「すべての子どもとよい関係をつくろう」という幻想
公立高等学校教諭(臨床心理士) 寺島 達也
すべての学校、教師にとって、子どもの成長と発達が基本的な教育目標のはずです。けれども教師によって、その対応に差が生じてしまいます。
子どもへの関心と心配を重視する教師もいます。また、子どもの不安を誘発し、敵意を抱かせてしまう教師もいれば、そうでない教師もいます。ある教師には常に反抗的で、感情を逆なでるような態度をとる子どもが、他の教師には協力的であったり従順であったりすることもしばしばあります。
このように、教師と子どもとの関係は固定化されたものではなく、状況に応じてしばしば変化します。
無理なものは無理と自覚
そもそも「教師は、すべての子どもとよい関係を持たなくてはならない」といった発想自体が、幻想ではないでしょうか。
もちろん、教師が特定の子どもに対して一方的に反感や嫌悪感を持つことは好ましいとは言えません。けれども教師も人間である以上、どうしても馬が合わない、うまくつきあっていけない子どもがいても当然です。問題は、それを教師が自覚しているかどうかです。
学校にはさまざまなタイプの教師と子どもがいます。「たとえ自分がうまくつきあえない子どもがいたとしても、ほかの教師がその分をフォローしてくれればそれでよい。」くらいの気持ちでいれば、感情的な衝突のかなりの部分は防げます。ところがなんとか二者間で解決を図ろうとして無理をすると事態はややこしくなります。(牧野要約)
🤷♂️教師の働き方改革は、教師の高等テクニックに頼るのではなく、組織で対応することが求められています。無理なものは無理と自覚するのも大切なことです。
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