2022年6月9日木曜日

花だより 時代に合わない校則 ウツギ

 

 時代に合わない校則
 最近、学生の制服や髪型が乱れているという話は聞かなくなった。校則を厳しく指導しているからだろうか、そうではないらしい?
 校則違反に対して行われている指導自体に、もともと校則の合理性・必要性とは別の権利侵害が生じていることが問題になっている。例えば、子どもの髪型などで校則違反をしたときに、「髪を直してこないと教室に入れない」「修学旅行に連れて行かない」などと発言する先生がいるが、これは人権侵害です。
 中には「校則に違反した生徒が悪い」という考えの先生もいるかもしれませんが、校則を守らない生徒に何をしてもよいわけではない。犯罪を犯し有罪が確定した人に対して何をしてもよいわけではないのと同じです。
 また、校則に合うように、先生が実力をもって指導することも人権保障の観点からすると問題です。もしも職員室で先生が生徒の髪を無理やり切れば、傷害罪に当たるおそれもあります。個人的には、校則そのものよりも、校則違反の指導のためのルールや規準(明文化されていないものも含め)に問題があります。
 髪の毛が生まれつき茶色にもかかわらず、先生から黒く染めるように強要された公立高校の女子生徒が裁判を起こし、話題になりました。このケースでは生徒の生来の身体的特徴を変えるよう強要されており、憲法13条で保障された自己決定権が侵害されたといえます。
 先生方には校則の合理性・必要性とは別に、校則違反に対する指導自体の合理性・必要性を改める必要があります。
 これからの時代の校則は、学校が子どもたちを管理するためのものではなく、子どもたちにとって、よりよい学習環境をもたらすためのルールでなければなりません。少なくても、特定の校則によって窮屈な思いをしたり、学校に行くのが嫌になったりする子どもがいないようにすべきです。
 校則の見直しにあたっては、全校生徒が集まって多数決で決めるものではありません。先生方で決めても、校長先生が決めてもいいと思います。校則の中には、多数決で決めることが適切でないものもあります。制服に関する校則を変えるのであれば、性的マイノリティの子どもたちに対する配慮も必要でしょう。
 さらに、校則の見直しを定期的に行うことがこれからは必要です。法律でも時代とともに合理性が失われることがあります。

道端に咲いたルピナス(下り藤)

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