2020年2月19日水曜日

花だより 「働き方改革」のミライ 沈丁花

「働き方改革」のミライ (「働き方改革」が学校現場で進まない理由?)
            教育研究科/学校業務改善アドバイザー 妹 尾 昌 俊
【その行事何のため?】
 たとえば、卒業式ひとつとっても、かなり準備に時間をかけているのではないでしょうか。それがすべて悪いとか、無駄だとは申しませんが、もう少し簡略化したり、短縮したりできることもあるように思います。
 在校生が「お兄さん、お姉さん ありがとう!」と呼びかけをします。あれは要るのかなと思います。わざわざ式典で半ば強制的に言わせるのがどうなのかという点と、それなりに練習等でも時間がかかっている点です。
「ありがとう」は、言いたい子が式のあとで個別に言えばいいのではないか、たいていは担任の先生が書いた台本を児童が暗唱しているだけでしょう。主体的ではありません。
 行事をはじめ各教育活動が、「そもそも何のためにあるのか?」というところを再確認すると、今のままで本当にいいのか、考えていけると思います。やること自体が目的化していないでしょうか。
《同じように発想すると、修学旅行はどうでしょうか?》
 実際のところは、「修学」よりも「旅行」のウェイトが大きくなっていたりはしないでしょうか。単に観光名所やテーマパークに行って楽しかったというところがメインになっていないか心配ですし、準備や当時の負担も相当なものです。
 ある校長は「修学旅行は思い出づくりです」とおっしゃいました。「素敵な思い出ができるのはいいことだと思いますが、でも、学校は旅行会社ではないですよね」と申し上げました。
 修学旅行のもう一つの問題は、家庭の経済的負担の重さです。中学校、高校なら5、6万円~10万円前後まであると聞きます。都内の公立小学校でアルマーニの制服が8万円という報道があり、話題になりました。制服は何年も着れますが、修学旅行は数日で使い切ってしまいます。なぜ、修学旅行は高いという問題を学校内で話題にならないのでしょうか。
 例年そのくらいだからということで、十分検討することができていなかった。それに、高いと感じても、保護者の中には言い出しにくい方もいるかもしれません。そのあたりも学校はよく考えるべきです。


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