~平成12年の作品~
【平成20年度 斜里町立朝日小学校 校長室便り(進化)より】
~全教科・領域等で体験を通じて「言葉の力」を育てる~
新しい学習指導要領で注目されているのは、教育内容に関する改善事項として、「言語活動の充実」が盛り込まれていることです。
「言語活動の充実」は、「言葉の力を育てる活動の充実」と言い換えた方がわかりやすいかもしれません。
私たちが生きる21世紀社会は、環境問題をはじめとしたさまざまな問題が山積みとなっています。そうした社会で大切なことは、論理的な思考や感性を働かせながら問題解決の方策を探り、自分の考えを自分の言葉で表現する能力です。PISAでも読解力を「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」と定義しています。自己実現や社会参加のための重要な道具として、言語を活用できる能力を獲得することが不可欠となるわけです。ですから、今回の学習指導要領の改訂で「言語活動の充実」が盛り込まれたことは、非常に意味のあることだと思います。
新学習指導要領では、「言語活動の充実」を全教科・領域等で展開する。としています。「言語活動」というと一般的には「国語科での行うべきもの」と考えがちです。しかし、低学年では、生活科こそ地域の人とのかかわりや自然観察などの体験を通して、「言葉の力」を伸ばす絶好の教科です。同じようなことが他の教科でも言えます。もちろん、「言葉の力」を育てる上で軸になるのは国語科です。しかし、「言葉の力」は単に言葉を学べば身に付くものではありません。国語科の学びが、「言葉を通して言葉の力を育成」であるのに対して、他教科・領域の学びは「体験を通した言葉の力の育成」であり、「言葉の力の育成」においては、その両方が重要です。「言語活動の充実」において全教科・領域等で取り組むことには、そうした意味があるのです。
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