【教員の多忙と生徒指導】
生徒指導の基本は、児童生徒理解と言われます。「子どもに寄り添う」「同じ目線に立つ」などとよく聞きますが、若い先生の中には、関わり方がよくわからないといった悩みを抱えています。また、ベテランでも昔にはなかった問題行動やトラブルに戸惑う方が多いと聞きます。子どもをとりまく環境がめまぐるしく変わる中で、どのように子どもたちとかかわっていけばいいか不断の研修が求められています。
しかし、いじめ防止対策が進展しない学校が存在する理由や現状について、「教職員の日常業務は膨大であり、いじめ対策組織への報告や参集して対応を検討する余裕がない。」と分析しています。(2016年11月 いじめ防止対策協議会「施行状況に関する議論のまとめ」)
■「先生は多忙」と聞くが、何がどのように忙しいのか?
この質問に「学習指導要領のとおりに教えればよい。」「複数のクラスで教えるときは、同じことを繰り返せばよい。」「先生は、赤本を見ながら授業している。」と言った言葉が続き、教員の多忙は、なかなか世間に理解されていません。
教員はいつでもスイッチ・オン
教育委員会事務局に勤務する教員の多くは、教育行政に関わる事務量の多さと多様な“忖度”に頭を痛めています。「学校に戻りたい。」という声をよく聞きます。しかし、事務量の多さに辟易している彼らも「退勤後や土日は業務から解放される。学校はそうはいかないから、その点はよい。」などと続けます。この「そうはいかない」という点が重要なポイントです。
教員には身体を休める時間はあっても、脳は児童生徒のことで休日であろうと夜間であろうと常に働いています。人間関係を生業とする職業であるだけによくも悪くも学校のことで脳を独占し続け、ストレスとなります。脳が常時フル稼働で、私人でいる時間が少なく、それが極度の多忙感となっているのです。
~ポイント~
① 教員の忙しさの根底には、生徒指導がいつも頭から離れない教員資質にある。
② 各学校では、業務に優先順位をつけ、教員のゆとりを確保する。
「健康は人生の目的ではない。しかし、第一の条件である」
~病気は千もあるが、健康は一つしかない。長生きするために健康でいたいわけではない。まだまだやることがいっぱいあるから健康でいたい。~ (90才若松の翁)
“生徒指導充実の第一の条件は、教員が心身共に健康であること”です。
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