はじめにお断りしておきますが、私はADHDです。というわけで動物園の動物みたいにウロチョロしながら話しますが気にしないでください。
前玉川大学大学院教授 阿久澤 栄 氏(全国特別支援学級設置学校長会研究大会の講演から)
《障害?or母子関係の悪さ?》
🤷♂️「発達障害の子どもがいるので見てほしい。」という依頼があり、これまで四百数十人見てきましたが、その中の70%の子どもは、発達障害と同じような問題行動はあるものの発達障害ではない子どもです。発達障害と同じような問題行動をする子どものほとんどは「母子関係の悪い子ども」たちです。愛着関係からスタートしていますから、母子関係が問題なのです。
この母子関係の悪さは、非常に難しい問題です。ある子は3歳ですが、荒れに荒れて、落ち着きがなく、自分の意見が通らないと噛みついたりします。その反面、特定の保育士には、ベターっとくっついていきます。いろいろ調べていくと家庭内に問題があることが分かりました。愛情不足の欲求不満ゆえに出てきている問題行動なのです。母子関係の悪い子どもの多くは、ADHDや多動衝動型と同様な行動をとりますが、一つ違うところは、小学校でいえば、授業中はおしゃべりが止まらず教室を勝手に出て行ってしまっても休み時間になると教室に戻り、担任にベターっとくっついているというのが、母子関係の悪い子どもの典型です。
この3歳児の両親は、共働きで夫婦間の会話も少ない上、お母さんいわく「仕事が忙しくて子どもの面倒を見ている暇がない。」という有様です。これでは子どもがうまく育つはずがありません。忙しい中でも、ちょっとでもその子を抱っこしてあげれば違うのです。また、子どもへの声掛けの仕方がわからないという母親もいます。学級の中に指導が難しい子どもがいて7割の子どもは発達障害ではなく、母子関係が悪い子どもだと頭に入れておくことです。そして、決して母親だけを責めることなく話し合うことです。子どもはもちろんですが、母親にも寄り添うことが必要です。
《教師に必要な研修とは何か?》
👀必要なのは、障害特性の理解と、それを基にした声掛けなどの具体的な対応方法等にかかる研修です。
こんな事例を数多く見てきました。授業中にたち歩く子どもに先生は「○○ちゃん、何してるの?」と声をかけると「立ってる!」と答えます。すると先生は馬鹿にされたと思いカーッとなります。ますます話が通じなくなり、最後は全く同じように終わります。「勝手にしなさい!」するとその子は教室から出て行きます。
これが「言外の意味」です。普通の子が理解できても発達障害の子は「言外の意味」が理解できないのです。「○○ちゃん、今は授業中だから座っていましょうね。後でゆっくり話を聞いてあげますからね!」と優しく声掛けすると、子どもは着席するはずです。
それと発達障害の子どもたちの多くは聴覚に異常がある場合があります。障害特性を踏まえた対応方法を学ぶできです。
(*要約:牧野 講演は約2時間ありましたので、ここで全てを紹介することはできません。)
👍特別支援担当は、専門的な高度な知識と指導力が必要です。しかし、これを要求されてもなかなかできるものではありません。教師個人の資質・能力には限界があります。そこで必要なのはチーム力です。一人で背負わないことです。組織として対応すること、関係機関との連携が重要になってきます。
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