~平成12年の作品~
【平成21年度 網走市立潮見小学校(校長室花だより)から】
命を下す (「PHP」 松下幸之助)
自分がこうしたいと思うことを人に命じて、その命のままに自在に人が動くということは、事を運ぶうえにおいて、きわめて大事なことではあるけれど、命になれて、いつのまにか命がなければ人が動かないということになっては、これは大変である。こんな硬直した姿では、進歩も発展も生まれないであろう。
たとえ命令がなくても、以心伝心、命ずる人の意を汲んで、それぞれの人が適時適確にすすんで事を運んでゆく~こういう柔軟な姿のなかにこそ、かぎりない発展性が生まれてくる。
そのためには、命を下す前に、まず人の言うことに耳を傾けることである。まず聞くことである。聞いた上で問うことである。そして、そこに我が思い異なるところがあれば、その気づかざる点を気づかしめ、思い至らざる点の理非を説く。そうした納得の上に立って、断固、命を下さねばならない。命を受ける人に納得があるということは、その人の知恵がそれだけ高まったということである。わけのわからぬままに命に従わせていたのでは硬直する。
命を下すということは、ほんとうにそんな容易なことではないのである。
校長として、教職員の言葉に耳を傾けているか?
教師として、子どもの話を聞いていますか、子どもの思いを尊重していますか?
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