行 
 生前、美幌と網走に居る81歳になった二人の母に、「どこか行きたいところはないか?」と聞くと、今話題の「山の水族館」に行ってみたいと言うので、敬老の日に親孝行のつもりで連れて行ったことがありました。

 一人は耳が遠く、もう一人は最近目が悪く、足腰も弱っていて、会話もトンチンカンで同じことを何度も言わなければならないのですが、車の後部座席での二人の会話がなぜか弾んでいました。長い道中疲れるのではないか、次の日寝込むのではないかと心配でした。館内を回るのに車いすも用意しましたが、「余計な心配するんじゃない!」息子に対しては、厳しい母も孫には至って寛大で、売店で孫やひ孫へのお土産をたくさん買っていました。山の水族館にも多くのお年寄りがお孫さんと一緒に来ていました。「敬老の日」の祝日は、家族みんなが一緒に過ごのが良いと思いました。

2023年9月14日木曜日

花だより 「がまん力」を育てる 葛(クズ) 玉ねぎの収穫

 


  「こころの強い子」は成績が伸びる 多湖 輝著より

  ~がまん力を育てる~
 普段の生活の中で、「がまん力」をいかに育てるか、とても重要なことです。具体的には生活の中の「ルール」と「マナー」がキーワードです。
 つっぱりと言われる少年少女たちの特徴の一つは、ふだんの生活にやる気を感じさせないことです。「かったるい」「眠い」「シラケる」「関係ない」「どうでもいい」彼らがしばしば発する言葉です。どれも怠惰な感じがします。何かにつけ「しまり」がない。快活さや楽しさのない生活になっています。
 このようなメリハリのない生活の中で、「がまん力」が育つはずがありません。日常生活にしまりやメリハリがあることは、小さながまんを積み重ねることになります。
 どんな小さなことでもいいですから、日常生活の中にルールを具体的に取り入れてください。家族で決めたことを守るにはそれなりの「がまん」が必要になるからです。
 たとえば冷蔵庫に子どもの好きな清涼飲料水が入っています。それを飲めるのは午後3時と夕食時と決めます。また1回に飲む量はコップに1杯と決めます。そして、決めたらそれを守らせることです。
 冷蔵庫を勝手に開けて好きなだけ飲めるというのでは、子どもは肥満になりやすいし、そのけじめのなさが「がまん力」を育てるのに邪魔になるのです。どんなことでも決められたことを守るのは、小さながまんの積み重ねです。そんなとき子どもは、「こんなルールは、うちだけじゃないの?」と思うこともあるでしょう。そんなときは、こう教えてください。「ヨソはヨソ、うちはうち。」

玉ねぎの収穫

2023年9月13日水曜日

花だより 子どもは悪い言葉をすぐ覚える コスモス

 


 
~親は、言葉の使い方を教える 
 子どもは、悪い言葉をすぐ覚えて使います。親が使っている場合、友だちの影響、一番はテレビからかもしれません。親は子どもの間違った言葉づかいを矯正する必要があります。言葉の間違いを犯さない子どもは一人もいません。子どもは単語のさまざまな組み合わせ方を試します。その組み合わせが間違っているのに、誰もそれを指摘して直さないなら、子どもはそれが正しいと誤解して使い続けてしまいます。
 正しい言葉を使うと、学生時代だけでなく生涯にわたって得をします。言葉が正しく使えないために「低学力」と判断されている子どもがたくさんいます。親は子どもにそういう損をさせないように配慮すべきです。将来、それが原因となって社会に適応できずに苦しむことがあります。子どもは周囲の人やテレビから好ましくない言葉を覚え、特定の言葉の響きに喜びを感じます。しかし、その中には、人を罵倒したり差別したりする不適切な表現が含まれていることがあるので要注意です。ネットでスポーツ選手への心ない書き込みをする輩も多いといいます。小さいころから、親は「そういう言葉を使ってはいけません。言ってはいけません。やってはいけません。」と注意する責任があります。そうしなければ、子どもはそれを受け入れられると思い込んでしまうからです。言葉の使い方が不適切だと周囲から拒絶と批判を招き、自尊心を台無しにしてしまいます。

2023年9月12日火曜日

花だより 子どものネット利用、親の倫理観が問われる ジンジャー 

 


 ネット使用に関しては年齢に関係なく個人差が大きいため、利用する子どものネットリテラシー、モラルやリスクの習熟度に応じて個別に設定をしたり、成長・経験に合わせて見直したりする必要があります。親の倫理観、道徳観、社会常識が問われます。

  (エンジェルアイズ代表・ネット依存アドバイザー 遠藤 美季) 
□1 宿題・勉強・部活・家事手伝いなど優先すべきことを先にやる。
□2 人と話をしているときに端末をいじらない。
□3 食事中に使ったり、トイレ、お風呂、ベッドに持ち込んだりして使わない。
□4 充電器はリビングに置き、端末を自室に持ち込まない。
□5 夜9時~朝7時までは利用しない。(各家庭で決める)
□6 周囲の人の迷惑になるような利用はしない。
(歩きながら使わない。優先席では使わない。邪魔になる場所では立ち止まって使う)
□7 自分が書かれて嫌なことはネットで書かない。
□8 面と向かって友だちに言えないことはネットで書かない。
□9 誹謗中傷は書かない。(人権、プライバシー権、肖像権などの権利を侵害しない)
□10 他人の個人情報は無断で掲載しない。
□11 友だちの写真を撮るときは友だちに「撮影してもいいか」確認する。ネットにアップす 
          るときは本人に無断で載せない。
□12   読んだ人、見た人が不快に思う内容はネットにアップしない。
□13   嘘や根拠がない、自分で責任が持てない内容の発信や拡散はしない。

□14   画像や文をアップする前にもう一度確認する。
□15   ネット情報を鵜呑みにせず、公式サイトや署名のあるサイト、書籍なども参照する。
□16   なりすまし、裸の写真のアップ、迷惑行為など、違法行為に当たることはしない。
□17   トラブルがあった場合は、一人で解決しようとしないで、親や先生など信頼できる大人に
   相談する。
□18   18歳未満閲覧不可のサイトは見ない。 
□19   課金は勝手にしない。(ソーシャルゲーム等に課金している子どもは多数いる)
□20   登録の必要なサイトは親と一緒にする。(登録の必要なサイトは安易に登録せず、利用規
   約をしっかり読んで不明な点があったら登録しない)
□21   インターネットで知り合った人と会わない。
□22   ルールを守れない場合は、端末を親に返す。
 《ルールづくりのポイント》
① ルールは子どもと一緒に考える。子どもの知恵と言葉を引き出す。
② ルールづくりのために知識・情報を集める。(準備として事件やトラブル等を収集する)
③ 家庭と学校で共有する。(必要性や家庭での実行について共有・理解してもらう)
④ 年齢や環境に応じたルールをつくる。
⑤ ルールの実行(大人が一緒に守ることが必要である)
⑥ ガイドラインの提示(保護者や子どもにルールを提示・配置する)
 *どれも当たり前のことですが、これができていないのです。
  子どもを注意する前に、
親の倫理観、道徳観、社会常識が問われます

2023年9月11日月曜日

花だより 「おじいさんの手、汚いよ?」(収穫祭) ヒメジュオン

 


 「おじいさんの手汚いよ。ちゃんと石けんつけて洗っているの?」
 農家のおじいさんに1年生の子が言った言葉です。
 おじいさんは、「あのね。いくら洗ってもとれないんだよ。何年も何年も畑仕事しているからね。土が手にしみこんでいるんだよ。」
 おじいさんは、ごっつい手を見せながら、やさしくその子に話していました。 
「今年の学校の畑は、雑草もあまり無く、いい畑だ!」と農家のおじいさんは、褒めてくれました。私も、朝早くから少しだけ草取りをしましたが、農家の方の話を聞いて恥ずかしくなりました。わずかな面積の草取りをして畑仕事をしたとは言えないのです。
 学校での菜園活動は、作物を育て、継続的に世話をすることで、生きていることの尊さや素晴らしさ、枯れたり死んだりすることの悲しさや恐ろしさ、農家の方の苦労などを自らの体験を通して学ぶことをねらいとしています。また、こうした体験活動は、“心の教育”にもつながるものです。
 収穫祭には、関わっていただいた地域の農家の方を招待しました。感謝と収穫の喜び、これまでの活動を振り返るものです。お母さん方の協力で、ジャガイモやカボチャ、豆などを調理してもらい美味しくいただきました。
 毎日の食卓にあがる食材は、農家の人が手間暇掛けて大切に育てたものです。毎日「いただきます」と感謝を込めて食べましょう。

2023年9月9日土曜日

花だより 世界陸上を見て コルチカム

 


  染髪や服装・言葉の乱れ=不良少年 という先入観が我々にはあります。
 高校の生徒指導の先生から、「『学年でトップの成績を取って、生徒会の役員をやったら、髪を染めてもいいし、どんな服を着てもいい、それができるか?』と言ったことがあるが、未だかつて、それを実行した生徒はいない。」という話を聞いたことがあります。
 ところが今回の世界陸上を見ていて、女子100mのジャマイカ選手の恰好に驚きました。髪が腰まであって、予選から出るたびに髪の色が違って、加えてばっちりメークに、ネイルも派手、さらにタトゥーも入れています。日本選手が同じ格好をして、それも予選で敗退したものなら、大バッシングでしょう。ところがそのジャマイカ選手は、決勝で惜しくも銀メダルでしたが、その存在感を示しました。こうした選手は彼女一人ではありません。
 もう30年前の話です。20代の若い女の先生が髪を茶色(ブラウン)に染めると、「学校の先生なのに、いかがなものか?」という保護者からの電話があります。(当時から、黒髪の女性の方が少ない。)もし、これが30代、40代の指導力のある女教師だったら、どうだったか?たぶん、そういう批判的に電話してくる保護者はいなかったと思います。
 高校野球、甲子園出場校の選手を見ると、定番の坊主刈りではなく、長髪の学校もありました。女子高生もベンチに入ることを許されるようになりました。
 コロナ禍の3~4年で、世の中大きく変わりました。キーワードは、グローバル化と多様性です。
 今のこども園の子どもたちが大人になる20年後、社会がどう変化しているか、私には想像がつきません。先行き不透明な時代を生き抜いていかなければならない子どもたちに、私たち教師は、何をしなければならないのか?「不易と流行」という言葉あって、変えてはいけないこともあるが、常に新しい感覚を持ち続けなければならない。そのための研修でなければならない。研修とは「研究」と「修養」です。
 自分への戒めとして、「昔の名前で出ています」では、もう通用しないと思っています。
 ただし、突拍子もない恰好をしてもいいというものではありません。それは修養を積めば自ずと分かることです。

2023年9月8日金曜日

花だより 自立のモト レンゲショウマ

 


 
お母さんといっしょ」体操のお兄さん 佐藤弘道さんの著書『子どもはぜんぜん、悪くない。』12年間でのべ15万人の子どもたちを見てきて感じたことのなかに、スタジオに子どもが来ても、お母さんから離れず、体操のお兄さんと一緒に遊べない子どもがだんだん増えてきた。以前もそういう子どもは時々あったのですが、いつもではなかった。それが、毎回どころか、3人も、時には5人も見学になってしまうことが出てきたというのです。もちろん、佐藤さんはプロですから、子どもの関心を引いて、お母さんから離れるような技をたくさん持っています。しかしそれをもってしても、どうしても離れられない子どもが増えてきたというのです。
「子どもが親から離れて遊べるのは、いつも親が見ていてくれるという信頼感があるからです。少しでも離れたら、親がどこかに行ってしまうのではないかと思ったら、子どもが親から離れないのは当然です。親子の信頼関係が薄れてきているような気がします。」
 子どもの「生きる力」を育むのは、安心感  
   子どもを自立させるには、どうしたらいいか?
 自立のモトになるのは、意欲です。意欲の元になるのは、安心感です。安心感は、じゅうぶんに甘えて、甘えを受け止めてもらうことで得られます。
 じゅうぶん甘えて、安心感をもらった子どもが、「自分でやりたい」という意欲を持ち、自立に向かってゆくのです。甘えない人が自立するのではなく、甘えた人が自立するのです。甘えていい子ども時代に、じゅうぶん甘えた人が自立するのです。
「8歳くらいまではしっかり甘えさせる。そうしたら、子どもは心の安定したいい子に育つ」という言葉があります。ただし、甘えさせるということは、子どもの言うなり、子どもの言うことをそのまま全て鵜呑みするということではありません。
 高学年になって、子~「今日は、学校に行きたくない。」親~「そうかい、嫌なことがあるのかい?それなら無理しないで休みなさい。」これでは自立心は育ちません。

2023年9月7日木曜日

花だより 子どもの作品を飾る ツルボ

 

 ~子どもの作品を展示する~ ジャン・ダーガッツ 著
 子どもを大切に思っていることを伝える最も効果的な方法の一つは、子どもの作品を大切に扱うことです。たとえば、目立つ場所に作品を展示することです。
 玄関、冷蔵庫の扉、居間の壁など、子どもの作品を展示することで、その作品は重要で価値があり、親がそれを誇りに思っていることが伝わります。
 たいていの場合、子どもにとって自分の作品は自己表現です。したがって、親が子どもの作品を展示すると、子どもは自分が大切にされていると感じます。たとえ作品の意味や善し悪しが分からなくても、作品を展示することで2つの効果があります。
 まず、子どもの表現能力を評価することができます。次に、子どもに別な方法でも自己表現をするよう促すことができます。お母さんやお父さんが気に入ってくれるなら、今度は別のタッチの絵を描いてみよう、詩を書いてみよう、踊りを踊ってみよう」と子どもは思うはずです。
 子どもの作品をどれくらい長く展示しておくかは、子どもがどれくらい生産的かにもよります。もしも古い作品を処分する必要が出てきた場合には、子どもが見ていないところで慎重にしましょう。
 一言、注意をしておきます。子どもが恥ずかしいと思うものは展示してはいけません。子どもの作品を展示することは、「この子は特別な存在であり、この作品を展示することはその証しである。」という、あなたの愛情表現です。それは子どもの自尊心をはぐくむ素晴らしいメッセージになります。

 *私の親は、教育書など読むことはなかったと思いますが、幼稚園頃からずっと私のかいた絵や習字を飾ってくれていました。大した作品でもないのに、お客さんはそれを見て「あら、これヨッちゃんがかいたの?上手ねえ~。」と(お世辞で)言ってくれます。言われると悪い気はしません。母の遺品整理をしていたら私の作品が押し入れの奥から出てきました。
 

2023年9月6日水曜日

花だより 研究協議(生活科の授業反省) ヨルガオ

 

 管内認定こども園教育・保育研究会の研究大会が行われました。研究協議は、遊びを通して学ぶことから、「〇〇ちゃんが、〇〇な動きをしていた、実に可愛いかった…。」とこども園の先生らしい和気藹々とした雰囲気の中で行われます。
 生活科研究大会の助言者を何度かしたことがあります。「たた遊んでいる風にしか見えない。あれで学びはあるのか?」と生活科に対する厳しい目があったことから、研究協議は戦いの場でした。特に生活科研究会の会員の授業反省は、遠慮なく、問題点を指摘しました。
 ある研究大会の生活科の公開授業(「手作りおもちゃ」の発表会)で、缶ぽっくりのコーナーを担当している子が、「おじさんには、この缶ぽっくりがいいよ。ひもは短くても、長くてもダメで、丁度いいのがいいんだよ。」と説明してくれました。また、ゴムてっぽうのコーナーでは、「なかなか的に当たらないよ。3回か5回に1回くらいしか当たらないから、何度も挑戦してみて…。」と言われました。遊びの中から、多くの気づきが生まれ、それを相手にうまく伝えている子がほとんどでした。ところが、紙相撲の子たちは、なんだか浮かない顔。「どれが一番強いの?」と聞いてみました。「う~ん、…。」すると先生がやってきて、「たくさん作ったね。がんばったね。」と声をかけました。よ~く見ると、同じ紙にお相撲さんの形が印刷されていました。一番大事な土俵との接地面が真っすぐではなくガタガタなのです。ハサミの使い方を見ると、先の方だけで切っています。
 授業反省では、ここを指摘しました。環境構成の工夫とか教師の支援とは何か?能力のある子は、教師は、「認める、褒める」だけの支援で生活科の活動は成立するだろう。しかし、紙相撲の子たちには、どんな環境構成や教師の支援が必要だったのか、紙は一種類で良かったのか、薄い紙、厚くて丈夫な紙など、いろいろな材質の紙を用意すべきではなかったのか、ハサミで真っすぐ切るコツをきちんと指導したのか、横綱を決めるために星取表を作って勝敗を記録させるなど、ただ子どもに任せるだけでなく、環境構成の工夫や教師からのきめ細かな支援が必要だったのではないか、そうすればたくさんの気づきが生まれたはず。生活科が認知されるためには、教師の指導技術の向上が欠かせなかったのです。
 ところが、コロナ過で臨休が続き、時数が足りなくなると「生活や総合はやらなくていいから、国語や算数をきちんとやるように…。」という管理職が現れた。まだまだ生活科は、定着していないのかと思ってしまいました。だから、幼小連携は大事なのです。

2023年9月5日火曜日

花だより 夏休みの絵日記 ミョウガ ミニトマト

 

 
///1年生の絵日記から/// 
 “〇〇に行ってきました。楽しかったです。”という絵日記が多い中で、ちょっと違う内容の絵日記を拾ってみました。自分で感じたこと、思ったことを書いてある日記です。絵を見ながら、読んでいるとその場面が浮かんできます。
◇おともだちのいえにとまりました。いっしょにゲームをしたよ。いっしょにカレーをたべたよ。ちょっとからかったけど、おいしかったよ。いっしょにおふろにもはいったよ。いっしょにねたよ。すごくたのしかったよ。
□ほたるを見にいきました。手にのっけたら、ピカピカひかりました。
 すごくきれいでした。とてもよかったです。
◇さっぽろからきたみにかえってきました。おじいちゃんとおばあちゃんとでいきました。
 おかあさんとおとうさんは、おしごとでいっていません。かわいそうでした。
□きょうは、おやすみさいごの日。パパも休みがやっととれたので、ママと3人であばしりの海  
 にいきました。すなとなみでいっぱいあそびました。くま手で貝がらをたくさんとりました。 
◇じいちゃんとやきゅうをしたよ。じいちゃんは、すぐ、「〇〇はすごいなあ。じょうずになっ
 たなあ。」とほめてくれるし、さいごにジュースをかってくれるから、すごくたのしいよ。


2023年9月3日日曜日

花だより 「数学が好き」は、「数学の先生が好き」 ホウセンカ

 

   小学校の時は、算数の成績が良かったのに、どうして下がったの?
「だって、数学の先生、何言っているか、よくわからないんだもん。」
 当町の中学校の今年の学力・学習状況調査は、全国平均並みで、中にはそれを上回る項目もあったことから関係者は安堵しました。しかし、分析した教育委員会の担当者は、「この学年は、小学校の時もよくできた。来年は、あまり期待できない。」と言ったのです。一学年40人くらいの小規模校では、よくあることでその学年によって差があり、その学校の学力が高いとか低いとかは一概に言えないのです。
 学習状況調査の質問項目に、「あなたは数学が好きですか?」という問いに、好きと答えた割合が高いと点数も高い。これは当然のことです。しかし、「数学という教科が好き」ではなく、「数学の先生が好き」という評価にもつながります。その先生が好きだとうことは、授業が楽しい、よくわかる、ということです。
 勉強のできる子、頭のいい子は、どんな先生でも成績はいい。教科書を見ただけで分かるのです。先生を必要とする子は、何かで躓いている子です。わり算のできない子がいます。そんな子にわり算のやり方を必死に教えてもできません。良い先生は、どうしてできないのか、かけ算九九がまだしっかり覚えていないのか、繰り下がりのひき算が不完全なのか、その原因を探ります。
 学力・学習状況調査の結果を先生一人一人がしっかり受け止めてほしいものです。

2023年9月2日土曜日

花だより 1週間であなたは変わる ミズアオイ

 


 相手を変えることは難しいことですが、自分を変えることはできるかもしれません。自分が変われば、相手も変わるかもしれません。
 《1週間であなたは変わる!》
 月~10分間自分の時間をつくる。
 火~笑顔をつくる練習をする。
 水~ご飯をゆっくり食べる。
 木~しかめっ面をなくす練習をする。
 金~10分間物思いにふける。 
 土~家族に愛情のある言葉をかける。
 日~ゆっくり休む。趣味を楽しむ。
 ストレスは、人間社会の中では、必ず生じるものです。それをどう溜めないでリフレッシュするか、その術を身に付けることが大切です。
 PHPの本に書いてありました。また、ストレス発散法として
 《手軽にできるストレス発散法》
 1 こまめにストレッチをする
 2 甘いものを食べる
 3 ぐっすり寝る
 4 太陽の下で体を動かす
 5 親しい人と話してたくさん笑う
 6 趣味に没頭して日常を忘れる
 7 ストレス発散だとお酒を飲み過ぎない
 8 つらい状態が続くようなら心療内科にかかる
  現役時代に「俺のストレス発散は、休みの日のパチンコだ!」と言っていた校長先生がいました。それが今は「パチンコは、俺の毎日の日課だ!」