2020年9月30日水曜日

花だより 道徳の「教科化」問題 サワキキョウ

 


 子どもたちの普段の生活態度を見て、教科「道徳」は、学校現場に定着したのだろうか?と疑問に感じている人は少なくないだろう。 
  道徳の「教科化」問題に真摯に向き合う 
              武蔵野大学教授 貝 塚 茂 樹 
 道徳教育がうまく機能していると思っている人はほとんどいない。道徳教育の充実が不要であると考えている人もほとんどいない。しかし、道徳の「教科化」に反対だという人は結構いる。こうした人々は、道徳の「教科化」が「修身教育の復活」となるからダメなのだという。では、修身教育のどこがダメなのか。不思議なことにこの質問に的確に答えられる人はごく稀である。実際には、「修身教育の復活」反対を声高に主張する人に限って、修身教科書をまともに読んだことがないということも多い。私は、こうした根拠の乏しい「感情的」な批判を「修身科=悪玉論」と称してきた。そして、「修身科=悪玉論」ところが、道徳教育論議を現在まで「思考停止」させてしまった大きな要因である。
 戦後教育は修身教育の功罪を検証することなしに、「感情的」な入り口論でしか道徳教育に向き合ってこなかったのである。「賛成か反対か」入り口論に終始することで、あるべき道徳教育の理念、内容、方法といった本質的な課題にまで議論は及ばなかった。歴史を検証せず、歴史から学ぶという視点を欠いては何も生み出すことはできない。また、歴史を深く多角的に検証することなしに、新しい教育の創造はあり得ず、あるべき道徳教育の展望を開くことは不可能である。
 教育再生実行会議が「第一次提言」に盛り込んだ道徳の「教科化」は、これまでにもたびたび提起されてきた歴史的課題である。今度こそ「感情的」なイデオロギー論に振り回されることなく、ましてや修身教育の歴史的な検証をタブー視することなく真摯に向き合いたい。根拠のない「感情的」な議論に時間を空費する余裕はもはやない。道徳教育の「真の創造」が急務の課題である。




2020年9月29日火曜日

花だより 「笛吹けど踊らず」北海道なかなか全国との差が縮まらない原因は何か? 月下美人

 


 「笛吹けど踊らず」北海道なかなか全国との差が縮まらない原因は何か?
  読売新聞の社説から 適度な競争が好結果を生んだ
~成績が振るわなかった地域で、学力の向上が目立った。全国学力テストの成果の表れだろう。成績アップが目立ったのは、沖縄県の小6だ。全国最下位の科目がなくなり、算数の基礎問題ではトップ10に入った。昨年度、小6国語の基礎問題で最下位だった静岡県も、ほぼ全国平均に回復した。
 こうした自治体では、児童生徒に自分の考えを文章にまとめさせる授業に力を入れている。指導力向上のための研修会に参加する教師も増加した。成績上位の秋田県や福井県などの教師との交流を通じて、指導力方法を学ぶ試みも進んでいる。
 文科省は、指導改善の取組が、学力の底上げにつながっていると分析している。全員参加の全国学力テストが、適度な競い合いを生み出した結果と言えよう。
全国学力テストについては、自治体の教育委員会が学校別成績を公表することが認められるようになった。文科省は学校の序列化や過度な競争を招かないようにするため、平均正答率などの数値だけでなく、分析結果や改善方法を併せて公表するように求めている。
 日教組は数値を示せば、序列化は避けられず、子どもに過度なストレスを与えると反対するが、果たしてそうだろうか。子どもたちはどのようなところで学習につまずいているのか。学力アップには、どのような対策が必要なのか。テスト結果から、教師と保護者が共通の認識を持つことで、学校教育に対する保護者の理解が進むはずだ。大半の教委は未だ、学校別成績の公表には及び腰だという。文科省は、公表のメリットを周知していく必要がある。~
 朝日VS読売が慰安婦問題でバトルを繰り広げています。学力テストについても各社違いがあります。さまざまな考えがあるのは事実ですが、道教委がさまざまな施策を講じているにも関わらず、北海道の子どもたちの学力がなかなか向上しない。道議会、各市町村議会でも取り上げられるようになりました。つまり、道民、住民も関心が高まっているということです。できない原因は何か?問われています。
 今年はコロナ禍で、全国学力調査は中止になりましたが、すでに用意されていた問題は、各学校の判断で実施し、自己採点することも可能としました。全くしない学校、宿題にした学校、これまで通りに実施して自己採点して活用した学校とさまざまです。こんなところにも意識の違いが出ています。まだしばらく北海道の低迷は続きそうです。


2020年9月28日月曜日

花だより 免許更新時講習 カトレア

 


 ~学ぶ姿勢を子どもに示す 研修(研究と修養)の大切さ~
   教員の誇りと責任(免許更新時講習)   
             元北海道教育大学教授 村瀬千樫氏の講演から   
 教員免許更新制が平成21年から導入され、免許状の更新申請には「免許状更新講習」はが必須になりました。充実した更新講習を提供するために道内の6国立大学が連携して設立した教員免許状更新講習実施事務センターのコーディネーターとして、国、道教委、他大学などとの連携・調整等に携わってきました。
 実施当初は、制度そのものに反対する教員、費用の面だけを問題にする教員、プロとして学ぶ謙虚さに欠ける教員などが多かったせいか、とげとげしい雰囲気が感じられました。ところが最近のアンケートでは、「退職まであと数年だが、教職の原点を振り返り、残りの教員生活を前向きに捉えるきっかけになった。」とか、「講習が問題解決のヒントになり、これからの教職生活の励みになった。」などという前向きな感想が増え、受講者は自ら学びたいという姿勢で来るようになったようです。
 一方、受講者の一部には、服装、言葉遣い、時間に対するルーズさ、発言内容など、教員としての資質が疑われる言動もあるが、こうした一部の受講者に対して「同じ教員として恥ずかしい」などと厳しく批判する教員が多いのも事実であり、一抹の安堵を覚えます。
 専門的力量を高め、人間性、社会性を磨くための研鑽は、教員としての最低限の誇りと責任だと思います。教師に対する厳しい目があることを自覚しなければなりません。
😅4年前から、免許状更新講習の選択必修「国の教育の動向」(会場:北見工大)という講座の講師を務めています。受講生は、15~20名くらいの少人数です。今年はコロナ禍で8月の予定が12月に変更になりました。始まった当初は、この制度に対する反対の意見を述べたり、教員としての資質が問われるような態度をとる教員もいたようですが、私の講座には、幸いそのような教員はいません。
 いくら長期休業中とはいえ、受講する教員は大変です。特に女性教員は、子どもを預け、家事は旦那に任せ、それにお金もかかります。ですから、講座を担当する側も、現役時代以上に、教育関連記事に目を通し、慣れないパワーポイントで資料作りをしています。


2020年9月27日日曜日

花だより 《ハンコレス》 ハギ 

 


  《ハンコレス》 読売新聞「編集手帳」より 2020.9.26
 明治初め、政府内にはハンコかサインかで論争があった。当時は字を書けない国民が多かったことからハンコが採用されたという。この決定がやがて経済活動にも浸透し、日本のハンコ万能主義を形作っていったと、新関欽哉『ハンコの文化史』(PHP研究所)にある。ただし明治政府内では、サインと併用しながら、字を書ける人が増えるのを待つべしとする考えもあったらしい。
👍河野行政・規制改革相が、全府省庁に行政手続きで押印を使用しないように要請した。廃止できない場合は、理由を明示するように求めており、1世紀半を経て論争が再開したといえるかもしれない。
🤩生きている間に人は何回ハンコを押すだろうか。恐らく気の遠くなるくらいな数に違いない。といいつつ、小欄は初めて作った実印を社会人になった証のように思えて、今も愛着を持っている。だがデジタル時代に社会全体が対応するには、いつまでも漫然とは続けられない文化なのだろう。
👀先日川柳欄に次の句を見かけた。“キャッシュレス通帳レスにハンコレス”(小寺道子)。新しい生活様式に「3レス」が加わるらしい。
🤷‍♂️夏季休暇を取って休んだ次の日、決裁文書にハンコを押す量が半端なかった。内容によっては20ものハンコの乱れうち状態。しかし、職員は、それが当たり前でそれほど不便さを感じていない? 地方にまでハンコレスが浸透するには、時間がかかりそうですが、ハンコレスでシステム改革、意識改革を期待します。




2020年9月26日土曜日

花だより 第25回 北海道生活科・総合的な学習教育研究大会 釧路大会 ベンケイソウ

 


 第25回 北海道生活科・総合的な学習教育研究大会 釧路大会
 3年前に、K校長に会長職を譲ってから、生活・総合とは縁遠かったのですが、退職の年に助言者を頼まれました。錆びついた頭に3年生の総合の指導案が事前に送られてきました。見慣れない言葉の多さにブランクを感じ、勉強し直して臨みました。
《ルーブリック》 「新しいカタカナ言葉?」アクティブ・ラーニングを覚えたばかりだと言うのに、「ルーブリック?」どうも評価のことらしい?ということが分かりました。
 黒上晴夫先生(関西大学総合情報学部教授)
 メディアを活用した授業デザインやカリキュラム開発、「学び」に関するシステムや評価法などについて実践的な研究を行っている。『総合的な学習のための評価への羅針盤』(日本文教出版)『教育改革のながれを読む─高次な思考力育成を目指して』(関西大学出版部)など、著書多数。
「ただでさえ忙しいのに」「評価基準なら学習指導要領で十分だろう」……そう敬遠される方も多いかもしれません。事実、「評価基準を作るのは、それはそれは大変です」しかし、その大変さを補ってあまりあるほどのパワーを「ルーブリック」は秘めているのです。
 ルーブリックとは評価基準のことです。絶対評価を行うための「ものさし」と考えると分かりやすいでしょう。例えばここに、長さ9cmの棒があったとする。9cmと知らせずに長さを問えば、だいたい何cmかを目算することはできても、人によっては8cmだったり、10cmだったりと異なった答えが返ってきます。しかし、正確な「ものさし」があれば、そして測り方が分かっていれば、ほぼ全員が9cmと答えるはずです。つまり、誰が評価してもほとんど誤差がなく、評価が一致し、誰もが「9cmだ」と納得できる。それが「ものさし」であり、「ルーブリック」なのです。
「評価基準があいまいではダメなのです。基準が『○○がだいたいできる』だったとします。でも、人によって『だいたい』のレベルは違います。そうなると、評価がブレてしまいます。」評価基準を作るのは大変でも、評価をすること自体は極めてシンプルに、誰が見てもブレない、ある意味デジタルな『ものさし』を作らなければならない。これが黒上先生の主張です。
 ブレない『ものさし』を作ることができれば、子どもたちの学習意欲や学習レベルを簡単に把握できるようになります。また、それによって子どもたちへの助言もしやすくなりますし、支援のポイントもはっきりします。低いレベルにいる子どもに積極的なケアを行うことも可能になります。先生にも子どもたちにも、ともにメリットを生み出すのがルーブリックなのです。黒上先生は、数ある活動内容の中でも特に「思考」「考える力」に焦点を当てたルーブリック作りを進めています。
《思考スキル・シンキングツール》 指導案に「ベン図」、「Xチャート・Yチャート」、
「くま手図」、「ボーン図」、「コンセプトマップ」、「ピラミッドチャート」、「PMI」???
 何だ!これは? 研究紀要にはこう書いてありました。
 単純に『思考する』といっても、言葉は曖昧である。『思考する』とはどういうことなのか、曖昧に授業が進み、子どもたちは何をどう考えたらよいか分からず、困ってしまっている場面が多く見受けられる。そこで『思考する』という言葉を「思考スキル」という子どもの行動レベルに具体化することとした。
 整理・分析の過程においては、「思考スキル」を明確にして分析することにより、探究の質が高まっていくと考える。しかし、これだけでは具体的な手法とはいえず、子どもたちにはなかなか伝わりにくい。そこで「シンキングツール」を活用するのである。
「思考スキル」とは、社会の変化に求められる人材や能力、21世紀型学力との関連で、今まさに身につけさせたい子どもたちの能力です。情報を可視化し、思考を方向付ける思考ツール、全国学力・学習状況調査や総合的な学習の時間の指導資料に見られる思考ツール。など今、求められる思考力の育成と思考ツールへの理解が、小学校現場では求められています。
 思考ツールの第一人者、黒上教授が、教育目標としての思考力について、その課題とさまざまな思考スキル例、知っておくべき事をわかりやすく丁寧に解説しています。
《参加しての感想》 全道大会を開催地区は、それぞれの特色や新しい課題に取り組み、それまで積み上げてきた研究の成果を発表します。そして、参加者は、学校を休んで、出張旅費をもらって参加するわけですから、それだけの成果(学ぶべきこと、参考になること、最新情報など)を期待します。
 釧路大会では、特に新しい課題(「ルーブリック」や「シンキングツール」など)に意欲的に取り組みました。その姿勢は高く評価されました。しかし、授業にどう生かされているか、実践レベルでは、まだ課題が残っているように感じました。
 私が助言を担当した授業は、3年生の「阿寒川」を題材にした総合でした。上流、中流、下流の調査から、植生や生き物の調査、上・中・下流の比較、ゴミなどの環境問題へ発展する内容でした。20数名の学級でしたが、1時間いっぱい活発な意見が飛び交っていました。
 教室の後ろの掲示板には、これまでの活動の記録が「発見カード」と活動の写真で紹介されていました。阿寒川の様子は、段ボールで作ったびょうぶ風の掲示物で展示していました。これは生活・総合の研究会でよく見られる光景です。
 国語や算数の授業は、「水戸黄門」や「名探偵コナン」のような時間内で解決する番組に似ています。それに対して、生活・総合は、朝のテレビ小説のような番組構成なので、その時だけ見てもよく分からないのです。この点では、よく工夫された環境構成だったと思います。
 生活・総合では、阿寒小では「阿寒川」、函館は「市電」、旭川は「動物園とコラボしたうさぎの飼育活動」、北見では「ハッカ」とそれぞれその地域の特色を生かした題材を開発します。しかし、阿寒川には、ニホンザリガニはいなく、ウチダザリガニが生息している。函館の市電は年々利用者が減少している。ということを調べて分かる。というのが総合の目的ではありません。
~総合では、子ども自身が価値を感じ、自分ごととして学ぶ姿を目指す。学ぶことの意味を捉える。学び方を身に付ける。対象と自分とのかかわりで学び、学び方やものの考え方を身に付ける。子どもが、自分の成長、よさや可能性について自ら気づくことができる。教師は「学びの世界」が拡がっている事実に気づかせていく~???と言っても分かるようで、よく分からない? 
 端的に言えば、生活・総合に取り組んで成果を上げている学校は、全国学力調査のB問題の正答率が高いということです。そして、アクティブ・ラーニングの原型は、生活・総合にあるということです。ただし、総合には教科書がないので、単元開発から、教材準備、評価など手間暇がかかり、教師の意欲や資質・能力が問われるのです。アンケート調査では、「生活・総合はなくなればいい」と思っている教職員の割合は高いのです。生活・総合の一番の課題はここにあると思っています。
🤷‍♂️最後の年、全道小学校校長会教育研究大会(十勝大会)、生活・総合の全道大会(釧路大会)、この後、全連小全国大会(山口県)、網走小公開研究会の助言も頼まれています。「退職の年に何を今さら、勉強しなくても…。」とある先生に言われました。最後の悪足掻きです。


2020年9月25日金曜日

花だより Nプラン2015前期を振り返る オトコエシ

 

 Nプラン2015 前期を振り返る

N~north(北小学校)「まるいやねの教育」の継承

 北小といえば「まるいやねの教育」です。開校当時の地域住民の北小に託した思い、先人達の思いや願いと教育実践をしっかりと受け止め、それを引き継いでいく使命感を持ち続けなければなりません。

N~new(新しい) 新たな取り組み、人事異動(新戦力) 

 歴史と伝統を受け継ぎながらも、常に新たな取り組みが必要です。今年は多くの指定を受けました。地域連携研修主体校の他、授業改善チーム推進事業では、他校の先生と協力してK先生を中心に授業に入ってもらい徐々に成果が上がってきています。加えて、少人数加配、退職教員活用事業(H先生)、学力向上時間講師(T先生)によるきめ細やかな指導により助けられている子どもたちがいます。

 学校は毎年の人事異動で新戦力が加わります。今年は大幅異動で例年に増して多くの異動になりました。E先生、K先生は、さすがベテランで確実な学級経営には安心感があります。また、特別支援教育の充実を図るためにU先生に来ていただきました。Y先生も本来は特別支援学級担として考えていましたが、1年生の学級増に伴い学級担任に回ってもらいました。加えて新卒(N先生)が加入しました。彼の成長が北小の学校力の証明になります。鍛え甲斐のある新卒ですので、よろしくお願いします。N教頭になって職員室での笑い声が増えました。新しい戦力が新しい風を運んできてくれました。後期も体調に気を付けて頑張ってください。

N~next(次に進む・課題) 学習指導要領の改訂に向けて 時代を読む

 学習指導要領の改訂に向けて、グローバル化や情報通信技術の進展、環境問題、人間関係の変容等に対応できる人材の育成が求められる中、「何を教えるか」から「何ができるようになるか」という学びの質や深まりが重視されています。「主体性・自律性に関わる力」、「対人関係能力」、「新たな価値を主導・創造する力」、「学びに向かう力」、「情報活用能力」、「グローバル化への対応力」、そして、主体的・協働的に学ぶ学習法「アクティブ・ラーニング」の充実、道徳教育の充実、英語教育の推進、インクルーシブ教育システムの構築等を柱としています。

 教育改革が猛スピードで進む中で、アンテナを高くし、情報の収集・整理、活用していくことが大切だと考えます。日々の生活の中で目先のことだけに捕らわれがちですが、視野を広げて教育全体を見ることが必要です。

N~nice(快適で優しい・評価)全国学力・学習状況調査、体力テストの結果を受けて

 教育が大きく変わろうとしているときに、肝心の子どもたちの基礎学力・基礎体力が未だ低迷しています。“Nice”とは言えない状況です。今回の結果を踏まえ、上からのより一層のテコ入れがあるのではないか?と予想されます。北小は、newで述べたように、地域連携研修、授業改善チーム推進事業、少人数加配などの指定を受けています。来年以降その成果が求められます。学力・体力向上が至上命令です。

N~never(あきらめない=精いっぱい)児童理解・保護者対応・開かれた学校

 子どもたちは何事にも「精いっぱい」取り組んでいると思いますが、先生方には、問題行動を起こした児童や特別な支援を要する児童への対応、その保護者対応で苦慮するケースが多いように思います。なかなか保護者に理解してもらえなかったり、理不尽なことを言われたりして、心が折れそうになったこともあったかと思います。しかし、「一人の子どもを粗末にすれば、教育はその光りを失う」という言葉があるように教師は常に子どもや親に寄り添うことが大事です。決して一人で抱え込まず、報告・連絡・相談を徹底し、チームで対応することです。前回の特別支援の特集でも書きましたが、家庭環境、母親との関係が子どもの発達に大きく影響することは周知の事実です。学校は家庭や親の指導まではなかなか踏み込めませんが、情報を共有し、関係機関と連携することが重要です。

N~need(特別な支援を要する児童への配慮) 全道大会に向けて

 特別支援教育の充実は、北小の最重要課題です。現在33名が在籍していますが、今後さらに増えることが予想されます。また、通級指導学級の開設も引き続き強く要望していきます。これまで人事も含めハード面の整備について努力してきましたが、障害種別に一人一人にあった教育(個別の指導計画の充実)が求められます。そのためには専門的な知識の必要性を痛感しています。地域連携研修主体校事業の指定を受け、研修機会を増やしプレ研を開催しましたが、さらに来年の特別支援教育全同大会の本研に向けて全教職員が理解と研鑽を深めることが大切です。

 忘れてはならないのは、支援員さんの存在です。献身的な支援には感謝しても仕切れません。ありがとうございます。




2020年9月24日木曜日

花だより マラソン記録会 シラヤマギク

 


 マラソン記録会 
 かつてはどの学校も秋になるとマラソン大会を行っていましたが、体育の授業に長距離走がなくなったこと、街中の学校では、コースを設定するのが難しいことなどから、やる学校が少なくなりました。順位をつけるマラソン大会ではなく、本校は記録会です。メダルや賞状を出すこともありません。それでもマラソン記録会当日になると、毎年たくさんの保護者が駆けつけて声援をおくってくれます。子どもたちもこれを目標に普段から練習に励んでいます。
😃「新しいシューズを買ってもらった。これでバッチリ!」(本番当日におニューの靴で大丈夫?)
😜「お母さんが見に来る?だけどすぐ『何やっての?もっとがんばりなさい!』て怒るからイヤだ!でも、じいちゃんは、やさしいからちょっとがんばっただけで、何でも買ってくれるからスキ!」
😒「練習すればするほど順位がどんどん下がっていく?それだけみんなも頑張っているんだよね!」
😢「絶対、○○くんには勝てない?でも、『自分なりに頑張ればそれでいいんだよ。』と先生に言われた。でも、勝ちたいなあ!」
😁「お父さんが『10位以内に入ったら、好きなモノ買ってくれる。』と言ってくれたけど、無理なの知っていてそう言っているんだ?」
😊「10秒以上縮めたよ!お母さんが『よくがんばったね!』と言ってくれて、夜はごちそうだった。」 
 多くの皆さんに応援していただき、天候にも恵まれ好記録が出たようです。また、関門のお手伝いをいただきました保護者の皆さん、ありがとうございました。

          網走大曲湖畔園地のコスモス畑 見ごろを迎えました。

2020年9月23日水曜日

花だより 敬老会とお彼岸 ヒガンバナ

 


  敬老会とお彼岸  
😃地域の敬老会に4年生が招待され行ってきました。おじいちゃん・おばあちゃんに「花笠踊り」や童謡「ふるさと」を披露しました。とっても喜んでもらって、あるおばあちゃんが、わざわざ私のところまで来て、「校長先生、ありがとうございました。朝日小学校の子供たちは本当によい子ばかりで、毎朝、ちゃんと“おはようございます”とあいさつをするし、横断歩道で車を止めると、ていねいに頭を下げていくんですよ。」とお褒めの言葉をいただきました。。
😁一番感心したのは、自治会の皆さん総出で会のお世話をしていることです。会場づくりから、会の進行、会場の隅ではお母さん方が“焼きそば”を作っていました。とても温かい素晴らしい敬老会でした。ビンゴゲームでは、子供たちもたくさん景品をもらいました。美味しいごちそうもいただき、「来年も来たいなあ!」と言っていましたが、来年は、今の3年生の番です。「敬老の日」と「子どもの日」が一緒になった敬老会でした。
🤷‍♂️お彼岸 おはぎを買って、お墓参りに行きました。コロナ禍でも、たくさんお参りに来ていましたが、来ているのは、皆さんお年寄りばかりです。大型スーパーには、ハロウィンの飾りでいっぱいですが、若い人には、日本の文化風習も大切にしてほしいと思います。


2020年9月22日火曜日

花だより 敬老の日 収穫 ナンバルキセル 秋桜

 


 敬老の日
 「じいちゃんは、まだ64歳だから、『敬老の日』のお祝いはしないほうがいい。まだ、老人というほどじゃないからね。その方がきっと喜ぶと思うよ。70歳になってからでいいんじゃない?」 なるほど、その考えは正しい!
 2年生がとうきびの収穫
朝「とうきびとってくるからね。校長先生にもあげるから。たのしみにしていてね。」
休み時間「校長先生、これから、とうきびゆでるんだ。あとでもってくるから、たのしみにしていてね。」
次の休み時間「校長先生、もうすぐゆであがるから、もう少しまっててね。」
次の休み時間「校長先生、2年生のとうきびです。食べてください。もぎたては、すごくおいしいですよ。」と校長室に持ってきてくれました。甘い甘いとうきびでした。ごちそうさまでした。
3年生は図工の時間に自分たちで栽培した「かぼちゃ」を描いていました。
 収穫の秋、スポーツの秋を迎えました。過ごしやすい気候どころか、急に気温が下がり寒くなってきました。衣替えはお済ですか?

網走大曲湖畔園地のコスモス



2020年9月21日月曜日

花だより K先生結婚披露宴 ホオズキ

 


 昨日、うどんやさんで、「やっぱり牧野先生だ!」と親子連れに声をかけられました。一人は父親の後ろに隠れて、一人は、母親にだっこされていました。妻は「あら、〇〇先生なの?マスクしていたので分からなかったわ。お子さんたち大きくなったわね。」
  K先生結婚披露宴 平成27年11月14日
「挨拶は短く、幸せは長く」と申します。一言お祝いの言葉を申し上げます。
👩‍🦱K先生は、新卒で本校に赴任してきました。最初の2年間は、校長室に来て、よく泣いていました。決してメソメソして泣くのではありません。これもしたい、あれもしたい。でも、思い通りにいかない。自分への不甲斐なさで、悔し涙を流すのでした。その姿を見て、この子はいい先生になるなと感じました。泣く度に、よしよし分かった。ご飯食べに来るか?と何度ごちそうしたか分かりません。
😂昨年のある日、校長室にやってきました。「また、ごちそうしてほしいのか?」と聞くと、「はい、そうです。今回は連れがいます。お寿司や焼き肉は、どれだけ食べるか分からないので、やめておいた方がいいと思います。」と言って連れてきたのが新郎のY先生です。
😃実は、北小学校には、Y君を知っている。教えたという職員が何人かいます。皆さん口をそろえて、「あの子は、良い子だ。」と言っていました。私も会って、誠実で優しく、そして、食べっぷりを見て素敵な人と巡り会ったと思いました。
本日、O家、K家のご家族と初めてお会いしましたが、なるほどこの両親にしてこの子有り、きちんと教育をされてきたということがよく分かりました。どうかご両親をお手本に素敵な家庭を築いて下さい。そして、お二人は教員ですので、結婚を機に、さらに教員としての力量を高められ、オホ-ツクの子どもたちにために、がんばってください。
O校長先生から夫婦の教訓の言葉がありましたので、私からも裕哉君へのアドバイスとして、しっかり者の奥さんの言うことをよく聞くこと。これは私が結婚生活で学んだことです。少々長くなってしまいました。それでは乾杯を致します。
「ご結婚おめでとうございます。乾杯!」
👍Y先生は、お腹周りに貫禄がついたように見えました。K先生は、しっかり者のお母さんになっていました。子育てが一段落したら、現場に復帰するそうです。きっといい先生になるでしょう!




2020年9月20日日曜日

花だより 学校は地域と共にある ヤブラン コスモス

 


《学校は地域と共にある》
😂街中にある個人経営のスーパーが今月いっぱいで店終いすることになりました。郊外にできた大型店に太刀打ちできなくなったのです。地域住民やバスでやってきて病院の帰りに買い物するお年寄りも多くいたのですが、不便になる人たちがいます。街中商店街がますます寂れていきます。
🤷‍♂️朝早くから、商店街では、店先の掃除と花壇の世話が始まります。街づくりは行政だけではなく、商店主や商工会の努力で支えられていることが分かります。
😢学校までの道のり、立派な庭のある家が数軒あり、四季折々の風情を楽しむことができました。(これまでは)、ところが最近、草ぼうぼうの荒れ放題になっています。立派なお屋敷には住んでいる気配がありません。いかにもお年寄りが好む庭でしたので、施設にでも入られたのか?と心配になります。
😊北海道小学校校長会の教育研究大会が十勝(幕別町に全道から680名の校長が集まりました。)で行われ参加してきました。分科会で隣になったのが東川町の校長先生でした。修学旅行で訪れた町だったので話が弾みました。東川町は、きれいな街並みで、どこの家にも花が植えられていて、礼儀正しい小学生に出会った話をしました。
👍東川町は旭川市のベットタウンとして発展を遂げる豊かな町です。木工製品の町として有名なほか、田園風景が美しく、毎年「写真甲子園」が開催されています。豊富な伏流水で上水道がない町としても有名(水道代がタダ)、道内でも数少ない人口が増加している町、と次々自慢話が出てきました。そして、何より全国学力テストも上々だそうです。
👀“子どもたちの健やかな成長は、学校だけでなく、家庭や地域と共にある。学校は、地域・家庭から信頼されなければならない。”と開会式で北海道知事からのメッセージが紹介されました。その通りだと思いました。





2020年9月19日土曜日

花だより コロナ禍でも運動会 オミナエシ 秋刀魚

 


  コロナ禍でも運動会
😃コロナ禍で、春の運動会が中止になりましたが、観客を制限し、内容を縮小して秋に開催した学校がありました。保護者からは、「午前中だけなのでお弁当を作らないでよかった。」と歓迎の意見があったと言います。運動会は単に学校だけの行事ではなく、地方では地域あげての行事でもあります。孫の晴れ姿を見るため遠くからやってくるじいちゃん、ばあちゃんは、久しぶりに家族そろってお昼を食べながら、語らうのを楽しみにしています。残念ながらそんな光景は、見られませんでしたが、できただけよかったと思うべきでしょう。
 北小学校の運動会のあいさつから
 😢1等はピンクリボン、2等は青リボン、3等は黄色リボンがもらえます。
1等、2等の人は、ニコニコしてリボンをもらいます。黄色の人は、1等のリボンを羨ましそうに見ています。4等以下の人は、「はやく自分のテントに戻りなさい。」と言われますが、下を向いて悔しそうに走って戻っていきます。
 運動会は勝ち負けを決める戦いです。負けて悔しいのは当たり前です。負けてヘラヘラ笑っていたら、それは精いっぱい頑張っていなかったことになります。
 たとえ、4等でも5等でも 精いっぱいがんばっている姿を見て、家族の人は、感動します。校長先生もじいちゃんなので、孫の運動会を見てよく分かります。
 今年の運動会のテーマが体育館の窓に貼ってあります。
「Never give up Get the win」です。 あきらめないで勝利をつかんでください!
 😃ただし、ニコニコ笑ってやる種目があります。それは遊戯です。これは勝ち負けを決めないので、精いっぱい笑顔全開で元気よく踊って下さい。
 保護者の皆さん 本日は早朝より、場所取り、テント立てとお疲れさまでした。
 3年前は、雨と寒さの中での運動会でした。「こんな状況でやるのか?」とお叱りを受けたことを思い出します。今年は、30度近く気温が上昇し、風が強い予報でしたので、早朝4時から水をまきました。「ちょうど良い天気の運動会にならないのか」と、またお叱りを受けそうですが、天気ばかりは、どうしようもありません。天にかわって、お詫びを申し上げます。どうか体調に気を付けてご観覧いただきたいと思います。
 さて、児童数の減少に伴い3学級から2学級になった学年が多くなったことから、今年は、3色対抗から、2色の対抗戦になりました。本来であれば紅白ですが、赤と黄色になっています。これは赤・青・黄色でこれまでやっていましたので、得点板や用具に白がないという事情からです。ご理解をいただきたいと思います。
 👀それから、今年、応援歌ができました。団体戦の時に子どもたちが歌って応援することになっています。保護者の皆さんに協力をお願いする競技「借り物競争」があります。6年生の組み体操など、見どころ盛りだくさんの運動会です。どうか最後までご声援を賜りますようお願いい申し上げます。





2020年9月18日金曜日

花だより ウイズコロナのキーワード ゲンノショウコ ツユクサ 

 


 《ウイズコロナ 対のキーワード》

👀接触→非接触、蜜→疎、集中→分散、恒常→不確実、完全→可能、習慣→変革、前例重視→解決重視、指示待ち→自発、群→個、管理→共感、音声(会話)→文字(チャット)
🤷‍♂️コロナ禍で「新たな考え方や新たなモノに対する意識」が大きく変わった。本質的なところが変わろうとしている。または、変えざるをえなくなった。
 1人1台のPC環境を整備するGIGAスクール構想の前倒しや遠隔教育・オンライン学習などは加速化の典型例だ。その可能性と必要性を受容した人数が増大したことから、その方向へ加速化した典型例といえる。これまで、その必要性や重要性に気づかず、理解できず、納得できなかったこと、あるいは不安で踏み出せなかったことが、コロナ禍により、受け入れざるをえなくなり、体験したらそれほど悪くもないと腹落ちしてしまった。「禍転じて福となす」である。
 教育展望9月号「コロナポスト時代の教育を考える」から
      信州大学名誉教授 一般社団法人教育情報化推進機構理事長 東原 義訓 





2020年9月17日木曜日

花だより インクルーシブ教育システム ススキ ツユクサ 

 


 障害児を抱える保護者の願いは、他の子たちと一緒にしてほしい。というのが共通の願いです。ところが現場では、多くの問題を抱えています。
インクルーシブ教育システム
 平成24年7月に中教審答申で「共生社会に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」という報告がなされ、様々な施策が進められてきています。こうした国内法の整備を受けて、障害のある子どもと障害のない子どもたちができるだけ同じ場で学ぶことを基本としていますが、ただ同じ場にいれば良いということではありません。そこには子どもたちが授業の内容が分かり、学習に参加している実感・達成感を持ちながら充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身に付けていけることを本質的な視点として示しています。連続性のある多様な学びの場を用意し、専門性のある教員による一人一人に応じたわかる授業を展開し、障害のある子どもとない子どもたちが日常的にかかわっていく交流及び共同学習を充実するなど、特別支援教育を発展させていくことが、共生社会を形成していくために重要なことです。
《特別支援教育の現状》 
 小中学校段階の全児童生徒数は、毎年概ね10万人ずつ減少している中で、特別支援学校などの特別支援教育の対象となる児童生徒数は、毎年約1万5千人から2万人ほど増えているのが現状です。
 通常学級に在籍する発達障害の可能性のある児童生徒の在籍率は、6.5%という調査結果もある。通級による指導の特別な場での教育を行っている学校が約3%を合わせると約9.5%の児童生徒が特別支援教育の対象となっている状況です。





2020年9月16日水曜日

花だより 教育を充実するには、まずはお金をかけること アキノタムラソウ

 


 教育を充実するには、まずはお金をかけること
            鳥 居 泰 彦 氏
 明治の学制を始めるに当たり、「education」という言葉をどう翻訳したらよいかをめぐり、明治の元老たちの間にいろいろ意見が出たそうである。
 大久保利通公は、何も知らない子どもたちに知らないことを教える。そういうことにむしろ力点を置いた「教化」という言葉を文部郷の森有礼は「教え育てる」というところに力点を置いて「教育」という言葉、福沢諭吉は、一人一人の子どもの中に内在する能力、いろいろな才能、そういうものを引き出すという意味を込めて「啓発」という言葉を主張した。この3つはいずれも大事なことで、これらを総合したもの(何も知らない子どもたちに知らないことを教えてやる。そして、彼らを育ててやる。さらにその才能を引き出してやる)が、今日我々が言うところの「教育」であろうと思う。
 中央教育審議会などでいろいろな方の意見を伺っていると、子どもたちに議論させて、その議論の中から答えが出てくるかのごとく論ずる極端な意見の方もあるかと思うと、徹底的に教えろという意見の方もおられ、まさにこれらの3つのことが同時に行われているのが教育である。
《教育改革は国の最重要課題》
 教育は国の最重要課題であり、長期の国家戦略として「教育」は一番重要視されなければならない。1983年アメリカの教育改革白書の膨大な報告書の最後に「教育には金がかかる。その金を惜しんでかけなければ、あまりできのよくない人間の山を築くことになる。そうした場合に、あまりできのよくない人間の山(国民)ばかりになってしまった国家を改善するには、はるかにもっと大きな金がかかり、コストがかかる」という言葉で締めくくられている。
 既に財務省は、教育予算の削減を、教員の給与カットや人確法の破棄等あらゆる手段で削減しようとしている。これから「それを思い止まりなさい。そんなバカなことばかり言っていると国はおかしくなりますよ」ということを申し上げなければいけないので、これからは私にとって大変忙しくなる。
【鳥居 泰彦氏】 慶應義塾大学塾長を退任した2001年、旧文部省の中央教育審議会を母体に他の審議会を吸収して大幅に拡張した文部科学省・中央教育審議会の初代(第1期)会長に就任し、6年間(第3期まで)にわたり在任した。日本の教育行政の最高諮問・答申機関の長として、幼児・初等から中高等に至る教育行政・教育制度の改善・改革の提言に貢献した。(大検制度から高等学校卒業程度認定試験への移行、教育基本法改正関連、法科大学院・高度専門職業人養成大学院の設置基準、その他、教育界に影響ある答申がなされた。)


2020年9月15日火曜日

花だより 私はADHDです。 コスモス ススキ

 

 

 はじめにお断りしておきますが、私はADHDです。というわけで動物園の動物みたいにウロチョロしながら話しますが気にしないでください。
 前玉川大学大学院教授 阿久澤 栄 氏(全国特別支援学級設置学校長会研究大会の講演から)
《障害?or母子関係の悪さ?》
🤷‍♂️「発達障害の子どもがいるので見てほしい。」という依頼があり、これまで四百数十人見てきましたが、その中の70%の子どもは、発達障害と同じような問題行動はあるものの発達障害ではない子どもです。発達障害と同じような問題行動をする子どものほとんどは「母子関係の悪い子ども」たちです。愛着関係からスタートしていますから、母子関係が問題なのです。
 この母子関係の悪さは、非常に難しい問題です。ある子は3歳ですが、荒れに荒れて、落ち着きがなく、自分の意見が通らないと噛みついたりします。その反面、特定の保育士には、ベターっとくっついていきます。いろいろ調べていくと家庭内に問題があることが分かりました。愛情不足の欲求不満ゆえに出てきている問題行動なのです。母子関係の悪い子どもの多くは、ADHDや多動衝動型と同様な行動をとりますが、一つ違うところは、小学校でいえば、授業中はおしゃべりが止まらず教室を勝手に出て行ってしまっても休み時間になると教室に戻り、担任にベターっとくっついているというのが、母子関係の悪い子どもの典型です。
 この3歳児の両親は、共働きで夫婦間の会話も少ない上、お母さんいわく「仕事が忙しくて子どもの面倒を見ている暇がない。」という有様です。これでは子どもがうまく育つはずがありません。忙しい中でも、ちょっとでもその子を抱っこしてあげれば違うのです。また、子どもへの声掛けの仕方がわからないという母親もいます。学級の中に指導が難しい子どもがいて7割の子どもは発達障害ではなく、母子関係が悪い子どもだと頭に入れておくことです。そして、決して母親だけを責めることなく話し合うことです。子どもはもちろんですが、母親にも寄り添うことが必要です。
《教師に必要な研修とは何か?》
👀必要なのは、障害特性の理解と、それを基にした声掛けなどの具体的な対応方法等にかかる研修です。
 こんな事例を数多く見てきました。授業中にたち歩く子どもに先生は「○○ちゃん、何してるの?」と声をかけると「立ってる!」と答えます。すると先生は馬鹿にされたと思いカーッとなります。ますます話が通じなくなり、最後は全く同じように終わります。「勝手にしなさい!」するとその子は教室から出て行きます。
 これが「言外の意味」です。普通の子が理解できても発達障害の子は「言外の意味」が理解できないのです。「○○ちゃん、今は授業中だから座っていましょうね。後でゆっくり話を聞いてあげますからね!」と優しく声掛けすると、子どもは着席するはずです。
 それと発達障害の子どもたちの多くは聴覚に異常がある場合があります。障害特性を踏まえた対応方法を学ぶできです。
(*要約:牧野 講演は約2時間ありましたので、ここで全てを紹介することはできません。)
👍特別支援担当は、専門的な高度な知識と指導力が必要です。しかし、これを要求されてもなかなかできるものではありません。教師個人の資質・能力には限界があります。そこで必要なのはチーム力です。一人で背負わないことです。組織として対応すること、関係機関との連携が重要になってきます。





2020年9月14日月曜日

花だより 穏やかなときに指導する フヨウ

 

《穏やかなときに指導する》

 👀特別支援教育でご講演いただいた丸山先生の話の中で、パニック(興奮)状態のときにいくら言ってもダメ!穏やかなときに指導しなければ効果がないと言われました。

 日曜日、保育園の運動会が本校のグラウンドで開催されました。保育園の先生の動きを見ていて思い出したことがあります。

 若松小学校は、運動会、学芸会などの学校行事は、地域の保育所と合同で行います。ですから、校長は、入園式や卒園式などの保育所の行事によく参加しました。

 🤷‍♂️卒園式の最中でした。一人の女の子が急に泣き出しました。ベテランの保母さんが、とんでいってその子をぎゅっと抱きました。こんなとき小学校の先生ならどうするでしょう?「どうしたの?何があったの?」と問い正すでしょう。しかし、その保母さんは、「わかったよ。いいよ、いいよ。」と別室に連れて行き、泣き止むまでずっと抱っこしていたのです。そして、泣き止んで落ち着いてから、「何かイヤなことあったの?」と聞いたのです。

 子どもは、悲しいときや痛いときなどに泣きますが、どうしていいか分からなくなったとき、不安になったときも泣きます。頭も心もめいっぱいのときには、何も受け入れなくなってしまいます。

「どうして言わないの?泣いていたって分からないでしょ!」と言われても、何をどう言ってよいか分からないのです。子どもの心理をよく理解している保母さんは、まずは安心させるために、落ち着くまでぎゅっと抱っこしてあげるのです。

 😒丸山先生は、「大人の発達障害が心配です。」と校長室で話していました。「学校の先生にも結構いますよ!」と言っていましたが、大人だとぎゅっと抱っこするわけにはいきません。問題は深刻です。

2020年9月13日日曜日

花だより コロナ禍で教職員を増やす「いつやるか?今でしょ」 桔梗 瓢箪

 


 教職員を増やす「いつやるか?今でしょ」
 コロナ禍で学校現場が大変なことに
  このままだとたくさんの先生が倒れてしまうかもしれない!
😢消毒・清掃、子どもの誘導、見守り、個別の子どもへのケア、保護者対応、緊急的な対応に臨時的な手当て、加えてICT、オンライン授業などに対応した研修など、教職員で打ち合わせるべきことが増えた。授業時間の組み替え、教材の見直し、一日中働いて、土曜日も授業がある学校もある。新学習指導要領への移行も始まり、あらゆる課題にきちんと対処しようとすると、教職員の一日が24時間では絶対に足らない。人が足らないのだ。
🤷‍♂️文科省もようやく本腰を入れて、教職員の増員に取り組み始めた。6月の2次補正予算では、3100人の加配にとどまったが、30人学級化の検討を始めたというニュースが7月に流れた。しかし、学校現場は、今日明日の手が足りていない。何より急いでほしい。
👀ただし、教職員として十分な資質や能力を持った人を集めるために、しっかりとよい雇用条件を準備してほしい。「教職員の増員」というフレーズで、ただ数の確保だけを形式的に優先してしまうと、質の問題が抜きにされてしまいかねない。 (「教育展望」9月号 日本教育学会会長 広田輝幸)より
🤣教職員を増やすことは喫緊の課題だが、不適格教員を抱えた学校は、さらに悲惨な状況になることも事実、一度採用したら、簡単に辞めさせることができない。難しい問題です。





2020年9月12日土曜日

花だより 高校の位置づけを改めて考える ツリガネソウ 葛

 


 高校の位置づけを改めて考える
    全国高等学校長協会の萩原 聡会長に聞く
 文科省は普通科を「学際融合学科」「地域探求学科」等の新設を認める再編を提示
👍「小学校が変わり、中学校も変わった。変わらないのは高校」と言われている中、大学受験との関係の中で、普通科教育の画一化が問題になっています。私学などでは、生徒の実情や進路に合わせたコース制を導入したり、独自の科目を設けたり、普通科でSSHをやっている高校もありますが、それと今回の再編は何が違うのか。また第3の学科である総合学科との違いは何か、よく分かりません。
普通科というのは、「中学校までで学んできた科目をさらに発展させて勉強する」といった準義務教育的な位置づけになっています。ここを複雑にすればするほど、今度は大学入試が大変になるでしょう。
 要は、高校で何か新しい科目を作っても、その子たちを受け入れる先があるかどうか。結局、大学が、理科は物理・化学・生物が必要というのなら意味がないのです。自分たちが教えるべきもの、教えていきたいものを作って、高等学校としての立ち位置は確立できても、その先につながるかどうかが、大きな問題となるのです。
 高校は、どういう位置づけで何を目指すか、高校教育をどう考えるかというところが、実は普通科改革に大きくかかわっている部分だと思います。そういう意味で、各学校の存在意義や期待される社会的役割、目指すべき学校像をスクール・ミッションとして再定義することは大切かと思います。
 (以上「先端教育」9月号より 牧野要約)
 ***地方の高校の実態***
🤷‍♂️都市部の高校の校長先生は、大学受験が真っ先にあるようですが、田舎の高校とは大きな違いがあります。
😒今、1学年20人に満たない高校の閉校をめぐって議論になっています。住民感情としては、地元の高校がなくなることに反対するのはよく分かります。地方の自治体は、地元の高校存続のため授業料や教科書代、制服、通学手当など保護者や生徒に手厚い援助を行っていますが、ほとんどの子どもたちは通学時間が長くても都市部への進学を選択します
👀都市部の進学校と違い、地方の小規模高校では、中学校レベルの勉強どころか、小学校のおさらいをしていて、高校の先生のモチベーションは低い。これが現実なのですが、都市部から地方の高校にやってくる生徒もいます。そうした生徒の受け皿をどうするかという問題もあります。また、部活や交友など高校はただ勉強するだけに通うところではないという理由もあります。地方の高校の立ち位置を確立して高等教育の役割を果たせるかどうか、残すならどうした高校にするか、客観的で冷静な判断が必要です。





2020年9月11日金曜日

花だより 《知識の詰込み》から《知識を使いこなす力》を育てる教育へ ヒメジュオン 

 


 コロナ禍こそピンチをチャンスに
   新学習指導要領で育てる指導ポイント
 《知識の詰込み》から《知識を使いこなす力》を育てる教育へ
   新学習指導要領に策定にかかわった上智大学の奈須正裕教授に聞く(「先端教育」9月号より)
 これまでの伝統的な学校教育が「有能さ」を伸ばしていたからと考えると、必ずしも伸ばしていないというのが結論です。膨大な知識や技能を教え込みますが、知識や技能は「有能に」問題解決する際の武器や道具、材料に過ぎず、たくさん持っていても、それを上手に使いこなせなければ意味がない。いわゆる宝の持ち腐れです。「もっている宝は全部うまく使えるようにしよう」というのが、コンピテンシーベース、「有能さを伸ばす教育」です。
 かつては、知識を持っていること自体が競争的にも価値のあることでしたが、ICT,AIなどが発達し、知識や情報自体には、いつでも、どこでもアクセスでき、誰でも習得できるようになりました。知識の所有が「有能さ」に占める比率は、どんどん下がっています。
 例えば、計算機のなかった時代は、早く計算できることが大事でした。しかし、今は計算ができることより、その仕組みをよく理解し、応用できることの方が大事。そういう方向へ学力の質を移行させようというのが、コンピテンシーベースの教育「資質・能力の育成」や「主体的・対話的で深い学び」なのです。
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 これからの教育で大事なことはよく分かるのですが?
🤩「東大王」というクイズ番組があります。東大クイズ研究会に所属する彼らの圧倒的な知識量に驚くばかりです。それ以上に感心するのは、早押しクイズでは、問題の途中であるにもかかわらずに答えたり、分からない問題でも、これまでの知識から推測して正答を導き出す能力です。「もっている宝を全てうまく使っている」「有能さを伸ばしている」さすが東大生と感心するばかりです。
🤷‍♂️小学生に、「計算が速くできたり、漢字を正しく書けてもそれを使いこなせないといけません。」と指導して本当に良いのでしょうか? 大した知識や経験もないのに、理屈だけこねる小学生が増えやしないか心配です。知識や経験があって正しい判断力が養われると思うのですが・・・。教室にいる半分は、計算も漢字の書き取りもやっとついていっているような子なのです。





2020年9月9日水曜日

花だより 通知表の変遷 ジンジャー 

 


 通知表の変遷 
    国語  算数  社会  理科
1学期
2学期
3学期
🤷‍♂️私たちの時代は、相対評価の5段階評価でした。(「5」は学級の児童数の7~8%、45人学級なら上位3人に「5」を付ける。)
 通知表は神棚に上げられ、お盆やお正月、実家に里帰りしたときは、従兄弟の通知表と比べられました。母は私の通知表と当時の絵や習字などの作品を桐の箱に入れて大事にしまってありました。私が教師になったとき、「逆の立場(通知表をつける)になったんだね。」と言って、おもむろに桐の箱を出してきました。
 私が教師になったときは、すでに現在の3段階評価でした。名称も「あゆみ」とか「あしあと」に変わりました。そして、目標に達成しているかどうかで評価する絶対評価になりました。
《通知表さえなければ教師ほど楽なモノはない?》
 テストや活動の記録を参考に一人一人を評価して、評価欄に「○」の判子で一つ一つ付けていきます。時間のかかる事務作業です。所見は、もちろん手書きです。先輩や教頭先生に見てもらってから、間違わないように注意して書きます。そして、校長先生のところに持っていきます。当時の校長先生から「人を評価するということは、とても難しいことです。教師の一番大事な仕事と言ってよいでしょう。子どもの評価は、自分への評価だと思って、心してやりなさい。」と言われたのを覚えています。
 時代は、アナログからデジタルへと変化しました。通知表も印刷業者に依頼することなく、学校で印刷できるようになり、またパソコンの普及から、判子片手に「○」をつける作業もしなくて済むようになりました。今は全てパソコン上で作成します。
 新しい通知表  
👀アナログからデジタルに変わっても、担任が一人一人を見つめ、評価する姿勢は変わりません。そして、通知表は、決めつけたり、子どもにプレッシャーを与えたりするモノではありません。担任から家庭へ、どんなことができていて、気を付けてもらいたいところはどういうところか、学校での学習や行動の様子を知らせるものです。 “「A」の○の数が前の学期より増えたら、ゲームソフトを買ってもらえる!”と言った子がいましたが、“それはどうかな?”と思います。通知表を上手に活用して下さい。





2020年9月8日火曜日

花だより E先生ご結婚おめでとう タマスダレ

 


 E先生 ご結婚おめでとうございます。
😊E先生はこの4月、結婚を機に他管内から転勤されてきました。本校では、特別支援学級を担任しています。わずか4ヶ月のお付き合いですが、ねばり強く、優しく、丁寧な指導と保護者へ親身に対応する姿を拝見しながら、真面目で、優しく、誠実なお人柄を職員皆が感じ取っています。
 結婚の先輩として、贈りたい言葉があります。
👌教員の結婚、特に女性の場合は、教員として妻として、また、子どもができると母として、教員だけでも大変なのに、家事、育児と一人何役もこなさなければなりません。夫の理解と協力が欠かせません。そこで先人の言葉です。
👀~右の靴は左の足には合わない。でも、両方ないと一足とは言わない。夫婦とは二つを半分になるのではなく、ひとつの全体になること。結婚前には両眼を大きく開いて見てもいいが、結婚してからは片目を閉じて見ること~これが結婚生活の基本です。
👍そして、旦那様にお願いです。朝夕の食事はうまからずともほめて食べること
帰りが遅くなるときもあるかもしれません。E先生のことですから、教え子たちのことを優先することがあるかもしれませんので、どうかよろしくお願いします。
🙌遠く離れていても赤い糸で結ばれたお二人です。夫婦生活が幸多からんことをお祈り申し上げます。そして、円満な家庭生活を基盤に教師としてますます幅を広げられることを期待しています。


2020年9月7日月曜日

花だより 論語に学ぶべし コルチカム 枝豆

 


 校長として何をなすべきか~『論語』に学ぶべし~ 
 第一章 学而編一 「人生の最上の楽しみ」
「孔子先生がおっしゃった。学問を学び、それを反復すれば自分のものとなり、こんなに喜ばしいことはない。また、学んでいると同学同志の友が遠方より訪ねて来て、ともに語り合い、いっそう楽しくなる。たとえ学問が成就したことを世間の人が認めてくれなかったとしても、それを嘆くことはあるまい。その道を求めていく人を君子というのだから…。」とある。
第二章 為政編十九 「まず実行せよ」 
 孔子の高弟が「君子とはどのような者か」と聞いた。孔子は答える。「君子とは、まず行動を先に見せ、その後にものをいうものである。」
第一章 学而編十 「学問は自分を磨くためにある」
「学問は自分自身の教養を深めるためで、人に知られるためにやるわけではない。学問が進み人格が備わったことを、人が知るか知るまいが、そんなことはどうでもいいことだ。それより他人の真価を見抜けない自分の能力の低いことを憂うべきである。」 
👀《論語に学ぶ》
 世の中が乱れて住みにくくなると『論語』がもてはやされるという。『論語』というと“儒教の聖典”と呼ばれ、政治家や経営者たちが座右の書としていた。そのため、難しいと思われがちだが、複雑な人間関係の中で、人として何を守るべきなのか、その心構えと実践を説いたものである。「人格を鍛える本」といっても過言ではない。誰もが一人前の社会人であろうとするならば、常識として備えて置かなければならない「人の道」なのである。
第一章 学而編四 「学問は人格形成が第一」
「人徳を備えた人物になるように努力することをまず実行して、さらに余力があるならば、本を読んで教養を付けるとよい。」
第一章 学而編五 「理論よりも行動」
「ある人を見ていると、師を尊敬するのにまるで美女を好むように接し、父母に仕えてはあらんかぎりの孝行を尽くし、君主に仕えては一身をささげて忠義を尽くし、友だちと交際するときは誠実をモットーとしている。この人は自分には学問がないというが、ここまでできる人は学問が完成した人だといってよい。こうしたことができる人は、人の道をつかんでいるからであり、立派な学者以上の人といえる。」
第十七章 陽貨編一八八 「学ぶことで人の差が出る」
「人の本性は誰でも似たようなものであるが、学ぶことによってそれぞれ違ってくる。」
 態度の悪い問題児Aが校長室にやってきた。担任から厳しく説教してくれと頼まれたのだ。罰として、論語を暗記させることにした。Aが通う児童館に行くと、若い女性指導員から、「校長先生は、校長室で子どもたちに『論語』を教えているのですか?」と聞かれた。Aから、“孔子先生が言うには、言葉巧みにおべんちゃらを言ったり、外見の体裁やファッションだけにこだわるような人は、本当の仁(優しさ)とはほど遠い者だ。”「先生も気を付けなさい。」と言われたそうだ。
👀《「教育は人なり」語り尽くされた言葉だが、ここに行き着く》
 特別支援学級の子を見ていて、つくづく思うことがある。ある先生にはよくなつくが、ソリの合わない先生には、悪態をついて毛嫌いする。障害はあっても本能的なものは逆に研ぎ澄まされているような気がする。
 父子家庭の男子は、先生方がどんなに優しく声をかけても言うことも聞かなかったが、母親を想起するような女性の支援員さんだけには懐いた。その支援員さんは、「あの子、かわいいところあるんですよ。」と笑顔で接するのだ。「何という悪ガキだ!親の顔を見てみたい?」と思って接すると、彼はそれを察知するのである。
👍「人格の完成」が教育の目的である。故に、教える教師の人格が問われる。
 日本の教育は大きく変わろうとしている。しかし、オホーツクの教育は、旧態依然とした課題を抱えたままである。“『論語』に学ぶべし”と思うのだが、私には時間がなくなってしまった。次代の校長に託す。




            



2020年9月6日日曜日

花だより K教頭先生へ ヒルガオ

 

 K教頭先生 校長昇任おめでとう!
 教頭先生は、職員室の要です。野球でいえば、キャッチャーのポジションです。チームで一人見る方向が違っています。
 電話による相談や苦情は日常茶飯事、ご近所からの苦情も多い。PTA関係、渉外全般、先生方からの学級経営上の問題、授業の進め方の相談、所見のチェックなどなど、教頭先生の職務は多岐にわたっています。
 ピッチャーが0点に押さえれば、それはピッチャーの手柄、打たれたらキャッチャーの責任だと言われるように、教頭先生は、割に合わないポジションです。
 K先生は、本校で4年間、その一つ一つを丁寧に冷静に、適確に対応して、先生方や保護者,地域の方々から信頼されてきました。教頭への信頼は、そのまま本校への信頼でもあります。
 K先生が30代前半の頃、B小学校で3年間一緒に勤務しました。当時は、毎年公開研究会を開催している学校で、研修部長として美小の研究を支えていました。その後、研究推進校のA小学校、道研の研究員と一貫して研修畑を歩み、こういう人が指導主事になるものだと思っていました。(そうなっていればオホーツクの教育も変わっていたかもしれません。)
 縁があって北小でまた職場を共にすることになりました。優秀な教頭先生に1年間支えてもらい感謝の気持ちでいっぱいです。
 K先生の印象は、堅物で融通が利かないと思っている人が多いようですが、奥さんとの馴れ初めやB小学校時代の宴席での言動は、決してそういうイメージではありません。そのことを話すと私のこともばらすと言われそうなので、それは秘密のままにしておきます。
 校長として赴任するY小中学校は、管内でも数少なくなった小中併置校です。本来は2校目の校長が行く学校です。初任校長としては抜擢人事です。二人の教頭を使って学校経営をする立場になります。思う存分手腕を発揮してください。期待しています。
                            ~送別会にて~





2020年9月5日土曜日

花だより 『星の王子さま』は何を語る? 山ぶどう

 


  『星の王子さま』は何を語る?
 ~ある星に行くと、たくさんの美しいバラの花が咲いています。その様子を見て、星の王子さまは、そこにいたきつねに言います。「そりゃ、ぼくのバラの花も、何でもなく、そばを通っていく人が見たら、ただのバラの花だと思うかもしれない。だけど、あの一輪の花が、ぼくには、とても大切な花なんだ。だって、ぼくが水をかけた花なんだからね、風に当たらないようにしてやったんだからね・・・・、不平も聞いてやったし、自慢話も聞いてやったし・・・」。それを聞いたきつねは、「あんたが、あんたのバラの花をとても大切に思っているのはね、そのバラの花のために、暇つぶしをしたからだよ。」と言いました。~ 
😃表現は平易で簡潔、内容は日常的であり、真理をついています。きつねは冷静に、一見冷たく解説していますが、私たちはきつねの側面を持ちながらも、星の王子さまでありたいと思います。星の王子さまも“ぼくのバラの花”の世話をしながら、心は満ち足りています。
👍一方で、作者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュベリは「その大人の人は、昔、一度は子どもだったのだから、私は、その子どもに、この本を捧げたいと思う。」と巻頭言に書いています。何でも興味深く受け入れることができた子ども時代の自分を思い起きしなさい。そして、今の自分をしっかり見つめなさい。大切なものを見失っていないか?
👀校長として、教職員であれ、保護者であれ、その出会いが豊かになり得るためには、まずその人に時間を使って、その人の話に耳を傾けることが大切です。
 「和」を大切に だれであっても受け入れるという「和」の意味することは、人間形成にとても大切なことと考えたからです。
👌AかBかと問い詰める現代の風潮ではなく、教育は、その間にある人としての哀歓や温かさ、迷いを大切にするものだと思います。「止揚」も然り、「調和」も然り。人との出会いを大切にしながら、学校を子どもが豊かに成長し生きる力を備える場なのです。
 子どもとの出会いを基に保護者との出会いもあります。個性的な親もいます。この話は、参考になったでしょうか?





2020年9月4日金曜日

花だより 私バツイチなんです!若松小学校入学説明会 レンゲショウマ

 




 若松小学校の入学説明会(校長として初めて赴任した学校)
 北見市郊外にある若松小学校は特認校といって、校区がなく、市街からの入学を認めている学校で、毎年1年生6名の募集します。恵まれた環境を生かして、冬になると近くの若松スキー場で毎日スキー(ゲレンデスキーとクロスカントリスキー)です。高学年は、オホーツクサイクリング(雄武から斜里まで212キロ)に参加します。他にも25キロを歩く強歩遠足、リコーダーは毎年全国大会参加など、特色ある教育活動をしているので関心を示す保護者が多く、入学説明会には、多くの入学希望者が集まります。希望者を集めるのが校長の一番の仕事で、4月から市内の幼稚園・保育所回り学校のPRをします。関心はあるのですが、送迎は保護者が責任を持って行うこと。PTA活動が盛んで、行事の参加率はいつも200%(両親、祖父母も参加)。PTA会費の他、文化スポーツ後援会費など街の学校に比べてお金がかかる。、それが負担になるのか、最終的には入学者が減ってしまいます。
 👀ある年の入学説明会で、参加者の自己紹介と希望した理由を聞く場面になったとき、あるお母さんが真っ先に手を挙げて「私はバツイチなんです。隠してもすぐ分かってしまうことなので、この場で言います。シングルマザーになると決めたとき、“この子はどんなことがあっても私が立派に育てる。”と心に決めたんです。うちの子は、若松小学校でたくましく育ってほしいと願っています。私は仕事しています。でも、子どもの送り迎えは、責任を持ってちゃんとやります。PTAの役員も進んでお引き受けしますので、どうそよろしくお願いします。」と堂々と話されました。次の方が「実は、私もバツイチなんですが、先に言ってくれたのですごく気が楽になりました。」その後、その場が急に和やかになって学校のことや子どもたちのこと、家庭での様子や子育ての悩みで盛り上がりました。
 👍さまざまな家庭環境の中で子どもは育ちますが、教育の一番の責任者は親であり、次に学校(先生)なのです。こんなお母さんの話を聞くと、大切な子どもを預かる教師は、頑張らなくてはならないと思います。

2020年9月3日木曜日

花だより 教室拝見 ツルボ ミニトマト

 


 ≪教室拝見?≫
 👀校長、教頭が朝と放課後、校内巡視をします。「掃除用具入れ」を開けてチェックするときもあります。その理由は?
□掲示物
 ・学習状況に合わせて張り替えてあるか? 常掲図はあるか?
 ・曲がって貼っていないか? 画鋲は正しく打っているか?
 ・見やすいように心がけているか?
 ・子どもが書いたものを指導もせずにそのまま貼っていないか?
□整理棚
 ・不整理棚になっていないか?
□教材・教具
 ・教材は使いやすように整理(準備)されているか?
□黒板
 ・黒板は、いつもきれいになっているか?
 ・黒板消しは?チョークは?
□机の配置
 ・授業内容に合わせて、机の配置を変えているか?
 ・机がきちんと並んでいるか?
□教師机の引き出しの中は、整理整頓されているか?
□その他 ゴミ箱、窓、カーテンは?
◎授業参観では
 ・椅子の座り方、鉛筆の持ち方、挙手の仕方など、基本的なルールを徹底されているか?
 ・板書は、上手でなくてもていねいに書いているか?
*子どもたちに整理整頓を指導しているあなたは「まめやかな教師」ですか?




2020年9月2日水曜日

花だより 修学旅行「行かせてくれてありがとう!」 ミョウガ タマネギ

 


 修学旅行「行かせてくれてありがとう!」
🤷‍♂️コロナ禍で修学旅行が大変なことになっています。実施時期や行先の変更、学校も大変ですが、旅行業者は中止されないよう、あの手この手を考えて提案しています。子どもたちにとっても修学旅行は、学校生活の最大の思い出になるからです。
 思い出に残っている斜里朝日小の修学旅行があります。
😃「行かせてくれてありがとう!」
 出発式で修学旅行実行委員会の代表の子が見送りに来た家族へ言った言葉です。子どもからこんな言葉が出るとは思いませんでした。修学旅行は、学校生活の中での一番の思い出です。心に残る修学旅行にするため、多くの人にお世話になりました。旅行会社はJRでした。知床斜里駅の駅長さん自ら添乗員をしてくれました。2日目が雨になり、硫黄山をやめて急遽「北海道新聞社の工場見学」はできないかとか、釧路動物園のアムールトラの公開時間を延長してもらえないか園長さんにかけあってくれました。それにバスガイドさん、同行した👍カメラマンさんがビンゴゲームの景品を出してくれました。
思い出づくりのためにたくさんの人にお世話になりました。お陰様で楽しい思い出がいっぱいの修学旅行になりました。お世話になった皆さんへのお礼は、いつまでも楽しい思い出として心に残すことです。そして、修学旅行に行かせてくれた家族への感謝の気持ちを忘れないことです。
😊おみやげは、「みやげ話」
「あのね。動物園でおにぎりを食べていたら、カラスが食べかけのおにぎりをくわえて飛んでいったんだよ。」とか「裁判所の中に入って、裁判官の席に座って、裁判官の着る服を着て、本当の裁判のようにしてやったんだよ。」
😉話すだけでは忘れてしまいます。作文に書くことです。そうすれば10年後、20年後のクラス会で、きっと修学旅行の思い出で盛り上がることでしょう。




2020年9月1日火曜日

花だより 校長採用選考試験(論文) オシロイバナ

 


  校長採用選考試験(論文)
《論 題》 近年、学力や体力などの問題が、日常的に取り上げられるとともに、子どもたちの安心・安全の確保や教職員の服務規律の保持の徹底、異校種間の連携など、教職員の使命と自覚に基づいた学校体制の点検及び見直しが強く求められています。あなたは、このことをどのように考え、どのように地域や保護者に信頼される学校づくりのリーダーンシップを発揮するのか、これまでの実践例を踏まえ、具体的に述べなさい。
 *2400字以内、2時間で自分の考えをまとめて書かなければなりません。
 信頼される学校づくりのために、うちの〇〇教頭先生は、以下の2つを柱に学校経営に邁進すると論じました。
【柱1】
「教職員一人一人が資質・能力の向上を図り、教職員全員で学校の使命を果たす学校組織を創り上げる。」
【柱2】
「開かれた学校づくりを推進し、家庭・地域と協力して、学校が教育力向上の推進母体となって変革する。」
 実に的を射た考えだと思います。保護者の中には、辛辣に学校批判、教師批判をする人もいます。中には思っていても口に出さない人もいます。学校(教師)に対する風当たりは間違いなく厳しいものがあります。信頼回復するためには、教師一人一人の毎日の教育活動の積み上げにかかっています。