《ハンコレス》
出張で道教委に行った時、旅費の領収書にハンコを押すのに朱肉がなく、若い職員に「朱肉を貸してもらえますか?」と頼むと「朱肉ですか?」と探し始めたのです。
明治初め、政府内にはハンコかサインかで論争があった。当時は字を書けない国民が多かったことからハンコが採用されたという。この決定がやがて経済活動にも浸透し、日本のハンコ万能主義を形作っていったと、新関欽哉『ハンコの文化史』(PHP研究所)にある。ただし明治政府内では、サインと併用しながら、字を書ける人が増えるのを待つべしとする考えもあった。
明治初め、政府内にはハンコかサインかで論争があった。当時は字を書けない国民が多かったことからハンコが採用されたという。この決定がやがて経済活動にも浸透し、日本のハンコ万能主義を形作っていったと、新関欽哉『ハンコの文化史』(PHP研究所)にある。ただし明治政府内では、サインと併用しながら、字を書ける人が増えるのを待つべしとする考えもあった。
河野氏が行政・規制改革相時代に、全省庁に行政手続きで押印を使用しないように要請した。廃止できない場合は、理由を明示するように求めた。1世紀半を経て論争が再開したといえる。
生きている間に人は何回ハンコを押すだろうか。恐らく気の遠くなるくらいな数に違いない。といいつつ、小欄は初めて作った実印を社会人になった証のように思えて、今も愛着を持っている。しかし、デジタル時代に社会全体が対応するには、まだまだ時間がかかりそうだ。
川柳欄に次の句を見かけた。“キャッシュレス 通帳レスに ハンコレス”(小寺道子)。新しい生活様式に「3レス」が加わることを覚悟しなければならない。
夏季休暇を取って休んだ次の日、決裁文書にハンコを押す量が半端なかった。内容によっては20ものハンコの乱れうち状態だった。しかし、役場職員は、それが当たり前でそれほど不便さを感じていない? 地方にまでハンコレスが浸透するには、時間がかかりそうだが、ハンコレスでシステム改革、意識改革を加速することを期待したい。
わくわく園の1歳児さん
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