国産ジェット旅客機「スペースジェット」なぜ失敗したか?
スペースジェットを巡っては、経済産業省が主導で、日本人による、日本のための1兆円を費やした国策だった。過去にはO戦を作った国である。日本の高い科学技術からして、それほど難しいことではないと高をくくっていたのではないか?
三菱航空機 元社長 川井昭陽氏
「日本はもう長い間、民間機をつくっていない。、分かっている人が誰もいない」
「型式証明」が壁に
今回の最大の壁は、安全基準などを満たしていることを証明する「型式証明」の取得でした。製造する日本と納入先の国で必ず取得が必要ですが、携わった経験のある人材が不足していた。
“飛ぶ飛行機”をつくるのはやさしい。しかし、“安全ということが証明できた飛行機”をつくるのは、すごく難しい話。型式証明については、みんな素人集団であったと言わざるを得ない。
どう人を育てるかというところで準備が足らなかった。開発は継続させるべきだった。本当に「継続は力である」やめてしまえば何もなくなる。だから小さくてもいいから開発をずっと続けるべきだ。その核となる人間はずっと長い間かけて育てていく。そっちのほうに希望を見いだしたい。
“学ぶ姿勢”が欠如していた
危機感を覚え、型式証明の取得の実績がある外国人技術者を招いた。しかし日本の技術者たちには、謙虚に学ぶ姿勢が欠けていたという。
「その当時の日本の技術者たちは『俺たちは飛行機を知っているんだ』とプライドが高かった。外国人技術者は世界のトップレベルだった。しかし、彼らが言っても『年寄りが何を言っとるんだ』となった。変なプライドがあった。
「開発を継続させること。やめれば何もなくなる」
結局、開発陣は型式証明の壁を崩せず、プロジェクトは終わりを迎えた。今回の事業撤退は、長年、人材育成をおろそかにしてきた結果だ。プロジェクトの経験と教訓を生かすために、航空機産業などで開発を続けていくべきだ。
日本の科学技術は、もう世界トップレベルではない。自動車も家電もスマホも中国や韓国に後れをとっている。日本人が謙虚さを失えばこうなる。
千歳にできる半導体工場「ラピダス」は、世界最高水準を目指すというが、スペースジェットの二の舞にならないことを願う。
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