2020年4月1日水曜日
花だより 「失敗から学ぶ」 蕪(かぶ)
お世話になった校長・教頭先生へ
3年間、教育専門相談員として、いろいろな問題に直面しました。
1年目、妻から「昨夜は、ずいぶんうなされていたけど…。」と言われたことが何度かありました。よく考えてみると実務者会議(要対協ケース会議)のあった夜に限ってのことでした。悲惨な家庭環境や養育放棄された子どもたちを目の当たりにして、無力感に苛まれました。また、保護者からの学校批判、担任不信の電話も多く受けました。その都度、校長先生方の苦渋の顔が浮かびました。
私は3月をもって退任します。送別会では、お礼のご挨拶と思っていましたが、コロナショックのためにそれも叶わなくなりましたので、現職の校長先生と教頭先生には、生担連の資料用に用意していたものをお届けして、お礼のご挨拶に代えさせていただきます。
満職を迎えた校長先生には、お祝いの言葉を贈りたいところですが、退職後は決してバラ色ではありません。年金支給まで、まだまだ働いてください。大変な時期にご栄進される教頭先生には、どうかお身体ご自愛くださいまして、学校経営に邁進されることをご期待申し上げます。
3年間、大変お世話になりました。ありがとうございました。
「失敗から学ぶ」 ~保護者対応は慎重に~
最近の校長業務で一番気を遣うのは、「保護者対応」ではないでしょうか。日頃から保護者との相互理解を深め、クライシス・マネジメントの発動に陥らないように努力すべきことは言うまでもありません。先輩校長から「校長の仕事は教職員が安心して勤務できる防波堤になること」と言われました。しかし、実態を正確に把握しないまま中途半端な対応をすると、かえって問題をこじらせることになります。今回のコロナウィルス対応もそうですが、危機管理の鉄則は、「空振りはいいけれども、見逃しはするな」ということです。
【失敗事例】 指導主事、公立学校の校長、その後大学の講師になった先生の話
教頭から、“Aさんの息子が体育の時間にケガをした際に、担任の対応が不適切ではなかったか、という申し出がきている。さらに普段からクレームが多い保護者で、跳び箱の学習で、着地の際にねん挫したのだが、教員が適切な処置を怠った。”という旨の報告を受けました。
担任に確認したところ、軽いねん挫のようであったため、保健室に行くように指示したということでした。ベテランの教員であったため、私は「保護者に会って話す」と対応を引き受け「教員に事実確認したが、対応には問題がないように思われる」と伝えました。
しかし、Aさんは納得せず、息子と同級生から聞き取りをして、実際は放置に近い対応であり、友人が保健室に同行したことが明らかになったのです。Aさんの態度はそれを機に一変し、連日ように苦情の面会や電話が来るようになりました。感情的に激高され、約半年間に及んだのです。その間に、さまざまな状況を調べると、Aさんは学級担任の平素からの指導に強い不満を持っており、そのことを担任に相談したが納得できる対応がなされず、そのうえ、管理職の対応も不誠実だと怒りを募らせたようでした。状況を十分に理解せずに、安易に教員からの伝聞をAさんに伝えたのが災いしたのです。
さまざまな情報を収集し、状況をよく把握したうえで、校長自ら保護者に誠実に対応することが肝要であると反省しました。Aさんの件で、間に入ってとりなしてくれたのは他の保護者であったことも、私に大切なことを再認識させてくれました。
令和2年3月
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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