~学ぶ姿勢を子どもに示す 研修(研究と修養)の大切さ~
教員の誇りと責任(免許更新時講習)
元北海道教育大学教授 村瀬千樫氏の講演から
教員免許更新制が平成21年から導入され、免許状の更新申請には「免許状更新講習」はが必須になりました。充実した更新講習を提供するために道内の6国立大学が連携して設立した教員免許状更新講習実施事務センターのコーディネーターとして、国、道教委、他大学などとの連携・調整等に携わってきました。
実施当初は、制度そのものに反対する教員、費用の面だけを問題にする教員、プロとして学ぶ謙虚さに欠ける教員などが多かったせいか、とげとげしい雰囲気が感じられました。ところが最近のアンケートでは、「退職まであと数年だが、教職の原点を振り返り、残りの教員生活を前向きに捉えるきっかけになった。」とか、「講習が問題解決のヒントになり、これからの教職生活の励みになった。」などという前向きな感想が増え、受講者は自ら学びたいという姿勢で来るようになりました。
一方、受講者の一部には、服装、言葉遣い、時間に対するルーズさ、発言内容など、教員としての資質が疑われる言動もあるが、こうした一部の受講者に対して「同じ教員として恥ずかしい」などと厳しく批判する教員が多くいて、一抹の安堵を覚えました。
専門的力量を高め、人間性、社会性を磨くための研鑽は、教員としての最低限の誇りと責任だと思います。教師に対する厳しい目があることを自覚しなければなりません。
私は、免許状更新講習の選択必修「国の教育の動向」(会場:北見工大)講座の講師を務めました。受講生は10数名くらいの少人数でした。私の講座には、幸いにも批判的な教員はいませんでしたが、いくら長期休業中とはいえ、受講する教員は大変です。特に女性教員は、子どもを預け、家事は旦那に任せ、それにお金もかかります。ですから、講座を担当する側も、現役時代以上に、教育関連記事に目を通し、慣れないパワーポイントで資料作りをしました。
免許更新時講習が働き改革と相まって廃止されました。安堵した教員が多くいたと思います。しかし、その代わりに研修履歴を作成することになり、研修を重ねるための指導が管理職に求められました。さらに教頭先生の仕事が増えることになりました。教員に「研修の自由」はありません。信頼されていないのです。
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