2021年11月30日火曜日

花だより 素敵なご婦人 アザトウナ ミカン

 

 心がホッとステーション ~素敵なご婦人~ 
 朝早く、校門の前で落ち葉を掃いていると、自転車に乗った中年のおばさんから「学校の先生ですか?」と声をかけられました。「何年生の担任ですか?」と聞かれました。ジーンズを履いていたので若く見られたのかと思いました。「もしかして校長先生ですか?朝早くから、ご苦労様です。」そう言うと深々と礼をして、自転車にまたがり去って行きました。その姿を見送っていると、すぐ止まって、歩道に落ちていたゴミを拾い籠の中に入れました。その後も何度も止まっては、ゴミ拾いをしていました。
 この話を妻にすると、「通信に載せるときは、おばさんではなく、ご婦人と書くのよ。」と注意されました。早起きはするものです。こんな素敵なご婦人と出会うことができました。
 1週間後、児童民生委員の学校訪問がありました。「やっぱり、校長先生だったんですね。」と言われ、あのときのおばさん!ではなくてご婦人でした。

2021年11月29日月曜日

花だより 誤審の可能性もすべて競技の本質 キチジョウソウ タラバガニ

 

 体操は審判による採点で勝負が決まる競技です。体操に限らず、フィギアスケートなどもそうですが、審判の採点にときどき首をかしげたくなるときがあります。
 そうした中で、オリンピック3大会に出場したベテラン体操の加藤沢男選手は、後に「そのような採点によって、血のにじむような努力を評価されることをむなしく思ったことはないですか?」と質問されたとき、笑ってこう語りました。
 「それは逆だと思います。電気計時などの冷たいメカニズム、エレクトロニクスで人間の努力がはかられることこそ、私はむなしいと思います。体操は、オリンピックの中でももっとも人間的な、人間くさい種目です。審判をふくめた人間対人間の戦いだからこそ、おもしろくてならないのです。」
 体操に限らず、審判が人間である以上「微妙な判定」はつきものです。今回の東京オリンピックでも、「日本びいきの採点だ!」というSNSの投稿や、さらに選手に対しての誹謗中傷の投稿も多くあったといいます。しかし、「誤審の可能性もすべて競技の本質」という加藤選手の意見は、体操を、そしてスポーツを深く理解した「スポーツマン」としてのすごさを表しています。

2021年11月28日日曜日

花だより ジャイアント馬場と大谷翔平 チャ

 

 ジャイアント馬場と大谷翔平
 子どもの頃のヒーローは、プロレスラーのジャイアント馬場だった。
 これまでのオリンピックを見ても、日本人はスピードとテクニックで対抗するのだが、外国人の体格とパワーには敵わなかった。唯一、1964年前回の東京オリンピックで女子バレーボールチームが当時のソビエト(圧倒的な体格差のある)を破って金メダルを獲得した。このときのテレビは最高視聴率で「東洋の魔女」として称賛された。
 プロレスも当時は高い視聴率だった。外国人の悪役レスラーに序盤はコテンパンにやられるのだが、最後逆転の技でスリーカウントを取ると観客は大盛り上がりする。ところがジャイアント馬場は違った。2mを超える身長は、外国人レスラーより大きい、動きは遅いが、パワーでは負けない。最後は16文キックで相手をノックアウトさせる。これが痛快だった。
 メジャーに挑戦した野球選手はたくさんいる。イチロー選手が代表である。スピードとずば抜けたバットコントロール、そして守備力でMVPを獲得した。しかし、大谷翔平選手の体格は、メジャーリーガーの中でも引けを取らないどころか大きい方だ。松井秀喜選手でさえ、ホームランはシーズン30数本が最高だったが、今年の大谷選手は、40本を超えホームランキングを争ったのだ。そして、ただの二刀流ではない。投げては160キロを超え、変化球の切れもいい。メジャーリーガー相手に三振の山を築く、おまけに1番バッターで出塁すると盗塁までする。パワーとスピードを兼ね備えているのだからすごい!さらに、日本人だからとアメリカ人から嫌われているどころかファンが多いという。彼の人間性によるものだ。正に漫画の主人公のようなヒーローが大谷翔平選手である。


2021年11月27日土曜日

花だより 少年院に入って、勉強は大事だと知った サフラン

 少年院に入って、勉強は大事だと知った
 成績優秀だった子が事件を起こすと大きな記事になりますが、非行少年のほとんどは、学力の低い子なのです。 
 ~少年院で育てる「学力つけ世界観是正」~
 主に中学生が入院する少年院が、入院者にテストをした結果、小学3年生以下が約3割、4年生以下までで6割近くになった。九九もわからず、漢字の読み書きも満足にできない。「1mが何㎝か知らない」「窓を3分の1開けることができない」『ソ』と『ン』、『シ』と『ツ』の区別が分からない。世界地図で日本の位置が分からない。地球が丸いということが理解できていない子もいる。
 不安定な家庭環境の子どもは、家庭で学習する環境にないこともある。勉強がわからないので小学校でも居場所がなく、中学生になって非行化していく場合が多い。教師に暴力を振るって少年院に来た子は、「中学校に登校しても教室ではなく、仲間のたまり場ばかりに行っていた。授業はわからないから、つまらない。友だちとしゃべっていた方がおもしろかった。でも、今は勉強しないとまずいと思っている。今は本も読めるようになった。」という。「学力は善悪の判断や行動の結果を推測する力の基礎になる。小中学校9年分を1年程度ですべて覚えさせるのは難しい。基礎学力の習得は、少年たちの狭く偏った世界観を是正することに役立っている。
 👀今は人手不足だと言いますが、雇う方は、誰でもいいわけではないのです。単純作業は、人に代わってロボットがやる時代です。基礎学力は必須です。勉強は、やらなければならないのです。


 

2021年11月26日金曜日

花だより 2つの「目」を大事にした大谷翔平選手 ピラカンサ

 

 「二刀流でメジャーにいく」
 今年メジャーで大活躍した大谷翔平選手は、高校時代の恩師から「『2つの目』を大事にしなさい」と言われ、今でも忠実に守っているそうです。2つの目とは、「目的と目標」、目的に向かって、どんな目標を立てて、それをどう実行していくか」
 目標を立てるまでは、誰でもできるますが、それを実行して実現させるのですから、正にスーパースターです。加えて人間性も素晴らしいという、文句のつけようがありません。
 今の子どもは冷めています。将来の夢や希望を持たず、難しい目標はチャレンジする前にあきらめてしまうと言われています。「将来の夢は、公務員になって、退職したら年金でのんびり暮らす。」と応えた子がいましたが、今の子どもたちが年金をもらう頃、年金制度がどうなっているかわかりません。しかし、子どもは子どもなりに夢や希望を持っています。どんなに小さく、どんなに変に思えるものでも、その夢や希望にまずは耳を傾けるべきです。また自分の経験や長い間にわたって苦労して夢を実現した人々の生き方などを折に触れて話すことです。そして、人生の目標は汗を流し、失敗を重ねながら達成していくものだと、励まし、温かく見守る。「オリンピック選手になるんだ!」「アイドルになりたい。」と言っても「そんな夢みたいな話をするんじゃない!」と言わないことです。人類は「月に行きたい。」という夢を持ったから、現在の宇宙開発があります。スペースシャトルディスカバリーの日本人女性宇宙飛行士山崎直子さんは「宇宙戦艦ヤマト」を見て、宇宙飛行士になる夢を持ったそうです。大事なことは、夢を目的に定め、目標を立てて、実行していくことをきちんと教えることです。

2021年11月25日木曜日

花だより パラリンピックの感動をいつまでも リュウノウギク

 

 😂パラリンピックのダイジェストをNHKでやっていました。東京で開催してことで、初めてパラリンピックの競技を見ました。そして、感動しました。
「敗者とは、最後にゴールするランナーではない。最初から、出場を諦める人だ!」
 南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス選手の母親の言葉です。“スポーツに限らず、何事にも精いっぱい努力する人であって欲しい!” 今回の「東京2020パラリンピック」を観戦して改めて思いました。
 惜しくも敗者となった選手からも、「開催してくれた関係者、これまで支えてくれた多くの人に感謝します。」というコメントが多かったように思います。家族はもちろんのこと、個人競技の選手もチームメイトやスタッフに対する感謝の言葉がありました。特にパラリンピックの選手は、そう思うのでしょう。
 👍日本は東日本大震災以後、人と人との「絆」とか「支え合う」ということが大事にされました。安倍前総理は「復興オリンピックにする」と言いました。そのことを象徴する大会となりました。仲間はずれやいじめとは無縁の世界です。パラリンピックから多くのことを学ぶことができました。
「子どもたちに夢と希望と勇気を与えることができたらうれしい!」とコメントしたメダリストがいました。パリ大会は、もう3年後です。冬季大会は、年明けすぐです。


2021年11月24日水曜日

花だより “いのち”を伝える動物園(動物から子育てを学ぶ) イワレンゲ

 

 “いのち”を伝える動物園 (動物から子育てを学ぶ)
 👀動物園は、動物を見せる施設ではない。動物の“いのち”を伝えるところだ。
 動物たちは自然が創りあげた巧妙な子育ての仕方を見失うことなく、淡々と命をつないでいく。お乳は、子の腹を満たすだけでなく、親子の触れ合いをつくり、温もりで心にも栄養を与える。たっぷり愛情を受け、子は生きる力を身につけ成長する。やがて親になり自分が経験したことを子に伝える。実に単純だが、そこに大事なものがある。
 “Education”の語源には、「お乳で育てる」とある。“いのち”の教育、その始まりは親子の触れ合いである。“いのち”はイノチからしか伝わらないのだ。(動物園長の話から)
 🤷‍♂️こども園では、生後6か月の子から受け入れる。少子高齢化社会にあって、女性の社会進出、共働き世帯の増加、子育ては、社会全体で行う、行政が手助けするのは、当たり前になった。未満児担当の保育士は、複数の子にミルクや離乳食を与え、一日でゴミ袋3~4つ分にもなる紙オムツの処理をしている。人間社会では、自然が創りあげた巧妙な子育ての仕方を見失っているような気がする。 

2021年11月23日火曜日

花だより お風呂の入り方をきちんと教える ウメバチソウ

 

「お風呂の入り方をきちんと教える」~ 
 🤷‍♂️寒くなってくると温泉がいい。週末は、近くの温泉の日帰り入浴を楽しんでいます。
 親子連れにもよく会いますが、いきなり湯船に飛び込んでくる子がいて、親はそれを注意しない。「おい、おい…」と注意すると、「何だこの爺さん?」と怪訝そうな顔で睨まれ、呆れてしまったことがありました。
 「俺はこうやって育てられたんだ!」「私の家では、そんなこと教えられなかったわ!」
夫婦の間で、子育ての方針について、衝突することは多々あります。ごはんの食べ方や寝る時間、かたづけの仕方など挙げればきりがありません。些細なことで日頃の生活習慣すべてで考え方の違いが出てきます。
 それもそのはずです。どんな人でも自分の体験をベースに子育てをしてしまうものなので、当然、家庭によってさまざまだから、ぶつかるのも当たり前です。
 その家庭がどんな子育てをしているかが、手に取るように分かるのが「お風呂」です。
一人一人のお風呂の入り方を見ていると親の姿が見えてきます。きちんと体と足を洗ってから湯船に入る子ももちろんいますが、中には脱衣室からそのままドボンと飛び込む子、立ったままシャンプーして、シャワーを周囲にまき散らして頭を洗う子もいます。旅番組でタレントさんが温泉に入るシーンを見て、バスタオルを巻いたまま入ることがマナーだと誤解している子どもさえいます。一緒に入っている周りの人のことを、全然気にしていません。「いつも家でそういうふうにやっているの?」と聞くと、必ず「はい」と答えます。その家庭の子育て文化が子どもにしっかり根付いています。
 確かに最近は街中の銭湯もなくなり、公衆浴場で大人からマナーを学ぶ機会が減っています。でも、親が“まわりの人のことをきちんと考えられるように”という育て方の方針をしっかり持っていれば、たとえ銭湯に行かなくても子どもは自分で気づくものです。
 👀今一度立ち止まって、自分の子育てを振り返ってみるべきです。「お風呂に入るときは、まず体を洗ってから。体を洗うときは、まわりの人にしぶきがかからないように注意して、座って流すのよ。」お風呂の入り方を教えることは、優しくまわりを気遣える子どもになる、大切な機会です。


2021年11月22日月曜日

花だより 11月22日は「いい夫婦の日」 ヒガンバナ

 


  11月22日は「いい夫婦の日」

 今さら「愛しているよ」とは言えないけれど「ありがとう」と言える仲
 経済産業省は11月22日を「いい夫婦の日」と制定し、ゆとりある生活や生きていくことの意味を夫婦という単位から見つめようと毎年、理想の夫婦を選ぶ「パートナー・オブ・ザ・イヤー〇〇」や「いい夫婦川柳コンテスト」など様々な企画をやっています。今年は、渡辺徹さんと榊原郁恵さん夫婦が選ばれました。
 夫婦円満秘訣は、「思いやりを持ち、お互いの長所・短所を理解し、尊敬しあうこと」だそうです。
 「医者よりも 看護師よりも あなたの手」
最近では、日本映画製作所連盟など4団体からなる「映画館に行こう!」実行委員会が、夫婦のどちらかが50歳以上であれば夫婦2人で2000円で映画が見られる「夫婦50割引きキャンペーン」を行うなど、少子高齢化対策の一環として、夫婦で過ごす時間を見直し、お互いに尊敬し感謝しあえる関係づくりに様々な取り組みがされています。
 そこで「いい夫婦の日」に吉永小百合さん主演の映画を見に行ったことがあります。70歳を過ぎているとは思えない美しさに驚いた妻は、目を真っ赤にして言いました。「どうして彼女は、若くて、きれいで、気品があるの?あんな奥さん本当にいるのかしら?」
 いい夫婦の日川柳の入選作に「大丈夫 賞味切れても 熟年期」というのがありました。今さら、「愛しているよ」とは言えないけれど、いつまでも「ありがとう」と言える仲でありたいものです。
           

2021年11月21日日曜日

花だより 子ども一人に6人の財布 ミゾソバ

 

 
😃こども園の発表会 「上手にできたら、じいちゃんが『欲しいモノ買ってやる。』と言ってたよ。」 孫におもちゃを買ってやると「子どもが欲しがっていたからといって、買わないでください!」と親から叱られます。じじばばの数少ない楽しみですが、これは良くありません。
 今は一人の子どもが、“周囲に6人の財布を持っている大人がいる”と言われています。両親と、その双方の祖父母のです。
😒母親は、「ゲームソフトは買わない。」と言っているのに、いつの間にか子どもが持っている。「どうして持っているの?」と聞くと、「おじいちゃんに買ってもらった。」と言う。おじいちゃんに「どうして買うんですか?」と詰め寄ると、「いいじゃないか、子どもが欲しいと言うんだから」と、「子どもが欲しいと言ったら、何でも買っていいんですか?」と、思わずキレて言いたくもなる。しかし、そこはふだん面倒を見てもらっている手前、あまり強いことは言えず、グッとがまんする。
🤔やはり祖父母としては、基本的には親の方針を尊重して欲しいと思います。親が“ダメだ”と言っているのに、子どもに頼まれたからと言って、安易に買い与えるのは問題です。
👍しかし、祖父母としては、かわいい孫からねだられると、つい喜ぶ顔見たさに買ってしまう気持ちもよくわかります。ですから、孫は欲しいと言ってきたときは、まず、「お父さん、お母さんに聞いてみなさい。」と言うのがいいでしょう。また、親が決めた額以上は買わないとか、特別な日(誕生日、クリスマス、お正月、お祭りなど)のプレゼントにするとか、決めた方が良いでしょう。クリスマス・お正月が近づいてきました。おじいちゃんおばあちゃんとよく話し合ってください。


2021年11月20日土曜日

花だより 干支の始まり ヒマラヤスギ

 

 こども園の発表会で5歳児さんが「干支のはじまり」という劇をします。「園長先生、子、丑、寅、…て全部言える?私ね、全部言えるよ、劇の練習でやっているから…。」
< 干支(えと) >は、十干と十二支を組み合わせたものが本来の「干支」
 十干の最初の「甲」と十二支の最初の「子」の組み合わせ「甲子(きのえね)」から始まり、「乙丑」「丙寅」「辛卯」・・・と続き、「癸亥(みずのとい)」まで組み合わせは60通りあります。干支がひとまわりして同じ干支が巡ってくることを「還暦」(60歳)といいます。
「園長先生は、還暦を過ぎているんだよ。」と言うと「もう一回りするまでがんばったら?」と言われました。
 書の世界では、年月日を記すときは「年号(令和3年)」ではなく、例えば「甲午年」のように干支で書きます。歴史で習った「壬申の乱」「戊辰戦争」「辛亥革命」など、歴史上の大事件の呼び方にも干支が使われています。おなじみ「阪神甲子園球場」の名称も竣工した1924年(大正13年)の「甲子(きのえね)」から来ています。
 さらに干支による性格診断もあります。「ねずみ年」の性格は、細かいところに気づき、正直で勤勉。「いのしし年」は、正直で小心、遠慮がちで涙もろく、人情に厚いそうです。
 このように干支は、日本人の生活に密接にかかわっています。

2021年11月19日金曜日

花だより 弱い人を守りなさい 煉獄杏寿郎  ダルマギク

 



「弱い人を守りなさい」と教えるのは親
 人の間をすり抜けるようにして歩道を猛スピードで走っていく自転車があります。レンタサイクルがブームになっていますが、今、自転車運転のモラルが問われています。
 自転車に乗っていた子どもが軽い接触事故を起こして人にケガをさせると「学校の自転車指導に問題がある」と文句をいう親がいます。でも、これは間違いです。ルールを教えるのは学校かもしれませんが、その土台になっている「弱い人を守る」という気持ちを教えるのは親です。親が子どもにその気持ちを教えていなければ、いくら交通ルールを教えても事故は防げません。ルールを守らなければ、“走る凶器”になるという気持ちを育てるのは親しかいません。
 自転車の乗り方だけでなく、おりにふれて子どもを諭し、弱い人を守ろうという気持ちを育てていく必要があります。お年寄りが横断歩道を渡ろうとしているとき、赤ちゃんを抱いたお母さんを見かけたとき、保育園児が遊んでいるとき、いろいろな場面で子どもに伝えられます。しかし、どんな場面でも必ずこうしなければならないというルールはありません。だからいくらルールを教えても優しさは育たないのです。「いじめ」が無くならない原因でもあります。
 👀「鬼滅の刃」鬼殺隊の柱の一人“炎のように熱く燃える男”煉獄杏寿郎は、子どもの頃、母親から「強い者は、弱い者を助けるのです。」と教わったそうです。

         

2021年11月18日木曜日

花だより 女性の品格 大和撫子(3) ヤクシソウ 

 

 「女性の品格」 坂東眞理子著 《昭和女子大学学長》
 いまや女性の社会進出、活躍が当たり前となった現代の日本。学校や職場でも、優秀で元気なのは女性ばかりです。女性の価値観、果たすべき役割が大きく変化しています。では、古い型の「女らしさ」はもはや求められないのでしょうか? 
 いや、女性上位の時代だからこそ、従来の男性とは異なる価値観、よき女性らしさを、職場や家庭に持ち込んでほしい、と著者は語っています。「礼状が書ける」「約束をきちんと守る」「型どおりの挨拶ができる」「姿勢を正しく保つ」「贅肉をつけない」「人に擦り寄らない」「よいことは隠れてする」「得意料理をもつ」「恋をすぐに打ち明けない」など   本書は、ビジネスから装い、話し方、恋愛にいたるまで、女性としての振舞い方を具体的にアドバイス。何げない日常の立居振舞いに、女性の生き方と品位はおのずと表われるものです。学校もこども園も女性教師の方が圧倒的に多いので、この本を読んで私も勉強しなければならないと思いました。


2021年11月17日水曜日

花だより 平野嘉子女史を偲んで 大和撫子(2) ミズヒキ

 



   平野嘉子女史を偲んで 大和撫子(2)
 平野校長先生は、私が教頭として初めて仕えた校長先生で、管理職の「いろは」を教わった恩師でもあります。本岐小学校の教頭に決まったとき、「平野校長の下で働くのか?気の毒だな。すごく厳しいらしいぞ!」と周囲から言われ覚悟して赴任しました。
 初日、前任の教頭先生からの引継ぎで、「朝は子どもたちがバスで8時くらいに来るので、7時半くらいに出勤して、校長との打ち合わせは、7時50分頃でいい。」と言われ、それでも若干早く出勤したのですが、すでに平野校長先生は職員室におられて、お茶を入れて待っていました。
 次の日、7時15分くらいに行くと、また、私より早く来ていました。3日目から、7時に出勤しました。すると次の日から、校長先生は7時50分頃に来るようになりました。「もっと早く来なさい。」とは直接言われませんでしたが、お茶を入れて待っていると、「あなたより、私の方がお茶の入れ方は上手だわ。気を遣わなくていいわよ。」と言われた。
 朝は、年配の用務員さんが7時前には来るので、用務員さんと話をする時間がたっぷりできました。学校のこと(歴代の校長、教頭の話など)、校舎の不備なところ、地域のこと、保護者のことから、山菜の採れる場所までいろいろな話を聞くことができました。“早起きは三文の得”とは、よく言ったものです。校長先生のねらいはここにあったのかと思いました。
 平野校長先生は、「教室が汚いわよ。ちゃんと掃除しているの?」「職員室の机の上は、いつもきれいに整頓しておきなさい。」「なによ。あの授業は、あれじゃ子どもたちは分からないわよ。」と年配の先生にも遠慮することなく、特に若い先生にはいつも厳しく指導していました。
 本岐小学校は、校舎が古く、職員5名中、新卒が3名の学校で、おまけにその年は、管内のへき複の研究大会が当たっていました。「研究大会は、牧野教頭さんに任せたわよ。恥ずかしくない研究会にするのよ。」と命じられました。先生方と夏休みに壁の塗装や床磨き、教材室や資料室の整理をしました。指導案の検討、複式授業の基礎から大会紀要の作成など諸々、教頭1年目にいろいろなことを経験させてもらいました。その間も直接何かを言われたり、注意を受けたりすることはなく、赴任前の評判とはずいぶん違う印象を持ちました。
 研究大会の閉会式、校長のあいさつで、いつも堂々と流暢なあいさつをされる平野校長先生が、一瞬言葉が詰まり、涙声になり、「こうして大会が無事終了できたのは、職員が一丸となって取り組んでくれたお陰です。」と話されたとき、いつも厳しく凛とした校長先生の優しい(女性らしい)一面を見ることができました。それ以降さらに職員が一つにまとまったように思います。
 私に筑波の国立教育研究所の中央研修の話がありました。時期が1月末から6週間で年度末と重なり、校長先生は出してくれるはずがないと思っていましたが、「木目様の推薦だもの、行ってらっしゃい。」(当時木目澤先生はオホーツク教育局の指導主幹をされていました。)と快諾してくれました。平野校長先生のお陰で貴重な研修の機会を得ることができました。
 そんな平野校長先生がある日、「私が教員になったときは、女性教員がまだ少なく、“何だ!女の先公か?女のくせに”今でいうセクハラよね。私の性格だもの、なよなよなんかしていられなかった。男なんかに負けない。そんな思いでずっとやってきたのよ。」と話されたことがありました。確かに負けず嫌いできつい性格だと感じていましたが、当時の職員の中には、山口県に異動した教員がいて、「○○さん、元気でやってますか?」と何度も電話をいただいたと言っていました。私にも異動する度に、「牧野さんは、牧野さんらしくやりなさい。それからね。前の髪型の方がお似合いよ。」(本岐小時代は、パーマをかけていました。)と平野校長先生らしい励ましの言葉を何度もかけてもらったことを思い出します。心優しい気遣いのある校長先生でした。
 そんな平野校長先生が亡くなって10年が経ちました。


2021年11月16日火曜日

花だより 現代の大和撫子 ムラサキシキブ


 女性の社会進出を促進することが急務です。 
【大和撫子】の条件として
1)控えめな女性(かわいくわがままならOKでしょう?)
2)酔っ払って大声で話さない。
3)露出度の高い服装の場合、崩した座り方はしない。
4)相手の意見の半分は受け入れる(そして相手に流されない)
5)料理が得意、掃除はちゃんとする。  
 *この5つが揃ってれば立派な【大和撫子】です。
 女性の多い職場で、こんなことを言ったら、大顰蹙(ヒンシュク)を買うでしょう。
 由来は「ナデシコ(撫子)」 6~8月に河原に咲く花で花言葉は、「純愛、無邪気、思慕、可憐、貞操」と女性的なイメージから来ていますが、別の意味もあって、「才能、大胆、快活、勇敢、野心、器用」などの意味もあることから、女性が社会進出するためには、大和撫子の条件も変える必要があります。
1)積極的に自己主張する。
2)お酒を嗜む
3)ハイセンスなファッション性
4)相手の話もきちんと聞く
5)家事は分担、最新家電を使って効率的に行う。 
 でしょうか? 
  

2021年11月15日月曜日

花だより 「寂聴」という意味  イソギク

 

 瀬戸内寂聴著「生きる言葉あなたへ」より
 「寂聴」という私の法名の意味は、
 「出離者(俗世間から離れた者)は寂(しずか)なるか煩悩(ぼんのう)を聴く」という意味だと、仏教の師の今東光師から教えられました。煩悩とは、鐘とか木魚とか、お経の声とか、仏教に関するすべての音です、また春の小川、小鳥の声、赤ん坊の産声、恋人のささやき、この世の森羅万象の奏でる快いすべての音です。それを出家したものが寂(しず)かな心で聴くということです。
 「生きるとは、人を愛すること」
「牧野先生は、瀬戸内寂聴さんの本を読んだことがありますか?」と本を紹介してくれたのは、木目澤先生でした。そのときの1冊しか知りません。
  ~名 言~
 私は、多く傷ついた人が好きです。
 挫折感の深い人は、その分、愛の深い人になります。
 いろんな経験をしてきたからこそ、あなたの今があるのです。
 すべてに感謝しましょう。  寂聴
 「人を愛するとは、雷みたいなもので、あるとき急に落ちてくるのね。どうしようもできないのよ。」と「徹子の部屋」で語っていました。また、「私が死んだら、私の本は売れるわよ」と生前言っておられたそうです。確かに、書店にはさっそく寂聴コーナーはできていました。
 現代ならともかく、大正と昭和初期の時代に不倫騒動を起こし、出家した女性のそれも老婆の講話に、なぜ多くの女性が集まったのか? もう一冊読んでみたいと思いました。
 

2021年11月14日日曜日

花だより 掲示教育を大切に ミヤマボウキ イチョウ

 



 クイズ番組におバカタレントが登場して、番組を盛り上げる。常識的な知識がなくても芸能界で活躍しているのだからそれはそれでいい。そんな人もベートーベンやバッハの作曲した曲は知らなくても顔は知っている。なぜでしょう?
 小学校から高校まで、音楽室には必ず音楽家の肖像が貼ってあったので、知らず知らずのうちに覚えたという。常掲図の持つ意味がここにあります。
 ドイツでは子どもが生まれると、新しく聖書と地球儀を購入するそうです。日本でも小学生のいる家のトイレには、かけ算九九やひらがな、カタカナ、ローマ字、漢字表の他に日本地図や世界地図を貼ってある家庭もあります。
 教室正面の左右の壁には、日本地図と世界地図を貼る。漢字表やローマ字表、1年生の教室には、ひらがなとカタカナ表を掲示する。針金を張って、漢字の短冊(筆順がわかる)を下げる。高学年になると後ろには年表を貼る。これらは「常掲図」だと先輩から教わりました。教室設営はそうするものだと思って、それを忠実にずっと守ってやっていました。ところが最近は、掲示教育が軽視されているような気がします。
◇掲示教育を大切に◇ 単なる掲示ではなく「教育」が付いている意味を考える
 創造的知性を育てる掲示教育は、授業以外にもあります。廊下や掲示板に掲示された市販の写真やニュースや子ども向けの掲示新聞は子どもにも人気があります。授業で扱われない情報や知識に接することができるからです。

1 創造的知性を育てる(美的感覚を磨く)
 授業展開において掲示物の果たす役割は大きいものです。それは①理解を促すための教具として扱われたり、②学習に主体的に取り組むための手段として扱われるからです。そこで気を付けなければならないことは“美的感覚”です。
2 望ましい人間関係をはぐくむ(やる気が出る掲示)
 学級経営の一つの柱として、子どもたちの人間関係の醸成を取り上げる場合、掲示教育は大きな役割を果たします。掲示物を使って子どもたちに競争させたり、励まし合わせたりする方法はよく使われます。班毎に漢字の書き取りテストの合計点をグラフにして競わせたり、目標が達成するとシールを貼っていくというような掲示物は、どの学級でも行われている方法です。ただし、この方法は競争だけにとらわれるようではいけません。あくまで励まし、助け合いが掲示の目的になっていなければなりません。
3 掲示物の位置は、視線の高さに注意する。 
(1)常掲のものは教室壁面上部に 児童が椅子にのっても手の届かない位置
(例:学校の目標、地図、学級組織表、歴史年表、学級目標、かけざん九九表など)
(2)児童の作品は教室中部に 児童が椅子にのって手が届く位置
(例:習字、図工作品など)
(3)日常の児童活動に関するものは教室壁下部に すぐに児童の手の届く位置
(例:各係の掲示物、点検表、家庭学習調べ、日常の係活動)
4 主な掲示物(チェック表)
□学校の教育目標、□学級目標、□週時間割、□日課表、□係活動、□掃除当番表、□避難経路図
□自己紹介カード(個人目標)、□給食献立表、□生活目標、□朝の会・帰りの会の内容、□日直の仕事内容、 □観察記録ノート(表)、□学校だより、□学級通信、□各種点検表、□児童の作品、□写真(活動記録)、
□授業記録(振り返りが必要なもの) □日本地図・世界地図
*掲示活動は、年間を通して学校行事や年中行事などと考え合わせて計画しておくと効果的です。また、1年中同じではなく動的でなければなりません。教室に入った瞬間に担任の力量が分かります。

         

2021年11月13日土曜日

花だより 実行なき者に成功なし ダイモンジソウ

 

訓子府町の街中を歩いていると、あるお寺の境内の掲示板に
 上を向くとは 諦めること
 下を向くとは 落ち込むこと
 横を向くとは 比較すること
 後ろを向くとは 後悔すること
 前を向いて 良い人生を
  と書いてあったので、ブログのネタにとスマホでパシャリ 

 努力する者は、我を信じ、努力せず者は、運を信じる
 夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、
 実行なき者に成功なし


 田んぼの肥やしは人の足音  教員の肥やしは校長の足音 
 毎日、毎日、丹念に田んぼを見回り、しっかり管理すること

  これまで多くのありがたい言葉に出会ってきました。
  実行なき者に成功なしです。反省の毎日です。


2021年11月12日金曜日

花だより 至誠の不足 シラタマホシクサ シメジ

 

「至誠而不動者未之有也」
 幕末の長州を舞台にしたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」は、低視聴率でした。その理由は、主人公である吉田松陰の妹のみわと再婚相手の揖取素彦(初代群馬県令)が有名な歴史上の人物ではなかったからだと言われています。しかし、共感するところが多くありました。みわは生涯にわたり、女子教育の普及に努めました。「新しい日本をつくるためにも、学ぶことは、とても大切なことです。学ぶことで、考えることができるからです。」という言葉を残しています。しかし、残念ながら女性の社会進出は進んでいません。今回の衆議院選挙でも女性議員の数は増えませんでした。まだ、あらゆる業界で男社会が幅を利かせています。唯一、こども園は女性の職場です。女性の有能さがわかるだけに、残念でなりません。
 表題にある語は、その吉田松陰が揖取素彦におくったものです。
~自ら至誠の限りを尽くして計画し、あるいは実行したにもかかわらず、いずれも失敗に終わったことを振り返ってきたとき、どうしてもこの「未だよくこの一語を解するに能わず」と思わざるを得ない。孟子の語に偽りがあるのか、それとも自分の至誠の不足によるものなのかを考えずにいられない。~(原文解説)
 我が教員人生を振り返るとき、満足感や達成感など全くありません。なぜなら北海道の学力も体力も最低のままだからです。孟子の語に偽りなく、自分の至誠の不足だということは、十分理解しています。退職して、もう教育に携わることはないと思っていましたが、こども園に勤めることになり、自分の至誠の不足を少しでも埋める機会をいただいたと思い、老体に鞭打って頑張っています。


2021年11月11日木曜日

花だより 新しい幼児教育の創造 ノコンギク 晩秋の斜里岳

 

 新しい幼児教育の創造
 今、認定こども園は、新しい幼児教育を目指し大きく舵を切ろうとしています。それを支えるのは保育教諭の皆さんです。保育教諭の力量が今問われています。結局のところ、幼児教育を支えているのは保育教諭であり、「保育教諭こそが原動力」なのです。しかし、現実には、「何でもこども園任せ」で保育教諭の肩に全てかかり、その職務の範囲、量、責任の重さ等に青色吐息という状況です。一時も気の休まることのない職業です。確かに、新しい時代の幼児教育の未来を背負っていくには、その質の向上は不可欠であり、保育教諭自身が努力しなければならないことですが、家庭に何を求めるか、家庭との協同作業であることを知らせる努力も必要です。また他方での人手不足の現状、過重労働の暗雲をどう取り払うか、もう一つの大きな課題があります。新規採用の募集をしても保育園やこども園は、労働条件が厳しくて人気がなく、比較的労働時間が短い幼稚園に流れてしまいます。
「教育は人なり」と言われるように、どんなに時代は変わっても、保育教諭の人間性が子どもに強い影響力を与え、教育効果に大きくかかわることは、誰もが認めるところです。従って、私たちの責任とは、教育に携わる者として教職の重要性を十分認識し、自ら進んで研究と修養に励むことです。そして、本来の仕事に専念できるように働き方改革を実行することです。岸田新総理は、保育教諭の待遇を改善し、給与をUPすると言っているので期待しています。


2021年11月10日水曜日

花だより 親睦会行事は、まだですか? マリーゴールド サツマイモ

 

 親睦会 親睦会は互助の精神に基づくものです。儀礼的なものに毎月少しずつ積み立てて負担を軽くし、これを賄うものです。虚礼廃止が浸透し、昔に比べるとずいぶん簡略化されてきました。例えば、職員の人事異動に伴う地域への挨拶まわりは、タオルを100本ほど用意して、一軒一軒回ったものです。教頭で着任した時は、学校にお酒とオードブルが用意されていて、保護者や地域の人がたくさん集まり、盛大に安着祝いが行われました。そして、後日その請求書が私のところに来ました。今はそうしたこともなくなり、良かったと思う反面、人と人とのつながりを大切にした“しきたり”がなくなりつつあります。
 コロナ禍で、この2年間、慶弔以外の親睦会行事はすべて中止になりました。やっとコロナも下火になってきて、そろそろという意見が出ましたが、「まだまだ、様子を見ましょう。」という意見が多く、忘年会や新年会は見送りになりました。ウイズコロナは、親睦会行事までも変えるのでしょうか?


2021年11月9日火曜日

花だより “ほんもの総合”への道は厳しい イヌダテ 白菊

 

  “ほんもの総合”への道は厳しい 
 「総合的な学習の時間」(総合)の指導案の目標に「みんなで力を合わせて上手にソバ打ちができるようになる」と書いてあったりする。もし、クラス全員が将来おそば屋さんになるのなら、その目標で「自己の生き方を考えることができるようになる」だろう。しかし、総合は、そうではありません。「出会う」「つかむ」「調べる」「生かす」4段階万能構造が総合だと思ったら大きな間違いです。
 総合的な学習の時間が迷走し、誤解される最大の理由は、その名前にあるのではないか。つまり、「総合的な学習」というと何かを総合的に教えなければならないと思うかもしれない。本当は、学び方、考える力を育成し、問題解決能力を高めるという応用問題の訓練なのだから、「総合的な思考の時間」と変えた方がいいと主張する人もいます。
 「何でもありきの総合」「ねらいの理解不十分な総合」が多いのではないか?
 もし、教科の補充的指導への転用などごまかしがあるとすれば、校長は法令違反が問われるはずである。スタートとゴールをまずはっきり決めるべきです。
 「総合」の迷走 20年経過して、総合がよくなるどころか、さらに後退したかもしれないのです。総合は、その内容が学校に任されました。これも教師の力量(プロデュース力)が試されているのです。他教科と違い新たに企画・構成することが煩わしいと思うと「ごまかし総合」になるのです。
 🤷‍♂️最近は、総合をどうするか学校現場で議論することがなくなりました。コロナ禍で臨休になったとき、現場では「生活科と総合の時間を国語や算数に当てる」と言い出した教員がいたそうです。今一度考え直す時期に来ているのではないかと思います。


2021年11月7日日曜日

花だより 用務員さんから学ぶ 菊(3) 製糖工場

                                

生活・総合で思うこと「生活・総合」の見本は、用務員さんに見たり!

 25年前、教頭として赴任した本岐小学校の用務員さんは、70歳を超える方でした。「家が貧乏でろくに学校にも行っていない。そんな私が、こうして学校で働かせてもらって、少しでも子どもたちの役に立っているのなら、こんなにうれしいことはない。」というのが口癖の人でした。古い校舎だったので毎日修繕作業に追われていました。大工仕事、電気修理、水道管修理、ボイラー管理、庭の樹木の剪定など、資格なんか持っていません。しかし、業者が修理に来るとその手伝いをしながら、見よう見まねで覚えたといいます。
 山菜を採るならあの山がいい。やまべ釣りをするなら、あそこの川を上ったところがいい。あそこの家のじいさんは、なかなかの人物なので困ったときは相談したらいい。木や草花の名前とか、用務員さんからいろいろなことを教わりました。その後転勤を重ね、用務員さんは、公務補さんとか業務主事さんと呼び名は変わりましたが、皆さん、物知りで器用な方ばかりでした。  
 😃用務員さんから「生きる力」とは何かを教わりました。生活科は、自立の基礎を養うものです。他者や自然とかかわりことでいろいろなことを学ぶ教科です。生活科の先生は、用務員さんです。





2021年11月6日土曜日

花だより 幼稚園の砂場の中で学んだこと マルバノキ トリカブト

 

人として大切なことは、大学という最高学府ではなく、幼稚園の砂場の中で学んだ。
(自然や社会体験から人は学ぶ)
 こども園に勤めるようになって、このことを実感しています。子どもたちは、遊びの中でさまざまなことを学んでいるのです。
 戦後、新教育が謳われ、アメリカ流の進歩主義教育運動が盛んになったときも、体験を重視したカリキュラムに対して「はい回る経験主義」という批判が浴びせられ、「学力低下」をもたらした原因だと攻撃されました。近代以降、新教育運動として度々みられたカリキュラム改革(コアカリキュラム)は、その度に「学力低下」論によって批判され下火になっていきました。 
「総合」の反対は「分化」、「分化」=「教科」
 高等学校教育(カリキュラム)は、大学のためにある(大学受験のための勉強)、中学校のカリキュラムは、高等学校受験のためにある。小学校では、中学校に入っても困らないようにと教えている。これが現在の各教科での知識の系統的学習を重視した教育です。
 しかし、生活科・総合的な学習の時間の登場で生活単元が重視されるようになりました。現在は、知識・技術の観点から構成される学習内容のまとまりを現す教材単元と学習者が生活の中から興味・関心に応じて自ら課題を設定・追求・解決していく生活単元(または経験単元)の2つに大きく分類されています。
 第2次大戦後の「新教育の時代」に盛んに取り組まれた生活単元学習が、「はい回る経験主義」との批判を受けて以来、各教科での知識の系統的学習の重視へと転化しました。一方で、ゆとり教育を謳った教育改革では、総合的な学習の時間の創設などにより生活単元学習が重視されました。一度は消えかけた経験主義が、生活・総合と形を変えて復活したのですが、それもこのところの学力低下論争の再燃で、生活科・総合も風前の灯火です。コロナ禍で、学校に行けなくなり、授業時数が足りなくなると真っ先に削られるのが生活科・総合です。オンライン授業でも対応できません。体験を重視した幼児教育の充実が、生活科・総合を守ることになると考えます。


花だより サラリーマン川柳(率先垂範) オケラ 鮭の切り身

 


 サラリーマン川柳
  ~率先垂範~
 おじさんは スマホ使えず キャッシュです
 *私は、財布を持たず、もっぱらスマホ決済(d払い)です。
 過日、レジでスマホを出すと「すみません、d払いはできません」と言われ、品物を返して店を出ました。まだまだ現金は必要です。
 メモを取れ 言えばスマホを 部下が出す
 役に立つ 昔は上司 今スマホ
 *研修会の案内を若い先生に見せると、「撮ってもいいですか?」とスマホでパシャリ、
  掲示板もスマホでパシャリです。
 長時間 会議で決めた 時短案
 会議数 減らせないかと 会議する
 できる人 昔、残業 今、年休
 パソコンを 上司に教え 日々残業
 AIを 部長と呼ぶ日が すぐそこに
 *働き方改革の会議をこの数か月間ずっとやっています。
  一番の課題は、教員の意識改革です。
 早よ帰れ! 言ってる上司が 帰らない
 *17時30分になったら、すぐ帰っています。


2021年11月5日金曜日

花だより 教師の力量が試される学芸会 菊(2)



           
≪文化的行事(学芸会)の計画と運営について≫
 その内容は、平素の学習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高めたり、文化や芸術に親しんだりするような活動を行うものである。(学習指導要領)
 文化的行事の大きな特質は各教科、領域の学習活動を総合的に展開・発展させることを目的としていることにある。行事が年間計画の中に設定されているから行うのではなく、実施することにより、子どもがそれをやり遂げた充実感を味わい、その活動から得たものをその後の学習や生活へと生かしていくきっかけとさせることが大切である。そのためには、行事との関連を持つ教科、領域の年間計画を見通し、意図的、計画的に指導していくことが必要である。
【留意点】
○子どもの発表意欲を喚起し尊重し、自主的活動を十分に認めながら活動を展開したり、必要に応じて児童会活動などの組織を生かす自主的な運営を行う。
○学級、学年、あるいは全校が一つの目標に向かって参加し、行事をつくり上げるという意識を持たせる。
○練習やその他の準備の時間的配分に十分留意し、児童生徒に過度な負担がかからないようにする。
 重要なことは、これらの行事を通じて、子どもたちに何を学ばせたいのかを問い続けることです。何のためにその行事をするかを明らかにすることです。
 吹奏楽部と晴れの舞台(吹奏楽部が人気な理由?)
  中学校や高校の吹奏楽部では、指導者(指揮者)が曲を決め、楽譜を基に指揮者の指示に従い、正しい音が出るように練習を繰り返し、演奏する。どこに創造性や豊かな表現力があるのかと疑問に思ったことがありました。しかし、厳しい練習を積んでコンサートやコンクールに臨むとき、それを経験した者しか味わえない達成感や充実感、音楽の素晴らしさを感じるといいます。そうした経験者が音楽教師に多くなっています。
 俳優さんは、テレビより映画、映画より舞台だと言います。歌手もライブが一番だといいます。舞台に上がるとは、特別な何かがあるようです。舞台の魅力は、構成、脚本、美術、音楽、衣装、メイク、照明など、総合芸術であり、観客との一体感、拍手、声援を浴びた時の達成感と高揚感、そして、一発勝負の緊張感があるからでしょう。
 勉強ばかりの学校ならつまらない
 学芸会は、春の運動会と違って、秋(10~11月)に行われるので、学級経営の集大成を発表する絶好の場でもあります。教師のアイディア、企画力、構成力、指導力が一番試される行事です。これほどやりがいのあるものはありません。舞台でいきいきと表現することで子どもたちが達成感や充実感を感じるのは、観客の大きな拍手です。担任は、まさに吹奏楽の指導者(指揮者)に似ています。学芸会のねらいを端的に言うなら「感動する」ことです。一つの目標に向かって、協力して行事をつくり上げるという意識を持たせること、そして、達成した喜びを感じさせることです。どんな学芸会になるか、そのカギは、教師の力量(プロデュース)にかかってきます。

          

 



2021年11月3日水曜日

花だより 子どもに自主性があり、自立していると思うのは大きな間違い 白菊 サクラダテ

 

 子どもの過ちは、親の責任  
 🤷‍♂️子どもの意思や考えを尊重するという偏った教育論が浸透している危険性を感じています。そもそも子どもに自主性があり、自立していると思うのが大きな間違いです。それがあるなら、親や教師、学校は必要ありません。
 👀教育とは?簡単に言うと“一人前の人間にするために、教師や親や手助けをすることです。”(自立させること)20歳を過ぎても一人前の大人といえる人は少ない。ましてや小学生なら半人前以下です。正しい判断ができるはずがありません。“どうも子ども任せの家庭が多い。自分流の勝手な教育論で子育てされては困ります。親の責任をきちんと果たしてほしいものです。”「3つ叱って、5つ褒め、7つ教えて子どもは育つ」親や教師は、教えることに遠慮してはならないのです。
 👍自主性を育てることで大事なことは、“子どものやる気を喚起して、やってみようと思ったことをやらせて、その体験からいろいろなことを学ばせる”ことです。こども園に勤めて、家庭教育の大切さをさらに訴えていかなければならないと感じています。


花だより 特支の現状と課題 オギナタコウジュ

 

 “特殊教育”から“特別支援教育”へ 特支の現状と課題
  平成15年に、「今後の特別支援教育の在り方」について、「障がいの程度等に応じ特別な場で指導を行う“特殊教育”から、障がいのある児童生徒一人一人に教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う“特別支援教育”への転換を図る」ことが示され、障がいのある児童生徒への教育についての転換が求められました。そこには、「これまでの特殊教育の対象の障がいだけでなく、その対象ではなかった軽度の発達障がい、高機能自閉症を含めて障がいのある児童生徒に対して、その一人一人の教育的ニーズを把握し、当該児童生徒の持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な指導を通じて必要な支援を行うものである。」と提示されました。
 学校では、小中学校の通常の学級に在籍する軽度の発達障がい・高機能自閉症を含む障がいのある児童生徒に対する適切な教育的支援のための支援体制を整備されました。
 課題は、障がいの程度は、その子によって様々です。普通学級の在籍でも、その子に合った教育を受けることができるということです。通常学級に在籍する軽度発達障がいの児童生徒についての支援や指導の方策を明らかにすることですが、学級担任は、さらに負担が増えたと訴えています。そのためには、学校の支援体制だけでなく、専門家チームの設置や地域での特別支援連携や各機関(医療機関・養護学校など)との連携が必要です。(『特別支援教育ガイドブック』より)
 保護者の理解を得て、協力し合うことが大切
 児童生徒のつまずきや困難性を把握し、学級において具体的な配慮や支援を行うためには、保護者に対して児童生徒への指導に関する説明を十分に行い、協力し合って支援することが大切です。保護者が不安に思ったことや心配なことを学級担任や学校に自由に相談できる状況をつくることが学校と保護者との信頼関係を築くために重要なことです。
 また、学校と保護者とが、共通理解を図り児童生徒の教育的ニーズに応じた指導を進めていくためには、家庭と学校双方が情報を交換しながらお互いに協力して子どもに対応し、成果や課題を確認していくことが必要です。
 👀しかし、幼児からの検査体制が進むと軽度発達障がい児童が急増して、通級指導教室の開設を希望する学校が増えています。また、本来は、インクルーシブ教育システムの構築めざし、通常学級での生活が望ましいと言われているのに、安易に通級や特支学級へ追いやる傾向があるのではないか?通常学級の役割を再認識してほしい。

2021年11月2日火曜日

花だより 子どもは教わった通りにしかできない  椎茸 ヨメナ

 

~公開研究会に参加して~
 “子どもは教わった通りにしかできない”
 指導案にはとても立派なことが書かれてあっても、いざ授業となると「あれ???」と思うことがあります。
 「研究主題」、「求める子ども像」、「仮説」、「研究内容」と書いてあることはとても立派なことばかり。“本当にできるの?”と疑問に思ったりもします。
 「単元のねらい」、(児童の実態)、「単元の目標」、「評価基準」、「指導計画」、「本時の展開」と続きます。この通りできれば間違いなく子どもたちは力がつくと思うのですが、ところがどっこい?参観後にため息をつくことがしばしばあります。
 そのベースである話し方、聞き方など学級経営や学習訓練ができていないからです。「児童の実態」に「素直で明るい子どもたち…。」と書いてあるとガッカリします。そんなことを書く欄ではありません。「児童の実態」がない指導案すらあります。こんな授業をしたいと思ったら、まず子どもを育てることです。
 子どもたちになぜ自己評価をさせるのでしょうか? 「こんなことがわかった。」「こんなところが楽しかった。」それが本時のねらいに則していればよいのですが、ねらいとまったくかけ離れた感想が書かれてあれば、それは授業に問題があったと思い、授業改善を図ることです。「子どもたちが楽しそうにしていた。」だからよい授業ではありません。学力向上には教師の資質向上が不可欠です。教師は、授業で勝負すべきです。


2021年11月1日月曜日

花だより 負けず嫌いで勝ち気な女の子 センブリ

 

・・・悔しさから這い上がる 負けず嫌いで勝ち気な女の子・・・
 🤷‍♀️なでしこジャパンでMVPに輝いた澤選手は、子どもの頃から負けず嫌いで、“女のくせに”と言った男子を追いかけ回したという逸話があります。澤選手に限らず“なでしこのメンバー”は相当の負けず嫌いで、顔に出ています。
 😃今回のオリンピックでも、レスリングや柔道、卓球、陸上など女子選手の活躍が目立ちました。日本の歴史の中で国難の救世主は卑弥呼であり、推古天皇であり、持統天皇と皆女性でした。英雄(男)は戦をして世の中を変えようとしましたが、短絡的な男性と違い、女性は実に粘り強い。今こそ女性の時代かもしれません。
 👌女子は男女同権の国ほど強いといいます。しかし、日本は、国会議員の女性の占める割合が先進国で一番低く、今回の選挙でも、改善されませんでした。政治ばかりでなく、あらゆる分野に女性がもっと進出すべきです。
 👍網走漁協の青年部の人が、「マスの雄雌の見分け方は、優しい顔をしているのがメスで人間と同じです。」と言っていましたが、顔は優しく可愛く見えても芯は、しっかりして負けず嫌いな方がいい!AKB48などのアイドルたちもたぶんそんな女の子たちだと思います。