2020年2月29日土曜日

花だより 省益を忘れ 国益を思え(後藤田訓)フリージア 


 安倍総理の新型コロナウィルスの対応発言で右往左往しています。
 思い出すのは、田中角栄が惚れ込み、中曽根康弘が頼った「カミソリ後藤田」と呼ばれた最高の補佐官後藤田正晴元内閣官房長官です。
  『後藤田訓』
1 省益を忘れ 国益を思え
2 悪い本当の事実を報告せよ
3 勇気を以て意見具申せよ
4 自分の仕事ではないと言う勿れ
5 決定が下ったら従い 命令を実行せよ
 今、このことが改めて必要なのではないでしょうか?
 これを学校に当てはめれば
・子どものことを第一に考える
・これを言うと誰かが傷つくとか躊躇しないで、事実だけ報告せよ
・自分の仕事(校務分掌・学級)のことではないと言い逃れをしない
・議論は十分するが、決定したら一丸となって実行する


2020年2月28日金曜日

花だより 保護者の率直な声 クロッカス

  ◇◇◇保護者の率直な声◇◇◇ 保護者への説明責任を果たす
  *あの先生が担任になってくれたら・・・
  *〇〇先生がよかった。
  *〇〇先生が言うのだから、だいじょうぶ あの先生のお陰でうちの子は
  *〇〇先生は、厳しかったけれども、いつも私たちのことを考えてくれていた。
 「教育は人なり」といって教師個人の資質によるところが大きいものです。それと保護者と教師との信頼関係が大切なことも言うまでもありません。信頼関係を築くためには、まずコミュニケーションが大切です。互いのことを知らないと信頼関係は築けません。
 “開かれた学校”“学校の説明責任”を果たすと言いながら、なかなかそれができていないことに気が付きます。
 学校で当たり前のことでも、保護者にとっては分からないことがたくさんあります。
  公開研究会に対する保護者の疑問
    ◇どうして2時間授業になるのか?
    ◇どうして1時間授業の学級と2時間の学級があるのか?
    ◇どうして自習になるのか?
    ◇2時間授業が終わって、子供たちが帰った後、先生方は何をするのか?
 学校では、当たり前のように研究会(朝日小学校では、では「教育実践発表会」と呼ぶ)の日程を組んで通信でお知らせしますが、学校として十分な説明をしていないことに気づきました。今回とてもありがたい指摘をしていただいたと感謝しています。
 教員の大切な仕事として“研修”があります。研修は、教師としての指導力の向上を目指すためのものです。医者であれば、日々進化する先端医療を学ぶため医学会に参加するように、教師も指導力の向上を目指し、研究会や研修会に参加しています。
 朝日小学校では、毎年研究会を開催しています。今年は「国語の書く力」の向上を目指し研究を深めてきました。公開研究会は、その成果を発表する場です。管内の先生方を招き、授業を見てもらい、研究内容について討議をすることになっています。
 私も何度も研究授業を行いました。何ヶ月も前から、指導案という計画書を作り、何度も何度も先生方と検討します。若いときは、先輩の先生から「何だ!この指導案は?」とダメ出しをされたり、授業後の研究協議でも厳しく批判され、悔し涙を流したこともありました。研究会は、教師として試練の場であり、自分を高める勉強の場なのです。
 本来は5時間授業のところ3時間カット、またはその学年によっては4時間カットになりますが、大切な授業をカットした分、先生方の指導力が高まり、次の日からの授業に生かされるということでご理解をいただきたいと思います。自習になることもありますが、その場合の配慮はしっかりします。
 どうも学校は、自分勝手なところがあります。信頼関係は、お互いに知ることから始まります。疑問がありましたら遠慮なく聞いて下さい。また、そのための情報発信に努めていきたいと思っています。
*教員は“教育公務員特例法”で研修の機会が保障されています。
○教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。(21条の1)
○任命権者は、教育公務員の研修について、それに要する施設、研修を奨励するための方途、その他研修に関する計画を樹立し、その実施に努めなければならない。(21条の2)
○教育公務員には、研修を受ける機会を与えられなければならない。(22条)

2020年2月27日木曜日

花だより ちやほやされると俳優の芸は落ちる アズマイチゲ


“ちやほやされると俳優の芸は落ちる” 
 劇作家の菊田一夫に戒めの小唄があります。「役者殺すにゃ刃物は要らぬ、ものの三度もほめりゃいい」ちやほやされた人には自衛のために何をすればいいか。芸能と別の世界では、ある天才が対処法を語っています。物理学者のアインシュタインは、「称讃による堕落から逃れる方法はただ一つ。仕事を続けることである。地道に仕事をせよ。」「ノーベル賞は、私にとって過去になった。純金製のメダルは大切に保管し、もう見ることはないと思う。」また、山中教授は「これからは一科学者としてすべきことを粛々とやりたい。」と語っています。
“実るほど頭が下がる稲穂かな”という言葉があります。偉くなると勘違いする人がいますが、本当に偉い人は、自分を戒めることを知っています。
 「きれいな花が咲きました。見えない根っこのおかげです」
 お寺の掲示板に書かれてあった言葉です。普段、車で通るので掲示板があることすら知りませんでした。遠足で歩いて初めて知りました。「見えない根っこ」とは、辛い厳しい練習や普段の行いのことを言うのかな。と思いました。遠足の次の日、足が張って痛いのは、普段車ばかり乗って、学校では校長室でパソコンに向かい、運動していないせいだ。「きれいな花が咲きました。見えない根っこのおかげです」の意味がよ~く分かりました。   
          

2020年2月26日水曜日

花だより 子ども部屋を考える 寒緋桜

 子供部屋を与えるときには、そのルールも与えよう
 子供部屋の問題がいろいろ出てきています。
 スマホの携帯率が上がったことで、子供が部屋に閉じこもると、親の注意が行き届かなくなり、親との会話が減っています。また、子供部屋が犯罪の場になってしまう例もあります。
 子供部屋を子供の成長に役立つようにするには、スマホと同じでルールが必要です。居間に顔を出してから部屋に入る。子供部屋に鍵をかけない。友人が来たら部屋に入る前に親に紹介する。親はその責任として必要なときに子供の部屋に入るなど、子供の様子をしっかり把握できるように各家庭で子供部屋をルールづくりをすることが必要です。
小学生は、居間で勉強させる。友だちが来ても居間で遊ぶ。ゲームも居間でさせることをすすめます。
 モデルハウス 
 「モデルハウス公開中」のノボリに誘われ辿っていくと大きくて立派な「〇〇ホーム」のモデルハウスがありました。興味本位でおしゃれな玄関ドアを開けてみました。
 広々としたリビングには、豪華な応接セットと50インチの4Kテレビ、セントラル暖房で全室に温風が送られて家中がポッカポカ。IHヒーターと食洗機付のシステムキッチン、こんなキッチンなら料理のし甲斐もある。バスルームも手足をゆっくり伸ばして入れる。きれいなトイレは自動でふたが開く。「参考までにお値段は?」と聞く「土地の値段も含めて??千万円です。近々お考えですか?」と聞かれたので「いいえ、失礼しました。」と言って帰ってきました。一時リッチな気分を味わって帰ってきました。

2020年2月25日火曜日

花だより 日本人のマナーは悪くなった? 白梅 


日本人のマナーは悪くなったと思いますか?
 思う=73%  思わない=20%  わからない=7% (読売新聞調べ)
1 家庭でのしつけに問題があるから
2 大人がマナーを守らなくなっているから
3 周りの大人が子供に注意しなくなっているから
4 他人の気持ちを考えない人が増えているから
5 他人の振る舞いに無関な人が増えているから
6 社会の一員としての自覚に欠ける人が増えている
7 学校での教育に問題があるから
8 羞恥心がなくなっているから
  *その中で「自分に問題はない」が70%(?)
  江戸しぐさ
 常に人を思いやれ お互いに尊重し合い、気持ちよく生きるための生活哲学は、すでに江戸時代にありました。外国人に日本人の印象は?と聞くと「礼儀正しい」と回答するそうです。今の日本人は本当にそうでしょうか?
◎傘かしげ~雨のしずくがかからないように、傘をかしげあって気配りして往来するしぐさ。
◎肩引き~狭い道ですれ違うとき、肩を引き合って胸と胸を合わせる格好で通り過ぎるしぐさ。
◎こぶし腰浮かせ~乗合い船で腰の両側にこぶしをついて軽く腰を浮かせ、少しずつ幅を詰めながら1人分の空間を作るしぐさ。
◎会釈のまなざし~他人に対してさりげなく目で挨拶する。など
 「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」
 江戸時代の子供の段階的養育法~3歳までに人間としての心の糸をしっかり張る。6歳までにしつけを手取り足取りまねさせる。9歳までに人前でお世辞の一つも言えるくらいの挨拶が出来るようにする。12歳には一家の主の代書が出来るようにする。15歳で森羅万象が実感として理解出来るようにする。 
 子供は大人を見て育つのです。大人がまず手本を示さなければなりません。想像力を働かせ相手を思いやり、実行に移す人が増えれば、潤いのある社会が戻るはずです。

2020年2月24日月曜日

花だより 子どもに我慢を覚えさせる 黄梅

子どもの言うことを何でも聞くことが親のやさしさとは限らない
  ~子どもに我慢を覚えさせる~                    
 安易にモノを買い与え過ぎると、子どもは欲しいモノを手に入れるために努力したり、我慢したり、工夫したりすることができなくなります。そして、やたらとモノを欲しがり、自分の気持ちを抑えられなくなってしまいます。
 ブランド品や携帯電話など、友だちも持っているからなどといった理由で安易に買い与えない。欲しいと言ったら、なぜそれが必要なのか親子でよく話し合うことです。
 子どものためを思うのなら、お金より心や愛情を使い、親子の関係を深めることです。
 欲しいものが手に入らないと暴れたり、学校を休んだりするので、ついつい買い与えてしまう。母子家庭で淋しい思いをさせているので、ゲーム機やゲームソフトを買い与え、ゲームもさせ放題、気が付いたら、昼夜逆転の生活、不登校、ゲーム依存症、そうなってしまってからでは遅いのです。そんな子(親)が増えています。

2020年2月23日日曜日

花だより 子どもが教師に求める「けじめ」 白寒菊

 子どもが教師に求める「けじめ」
《1:授業の終了時間のけじめ》
 何時に登校してもよい。好きな時間に食事をしてもよい。授業に遅れてきても、途中で退席してもよい…。こうなると学校は機能しなくなるので、教師は、生徒に厳しく時間厳守を指導します。
 一方、教師の時間厳守はどうなっているでしょうか?
 子どもからの不平不満の一番は、終了時刻が過ぎても授業が終わらないことです。自由に過ごせるわずかな休み時間を奪われるからです。
《2:職員室での飲食に「けじめ」を!》
 学校で子どもたちは、勝手にお菓子を食べたり、ジュースを飲んだりすることはできません。
遠足で子どもたちが浮かれるのは、学校生活の中で自由におやつを食べられるという非日常体験ができるからです。
 ところで教師は?食委員室でお菓子を食べたり、コーヒーを飲んだりしている学校も多いはずです。飲食をすべて禁止すべきだとは言いませんが、休み時間や放課後など、子どもたちが職員室を出入りする時間帯だけでも控えるよう、職員間で決めるべきではないでしょうか。
《3:言葉遣いに「けじめ」!》
 子どもが教師に「ため口」をきき、ぞんざいな言葉で話しかけてきたら、教師は言い直させるはずです。しかし、逆に、子どもに対する教師の言葉遣いが問われるケースは稀です。
「来い!」「急げ!」「この野郎」「バカ」…など、聞くに堪えない言葉遣いをする教師を見たことがあります。こうした教師は例外でしょうが、子どもや保護者は「丁寧な優しい言葉で話してほしい」と言葉遣いの「けじめ」を求めるものです。
《4:机上の整理・整頓に「けじめ」を!》
 「机の中やロッカーを整理・整頓しろ!と先生は注意するが、職員室の机は書類や本が散らかっている」と子どもの声を聞いたことがあります。整理・整頓の「けじめ」が求められています。
《5:教師の服装にも「けじめ」を!》
 「ズボンを下げて『腰パン』にしたり、靴のかかとを踏みつけたりすると注意される。Tシャツ短パンで授業する先生もいるのに」子どもからこうした「服装のけじめを求める」意見を聞いたこともあります。
 こうして列挙すると、子どもが教師に求める「けじめ」は、「自分たちに求めるけじめを、先生たちも守ってほしい」という素朴な要求のように見えます。
 子どもの声を素直に聞いて、自分の言動を振り返り、良くない点は改める。こんな教師の姿勢こそ、生徒指導の第一歩だと思います。

2020年2月22日土曜日

花だより 保護者対応は慎重に ミツマタ

 ~失敗から学ぶ~ 保護者対応は慎重に
 最近の校長の業務で一番気を遣うのは、「保護者対応」ではないだろうか。日頃から保護者との相互理解を深め、クライシス・マネジメントの発動に陥らないように努力すべきことは言うまでもない。先輩校長から「校長の仕事は教職員が安心して勤務できる防波堤になること」と言われた。しかし、実態を正確に把握しないまま中途半端な対応をすると、かえって問題をこじらせることになる。
 【失敗事例】
 教頭から、Aさんの息子が体育の時間にケガをした際に、担任の対応が不適切ではなかったか、という申し出がきている。さらに普段からクレームが多い保護者だという旨の報告を受けた。跳び箱の学習で、着地の際にねん挫したのだが、教員が適切な処置を怠った、というのである。
 担任に確認したところ、軽いねん挫のようであったため、保健室に行くように指示したということであった。ベテランの教員であったため、私は「保護者に会って話す」と対応を引き受け「教員に事実確認したが、対応には問題がないように思われる」と伝えた。
 しかし、Aさんは納得せず、息子と同級生から聞き取りをして、実際は放置に近い対応であり、友人が保健室に同行したことが明らかになった。
 Aさんの態度はそれを機に一変し、連日ように苦情の面会や電話が来た。感情的に激高され、約半年間に及んだ。
 その間に、さまざまな状況を調べると、Aさんは学級担任の平素からの指導に強い不満を持っており、そのことを担任に相談したが納得できる対応がなされず、そのうえ、管理職の対応も不誠実だと怒りを募らせたようであった。状況を十分に理解せずに、安易に教員からの伝聞をAさんに伝えたのが災いしたのである。
 さまざまな情報を収集し、状況をよく把握したうえで、校長自ら保護者に誠実に対応することが肝要であると反省した。Aさんの件で、間に入ってとりなしてくれたのは他の保護者であったことも、私に大切なことを再認識させてくれた。
 そして、職員には、「報・連・相」の徹底を図ることです。
 

2020年2月21日金曜日

花だより 疫病を鎮める ウグイスカグラ

 疫病を鎮める
 奈良の大仏建立の理由の一つは、流行疫病を鎮める(無病息災を願う)ことだった。医学の発達していない時代には、ときの権力者の疫病対策は、巨額を投じて神社仏閣を建立することだった。建物が完成するまでの数年の間に、疫病も終息し、民は建立のご利益だと信じたに違いない。宗教信仰の根本には、こんなこともあったのだろう。
 新型コロナウィルスの流行で、国の対応が議論になっている。国家の最大の責務は、国民の生命、財産、国益を守ることにある。残念ながら、目に見えないウィルスには、完璧な隔離はできないし、対処する検査方法やワクチン、薬の開発には、相当の時間がかかるのは分かる。昔のような神頼みでは済まないが、その対応が国民の目に見える形で示されないと安心はできない。
 今回の感染症は、感染率は高いが、致死率は低い。高齢で疾患がある場合を除いては、重症になることはない。インフルエンザとさほど変わりはないという。この時期、学校ではインフルエンザが流行し、学級・学校閉鎖が相次ぐのだが、今年は聞かない。新型コロナウィルスの報道で、みんなが手洗いの励行とマスクの着用、人込みを避けていることが原因らしい。
 マスク不足が報道されると、北見ではそうでもないだろうとドラッグストアに行ってみたら、「品不足でご迷惑をおかけしています」という張り紙があった。
 「病は気から」と言うが、情報社会においては、ただ不安をあおるのではなく、報道による正しい情報提供も必要である。
 昔から新年の行事である「なまはげ」や「節分」などは、邪気(病気などを起こす悪い気)を払うものであった。「ひな祭り」や「端午の節句」も、子どもの健やかな成長を願うものである。願うだけでなく、病気やけがをしないように普段から気を付けましょうと再認識する日だとすれば、古代の人たちからの予防の教えだと思いたい。
 バレンタインやホワイトデーで、浮かれている場合ではない。「日本の行事」を大切にしてほしい。

2020年2月20日木曜日

花だより ALWAYS~3丁目の夕日~ アネモネ

 映画 ALWAYS~3丁目の夕日~
 テレビで「3丁目の夕日」を観ました。昭和30年生まれの私には、共感できる部分がたくさんありました。泣き笑いの連続でした。どうしても「続編」が見たくなり、久しぶりに映画館に入りました。
   1作目は、昭和33年の古きよき日本を舞台に、家族の触れ合いを描いた心温まる人情ドラマです。下町の住民たちには、吉岡秀隆、堤真一、小雪、薬師丸ひろ子ら豪華メンバーが集まり、昭和の雰囲気を存分にかもし出しています。CGで本物に引けを取らないほど美しい夕焼けを作り出しています。ほかにも建設途中の東京タワーなど、当時の日本が忠実に再現されています。
   続編は、昭和34年の東京が舞台“東京の空は、まだ広かった”
 主役の茶川さんが背広を着ているシーンがありました。今はスーツと言いますが、昔は背広と言いましたよね。これがみごとにダサい(笑)でも、父もあんな背広を着ていたし、手回しの付いた洗濯機とか映し出されると、後ろのおばさんが「あった、あった。家にもあれと同じのあった」と大きな声で言い出したりして、観客は、50代・60代がほとんだで、吹き出して笑ったり、涙ぐんだり、声を出して泣いてしまいました。歳をとると涙もろくなると言いますが、本当です。

2020年2月19日水曜日

花だより 「働き方改革」のミライ 沈丁花

「働き方改革」のミライ (「働き方改革」が学校現場で進まない理由?)
            教育研究科/学校業務改善アドバイザー 妹 尾 昌 俊
【その行事何のため?】
 たとえば、卒業式ひとつとっても、かなり準備に時間をかけているのではないでしょうか。それがすべて悪いとか、無駄だとは申しませんが、もう少し簡略化したり、短縮したりできることもあるように思います。
 在校生が「お兄さん、お姉さん ありがとう!」と呼びかけをします。あれは要るのかなと思います。わざわざ式典で半ば強制的に言わせるのがどうなのかという点と、それなりに練習等でも時間がかかっている点です。
「ありがとう」は、言いたい子が式のあとで個別に言えばいいのではないか、たいていは担任の先生が書いた台本を児童が暗唱しているだけでしょう。主体的ではありません。
 行事をはじめ各教育活動が、「そもそも何のためにあるのか?」というところを再確認すると、今のままで本当にいいのか、考えていけると思います。やること自体が目的化していないでしょうか。
《同じように発想すると、修学旅行はどうでしょうか?》
 実際のところは、「修学」よりも「旅行」のウェイトが大きくなっていたりはしないでしょうか。単に観光名所やテーマパークに行って楽しかったというところがメインになっていないか心配ですし、準備や当時の負担も相当なものです。
 ある校長は「修学旅行は思い出づくりです」とおっしゃいました。「素敵な思い出ができるのはいいことだと思いますが、でも、学校は旅行会社ではないですよね」と申し上げました。
 修学旅行のもう一つの問題は、家庭の経済的負担の重さです。中学校、高校なら5、6万円~10万円前後まであると聞きます。都内の公立小学校でアルマーニの制服が8万円という報道があり、話題になりました。制服は何年も着れますが、修学旅行は数日で使い切ってしまいます。なぜ、修学旅行は高いという問題を学校内で話題にならないのでしょうか。
 例年そのくらいだからということで、十分検討することができていなかった。それに、高いと感じても、保護者の中には言い出しにくい方もいるかもしれません。そのあたりも学校はよく考えるべきです。


2020年2月17日月曜日

花だより LGBT 蕗の薹

LGBT 教室の実情》
 ドラマ「3年B組金八先生」が、性同一性障害を取り上げたのは2001年でした。それから20年近い年月を経て、最近では性的マイノリティ(社会的少数者)を公表する多数のタレントも存在し、LGBTに関する記事も情報もあふれています。
 文科省も性同一性障害に係る生徒への細やかな対応を求める通知を出したり、いじめ防止等のための基本方針を改訂したりして、性的指向や性自認を理由とするいじめ防止の具体的な実行を各学校に求めています。それでも「男(女)のくせに」「ホモ」「気持ち悪い」などの侮辱的な言葉が飛び交う教室もあれば、男子生徒によるふざけ発言に、「誰だオカマは」と教師が応じるなど、「男(女)らしさ」を求める生徒指導上の言動があるのも現実です。
《こうありたい指導》 
〇「知る」「わかる」「伝える」
 公的な統計はありませんが、いくつかの民間団体の調査では、日本のLGBTの割合は5~8%程度とされています。どの学校・学級にとっても身近なものなのです。まずは実情を知り、性的マイノリティに関して本当に「わかる」ことが大切です。そして、教室では絶対に誤解を生まない正確な情報を伝え、保護者・他教師と当該生徒の情報を共有できるプロとしての技術をもつ必要があります。
〇「らしさ」を勘違いしない
 男らしさ、女らしさを求める思考回路がないかを俯瞰できるようになりたいものです。性による二元論ではなく、「自分らしく」振る舞い、行動し発言しているかで各生徒の理解を深める視点を持つことが大切です。
〇「違いはいいことだ」を教室に
 LGBTに限らず、外国籍の生徒も増えている中で、他生徒との「違い(異質性)を抱えている自分」を肯定する、そんな雰囲気を作り出せるのは教師(担任)しかいません。「多様な集団こそ大きな力を持つ」「違って当たり前。それを活かせ」などの発言や発信ができる教師なら、カミングアウトだけでなく、さまざまな相談に関しても期待や信頼をもってもちかけてくるでしょう。                                   
【LGBTが抱える課題】 ◎自己承認 ◎他己承認 ◎社会承認 ができない。
 ▼だれにも相談できず、一人悩んでいます。

2020年2月16日日曜日

花だより めざせディズニーランド レンテンローズ

◇◇めざせディズニーランド◇◇
「私は人生で大切なことをすべてディズニーランドで教わった」という本を読んだことがあります。一日数万人が訪れる場所ですが、ゴミは全く落ちていません。ポップコーン1粒でも落とそうものなら、すぐに清掃スタッフが来て取っていきます。
 同じく夢を売る場所の北見のばんば競馬場が閉鎖になるというので行ったことがあります。同じく清掃係りのおばさんはいますが、次から次へと捨てられる「はずれ馬券」のゴミの山に対応しきれないでいました。
 この違いは何でしょうか?1階トイレの壁に落書きがありました。一つの落書きが次の落書きを呼びます。トイレの落書きは、その学校が荒れているかどうかのバロメーターとも言われます。ですから、とても気になっていました。
 夏休み中に用務員さんがペンキを塗ってきれいにしてくれました。1日目はサンドペーパーがけ、2日目塗装、そして、乾かして仕上がるまで3日もかかりました。2学期の始業式にこの話をしました。
 ディズニーランドを訪れた人のほとんどが「また来たい」と思うそうです。アトラクションが素晴らしい。場内がきれい。サービスが最高!だからです。
  学校もディズニーランドのようだったら、学校に来るのが楽しくてしょうがないはずです。めざせディズニーランド(アトラクション=授業内容、場内=校舎、サービス=先生) 

2020年2月15日土曜日

花だより 『医食同源』 ニオイスミレ

  △△△ホテルの朝食バイキング△△△
 隣の席に外国人(白人女性)が座りました。箸を上手に使ってごはんにのりを巻いて食べています。おかずは、焼き魚に納豆、漬け物、みそ汁のオーソドックスな和食メニューを選んでいました。その隣は、日本人のおばさんでしたが、テーブルにはトーストとコーヒーがのっていました。
 日本の食糧自給率は、先進国の中で最低だそうです。その原因の一つに日本人の食生活の変化が上げられています。ところが外国では、健康食である日本食が大変なブームになっているそうです。
 栄養士さんは、栄養教諭の資格がなければできなくなりました。それは学校教育の中で「食育」が行われるようになったからです。
『医食同源』という言葉があります。朝食をしっかり食べる子は、「勉強ができる」という結果も出ています。しかし、朝食が、ロールケーキにオレンジジュースという家庭もあります。「子供が好きなものを出す。朝は手の込んだ食事の用意なんかできない。」と言う母親の弁には呆れてしまいます。“子供が「きれる」原因は食生活にある”という評論家もいます。永久歯がなかなか生えてこない子が増えてきているのも食生活の変化が原因だと言われいます。子供の変化は、どうも食生活にあるようです。
 給食では、輸入食材をなるべく控えた安全で安心な食材を提供し、また、地産地消を取り入れた食材を使用しながら、地元の食材を使うとコストがかなり高くなってしまいます。しかし、多少値段は高くても口に入る物は、安全が一番です。何もかも値上がりして家計も大変かと思いますが、給食費の値上げにご理解ください。


2020年2月14日金曜日

花だより 地域の協力 山茱萸

  葛西 武さん(交通指導員・少年補導員) 
北海道交通安全推進委員会会長表彰受ける 交通安全一般表彰(個人8名と10団体) 
 札幌で表彰式が行われましたが、出席することができなかったため、葛西さんに潮見小校長室に来ていただき 教育委員会の木目澤教育長から感謝状が渡されました。 
 この表彰は、永年にわたり、交通安全指導員および交通安全奉仕員として、交通安全運動の推進や交通事故防止のため、街頭指導並びに地域活動などの実践活動に活躍された個人・団体に社団法人北海道交通安全推進委員会より表彰するものです。
 葛西さんは皆さんご存知通り、永年にわたり、潮見小学校の児童の登下校時に交差点に立って指導するだけでなく、子どもたちのさまざまな相談にものってくれています。だれもが頼りにしている地域のおじさんです。この表彰規定にぴったりの方です。おめでとうございました。葛西さんは、「永年つづけてこられたのも家内のおかげです。」と言っていました。これからも奥様と一緒に健康に留意されて子どもたちの安全のために、よろしくお願いします。
  PTA理事会 95名のPTA理事の方に参加いただき、今年度のPTA活動の報告と次年度の方向性について話し合いました。今年はPTA組織を見直しての初年度でしたが、各種行事の参加者も多く、活動が活性化されたと思っています。ある理事さんは、「理事会に出席して、やっと新しいシステムと自分の役割が分かりました。」と言っていました。「役員をやって、学校の先生方ってこんなことまでやっているんだ。知らないことがたくさんあることが分かりました。だから、保護者も協力しなければやっていけなんだ。と思いました。」もうすぐ役員が終わる副会長さんの感想です。
 次年度の活動では、◎子ども祭りがなくなるとPTAバザーはどうなるのか? ◎運動会の場所取りの6年生優先のくじ引き方法の再検討はしないのか? ◎理事をやった人は、来年はしなくていいのか?という意見がありましたので、PTA役員会で検討することになりました。
 学校の公衆電話についても話題になりました。
 学校に設置してある公衆電話は本来、職員室の公用電話の頻度が高いことから私用電話をかけるときのために設置されたものです。ところが携帯電話の普及で公衆電話は、もっぱら子どもたちが下校後の遊びの約束やお迎えを頼む連絡に使うようになりました。電話を使うときは、許可を得ることになっていますが、順番待ちの状態です。北見の学校では、校舎内に公衆電話がないので、下校時には、学校近くの公衆電話ボックスに小学生が並ぶ(お迎えを頼むため)そうです。これは本来の子どもの姿なのでしょうか?雨が降ってみんなが車での迎えを頼むと大変なことになります。
 緊急で連絡しなければならないことは、担任がします。学校では、校内の公衆電話の必要性はないと考えますが、取り外すと子どもに携帯電話を持たせる家庭が増えるのではないかと心配します。保護者の皆さんの理解と協力を得なければならない問題です。

2020年2月13日木曜日

花だより オホーツク流氷まつり 金盞花

  オホーツク流氷まつり 今年も網走の海に流氷がやってきました。寒さが一段と厳しく感じます。しかし、それを楽しむイベントがあります。    
 網走タイムズの「天都人」から 
~毎年、開催にこぎつける関係者の尽力に頭が下がる。中でも市職員の活躍は目を見張る。市民氷雪像28基の半分近くは市職員の制作によるものだ。これを仕事とみる人もいるだろうが、多くは「公務員だから」ではなく、「網走を盛り上げたい」との熱意で取り組んでいる。景気の良かったころは企業や団体の参加が多く、氷雪像も50基を超えた。昨今の不景気は企業の体力を衰退させている。結果、まつりの盛り上がりも欠けた。網走が活気に満ち、多くの市民の笑顔あふれる故郷になれば。そんな思いで雪像づくりに励んだ市民がいることも、頭の片隅に置いてほしい。~
 昨年は、潮見小学校で赤塚不二夫の直筆画が見つかったことから、教育委員会の職員の皆さんが「天才バカボン」の雪像を制作しました。仕事が終わってから、夜遅くまで氷点下の中での作業は大変だったと思います。本校職員業務主事の湊さんもその一人です。 
 その湊さんが20年勤続で表彰されました。休みの日でも、雪が降ると朝早く来て、除雪作業をしてくれています。学校は、教員だけでなく、2人の業務主事さんを含め、市職員の皆さんの支えで成り立っています。

2020年2月12日水曜日

花だより 朝日小学校の校章の由来 馬酔木

 20周年記念式典 裏話(2)
 朝日小学校の校章は、町民の皆さんから公募したものです。作者は、4年生の野尻君のおばあちゃんと聞いて、校章に込めた願いをうかがいましたら、達筆な毛筆のお手紙をいただき驚きました。
  ~お手紙を紹介します~
 此の度は、開校20周年誠におめでとうございます。
 朝日小学校の校章図案が浮かびましたのは、父、当社先代社長の介護をしながら食事の折、寝たきりの父の口に食事を運ぶ合間に、ひざの上で斜里町に生まれ、斜里で育てられ、斜里町で生活出来る幸せを父母に感謝の念をいだきながら描いたものでございました。
 月日の流れの早さを今さらのように感じております。
 本日孫が一枚の紙に校章の入ったものを手に「校長先生が図案の意味を!」との事でございました。
 作品提出の折り 細かく書きしるしたのでございますが、文章が手元に有りません為 同じに書くことが出来ませんが、心の思いのままにお許し下さいませ。
 ~朝小を包む二重の輪は、未来にむかって夢や希望を大きくふくらませるさま、朝小を囲んでいる五弁の花びらは、町花はまなすのように香りゆたかに優しく、女らしく、美しく!又斜里町に毅然として聳えている斜里岳の素晴らしさを思い、男の子は斜里岳のように雄々しく、たくましく強い意志を持ち、どんな困難にも立ち向かってゆける人間性を願い、山を三方にのばしました。又同様に広がって上をのばした葉も輝かしい未来に夢と希望を持ってはばたくさまを絵描いたもので、朝小の子供達がすこやかに育つよう願いを込めて出来た図案でございました。~お届けいただいた文章は、私の思いを凝縮して下さったもの、その通りでございます。
 また、色の件でございますが、当時ははまなすの花は紅色、葉は深みどりとみどりの濃淡、山は青で描いたように思います。もし色と必要な事がございますなら学校のイメージで専門の先生の方におまかせ致します。
 日頃 何かと子供のために心をそそいでいただき本当に有難うございます。今年もあとわずか、新しい年がよい年になりますよう心よりお祈り申し上げます。    
  19年12月10日
                             
2月11日 網走流氷初日

2020年2月11日火曜日

花だより 斜里町立朝日小学校 開校20周年記念式典 裏話 寒木瓜

~斜里町立朝日小学校 開校20周年記念式典 裏話~
   初代赤石校長先生
  △△△何もないところからのスタート△△△
 毎日、毎日先生方と朝日小学校をどんな学校にするか?話し合った。
 赤石校長先生ご夫妻が式典・祝賀会に出席いただき、開校当時のお話しを伺うことができました。
 ***校歌に込めた学校の教育目標「いきいき のびのび朝日の子」***
 「もうこのことを知っている人は、少ないだろうなあ」と言って話されました。校歌の作詞は大家喜美子氏ですが、歌詞の中に学校の教育目標を入れて、子供たちが校歌を歌うたびに、朝日小が目指す子ども像である「いきいき のびのび朝日の子」を意識して欲しい。という願いから大家氏の了解を得て、一部を変えてできたのがこの校歌なのです。
 1 斜里岳仰ぐ 学び舎に              2 潮風香る 学び舎に           
   小鳥さえずり 風すぎて                こだまは返り ひびきあう       
   あふれる緑 香る花                     オホーツクの波 樹々の海       
   豊かな心 さわやかに                強い体で しなやかに
       いきいき学ぶ 朝日の子                のびのび駆ける 朝日の子
  学級の名前(こだま・ひびき・さわやか・しなやか)の由来も校歌から来ています。このお話しは、ウトロのホテルで夜中12時過ぎに聞きました。77歳(当時)とは思えない矍鑠(かくしゃく)としたお姿で「20年前もこうして先生方と酒を飲み、夜遅くまで語り合ったものだ。」当時のことを熱く語られていました。そんな赤石先生に逢いたくて、集まった旧職員の方がたくさんいました。赤石先生のお人柄が偲ばれます。
 私が美幌の田中小学校に居たとき(20代後半)、赤石先生は、美幌小学校の教頭先生でした。式典当日校長室でお会いしたとき「牧野さん、あのときは、まだ“あんちゃん”だったもな!」と言われました。校長室には、協賛会の役員の皆さんが同席していて「牧野校長が“あんちゃん”???」と大笑いになりました。先輩の大校長先生の前では「未だに、あんちゃん」です。
 第5代中條校長先生は「国語の神様だった」 
 10周年記念事業を行った中條校長先生が、わざわざ旭川から来てくれました。中條先生も美幌小学校にいらっしゃいました。美幌小学校の公開研究会で中條先生が授業をするというので神様の授業を一目見ようと行ったことがあります。管内各地からたくさんの先生方が集まっていました。遅く行った私は、教室に入ることができず廊下に椅子を置いて、欄間から授業を見た記憶があります。
 その中條先生が、「長い教員生活で朝日小学校での3年間が一番充実していた」と言われました。その国語の神様が朝日小で残した詩があります。
  子どもは 何かに 出会うために 生まれてきた
  自然の美しさ 生き物たちのけなげさ 人々のやさしさ・・・
  そこに輝く笑顔と 新たな出発を 見出す               中 條 建太郎

  お二人の校長先生とも、「朝日小は、地域・保護者の皆さんの協力が素晴らしかった。そのことを感謝している。」と話されていました。朝日小は20年間で新設校として新しい伝統と教育実践を築いてきました。これは歴代校長先生をはじめ多くの先生方や地域・保護者の皆様の努力の賜物です。そのことを20周年式典で改めて実感しました。 また、現職にとっては、身の引き締まる1日でした。
 花便り~式典のお祝いにと送られてきた花の中に“つるうめもどき”がありました。花言葉は「大器晩成」です。秋になって葉が落ちると美しく見えるからです。
  

2020年2月10日月曜日

花だより 年上・年下の友だちと遊ぶことは、とても大切なこと 仏の座


 年上・年下の友だちと遊ぶことは、とても大切なこと  
 年の違う集団の中で、子供たちは人間関係についてたくさんのことを学びます。年少の子はルールを守ることや我慢することの大切さなどを身に付け、年長の子は思いやりの心や集団をリードしたりする責任感を養っていきます。
 身近な地域のボランティア・スポーツ・文化活動・青少年団体の活動などは、それぞれ年の違う集団の中で子供たちが切磋琢磨する貴重な機会を提供しています。
 不登校児の多くは、家で一人でいても淋しさを感じないと言います。なぜならネットで不特定多数の人とつながっているからです。甘い優しい言葉に惑わされ、家出をして会いに行ったり、裸の写真を送ってしまったり、犯罪に巻き込まれたりするケースが後を絶ちません。
 親は、友達と遊ぶこと、集団での活動の大切さを見直し、子供たちをさまざまな活動に積極的に参加させましょう。
 

2020年2月9日日曜日

花だより 「伊達政宗五常訓」に見る人生の奥義 繁縷

歴女ブームで歴史漫画が流行
 歴女の中で一番人気の戦国武将は、「独眼竜伊達政宗」だそうです。
「伊達政宗五常訓」に見る人生の奥義
 一  仁に過ぎれば弱くなる
 二  義に過ぎれば固くなる
 三  礼に過ぎれば諂(へつら)いとなる
 四  智に過ぎれば嘘をつく
 五  信に過ぎれば損をする
 気長に心穏やかにして、この世に客が来たと思えば何の苦もなし。元来、客の身なれば好き嫌いは申されまい。今日行くのを送り、子孫兄弟に良く挨拶し、娑婆(しゃば)(現世)の御暇(おいとま)申すがよし。
 【現代語訳にすると】
 1 過度な思いやりや慈しみは、相手のためにならない。
 2 正義を振りかざすと、融通の利かない堅物だと嫌われる。
 3 礼儀が正し過ぎると相手に対する諂い(媚びること、おべっか)になる。
 4 物知りで賢い人は、平気で嘘をつく。
 5 他人を信用しすぎると騙されて損をする。
 戦国時代の武士の教訓ですが、現代社会にも通じるものです。激動の時代をたくましく生き抜いた政宗の研ぎ澄まされた境地を見習いたいと思います。

2020年2月8日土曜日

花だより 家庭が持つ「5つの力」を大切に 菘・蕪


 家庭が持つ「5つの力」を大切に
1 愛の力
 家庭は親から子に愛情が注がれる場所です。ただし、子どもの言うことを何でも聞き、世話を焼くことではありません。また、勉強や遊び、友だち関係まで、親がこうしなさいと強制することでもありません。過保護や過干渉は、子どもの自立を妨げます。
 いつも家庭に会話があり、笑いがある。誰かにいいことがあれば、みんなで喜び、悲しみも全員で共有する。こんな日常が子どもの安定した心理状況を育てます。
2 経済の力
 衣食住全ての面で子どもの生活が保障され、学校にも通える。家庭はこうした「健康で文化的な最低限度の生活」を子どもに提供する場所です。
 そのために親は働いてお金を稼ぎます。家庭は経済の力を持つ場所だということです。
3 しつけの力
 教室で筆記用具を机上に散乱させている生徒を注意したら、「誰にも迷惑かけてない」今、こうした子が増えています。「清潔で整理された状態は快い」という感覚はしつけの中で育つものです。
 自分の健康管理や公共マナー、他者との交わり方など、しつけの領域は多様です。そうした礼儀作法や規範を教えて身につけてさせる場所が家庭です。
4 文化の力
 文化とは、音楽や美術に親しみ、時にはスポーツを楽しむといった高尚なものだけではありません。親子の触れ合いこそが「家庭の文化」です。家族の団らんであり会話など、日常の出来事に対する喜怒哀楽のやりとりです。子どもは親との会話を通して物事のとらえ方や未知の世界を知り、自分の価値観をつくっていきます。
5 人格の力
 親に叩かれて育った子は、他者に対しても暴力的に接しがちです。負の面だけでなく、親の肯定的な言動も子どもの性格や行動に良い影響を与えます。子どもは親をまねて育ちます。子どもは育ってほしいようには育たない。育てたように育つのです。
 「人格の力」と言っても気負うことはありません。いつも地道に働いている。親同士が仲良く、互いに労わり合う飾らない姿を示せばいいのです。

2020年2月7日金曜日

花だより 子どものそばに行く(寄り添う) 御形



カウンセリングで大切なこと

子どものそばに行く(寄り添う)

 子どもの心理的なサポートのためには、大人は子どものそばにいることが重要です。子どもは、身近な大人との関わりの中で身体からの安心感・安全感を体験し、それを基盤として助長していきます。安心感・安全感というものは、基本的に身体的なものなのです。乳幼児は文字通り大人に体ごと抱かれる(ハグされる)と、心もサポートされます。少しずつ成長するにつれて、身体的な接触は必ずしも必要ではなくなりますが、大人の存在やかかわりを身近に感じることによって、安心・安全を感じるのです。つまり、子どもをサポートするには、「子どものそばに行く」ことが非常に大切です。

大人の都合に基づいて、子どもを動かそうとする働きかけは、子どもの心のそばまで行ったことにはなりません。子どもの心の動きを感じ取り、つかず離れずの距離を保つことが求められます。そして、大人主導ではなく、子どもの動きに合わせて働きかけたり、子どもの動きを引き出すように働きかけたりすることで初めて、子どものそばに行ったことになります。

LGBTで悩む9割以上の人は、だれにも相談したことがないそうです。相談したらすべて解決することはありませんが、寄り添ってくれる人がいるだけで、心が和らぎます。


2020年2月5日水曜日

花だより 「大人の自由」と「子どもの自由」は違う 芹


「大人の自由」と「子どもの自由」は違う
 もし子どもが「お父さんの買っている週刊誌にエッチな写真が載っているよ。どうしてお父さんがよくて、ぼくはダメなの?」と聞いてきたら、お母さんの打つ手は2つです。
まず子どもには、「お父さんのやっていいことと、あなたのやっていいことは違います。お父さんのようにしたかったら、あなたも早くお父さんになりなさい。」と言うことです。(これはネットで有害サイトを見るのと同じです)
 次にお父さんへ「あなたの買っている週刊誌を子どもが見ています。子どもに見られないところに確実にしまってください。それから子どもには、そんなのを見るのは、お腹が出てきてからにしなさい。と言っておきましたから。」これはお父さんへのイヤミですが、イヤミの一つも言っていいと思います。
 ポルノが解禁されている欧米では、子どもの目に触れないところにおいて、大人とわかる人にしかこの種のものは売りません。子どもに有害と思うものは、子どもの目に触れないようにしなくてはなりません。
 自由には欠点があります。大人になれば自由の欠点を理解できるのだろうと期待して自由を享受する権利を与えられているのです。そうはいっても大人のやることに興味を持つのが子どもです。これが止められないのが自由の欠点の一つです。だからこそこんなときは、大人の自由と子どもの自由を違うのだということを教えてほしいと思います。大人の自由は、大人にしかないのだから、その自由がほしいなら大人になるしかないということなのです。「それはダメ!」ときっぱりと言い切る姿勢が必要です。時には毅然とした態度をとるのも品格のあるお母さんの証です。自由とはけっこう不自由なものなのです。

2020年2月4日火曜日

花だより 第三中学校の入学説明会 蘿蔔

第三中学校の入学説明会  
 中学校では、どんな話をするのだろうと思って行ってきました。
「何か質問はありませんか?」と聞くとたくさん手が挙がりました。
◎ジャージの下に着るTシャツは、どんなものでもいいのですか?
◎くせ毛(天然パーマ)は、事前に言わなければならないのですか?
◎冬の体育は、何をするのですか?
◎ノートは、ルーズリーフではダメですか?
 「Tシャツは、何でもいいです。」という回答に「え~、そうなの?」という声。
全部決められていると思っていたようです。頭髪は、小学生でパーマをかけたり、茶髪に染めたりしている子もいるようですが、入学までには、きちんとしてきてください。ただし、くせ毛だからと申し出ることはないそうです。
 冬の体育は、柔道とクロスカントリースキーです。1回100円のレンタルスキーを借りるそうです。
 ノートは、教科担任に提出することがあるので、「教科ごとのノートを使用して下さい。」と言っていました。
 この他、警察の生活安全課の方が来て、携帯電話のフィルタリングの説明とお願いをしていました。桟校長先生からも「中学生には、携帯電話は必要ありません。トラブルのモトです。」と力説していました。これは小学校の一日入学でも話しておかなければならないことかな?と思い大変勉強になりました。
 2月4日 毎朝、一緒になる女子中学生がいて、必ず元気よく「おはようございます。」と挨拶します。バスケ部の生徒でいつもジャージ姿なのが、この日は珍しく制服を着ていました。「今日は何かあるの?」と聞くと、「今日は、テストの日なんです。」とちょっと顔を曇らせて答えました。特別な日は制服を着るそうです。テストは、中学生にとって特別なものなのです。

2020年2月3日月曜日

花だより 「大きな節目」 ナズナ


 「大きな節目」 夢と希望を持って小学校に入学したときのことを思い出して 
 人生にはいくつもの節目がありますが、小学校の入学は、その中でも最初にやってくる大きな節目です。わが子に対する期待は、中学校や高校の入学より大きいものです。それは集団生活の中で勉強が始まるからです。また、「もしかするとうちの子は、末は博士か大臣か?」と大きな可能性を秘めていると思うからです。その期待感から、おじいちゃんやおばあちゃんは、伊達直人になってランドセルや学習机、入学式用の洋服まで買ってくれます。写真館で写真を撮って親戚に配ったりもします。竹が節目毎に大きく成長するように子どももこの小学校入学によって大きく成長します。この節目を大切にして欲しいと思います。
 節目・変わり目を大切に “やる気のピークが入学時”
「1年生になったら何を頑張りますか?」と聞くと必ず「勉強!」と答えます。本人の自主的な意志とは関係なく、そうしなければならないと周囲から言われているからです。1年生の最初の勉強は、勉強道具の出し入れ、整列の仕方、返事や勉強のきまりなどですが、何人かは「先生、早く勉強しよう!」と言います。「こんなの勉強じゃない。早くたし算や字を書く勉強がしたい。」と言います。たぶん学校生活の中で「勉強したい!」と言うのは入学時だけだと思います。そんなやる気をうまく利用することです。
親のやる気も入学時がピークです。参観日の出席率は1年生が一番です。運動会、学芸会も一番前で観るのが1年生の親です。できればそれをずっと続けて欲しいと思います。(一日入学の感想でした)

2020年2月2日日曜日

花だより 一日入学 小学生の親としての勉強が始まる 節分草


 一日入学 小学生の親としての勉強が始まる
 エコーセンターでばったり教え子に会いました。今は、子どもが網走小学校に通っているお母さんになっていました。
「牧野先生、『潮見小のお母さん方が、潮見の校長先生は厳しい!』と言っていたよ。だから、『私が習ったときは、優しくて、おもしろくてとってもいい先生だったよ。』と言っておいてあげたからね。校長先生になったら変わったの?」と言われました。
 だんだん説教がましくなってきたのではないかと反省しているところです。でも立場上、言わなければならないこともありますので、よろしくお願いします。
 娘の「一日入学」は、母が代わりに出席しました。母が帰ってきて、私に校長先生の話を伝えてくれました。
「子どもを産んだから、親になったのではありません。子どもを産んで、親としての勉強が始まったのです。小学校に入学したら、小学生の親としての勉強が始まる。中学校に入ったら、中学生の親として、社会人になったら社会人としての親の勉強が始まる。子どもと一緒に親も成長するのです。」
「学校の先生だからといって偉そうにするんじゃないよ。親の勉強もしっかりしないと。」と言われました。
 入学は、子どもにとっての大きな節目ですが、保護者の皆さんにとっても大きな節目です。親も子どもと共に成長します。子どもの成長する姿を見て、共に感動することで親も成長します。子どもを授かったときに親になるのではなく、親になる権利を与えられただけで、子どもを育てることで本当の親になるのです。
 親としての勉強とは、どんなことなのでしょうか? 
 昨年の夏、学校に「庭石をひっくり返すいたずら子がいる。」と学校に電話がありました。すぐにやった子が見つかりました。2年生の男の子でした。“生活科の勉強で生き物調べをしたとき、石の裏には、虫がいっぱいいることがわかった。朝学校に行くとき、大きな石があったので、この石の裏にはきっといっぱい虫がいるぞと思った。ところが一人じゃ動かせないから、友だちを誘ってひっくり返したら、いっぱい虫が出て来ておもしろかった。だから、次の日もやった。”と言いました。その子は、学校の帰りに謝りに行きました。家に帰ってから、今度は、お母さんと一緒にもう一度謝りに行ったそうです。
 次の日、その被害にあった家から学校にまた電話がありました。「ちゃんとお母さんと一緒に謝りに来てくれて、いい子ですね。学校の指導がいいからですかね。」悪いことをしたのに、逆に褒められた~子どもと一緒に親も勉強~ 2月3日(木)約90組の親子が集まりました。
~校長あいさつから~ 昨年11月にエコーセンターでばったり教え子に会いました。今は、子どもが網走小学校に通っているお母さんになっていました。その子が、「牧野先生、『潮見小のお母さん方が、潮見の校長先生は厳しい!』と言っていたよ。だから、『私が習ったときは、優しくて、おもしろくてとってもいい先生だったよ。』と言っておいてあげたからね。校長先生になったら変わったの?」と言われました。
歳をとってだんだん説教がましくなってきたのではないかと反省しているところです。でも立場上、言わなければならないこともありますので、よろしくお願いします。
 娘の「一日入学」は、母が代わりに出席しました。母が帰ってきて、私に校長先生の話を伝えてくれました。
「子どもを産んだから、親になったのではありません。子どもを産んで、親としての勉強が始まったのです。小学校に入学したら、小学生の親としての勉強が始まる。中学校に入ったら、中学生の親として、社会人になったら社会人としての親の勉強が始まる。子どもと一緒に親も成長するのです。」
「学校の先生だからといって偉そうにするんじゃないよ。親の勉強もしっかりしないと。」と言われました。
 入学は、子どもにとっての大きな節目ですが、保護者の皆さんにとっても大きな節目です。親も子どもと共に成長します。子どもの成長する姿を見て、共に感動することで親も成長します。子どもを授かったときに親になるのではなく、親になる権利を与えられただけで、子どもを育てることで本当の親になるのです。
 親としての勉強とは、どんなことなのでしょうか? 一つ例をあげてお話します。
昨年の夏、学校に「うちの庭石をひっくり返すいたずらをする子がいる。」という電話がありました。すぐにやった子が見つかりました。2年生の男の子でした。“生活科の勉強で生き物調べをしたとき、石の裏には、虫がいっぱいいることがわかった。朝学校に行くとき、大きな石があったので、この石の裏にはきっといっぱい虫がいるぞと思った。ところが一人じゃ動かせないから、友だちを誘ってひっくり返したら、いっぱい虫が出て来ておもしろかった。だから、次の日もやった。”と言いました。その子は、学校の帰りに謝りに行きました。家に帰ってから、今度は、お母さんと一緒にもう一度謝りに行ったそうです。
 翌日、その被害にあった家から学校にまた電話がありました。「ちゃんとお母さんと一緒に謝りに来てくれて、いい子ですね。学校の指導がいいからですかね。」悪いことをしたのに、逆に褒められたのです。
 “子どもがやったことにいちいち親が出なくてもいい。”という考え方もあるでしょうが、子どもは、どうしていいか、わからないことがいっぱいあります。そんなとき、親は、模範を示してやることです。「謝るということは、こうやるんだ。正直にちゃんと謝ると許してくれる。それどころか、逆に褒められるんだ。」とこの子は、思ったでしょう。きっと素直に育っていくと思います。
 このお母さんのとった行動は、当たり前といえば当たり前のことですが、やんちゃ坊主をもったからこそ、親としてできた勉強ではないでしょうか。

2020年2月1日土曜日

花だより 教室に入った瞬間に感じる空気 ハナナ

入った瞬間に感じる空気
 教室に入ると、そこに子どもたちがいれば、一瞬にしてその教室の「空気」を感じることができます。プロのセンサーです。「温かい、ずっとここに居たい」と感じる教室もあれば、「なんだか息苦しい」と、いてもたっていられない気持ちにさせられる教室もあります。居心地の良い空気感を「支持的風土」と呼びます。その空気感(支持的風土)をつくるのは担任の先生に他ありません。子どもたちが最も長い時間を過ごす場所は教室であり、そこで子どもたちと一番深くかかわるのが担任の先生だからです。支持的風土の醸成には、子どもとの強固な信頼関係を築くことが重要です。
 「支持的風土を醸成するために」という方法は、いろいろありますが、問題は、その感覚、高精度のセンサーを教師自身に備わっているかです。感じない人に方法論をいくら話しても、暖簾に腕押し状態になることが最近多いように感じています。
 「働き方改革」が進むと、これまで学校が莫大に抱えていた業務を整理しなければなりません。それには家庭・地域の理解と協力が欠かせません。「学校の先生も大変だ。よくやってくれている。」と家庭・地域から教師が尊敬され、信頼されていることがベースになります。
 これまで以上に、家庭や地域へのセンサーの精度を上げる必要があります。