2023年6月30日金曜日

花だより 「らんまん」牧野富太郎 カンナ シャクヤク

 



  NHK連続テレビ小説「らんまん」は、植物学者:牧野富太郎をモデルとし、神木隆之介主演でフィクションのドラマオリジナル作品として放送されています。時間が合わずあまり見ていません。小学校の時、担任の先生が、「牧野君と同じ苗字の偉人の伝記があるから読みなさい。」と紹介されたのが「牧野富太郎」です。牧野姓で唯一の著名人です。高知の牧野富太郎記念植物館にも行ったことがあります。
 裕福な商家に生まれましたが、小学校中退で学歴がないことから、植物学者として認められるまでは相当苦労したようです。波乱万丈の人生でなければドラマにはならないでしょう。最愛の妻を亡くした富太郎は、仙台で発見した新種の笹に、妻:寿恵子の名前から、「スエコグサ」と名付けたのは有名な話です。
 花を育て、花の絵を描いたり、花言葉を調べたりするのは、何か関係があるのかと期待しましたが、残念なことに遠い親戚でもないようです。
 こども園には園歌があります。3番の歌詞に
  花ってすてきだね いろとりどり 咲きほこり 
  こころの中にも 花が咲く
  ぼくたち わたしたち 訓子府に 生きる
  風の子 雪の子 大地の子
  とてもいい園歌だと思っています。

2023年6月29日木曜日

花だより 字が下手なことを自覚する ホタルブクロ ジャガイモの花

 

 「書」の授業“頓着がない”
 スマホやPCの普及で手書きが少なくなる中で、今、万年筆がブームになっているそうです。それもいろいろな色のインクを使って、個性的な字を書くことが流行っているといいます。 
「字を上手に書く」「きれいに書きたい」「下手な字を見せたくない」

「ああ~、失敗した!校長先生見ないで、下手くそだから…。」と言う子は、まだ見込みがありますが、「字は読めればいい!」と字に対して無頓着な子に書写を教えるのは、辛いものがあります。
 「校長先生は、書写研の会長ですよね。書写の授業をやってもらえませんか?」と頼まれて、3・4年生の書写を2時間続きでやっていますが、そのほとんどが準備と片付けに費やしています。とてもでないですが一人で指導するのは大変です。お手伝いをいただいている先生や支援員さんには感謝しています。学校の書写の時間だけで毛筆が上手になることはありません。(それでは書道塾が成り立たない。)
 「書道の“道”は、柔道や剣道と同じ、道徳の“道”です。礼儀や作法、生き方を学ぶものです。」という話を最初にしました。昔の文化人は、皆“書家”でした。礼儀や作法、美意識に対して少しは気にかけてほしいと思ってやっています。ちなみに字の上手、下手は知能の高さと関係ありません。公共施設の標札は、首長さんが書くことが多いです。省庁の標札は大臣が書くそうですが、新しい標札を見ると首をかしげたくなるものがあります。

2023年6月28日水曜日

花だより お父さんを頼りにする ヒメユリ ササユリ

 

 

 「父の日」にこんな記事を見つけました。
 お父さんは、頼りにされたら「まかせておいて!」と張り切る。
 お父さんは、愛されていると感じたら笑顔を返してくれる。
 お父さんは、褒められると、また次も頑張ろうと思う。
 お父さんを頼りにしよう。 お父さんに任せてみよう。
 子育て世代の「お父さん」が頑張ると家族円満になります。
 やる気にさせるのは、お母さんです。

 オホーツクの初夏を彩る花々
 夏至を迎え、お日様が一番元気な季節になりました。花壇には、マリーゴールドやベコニアなどのきれいに咲いていますが、小清水原生花園には、エゾスカシユリやエゾキスゲ、ハマナスなどの代表的な花が咲きそろい、黄色やピンク、紫といった色とりどりの天然の花畑がみられます。北海道に来るなら、今です。






2023年6月27日火曜日

花だより 躾が大事(最低条件) クチナシ ルピナス

 



 授業が成立するための最低条件 ルール以前の躾(しつけ)が大事 
 書写の時間に数枚の半紙に字を書いたからといって、うまくなるものではありません。それよりも所作や作法を身に付けることが大事なのです。
 始まりの挨拶、きれいな黒板、書写の道具の準備、手の挙げ方、正しい姿勢、後片付けの丁寧さ、「書道」と言われるだけあって、所作とか作法を身に付けることが基本です。それができると、自ずと「話し方・聞き方」のルールも身に付き、丁寧な字を書くことができます。しかし、学習のルールを身に付けることが研修の目的ではありません。ルールやしつけは、授業成立の第一条件です。この学習ルールが徹底されていないように思います。
《学習のしつけ》  
  当たり前のことが当たり前にできること 指導が一貫していること
1 遊び時間と、授業時間のけじめをつけること
2 指示されたこと、決まっている学習用具を忘れないこと
3 必要な学習用具が正しい置き方で机の上に用意されていること
4 教師の話や友だちの発言を終わりまでよく聞くこと
5 指名による発言と自由発言とを区別すること
6 発言は大きな声で、みんなに聞こえるように話すこと
7 友だちのまちがった発言や失敗を笑わないこと
8 友だちを押しのけるような自分勝手な行動はしないこと
9 仕事はすべて終わりまでやり通すこと
10 何事も順番を守って行動すること
11 いつも学習姿勢をくずさないようにすること
*基本的なことが身についていれば、タブレットやネットの使い方も自ずとできるはずです。

2023年6月26日月曜日

花だより 参観日心得 ザクロ

 

  【参観日の見方】
「他の子と比べるな!」と言いますが、比べてみないと自分の子がどの程度だか分からないものです。「背が高い方なのか?」家でわが子だけを見ていても分かりません。足が速いかどうかも、運動会で走ってみないと分かりません。同年代の子と比べて初めて分かることがあります。それが参観日です。
 ★こんなところを見る!★
 ①児童玄関~わが子の靴箱を見る。外靴がきちんとそろえてあるか、まずチェック!
 ②廊下掲示板~ほとんどの学級では、子どもの作品が展示されています。他の子と比べてその
  出来栄えを見る。
 ③授業中~姿勢、態度をよく見る。机上が整理されているか、先生の話や友だちの話をきちん
  と聞いているか?
  手を挙げて発表しなくても、聞く態度(姿勢)を見れば、理解度が分かります。
 ④教室内の壁にも、子どもの目標や作品などが掲示されています。字の書き方も要チェック
 ④授業が終わったら、整理箱や机の中もチェックしてみて下さい。
  気になったことは、「いつも、こうなんですか?」と担任に相談するとよいでしょう。
 *ただし、帰ってから、「〇〇ちゃんは、こうやっていたのに、何よ!あんたは・・・!」と
  は言わないことです。
 子どもは、参観日に来た親の感想が気になるものですが、根掘り葉掘り、重箱の隅をつつくようなことを言わないことです。子どもの評価は、「可山優三(かやまゆうぞう)がいい・」可は山のようにたくさんあっても、優(良いところ)が三つもあれば十分。
 親として、参観日の評価をきちんと言ってあげることが大切です。せっかく参観日に行っても、隣の保護者さんとおしゃべりをしていたら、それはできないと思います。

2023年6月25日日曜日

花だより 玄関は学校の顔(花を育てる) 花菖蒲 ペチュニア


 「鬼の手 仏の心」玄関のプランターのペチュニア

  ペチュニアは雨に弱いので、花壇よりはベランダなどのガーデニングに向いている花といわれています。また、花殻摘みを毎日しなければならなく、手間のかかる花ですが、それがまた楽しみなのです。今年もこども園の玄関にプランターに植えられたペチュニアが順調に育っています。
 花殻を摘んでいると女の子が「園長先生、せっかく咲いている花、取ったらかわいそう!」と言いました。なるほど、そう思うのは当然です。ところがこの時期は、花のつぼみをたくさん付けてやることが大事なのです。花が咲いて、実になり、種になると、花はその役目を果たしたと思い、つぼみをつくるのを止めてしまうからです。「まだまだ、あなたは働きなさい」とはっぱをかけている状態です。何か自分に言われているかのようです。
  昨年、視察に来た方から、「玄関に花があるのはいいですね。うちの町でも街頭で花を育てていますが、結構大変なんですよね。」ときれいに咲いている花を見て褒めてくれました。   朝、親子での登園、「今日もきれいねえ~。」と玄関を入っていくとうれしくなります。
 亡くなった母は、玄関に花を生けていました。玄関は、その家の顔です。日テレ(名古屋テレビ制作)の「オモウマい店」では、「店先に花のある食堂は、美味くて繁盛店が多い。」と紹介していました。
 「花は、自分がきれいだとは思っていない。それを見て、きれいだと感じる あなたの心がきれいなのです。」と鎌倉のお寺の境内に書かれてありました。
 花を育てるのは、毎日毎日、手間暇のかかることです。きれいに咲いていても摘んでやるのも、あるときは必要です。水もやればいいというものでもありません。花も過保護にするのはよくないのです。何か子育てに似ている気がします。
 外科医は「鬼の手、仏の心」を持つことが必要だといいます。教師も同じです。



 

2023年6月24日土曜日

花だより 明治の小学生徒心得 月見草

 

小学生徒心得
第一条
 一 毎朝早ク起キ顔ト手ヲ洗ヒ口ヲ漱ギ髪ヲ掻キ父母ニ礼ヲ述ヘ朝食事ヲ終レバ学校ヘ
   出ル用意ヲ為シ先ス筆紙書物等ヲ取揃ヘ置キテ取落シナキ様致ス可シ
   但シ出ル時ト帰リタル時ニハ必ス父母ヘ挨拶ヲ為ス可シ
第二条
 一 毎朝参校ハ授業時限十分前タル可シ
第三条
 一 校ニ入リ席ニ就カントスル時ニハ教師ニ礼ヲ致ス可シ
第四条
 一 席ニ着キテハ他念ナク教師ノ教ヘ方ヲ伺ヒ居テ仮リニモ外見雑談等ヲ為スベカラズ
第五条
 一 教師ノ許シナクシテ猥リニ教場ヘ入ルベカラズ 
             *明治6年6月文部省制定「小学生徒心得」の一部

 私の年代からすると、これは曾祖父母の時代の心得です。しかし、こうした教育文化(日本人の礼儀正しさ)は、受け継がれるもので、今の時代も色あせてはいるもののその精神は残っているように思います。また、そう信じたいです。

2023年6月23日金曜日

花だより ノミニケーション (運動会の打ち上げ) ノハラアザミ テッポウユリ

 

 

  打ち上げ、直会(なおらい)、慰労会、本来の意味はそれぞれ違いますが、すべてイベントが終わったときの飲み会のことです。過日行われた運動会の打ち上げが、保護者(役員)と職員で4年ぶりに行われ、大変盛り上がりました。
 大学時代のコンパを思い出しました。ところが、飲み会も時代のともに変わってきました。1・2年生のときは、先輩にビールやお酒を注ぎにいきます。瓶ビールを両手で持って、ラベルを上にして注ぐように指導されました。
 学校に就職してからも、真っ先に校長先生や教頭先生、先輩の先生方にビールを注いで回りました。ところが校長になると、瓶ビールから生ビールになりました。すると注いで回れなくなり、校長がピッチャーを持って先生方に注いで回り慰労するようになりました。さらに最近は、若者のビール離れが進み、「とりあえずビール」は死語になり、なんだか聞いたこともないカクテルらしきカラフルな飲み物を注文するようになったのです。コロナの影響もあってか「お酒を酌み交わす」という飲み会文化は姿を消しつつあります。
 京セラの創業者で経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏は、上下関係のない「稲盛流コンパ」(ノミニケーション)を推奨(コンパのすすめ)しました。経営の神様が言うのですから、間違いありません。コロナも落ち着きました。またの機会を楽しみにしています

2023年6月22日木曜日

花だより 「トムとジェリー」と「ド根性ガエル」(自律の話) タイセンボク /ヤマボウシ

 



  ~マンガ「ド根性ガエル」のピョン吉~ 
 「トムとジェリー」の漫画を知っている子はいますが、「ド根性ガエル」は知らないという子がほとんどになってしまいましたが、道徳の教材として優れた作品です。
 ひろしが悪いことを思いつくと、Tシャツに貼り付いたカエルのピョン吉が、「ひろし、それはないぜ!」といさめるシーンがよくあります。「トムとジェリー」の漫画でも、天使と悪魔が出てきて、互いにささやくシーンがあります。
 自律とは、まさしくこのことで、悪い誘惑にのってしまいそうな自分とそれを止めるもう一人の自分(良心)が葛藤し、“最後は良心が勝る”とよいのですが、子どもは、思いつくまま、気が向くまま、衝動的、短絡的に行動してしまいます。今は自立の基礎を養う時期です。自分を律することができないと自立はできません。
 つまり大人になれないのです。高学年にもなれば、「何が良くて、何が悪いか」「交通ルールを守りましょう」「左右を確認しましょう」「ヘルメットをかぶりましょう」“そんなこと言われなくても分かっている”と言います。ところが高学年ほどルールが守れない。「黄色(信号)だけど、行ってしまえ!」「今日は、暑いし、面倒くさいからヘルメットかぶらない。」と悪い誘惑にすぐのってしまう。「そんなことしたら、ダメダメ!」と言ってくれるピョン吉を心の中に持つことが大事です。こんな話を現役時代したものです。
 自立させようと思ったら、善悪の判断をきちんとつけさせることです。「子どもの自主性を尊重します。」という親がいますが、それは子ども任せにすることではありません。まず「そんなことをしたらダメ!」とピョン吉役をするのが“親”の役目です。子どもは、ぴょん吉を知らなくても親の世代は知っているはずです。

 園庭に咲いている「ヤマボウシ」の白い花

2023年6月21日水曜日

花だより お母さんのふしぎな力 スイカズラ アザミ

 


 
 赤ちゃんの心の研究者パブゼク博士は、親には「直接的な育児能力」(本能的に子どもを育てる力)があると言っています。お母さんは赤ちゃんが幸せな気持ちで興味が湧くように、明るく優しいリズムや調子を選んであやしたりします。これは知識で教えられるものではなく、幼い頃に愛された体験を基盤に親になると自然に湧いてくるものです。直接的育児能力は、未開発国ほど豊かに見られ、高度に発達した文明社会の母親は高等教育により、頭でっかちになりダメになるとも警告しています。
 戦後のベビーブームに生まれた私たちの世代は、ルンバも全自動洗濯機も電子レンジもなかったので、母がせっせと家事と育児をこなしていたのを覚えています。子どもの病気も多く、真心と祈りだけがよりどころでした。反面、直接的育児能力は今より豊かだったかもしれません。
 日本は世界最低の乳児死亡率と最高の平均寿命を誇りながら、少子化が進み、少ない分大切に育てられているかと思えば、子どもたちはかつてなく苦しんでいます。いじめ、不登校、自殺。仲間と心ゆくまで遊びながら自然に鍛え合う、幸せな子どもの発達環境が破壊されているのです。しかし、不思議なことに、どんなにひどい心の傷を負い絶望している子でも、お母さんが真心をこめてわが子を理解するようにすると、水を得た魚のように蘇るのです。子どもの心を癒すお母さんの不思議な力に、私はいつも目を見張ります。

 カラスの親は、雄も雌も一緒になってヒナを守ります。まさに直接的育児能力です。ところで人間のお父さんには、「不思議な力はないのかな?」と思います。
 

2023年6月20日火曜日

花だより 学校の教育目標「知徳体」 ルピナス ウツボグサ

 

  

 

 学校の教育目標(「学校教育目標」と「学校の教育目標」とは違います。ここでお話するのは「学校の教育目標」です)
  校長採用面接で「あなたの学校の教育目標を言ってください。」と言われ、緊張でとっさに出てこず「帰って確認します」と答えて校長がいました。「かしこい子、思いやりのある子、ねばり強い子」など、言葉は多少違いますが、学校の教育目標は「知・徳・体」からできているので、それなりの言葉を言えばいいと思うのですが、真面目な校長は融通が利かないのです。先生方に「うちの学校の教育目標を言ってください」と聞いて、「ああ~、体育館の正面にあるやつですよね。」とは言いますが、答えられる人は少ないでしょう。網走潮見小学校に赴任したとき、学校の教育目標「勉強大好き・友だち大好き・運動大好き」に改訂しました。これだと先生方、児童、保護者に馴染みやすい。小学校の学校の教育目標は、昭和40年代に制定(改訂)されたものが多く、そろそろ見直しが必要です。ただし「知・徳・体」の基本は変わりません。
 釈迦に説法ですが、「生きる力」~変化の激しいこれからの社会を生きるために、確かな学力、豊かな人間性、健康体力の「知・徳・体」をバランスよく育てることが大切~
「知・徳・体」をバランスよく育てるとは? 
 最近思うのは、コンピューターやネットを高度な技術で操り、内部に不当に侵入し、情報を盗んだり、システムを麻痺させて、高額な金額を要求するハッカーの存在です。それに対応するのがホワイトハッカーですが、その平均年収は622万円だそうです。それだけの高い知能と技術があれば、金もうけだけ考えればブラックハッカーになった方がいいと思うかもしれません。ところが、それをしないのは徳(倫理観や道徳観)が備わっているからです。
 「鬼滅の刃」(刀鍛冶の里編)がテレビ放映されています。炭治郎は、まだ柱にはなっていませんが、優しい性格に加え、学ぶ能力が非常に高い、どんなにピンチでも状況分析を怠らず、冷静に頭をフル回転させるのが炭治郎の凄さです。鬼が「それだけの力をあるのなら、お前も鬼になれ!」と炭治郎に囁く場面があります。「誰かが道を踏み外しそうになったら皆で止めような、どんなに苦しくても、つらくても、正しい道を歩こう」これは全編を通してのテーマです。なぜ「鬼滅の刃」が大ヒットしたのか、深い意味があるように思います。素直で優しく、思いやりがあればいいのか、知識や正しい判断力ができないと、簡単に人を信じ、悪い宗教にのめり込むことになりかねません。バランスよく育てるとは、こういうことです。 
 こども園の教育・保育指針は「にこにこ・きらきら・わくわく」
〇にこにこ~たくましく 元気な子(体) 〇きらきら~心豊かな やさしい子(徳) 
〇わくわく~わくわく考え 工夫する子(知) よくできています。 

2023年6月19日月曜日

花だより 親子関係は友だち関係ではない エゾキスゲ シモツケソウ

 

 

    ~子どもの目線に立つのと同じ言葉遣いをするのは別~
 子どもはよく「おはようございます」のことを「おっはあ」などといいます。テレビの影響でしょう。友だち同士でのあいさつだけでなく、親や先生にも使っています。それに応えてお母さんも「おっはあ」といっていますが、これはどうなのでしょう?
 お母さんの中には「うちは友だちみたいに仲がいいんですよ」と自慢する人もいますが、それは違うと思います。友だちのように子どもと話すのが、子どもと良好な関係を保つ秘訣だというのはお母さんの勘違いです。友だちと母親は違います。
 友だちはたしなめませんが、母親は子どもをたしなめます。間違ったことをしたらその場で「それは違います」と諭すのがお母さんです。
 子どもを叱るとうまくコミュニケーションがとれなくなる。と思っているお母さんが結構たくさんいます。それでついつい優しくしてしまうのです。優しくする方が叱るよりずっと楽だからです。友だちのようなお母さんというのは、実は子どもを叱れないお母さんなのです。お母さんに叱られたことがなく、友だちのように付き合って育った子どもは、いったいどうやって善悪の判断を身に付けていくのでしょうか?
 いくら「人をいじめないようにしましょう」といっても、子どもは何がいじめになるかわかりません。「遊び」か「いじめ」かその境目があいまいなことが多いのです。その場で「それがいじめです。いじめてはいけません。」と叱るのが、子どもにしたら一番わかりやすいでしょう。 
 子どもは悪いことをして叱られながら善悪の判断をつけていきます。これは友だちではできません。  「母の品格」 多胡 輝著より

2023年6月18日日曜日

花だより ご褒美の是非 マイズルソウ

 

《シリーズ「イキイキ子育て」》  “尾木ママの『叱らない』子育て論”から
  「100点とったらごほうび」がヤル気を下げる!
  子どものころの学びというのは、ほとんど遊びから始まります。たとえば草むらで虫を見つけて追いかけているうちに、興味の種の芽が出して「なんで蝶はこんなに小さいのにボクより力もないのに、空が飛べるのだろう?」すると「調べてごらんなさい。」と言わなくても自分から図鑑と見て名前や特徴を覚えたりするものです。漢字を覚えるにしてもノートや練習帳にただ繰り返し書き取り練習をしたっておもしろくもなんともありません。だけど“馬”という字は、馬が走っている絵がそのまま字になった。“火”はたき火が燃えている様子なんだ。なんて漢字の成り立ちから入っていけば、子どもたちの想像はどんどん大きくなっていきます。学ぶことと、知るとはおもしろいことだと体験的に味わうことが大事です。
 小学校は勉強の楽しさ、おもしろさを知る場でいいのです。だから勉強にごほうびは必要ないのです。
「100点取ったらゲームを買ってあげる。」一見、子どものヤル気をかきたてる方法に見えますが、一過性のもので、その一回のごほうびが結果的に子どものヤル気を下げてしまうことになるのです。学年が上がるにつれて、100点が取れていたテストが90点になり、80点になり、こうなると子どもはふてくされて、ヤル気をなくし、勉強はまったく楽しいものではなくなります。勉強、学ぶことは本来とても楽しいことなのです。「新しいことを学びたい」という欲求や探求心は、子ども自身の中からわきあがってくるものです。
 100点という結果ではなくて、学び続けるという過程を大切にする。私が勉強好きになったきっかけは「読書」です。本の中には自分の知らないお話や歴史、不思議がいっぱい詰まっています。ママたちには、子どもの学びの芽、ヤル気の芽を摘み取らないで欲しいのです。

2023年6月17日土曜日

花だより 人生で必要な知恵をこども園の運動会で学んだ 

 

人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ
「人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々を送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、幼稚園の砂場に埋まっていたのである。」というロバート・フルガムのロングセラー本があります。
  これを「人生の必要なことすべてこども園の運動会で学んだ」と置き換えることができます。集団行動の大切さ、ルールを守り、ズルをしない、最後まであきらめずに走る。みんなで協力する、負ける悔しさ、勝つ喜び、勝者を讃え、敗者を庇うことなど、少しずついろいろなことを経験して、釣り合いの取れた生活をすることは、幼児期によく気を配られることですが、実は大人になっても、心身ともに健全な生活を送る上でとても大事なことです。
 今日は、こども園の運動会です。今年は観客制限を解除したことから、遠くは高知県からおじちゃんとおばあちゃんを見に来ると張り切っている子がいました。運動会は特別な行事です。子どもたちは、生涯大切にすべき知恵を運動会の練習を通して身に付けたと思います。

2023年6月16日金曜日

花だより 「暗記」今がチャンス ヤマボウシ

 

 暗記させる
 思考力・判断力重視の教育が展開されて暗記が軽視されていますが、詩や引用文、フレーズなどを暗記することによって、子どもは言葉の構造や使い方を覚えます。新しい単語を覚え、他の単語との組み合わせ方を学ぶと、言葉を使うことの楽しさを感じるようになります。チャットGPTに頼ってはいけません。チャットGPTも多くのデータを記憶しているのです。
 暗記した内容は、たとえ日頃それを口にしていなくても、いったん暗記した単語は記憶の中に定着しているものです。素敵な文章を暗唱することは、子どもにとっては「成果」になります。暗唱は子どもの学習能力の証しであり、「これを覚えて自分のものにすることができた」という自信につながります。
 子どもに暗記させる内容は、親子の絆になるものや、子どもの人格形成に役立つものがよいでしょう。覚えておきたい大切なことわざや格言、美しい詩(俳句や短歌)、有名な文章、力強いスピーチなどを選び、なぜそれを選んだかを説明しながら暗記させると効果的です。また、悲しいときに気分を盛り上げるような楽しい内容の歌詞もよいでしょう。
 子どもに暗記させるときは、繰り返しを重視することです。何度も繰り返しているうちに覚えられるようになるからです。いったん覚えたものは数週間か数ヶ月毎に繰り返せると、さらに記憶に定着します。
 長くて一度に暗記させるのが難しいようなら、短く区切って少しずつ覚えさせる。長い内容を暗記できれば、子どもは達成感を得ることができます。70近くなった私に新しいものを暗記するのは難しいことですが、やるなら子どものうちです。

2023年6月15日木曜日

花だより 子どもよ本を読みなさい ユキノシタ

 

 

 “子どもよ本を読みなさい!”  原作は「西条八十の詩」
 雨がふったり、風邪を引いて、すきな遊びができないときは、本を読みなさい。
 本は、海や山をこえて、知らない国や遠い国へあなたをつれていってくれます。 
 見たこともない人たちやめずらしい動物があなたと遊び、話をしてくれます。
 本を読めば、友だちはいつもあなたの眼の前に出てきます。
 どんなに大事にしまっておいても、大切なものを失くしてしまうことがあります。
 ところが本は一度でも読むと、あなたの心の奥ふかくにじっとそのまま残ります。
 本がくれる財産は、一生消えません。なくならないのです。

2023年6月14日水曜日

花だより マナーやルールを守る子は心の強い子 ガーベラ

 


 マナーやルールを守って、自分を抑制することを知っている子はこころが強い子です。こういうことは日頃から親がしつけることで身に付きます。

 人間は気分とか情緒で善悪を判断するのは難しいのです。例えば、ごみのポイ捨ては、今日は気分が悪いから捨ててやれ。今日は気分が良いから守ろうか。そんな曖昧なことでは世の中のルールとかマナーは守れたり、守れなかったりするのが現実です。
 ルールやマナーを守るのには何が大切なのか?
 こころの中にあらかじめ決まりごとを持つということです。ゴミはいついかなるときも捨ててはいけないという規範(モノサシ)を心の中に持てば、気分が良かろうが悪かろうか、人がいようがいまいが、心の中のモノサシに照らして行動できます。子どもの心にモノサシを持たせるのは親の役割になります。ぜひ「いいこと」「悪いこと」を区別できるモノサシを子どもの心に植え付けることが大切です。
 たいした理由もなく「今日は、学校に行きたくない。」という子がいます。すぐ「面倒くさい!」という子がほとんどです。子どもに限らず、楽な方に流れがちですが、子どもを持つ親は「率先垂範」が大切です。親自身が心を強く持つことです。
 「家、ついて行ってイイですか?」(テレビ東京)の番組があります。さまざまな人間模様があっていい番組だと思うのですが、家についていくと8割は、散らかっているかゴミ屋敷です。「取材させてください」と言われ、「いや~、散らかっているから…」とほとんどの人は断るようですが、「いいですよ!」と散らかっているのを何も恥ずかしがらない神経がわからない?「親の顔が見てみたい!」と思うのですが、きっと親もそうだったに違いないと思ってしまいます。

2023年6月13日火曜日

花だより 掲示教育の重要性 アカツメクサ シロツメクサ

 

 
 フランス人やイタリア人は、美的センス、ファッションセンスがいい。それもそのはず、街を歩けば、いたるところに美術品、芸術作品があり、ショーウインドもハイセンスです。美的センスは育って環境が大きく影響するものです。
 日本人なら、ベートーベンやモーツアルト、シューベルトの顔を知らない人はいないでしょう。小学校、中学校、高校の音楽室には必ず肖像画(印刷物)が掲示されているからです。それに昭和の前は大正、その前は明治、江戸、安土桃山、戦国、室町、南北朝、鎌倉、平安、奈良、飛鳥、古墳、弥生、縄文時代と覚えたのは、教室に貼ってあった年表を見ていたからです。     
 教員になって常掲図(教室に必ず掲示するもの)なるものがあって必ず教室に掲示しました。歴史年表の他に、ひらがな、カタカナ表、ローマ字表、それに日本地図と世界地図もありました。どの県がどこにあるか、世界の中の日本の位置や主要国の位置はみんな知っていました。
 しかし、今は子どもの気が散らないようにこのような掲示物を貼らなくなりました。集中できないのは、掲示物のせいではなく先生の指導力の問題だと思うのですが…。教室から地図が姿を消したことで、結果、地理に無知な日本人が増えました。ドイツでは、子どもが生まれると地球儀と聖書を買い与えるそうです。聖書の表紙にはハチミツを塗るといいます。「三つ子の魂百まで」とは、よく言ったものです。

 


2023年6月11日日曜日

花だより 「思います」の使い方 言語環境は教師自身 ノイバラ

 

           

 「言語環境」は教師自身 「思います」の使い方
 教員になったとき、「正しい日本語を使うように心掛けなさい」と言われました。教師の話し方をそっくりそのまま子どもが真似をして覚えるからです。ただし、アナウンサーではないので難しいことです。しかし、教師である以上、言葉遣いには注意を払う必要があります。例えば、先生方はよく「これから〇〇をはじめたいと思います」と言います。何気なく、何の問題もなく使っているいますが、この「思います」は正しい使い方でしょうか?
「思います」~自分の判断だから、他の人にとっては分からない。自分の意見なので、ちがうこともあるかもしれない~という意味を含み、断定を避け内容をうやむやにする曖昧な表現です。ですから、「これからお誕生会をはじめたいと思います」と言うのはよくありません。決まっていることは「思います」を使わない方が、スッキリ伝わります。「これからお誕生会をはじめます」と言うべきです。
  余談ですが、ご挨拶を頼むときによく「それでは〇〇様、ひと言ご挨拶をお願いします。」と言いますが、これはとても失礼な言い方です。挨拶する側が「それではひと言お祝いの言葉を述べさせていただきます。」というときに使う言葉で、挨拶を頼むのに「短く話してくれ!」と言っているようなものです。ただし、あえてそう言う場合もあるかもしれませんが…。



2023年6月10日土曜日

花だより 日本人の色彩感覚 紫陽花(アジサイ)

 日本人は、同じ緑でも、松葉色(まつばいろ)、鶯色(うぐいすいろ)、若竹色(わかたけいろ)、苗色(なえいろ)、萌葱色(もえぎいろ)など自然の中で微妙な変化を感じ取り表現しました。春の花見、秋の紅葉狩り、四季の移り変わりの中で生活してきた日本人独特の感性は、欧米とは全く異なる文化を育んできました。
 「国家の品格」の著者 藤原正彦氏は、日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの改革では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理より情緒、英語より国語、民主主義より武士道精神である。と言っています。日本人の心を失いたくないものです。
 子どもたちが図工の時間に「アジサイ」を描きました。あじさいは「紫陽花」と書きます。「七変化」と言われるように咲いているうちにだんだん色が変化していきます。青でもなく、紫色でもない、花びら一枚一枚が微妙な色合いと濃さが重なり合って、一つの丸い花になります。そのためか花言葉は「移り気」といいます。

2023年6月9日金曜日

花だより 参観日はよそ行き ツリガネソウ

 

~参観日~
 農村の小さな学校の参観日のことです。ぎりぎりまで農作業をして、トラクターに乗って学校にやって来た保護者がいました。「先生、ごめんね。こんな恰好で、天気がよかったからさ、やってしまいたくてね。・・・」と教室に入ってくるなり謝るのです。
 もう廃校になってしまいましたが、この学校の参観日は、どんなに忙しい時期でも必ず夫婦で来て、出席率はいつも100%でした。
 参観日だから、余所行きのいい服を着なければならないということはありません。
“余所行き”とは、「特に改まった言葉、態度」という意味もあります。
“余所行き”という言葉が今や死語になりつつありますが、参観日は、先生も子どもたちもいつもとはちょっと違います。授業を見ずに廊下でおしゃべりをしたり、中にはガムを噛んだままの保護者がいたり、授業中に我が子に声をかける母親もいます。参加する保護者の方も少しだけ改まって教室の子どもを見てはいかがでしょうか? 

2023年6月8日木曜日

花だより 「和」を大切にした学級経営 アヤメ

 


 教師は、保護者であれ、子どもであれ、同僚であれ、その出会いが豊かになり得るためには、まず時間を使ってその人の話に耳を傾けることが大切です。学級担任は「和」を大切にして、学級経営の中心に据えることが大切です。だれであっても受け入れる「和」の精神は、人間形成にとても大切なことです。

 AかBかと問い詰める現代の風潮ではなく、教育は、その間にある人としての哀歓や温かさ、迷いを大切にするものです。「止揚」も然り、「調和」も然り、人との出会いを大切にしながら、学校は、子どもが豊かに成長し、生きる力を備える場なのです。
 保護者対応に疲れ、辞職する先生や管理職が増えています。教員への成り手がいない原因の一つになっています。理不尽な保護者がいるのも確かですが、そうした保護者だからこそボタンを掛け違わないように、まずは耳を傾ける姿勢が必要です。


2023年6月7日水曜日

花だより 物を大切に(公徳心) スイレン サツキツツジ

 


  あとかたでけで物を大切に
 「今時の若者は、と言うつもりはないが、公用車など皆が使う物に対して積極的に掃除をしたり、次に使う人のために綺麗にするという考えは感じない。「公徳心」なんて大上段に構えるつもりはないが、自分の車は内外ともピカピカに磨き、究極は靴を脱いで乗る若者が、自分の物でなかったら汚れていようと気にしない。そんな心根は何だろう。ちょっとでも他人のために汗を流すのはバカバカしい!と思っているのだろうか?」こう言ったのは、教育長だ。 
 いろいろな学校を訪問する機会がある。玄関や靴箱・トイレや水回りを見て、普段から綺麗に掃除をしているのを見ると安心する。昔のモノや公のモノを大切にする心が無くして、人を大切に思う心が育まれるはずがない。自分を大切にすることとは、陰日向無く他人を大事に考えることから始まる。
 【3つの「あ」を大切に】で、「あいさつで人を大切に、あんぜんで命を大切に」より、「あとしまつで物を大切に」がやや低く見られがちですが、3つの「あ」はどれも同格なのです!

2023年6月6日火曜日

花だより マイナンバーカードの普及を急げ イワカガミ

 


  マイナンバーカードの相次ぐ問題の火消しのためだろうか、日曜日のテレビ討論番組にデジタル庁の河野大臣と橋下 徹氏が出演し、マイナンバーカード推進の持論を展開した。ところが来年秋からの保険証との一体化についての視聴者アンケートの結果は、賛成34%、延期26%、反対40%だった。これまでのやり方に慣れていた人に理解をしてもらうのは容易ではない。今、マイナンバーカードで起きている問題は、保険証やクレジットカードでも同じことは起きているヒューマンエラーが問題なのに、マイナンバーカードになると大きな問題のように報じられる。反対ばかり言っていては、これからのデジタル社会に対応できない。
 札幌の大丸の地下食品売場で買い物をした。レジは長蛇の列になっていた。さすがお客が多いと思ったら、天下の大丸のレジは旧式で時間がかかっていたのだ。地方のスーパーでもセルフレジになって以前よりもスムーズに流れるようになった。不慣れな人には近くにアシスタントが居て丁寧に教えてくれる。ところが中には、「うまくできない!あんたがやって…」という客がいてイラッとすることがあるそうだ。
 外国人が日本は最先端技術の国だと思って来たら、まだ、支払いが現金ということに驚くそうだ。新しいモノ好きな日本人と言われるが、こういうことには抵抗感があるらしい。このような人は、個人情報保護をすぐ口にする。うちの妻もそうだ。しかし、万が一漏れたとしても情報は真実だ。それより、知らずに知らないところであることないこと噂話をされる方が、もっと心配ではないか。また、簡単にSNSにUPしたり、アドレスの交換をする方が問題だ。それと年寄りには、デジタルは無理だと思われるのは心外である。むしろ便利になるなら年寄り向きではないか。カード一枚(スマホ)で全てが済む社会に早くなってもらいたい。


2023年6月5日月曜日

花だより チャットGPTでテスト作成 ハマナス

 

 「もう学校の先生はいらなくなるかもしれない。」公立高校の英語教諭は、力なく笑った。そう嘆くのはチャットGPTの登場だ。
 学年末テストの問題をチャットGPTで作成した。≪あなたは英語教員です。英語中級者向けに、英文の内容理解をはかる4択問題を5つ作って下さい。≫とリクエストした。すると表示された問題と答えは、「想定していたものと同等か、それ以上の出来」だった。
「これだけの性能であれば、生徒たちも勉強に使うだろう。」しかし、「無料ですぐに答えを示してくれるツールに頼りすぎてしまい『思考停止』に陥らないか」こんな不安が頭をよぎる。(読売新聞「情報偏食」揺れる教育現場2 「テスト作成 先生いらず」より)
 小学校では、業者テストを使用している。自作テストと言っても問題集からの寄せ集めだ。それよりチャットGPTで作る方が良いかもしれない。それに働き改革につながる。良いものはうまく使えばいい。
 

 

2023年6月4日日曜日

花だより 働き方改革と校長のリーダーシップ 牡丹

 学校の教員が、多くの仕事を抱え込んだ結果、長時間労働で疲弊している。教員の働き改革は、まだまだ進んでいない。
 残業時間が、国の指針で定める「月45時間」の上限を超えて昨年度は、公立の小学校で全体の6割、中学校では7割に上がった。中学校では「過労死ライン」の80時間を超えた教員が4割近くもいた。6年前の前回調査よりも改善されているが、依然として深刻である。(5月25日の読売新聞から)
 改善に向けてまず着手しなければならないのは、無駄な会議を廃止し、部活動の指導や、配布物の印刷などの事務作業は、他に任せるべきだ。
 その際、校長のリーダーシップが重要になる。慣例にとらわれず、思い切った改革に取り組んでもらいたい。最大の敵は、学校内部に潜んでいる。教員の意識改革が重要だ。必要性の低い業務を見極めて思い切って削減することが重要だ。運動会の種目を減らす以外に削減するものはあるはずだ。
 さらに教育は本来、学校・家庭・地域の三位一体で進められるべきである。しかし近年は、学校に求められるのが大きくなりすぎている。教員が授業や生徒指導に専念できるよう、地域や保護者も負担軽減に協力を求めるべきだ。
 長時間労働は、教員のなり手不足の一因になっている。学生らに多忙さが敬遠され、採用試験の受験者は年々減っている。少子化で子どもの数が減っているのに、教員が多忙でなり手がいないというの現状はゆがんでいる。採用試験を6月に上げるそうだが、とにかくやる気のある優秀な教員(学生)が欲しい。

2023年6月3日土曜日

花だより インターンシップ(高校生) タニウツギ セッコク

 


 
親はマナーの手本を示す
 インターンシップで地元の高校生が本園で3日間の職場体験をしました。実に礼儀正しく、真面目で誠実な子でした。先生方からは「こんな高校生もいるんだね。きっと親が立派なんだ!」こんな声を聞こえました。親は子どもにマナーを教えるだけでなく、お手本を示す必要があります。
 例えば、何かをしてくれたときに「ありがとう」と言うことです。自分がお手本を示していないのに、子どもにマナーを守るように要求してはいけません。
 子どもは親の行動を真似る能力を生まれつき持っています。子どもにマナーを教える最も簡単な方法は、親がお手本を示すことです。
 「おねがいします」と「ありがとう」は特別な場だけではなく、ごく普通の状況で使う言葉です。親がマナーのお手本を示すことによって、将来、社会に出たときに、いろいろなタイプの人とうまく付き合えることができます。
 「お願いします」「ありがとう」「とても楽しかったです」「失礼します」
 これらの4つの言葉は、子どもが大人になったときに他の人と協調して働く能力を養い、職場で円満な人間関係を構築するのに役立ちます。基本的なマナーを身に付けていると、どんな集まりの中でも礼節をわきまえた行動をとることができます。自分が最高のマナーの模範を示し、子どもに「自分は最高のマナーに値する人間だ」という自覚を持たせることです。

2023年6月2日金曜日

花だより (幼児施設)虐待を生む背景に何があるのか 宇津木

 


   虐待を生む背景に何があるのか (読売新聞社説から)牧野要約
 保育士が子どもに暴力を振るったり、暴言を吐いたりすることは、絶対に許されない。こども家庭庁は、『不適切な保育』が2022年4月~12月の保育所で914件あったと発表した。特に「虐待」は90件に上り、激しく体を揺さぶるなどのほか、性的虐待が20件もあった。これまで埋もれていた保育現場の実態を明らかにした意義は小さくない。ただ、今回の結果は氷山に一角だろう。不適切な保育の例として、「人格を尊重しない」や「脅迫的な言葉がけ」といった質問項目は、具体的な行為がイメージしにくく、報告した担当者は答えにくかったのではないか。27道府県は1ケタ台にとどまった。保育現場で虐待があっても、施設から自治体への通報義務がない。こうした制度上の不備も指摘されている。
 こども家庭庁は、今回の発表に併せて、不適切保育の防止に向けた指針をまとめた。戸外に締め出す、おむつを替えない、大声で叱るといった、虐待に該当する行為を具体的に示した。
 現場は人手不足で、一人の保育士が多くの子どもを見ているのが実態だとされる。これではトイレや食事を急かすため、叩くなどの行為につながりかねない。保育士の配置基準の見直しは急務である。保育所と同様に幼稚園でも同じような暴力行為は起きているが、幼稚園は文部科学省の管轄のため今回の調査の対象外だったのもおかしい。
 多くの保育士は真剣に子どもたちと向き合っている。不適切保育の問題は、こうした保育士たちも傷つけかねない。政府は「異次元の異なる少子化対策」を掲げている。子どもを安心して預けられないようでは、効果はおぼつかない。
 学研の月刊誌(保育)7月号「ほいくあっぷ」でも「不適切?虐待?」の特集を組んでいた。~幼児施設や学校というのは、「これはいじめでなくしつけ(教育)なんだ」「いじめではなく遊びなんだ」というような言い訳に転嫁しやすい場所だけに、一保育者が変えていくのは困難です。だからこそ必要なのは、管理責任者である園長の力が大事なのです。~東京大学の亀田達也教授(心理学者)のコメント

2023年6月1日木曜日

花だより “読書好き”きっかけとなる本との出合い 藤 サツキツツジ

 


  
“読書好き”きっかけとなる本との出合い
 『どくとるマンボウ』シリーズを読んで、読書好きになるきっかけだったという人が多いのではないでしょうか?故作家北杜夫氏を偲んでの話です。
 北杜夫氏は、小学生の頃、こんな俳句を作ったそうです。~コオロギがコロコロと鳴く秋の夜~ 大歌人だった父は面白半分にそれを見たが何も言わなかった。とご本人は回想しています。亡くなった作家北杜夫さんは、本名斉藤宗吉といいます。斎藤茂吉の息子が下手な小説など書くのは恥ずかしいという思いで本名ではないペンネームを使い出しました。松本から仙台と寒い地で学んだから北。トーマス・マンの小説「トニオ・クレーゲル」に心酔して杜二夫(トニオ)、それが杜夫になったのはよく知られています。
 村上春樹氏が、ノーベル文学賞の毎回候補にあがっていますがなかなか受賞できません。ノーベル賞を受賞した川端康成氏のような純文学もいいのですが、日本の文学はユーモアに乏しい。とかくシリアスに傾き、笑うようなものは格落ちとみる風潮に、マンボウシリーズは、気持ちよく風穴を開けたと評されています。誰にでも好きな本、好きな作家がいると思います。