~平成12年の作品~
【平成24年度 北見市立北小学校 学校だよりから】
学習塾の新聞チラシ
“北海道の再生は?日本の子どもたち、特に北海道の子どもたちの学力が低下しています。”
という大手学習塾のチラシに目が止まりました。
学ぶ内容や量を削減・削除し続け、質までも下げ続けたゆとり教育が日本の子どもたちの学力低下を招いたのは必然の結果です。さらに日本の子どもたちの理数離れが浮き彫りにされたことは科学立国日本にとって危機感を募らせています。かつては世界トップレベルを誇っていた日本の学力でしたがOECDの国際学習到達調査で理数系はトップクラスから大きく転落。科学への関心も低く、読解力も上位の国から大きく差がつけられてきています。ゆとり教育は日本の子どもたちの学力低下を招きましたが、公教育主体の北海道では特にゆとりの影響は大きく、昨年度の全国学力テストでは47都道府県中小6は最下位、中3も43位と最低レベルが続いています。ここにきてやっと国全体で「脱ゆとり」の動きをとってきていますが、今日まで北海道はゆとりが蔓延してきただけに、子どもたちや親の気持ちの中にも「ゆとり意識」の解消が求められています。
日本は豊かさからおごりが生まれ、教育の質とレベルを下げて発展成長を止めました。
未曾有の大震災に襲われた今の日本は、まさしく敗戦から復興へと立ち向かった当時の状況と重なります。ただここに違いがあるとしたら、「人」をつくる礎となる教育の質とレベルの差ではないでしょうか。日本の誰もが教育から培われた勤勉さで復興へと一丸となって進みました。しかし今は物にあふれ、豊かさからいつしかおごりが生まれ、仕事や勉強に対しても「ゆとり」を求めてきた日本人だけに、ここで今一度「人の力」の再生が求められています。この国の再生は人の力によってこそ成され、その人の力は教育を土台として養われていきます。今こそ20年、30年先を見据え考えていかなければなりません。次代を担いこの国の未来を託す子どもたちだからこそ、私たちは本当の教育で導いてあげたいと願っています。
義務教育関係者が「この通り」だとは言えませんが、これを読むと「学校教育だけに頼ってはいられない。学習塾に通わせようか」と保護者が思うのもうなづけます。すごく説得力のある文章です。学習塾がこうしたPR活動をしているのであれば、学校教育も負けずに自校の教育内容をもっと宣伝しなければならないと思いました。
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