2021年11月6日土曜日

花だより 幼稚園の砂場の中で学んだこと マルバノキ トリカブト

 

人として大切なことは、大学という最高学府ではなく、幼稚園の砂場の中で学んだ。
(自然や社会体験から人は学ぶ)
 こども園に勤めるようになって、このことを実感しています。子どもたちは、遊びの中でさまざまなことを学んでいるのです。
 戦後、新教育が謳われ、アメリカ流の進歩主義教育運動が盛んになったときも、体験を重視したカリキュラムに対して「はい回る経験主義」という批判が浴びせられ、「学力低下」をもたらした原因だと攻撃されました。近代以降、新教育運動として度々みられたカリキュラム改革(コアカリキュラム)は、その度に「学力低下」論によって批判され下火になっていきました。 
「総合」の反対は「分化」、「分化」=「教科」
 高等学校教育(カリキュラム)は、大学のためにある(大学受験のための勉強)、中学校のカリキュラムは、高等学校受験のためにある。小学校では、中学校に入っても困らないようにと教えている。これが現在の各教科での知識の系統的学習を重視した教育です。
 しかし、生活科・総合的な学習の時間の登場で生活単元が重視されるようになりました。現在は、知識・技術の観点から構成される学習内容のまとまりを現す教材単元と学習者が生活の中から興味・関心に応じて自ら課題を設定・追求・解決していく生活単元(または経験単元)の2つに大きく分類されています。
 第2次大戦後の「新教育の時代」に盛んに取り組まれた生活単元学習が、「はい回る経験主義」との批判を受けて以来、各教科での知識の系統的学習の重視へと転化しました。一方で、ゆとり教育を謳った教育改革では、総合的な学習の時間の創設などにより生活単元学習が重視されました。一度は消えかけた経験主義が、生活・総合と形を変えて復活したのですが、それもこのところの学力低下論争の再燃で、生活科・総合も風前の灯火です。コロナ禍で、学校に行けなくなり、授業時数が足りなくなると真っ先に削られるのが生活科・総合です。オンライン授業でも対応できません。体験を重視した幼児教育の充実が、生活科・総合を守ることになると考えます。


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