2022年6月23日木曜日

花だより 日本人独特の色彩感性 ウツボグサ

 

 今は、「肌色」とは言わず「うすだいだい」とか「ペールオレンジ」「ベージュ」と言うようになりました。白人もいれば褐色の人もいる人の肌の色はそれそれ違う、グローバルな時代になったからでしょう。しかし、「はだいろ」は間違った言葉ではないように思います。色味が若干異なります。日本特有の色表現だと思います。
 桃色がピンク、灰色がグレーと英語表現をするようになりましたが、
日本人は、同じ緑でも、松葉色(まつばいろ)、鶯色(うぐいすいろ)、若竹色(わかたけいろ)、苗色(なえいろ)、萌葱色(もえぎいろ)など自然の中で微妙な変化を感じ取り表現しました。春の花見、秋の紅葉狩り、四季の移り変わりの中で生活してきた日本人独特の感性は、欧米とは全く異なる文化を育んできました。
 「国家の品格」の著者 藤原正彦氏は、日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの改革では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理より情緒、英語より国語、民主主義より武士道精神である。と言っています。日本人の心を失いたくないものです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿