2023年6月2日金曜日

花だより (幼児施設)虐待を生む背景に何があるのか 宇津木

 


   虐待を生む背景に何があるのか (読売新聞社説から)牧野要約
 保育士が子どもに暴力を振るったり、暴言を吐いたりすることは、絶対に許されない。こども家庭庁は、『不適切な保育』が2022年4月~12月の保育所で914件あったと発表した。特に「虐待」は90件に上り、激しく体を揺さぶるなどのほか、性的虐待が20件もあった。これまで埋もれていた保育現場の実態を明らかにした意義は小さくない。ただ、今回の結果は氷山に一角だろう。不適切な保育の例として、「人格を尊重しない」や「脅迫的な言葉がけ」といった質問項目は、具体的な行為がイメージしにくく、報告した担当者は答えにくかったのではないか。27道府県は1ケタ台にとどまった。保育現場で虐待があっても、施設から自治体への通報義務がない。こうした制度上の不備も指摘されている。
 こども家庭庁は、今回の発表に併せて、不適切保育の防止に向けた指針をまとめた。戸外に締め出す、おむつを替えない、大声で叱るといった、虐待に該当する行為を具体的に示した。
 現場は人手不足で、一人の保育士が多くの子どもを見ているのが実態だとされる。これではトイレや食事を急かすため、叩くなどの行為につながりかねない。保育士の配置基準の見直しは急務である。保育所と同様に幼稚園でも同じような暴力行為は起きているが、幼稚園は文部科学省の管轄のため今回の調査の対象外だったのもおかしい。
 多くの保育士は真剣に子どもたちと向き合っている。不適切保育の問題は、こうした保育士たちも傷つけかねない。政府は「異次元の異なる少子化対策」を掲げている。子どもを安心して預けられないようでは、効果はおぼつかない。
 学研の月刊誌(保育)7月号「ほいくあっぷ」でも「不適切?虐待?」の特集を組んでいた。~幼児施設や学校というのは、「これはいじめでなくしつけ(教育)なんだ」「いじめではなく遊びなんだ」というような言い訳に転嫁しやすい場所だけに、一保育者が変えていくのは困難です。だからこそ必要なのは、管理責任者である園長の力が大事なのです。~東京大学の亀田達也教授(心理学者)のコメント

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