~今の学校は、子どもも教師もストレスでいっぱい~
◇教職員は多くのストレスを抱えている
○児童・生徒のいじめ、不登校、非行などが多発する状況で、教職員は非常にストレスフルな立場におかれている。
○教職員のストレスは、本人の悩みのみならず、ただちに児童・生徒の学習や人格の発達に深刻な影響を及ぼしかねない。
○教職員の精神衛生と児童・生徒の精神衛生は表裏一体である。
◇そもそも、なぜ、学校に行かねばならないのだろうか?
学校に行く理由を、子どもが納得するレベルで明確に答えることは非常に難しい。
●能力や関心も異なる子どもを、大集団にして同じ進み具合で同じ内容を教え込むことに、そもそも不可能性を抱えている。
●近代化を達成した豊かな社会にあって、学校で勉強したところで輝かしい未来が保障されるわけではないと分かれば、無理のある場所に我慢して毎日通う理由が失われる。
●子どもが学校に行く力ではなく、学校の吸引力自体が衰弱している。
●子どもたちを学校につなげ止める力を失いつつある。
*本来学校は、子どもたちにとって楽しくてしょうがないところであるはずなのです。
不登校は、どの子にも起こりえる問題です。その原因は多様化し、様々な要因が複雑に絡み合っています。残念ながら、明確な対処法はありません。
◎応援者(親や教師)の基本姿勢
①姿勢・態度 ○向き合う ○ともに悩み、考える ○寄り添う
それは決して、子どもの言うことを鵜呑みにして、子どもと同じ目線、子どもと同レベルではなく、大人として客観的に判断し、サポート(支援)することです。
②最終的な決定権(拒否権)を保障する。
○決めたことについては途中で投げ出さす、最後まで自分で請け負っていく、そのためのサポートをする。
◎応援者としての心得
①「認める」 ○応援者としてできることはそう多くないことを認める。
○解決するのではなく、解決に寄り添う。 ○凛として対応し、細かな出来事に振り回されない。
②「信じる」 ○本人の持っている力を信じる、回復を信じる。 ○目に見える形での成果をあまり早急に求めない。
③「任せる」 ○ある程度時間に任せる。ただし、何もしないで放任すると悪化の一途をたどる。
◎応援者として具体的にできること
①困っている人の話を聞く。
ただし、自分の負担にならない程度に、「わかってやれるのは、自分だけだ」とは思わないこと
②中立的な立場を守る。
③情報を共有する。 家庭・学校・その他医療機関などとの報告・連絡・相談の共有化を図る。
メンタルヘルス 心の健康 遊ぶことが大切
体が疲れてくると、風邪をひきやすくなったり、胃腸がうまく働かなくなったりします。それは「少し休みなさい」というサインです。そういうときは、仕事を早く切り上げて、薬を飲んだり、医者に診てもらって回復を図ります。しかし、心の疲れはどうでしょうか?体のようにすぐサインが現れないので、多少調子が悪くても無理に頑張ってしまいます。大人であればストレス解消に、パチンコをしたり、お酒を飲んだり、釣りに出かけたり、それぞれがストレス解消法を持っています。しかし、子どもはそれを知りません。自分ではどうすることもできず、それが問題行動として現れてきます。
「みんな なかよし」小学校の教室によく掲示してある言葉です。しかし、これほど難しいことはありません。“いじめのある学級”と“まったくいじめのない学級”の子どものストレスは、“いじめのない学級”の方が強いと言われています。子どものストレス発散は、わがままな行動や自己中心的な行動として現れるのが特徴です。いじめているという意識がないままに、ある一定の子どもに攻撃的になったり、また、必要以上に親に甘えたりするのです。“いじめのない学級”には、先生や親の言うことをよく聞く、お利口さんが多いのです。
お利口さんほどストレスが多い 高学年になるとお母さんにべったりくっついて甘えることもできない。友だちのいやがることをしてはいけない。先生の言うことは、きちんと聞かなければならない。親の期待に応えなければならない。いつも良い子でなければならない。と思えば思うほど子どもにストレスは、たまってきます。本来子どもは、休み時間汗びっしょりになって遊んだり、家に帰っても暗くなるまで外で遊んで、兄弟げんかをしたりしてストレスを発散するものなのです。
ストレスコントロール(ストレスを生かす) 医学博士 中 島 一 憲
ストレスコントロールとは、お酒を飲んだりしてストレスから逃げることではありません。人生をより充実させて生きていくために、ストレスを自分が成長するための糧として主体的に取り入れていく姿勢が大切です。ストレスと上手に向き合い、ストレスへの耐性を強化しながら、さらに上のレベルを目指していくことがストレスコントロールです。苦労を乗り越えた収穫ほど、人間的に成長させ、深みを増していきます。ストレス発散で他人に迷惑をかけてはいけない。ストレスのない快適な環境をつくる努力をするより、ストレスに耐える心を育てることが大切なのです。
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