運動会はなんのため?だれのため?
妹尾 昌俊氏(教育研究家、学校・行政向けアドバイザー、学校における働き改革特別部会メンバー)
ぼくが働き方改革の講演や研修をしていて、運動会など行事はもっと見直せるという話をすると、きまって、こんな声が教職員から聞こえてくる。
「去年のほうがよかった、盛り上がった」といった保護者等の声も予想されて、なかなか見直せない。中央教育審議会(中教審)の学校の働き方改革についての答申のなかにも、こんな一節がある。
学校としての伝統だからとして続いているが,児童生徒の学びや健全な発達の観点からは必ずしも適切とは言えない業務又は、本来は家庭や地域社会が担うべき業務、地域や保護者の期待に過度に応えることを重視した運動会等の過剰な準備について大胆に見直し・削減はできないものか?
運動会の開催は、マストではない
運動会はなんため、だれのためか。小学校の学習指導要領(H29告示)を読んでみよう。なにも指導要領を金科玉条にする必要はないが、大事な拠り所のひとつではあるはずだ。
ところが、なんと、指導要領には一言も「運動会」という言葉は出てこない。この事実を教職員は知っているだろうか?
正確に言うと、特別活動の学校行事のひとつとして、「健康安全・体育的行事」という記述はある。この体育的行事のひとつの例として、運動会はある。
ぼくが言いたいことは、「働き方改革の一環で、運動会なんてやめてしまえ」ということではない。運動会には教育的意義や効果もあると思うし、保護者目線からしても楽しみだ。だが、「マスト(Must)ではないわけだし、保護者のためのものでもないのだから、もっと柔軟にプログラム内容や準備の負担を見直していきましょうよ」ということを確認したい。
👀昨日、こども園の運動会が青空の下、開催された。1歳から5歳までの園児の競技に涙しながら観戦する祖父母の姿があった。こども園の運動会は、保護者や地域の協力なくして成り立たない。妹尾氏の指摘通り、大胆な見直しや削減は難しいのが現実だ。さらにこれから運動会の反省が行われる。ここでは感想を言い合い、運営方法について各係から反省が出て、「いい運動会でした。」で終わりだ。運動会のねらい(子供の育ち)に対しての反省はない。まず、ここから改善しなければならないと思う。
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