管内認定こども園教育・保育研究会の研究大会が行われました。研究協議は、遊びを通して学ぶことから、「〇〇ちゃんが、〇〇な動きをしていた、実に可愛いかった…。」とこども園の先生らしい和気藹々とした雰囲気の中で行われます。
生活科研究大会の助言者を何度かしたことがあります。「たた遊んでいる風にしか見えない。あれで学びはあるのか?」と生活科に対する厳しい目があったことから、研究協議は戦いの場でした。特に生活科研究会の会員の授業反省は、遠慮なく、問題点を指摘しました。
ある研究大会の生活科の公開授業(「手作りおもちゃ」の発表会)で、缶ぽっくりのコーナーを担当している子が、「おじさんには、この缶ぽっくりがいいよ。ひもは短くても、長くてもダメで、丁度いいのがいいんだよ。」と説明してくれました。また、ゴムてっぽうのコーナーでは、「なかなか的に当たらないよ。3回か5回に1回くらいしか当たらないから、何度も挑戦してみて…。」と言われました。遊びの中から、多くの気づきが生まれ、それを相手にうまく伝えている子がほとんどでした。ところが、紙相撲の子たちは、なんだか浮かない顔。「どれが一番強いの?」と聞いてみました。「う~ん、…。」すると先生がやってきて、「たくさん作ったね。がんばったね。」と声をかけました。よ~く見ると、同じ紙にお相撲さんの形が印刷されていました。一番大事な土俵との接地面が真っすぐではなくガタガタなのです。ハサミの使い方を見ると、先の方だけで切っています。
授業反省では、ここを指摘しました。環境構成の工夫とか教師の支援とは何か?能力のある子は、教師は、「認める、褒める」だけの支援で生活科の活動は成立するだろう。しかし、紙相撲の子たちには、どんな環境構成や教師の支援が必要だったのか、紙は一種類で良かったのか、薄い紙、厚くて丈夫な紙など、いろいろな材質の紙を用意すべきではなかったのか、ハサミで真っすぐ切るコツをきちんと指導したのか、横綱を決めるために星取表を作って勝敗を記録させるなど、ただ子どもに任せるだけでなく、環境構成の工夫や教師からのきめ細かな支援が必要だったのではないか、そうすればたくさんの気づきが生まれたはず。生活科が認知されるためには、教師の指導技術の向上が欠かせなかったのです。
ところが、コロナ過で臨休が続き、時数が足りなくなると「生活や総合はやらなくていいから、国語や算数をきちんとやるように…。」という管理職が現れた。まだまだ生活科は、定着していないのかと思ってしまいました。だから、幼小連携は大事なのです。
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