2018年4月10日火曜日

花だより ヤマザクラ やさしい異動


 年度はじめにこれだけはやっておきたい
  「やさしい異動」 ~異動してきた教員にどう対応するか~
 この4月、期待と不安を胸に多くの先生が異動しました。異動してきた先生方の不安を取り除くために、受け入れる側は具体的に何をすればいいのか考えてみました。
 市町村が違うところへ異動すると、大げさに言うと「国」が違うくらい「文化」が違います。その「文化」を上手に扱えないと、手痛い失敗をしてしまいます。逆に「文化」を踏まえると、新しいものを開花させるきっかにもなります。異動は「最大の研修だ!」と比喩的に表現される所以です。
 ≪半分くらいの実力しか出せない≫
 ある学校に5年いたら、5年分の経験値を得ます。具体的には、地域的な特性や子どもの気質等も分かります。ですから、2年目が始まると少しゆとりを感じます。1年目の先生にはそれがないので、持っている実力を100%出すことができません。多く見積もっても50%くらいだと思うことが、異動の先生と受け入れる先生の両方に必要な視点です。
 異動には、「なれる→なじむ→とけこむ」というプロセスがあるので、「1年目は様子見」という言葉がよく使われます。しかし、今の時代は何でもスピードが求められます。“1年目だから学級崩壊してもいい!”なんてことはあり得ません。だからこそ、異動した先生がスムーズに「なれる」ために、受け入れる側の努力が必要となります。学校現場には、多くの失敗を見えない形でフォローするやさしい土壌があると信じます。
 ≪異動者へのやさしい対応≫
①どこにある?
 転勤してまず戸惑うのは、どこに何があるか。教材教具を使おうとしたとき、鍵に阻まれてしまい余計な時間を費やすことがあります。鍵がどこに保管されて、誰が管理しているか、普段使う教材などがどこにあるか、繰り返し、伝えてあげることが異動してきた先生の救いになります。
②ごみに関するetcetera
 ごみの捨て方には、不思議と人間性が出るものです。異動当初は、捨てるものが多く、どこに捨てればよいか、また、市町村で捨て方のルールが違って戸惑うものです。
早めに一緒に行って伝えてあげると親切です。
③あいまいな線引き
 年度当初に生徒指導の取り決めについて、生徒指導主任から、うちの学校では、こんな風にやっています等の説明があります。しかし、実際に子どもを目の前にしての対応は別物です。時に前任校の基準が邪魔して、間違った対応をすると、その問題が尾を引き、長引くことがあります。「もし、生徒指導の基準で困ったことがあったら、遠慮なく何回も聞いてください。」と伝えておくことが大事です。
④「いいね」の総量
 Facebookの「いいね」やtwitterの「?」が、これでもかとあふれています。異動したては、その学校でのうまくいったことの総数が少ないので、どうしても自信が簡単に持てません。だからこそ、異動してきた先生のgood Jobには、すかさず「いいね」を伝えることです。例えば、机上の整理整頓であったり、教室掲示の方法や学級通信の文章だったり、その先生の良さが出た瞬間に「いいね」を伝えます。これは年齢を問わずシンプルで効果的な方法です。子どもだって、大人だって自信の量は「いいね」の量に比例します。
 ≪悪魔の言葉を言わない≫
 異動してきた先生から、「前の学校では…」、「以前の町では…」という言葉が登場することがあります。この悪魔の言葉に取り憑かれると持っている力をすぐに発揮できなかったり、意図的に発揮しなかったりする弊害が大きくなります。これを注意するのは年配の先生の務めです。
 働き方改革が実行されようとしていますが、まだまだ激務が続く職場です。不安を抱えて異動してきた先生には「やさしく」対応できる職場でありたいものです。
春を告げるフキノトウ 端野 スキー場近く 4月9日

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