2023年7月30日日曜日

花だより 教職の特殊性(教員確保) アサガオ ムクゲ

 

教職の特殊性
 あこがれる先生に出会ったことで、子どもたちは、教師になることを夢見るのだと思います。その教員採用が大きく変わろうとしています。教員不足解消のためには、仕方のないことかもしれません。
 教員は、専門職としての免許制度によって、大学での教育など、一定の高度な養成教育を受け、教員として必要な知識・技術を身につけて、さらに難関の採用選考試検を突破してなった職業です。その意味では、もともと職務遂行能力の高い人々が従事する職業です。少なくとも世間はそう見ています。また、専門的技術水準の維持や高度な職業倫理の確保が社会的に見て特別に重要な教員の場合は、特に研修による専門家あるいはプロフェッショナルとしての能力の開発に努めなければなりません。
 仮に非常に優秀な人材だとしても、充実した職務遂行には、養成段階での力量のままであっては不十分であり、また、その後の経験や学習を通して学んだ能力の向上だけでは完全ではありません。現代のようにたえず進展・変化する社会に対応するためには、教育者として実践的指導力など資質・能力の向上が求められています。まさに教師も生涯学習なのです。自分自身が研修に真剣に取り組む姿勢そのものが、子どもたちの学習に対して、なにものにも優る教育的効果があるのです。
 確かに教職はブラックで、その割には給料は良くありません。働き方改革も進んでいません。しかし、魅力ある職業、やりがいのある仕事だと思います。

2023年7月29日土曜日

花だより 市民からの通報 クルマユリ あさがお

 


 
~子どもの行動は、親の責任~ 市民からの通報
  教育委員会には、市民からいろいろな電話がかかってくる。特に夏休み期間中は多い。
 市内の公園には、ゴミ箱を置いていません。ゴミは各自持ち帰ることがエチケットとなっています。ところが教育委員会に「いつも〇〇公園に遊びに来ている中学生が、お菓子や弁当などのゴミを散らかしていく、見るに見かねて注意をしたら、『うるせえ~。くそ、おやじ!』と悪態をつかれた。いったい学校は何を教えているんだ!!」という電話がありました。そして、「この際だから、ついでに言っておくが、夏祭りになると、夜遅くまで、奇妙な格好をして街の中を徘徊し、地べたに座り込んで話し込んでいる中学・高校生らしい若者がいる。子どもも子どもだが、あの連中の親はいったい何をしているんだ!」と怒り心頭。
 「そうですよね。ごもっともなご意見です。ありがとうございました。学校にはきちんと伝えておきます。」と答えて、校長会議の折に、こんな通報がありました。と校長に伝える。

2023年7月28日金曜日

花だより 「悪いのは相手?」「しつけ」とは仕向けること ハス

 


 「悪いのは相手」という考え方をしない。   
 小さい子は、「ぼく(わたし)は悪くないもん」とよく言います。自分の身をかばいたいという気持ちは小さい子どもほどあります。これは人間の本能です。こんなとき親が子どもに同調して「そう、あなたは悪くないわよ。」と迎合するようなことは言っていけません。そんなときは、こんなふうに言ってみてはどうでしょうか。
 「本当に自分が悪くないかどうか、相手の気持ちになってもう一度よく考えてごらんなさい。あとでもう一度話を聞きます。」ここで大切なことは、子どもがどんな話をするかではなく、小さい頃から、立ち止まって考える時間を身に付けさせることです。
 品格のあるお母さんは、そう簡単に子どもに迎合したりしないものです。簡単に迎合すると子どもは自分のやることは何でも正しいと思い、単純に悪いのは相手だと思ってしまうのです。
 これは交渉のテクニックのように、相手にすべて責任を押しつけて、悪いのは相手と決めつけて交渉をはじめるやり方です。最後まで自分の落ち度を認めようとしない。こんなことを交渉テクニックだと思って続けていると、自己中心的な人間になってしまいます。そんな人がだんだん増えてきて世の中がギスギスしているような感じもします。
 子どものケンカやトラブルは、よほどのことがない限り100%相手が悪いということはありえません。立ち止まって考える時間をもてばわかるはずです。当たり前のことですが、親が悪いのは、相手と決めつけるような考え方や話し方をしないことです。子どもには立ち止まって考える時間が持てるようにしつけていきましょう。「しつけ」とは仕向けることです。

                     多湖 輝著「母の品格」より

2023年7月27日木曜日

花だより 「思いやりの心」があればほとんどのトラブルは解消される コバイケソウ サクランボ

 



  年齢と共に「思いやりの心」は成長するものです。教師は、その年齢にあった指導をすることが必要です。「思いやりの心」があれば、ほとんどのトラブルは解消されます。
◎幼児期~自分と他人の区別が明確でない。自分も他人も同じことを考えていると思う。
◎小学校低学年~他人と比較して、自分と他人の違いが分かってくる。ただし、笑っているからうれしい。泣いているから悲しいといった程度で、相手の心情を推し量ることはできない。
◎中学年~他人の視点をかなり推測できるようになる。A君は、ぼくのことをきっと○○だと思っている。ぼくは、A君のことを○○だと思っているだろう。と互いの気持ちを推測できるようになる。
◎高学年~「私」と「あなた」といった二者関係だけでなく「彼」「彼女」といった第三者の気持ちを推測したり、自分自身を客観視することができるようになる。
◎中学生~学級、学校、社会、日本人として、といったようにさまざまな立場に立って考えられるようになる。
 「思いやり」とは、自分の視点だけでなく、さまざまな人の視点を理解する力といえます。この発達レベルが低いと何かトラブルがあったときに、他人を変えようとするもの(他者変容思考)が強いと暴力をふるい、自分を変えようとするもの(自己変容思考)が強いとその場から逃げるという行動をとります。しかし、「思いやり」が発達すれば、他者変容思考は、「暴力」から「命令」「説得」と変化します。自己変容思考は、「逃避」から「従順」「妥協」へと変化するのです。最終的には互いのコミュニケーションを通して「調節」する行動をとるようになります。「思いやり」の心が育てば問題となる行動もなくなるのです。
 

2023年7月26日水曜日

花だより 研究大会(分科会の助言者) ヤマユリ

 

 研究大会(分科会の助言者) 
 助言者を頼まれることが何度かありました。若いときは生意気で好きなことを言っていました。「本時のねらいとちょっと違うんじゃないですか?」と言ってしまったことがありました。  
 その授業者は、その後、教育局の指導監になり、東京農大教育学部の教授にもなりました。今でもその先輩に会うとその時のことを言われます。若気の至りです。
 美幌田中小学校(既に廃校になっています。美幌の自衛隊から東藻琴に行く途中にあった当時は児童数30数名の小規模へき地校)に27歳から32歳まで6年間勤めました。その間、年に2回指導主事訪問(学校教育指導)があって、その度授業を公開して、指導助言を受けました。へき複の研究大会の特設授業も3回行いました。
 研究大会では、生意気盛りで指導書通りにやるのがイヤで、定型の“わたり”“ずらし”も素直にやらず、いつも突飛な授業をしては、参観した先生方から批判を浴びて落ち込んでいました。
 当時の指導主事から「教師は教えるプロだから、授業で勝負できる教師になりなさい。単元のねらい、児童の実態から本時の目標を設定し、その目標を達成するために、どんな教材を用意するか、発問は?板書は(計画)?そして、その結果は?授業後の研究協議できちんと主張する。結果に対して言い訳をしない。助言者や偉い人が言ったから、その通りとは限らない。信念や自信がないと授業はできないですよ。」こう言われたことを思い出します。
 今は、生意気な授業をする先生は少なくなりました。授業反省で厳しく批判する先生も少なくなりました。助言を頼まれたら、好きなこと言ってもいいのなら、やることにしていました。
 

2023年7月25日火曜日

花だより 夏休みのおすすめポイント マツバボタン ひまわり

 


 夏休みになると とかく家庭では、子どもに対して放任にするか、かまい過ぎの傾向になりがちです。学校では、「子どもに自主的に生活させましょう!」と一日の生活表や夏休みの生活設計を子どもたちに立てさせます。担任は必ず「無理のない計画を立てて頑張って下さい。」というコメントを付けますが、実際に守れるのは何日あるでしょうか? 生活リズムは、それぞれの家庭で違います。
 夏休みだからと特別にしないことです。起きる時刻、寝る時刻など学校に通っているときと同じリズムにすべきです。むしろラジオ体操に行くなど、いつもより早起きすることをすすめます。短い北海道の夏を少しでも長く楽しむためです。
 学習は「楽習」 笑顔でやりましょう! 
 つまらなそうにやるのと笑顔でやるのでは、学習効果が全く違います。作り笑顔でやっても学習効果はあるそうです。ストローをくわえて30分勉強すると60分やったくらいの効果があります。笑顔だと脳が活性化するからです。休み中は笑顔で勉強してみてください。
 全部の宿題を一日でやっても何の効果もありません。毎日少しずつ笑顔でやること
 お母さんへ(お父さんも)、これは家事でも同じ効果があるそうです。

2023年7月24日月曜日

花だより 社長さんは論語を読む コマクサ サクランボ

 


 論語には、「六十にして耳順(したが)う。修養を積んで他人の言葉を素直に受け入れられるようになる年が六十である。」という。
 愚職はもう8年も過ぎてしまったが、孔子のような悟りの境地には一生至らないだろう。後に続く人には、「学問が人生の最上の楽しみ」であって欲しいと願う。
第一章 学而編一 「人生の最上の楽しみ」

「孔子先生がおっしゃった。学問を学び、それを反復すれば自分のものとなり、こんなに喜ばしいことはない。また、学んでいると同学同志の友が遠方より訪ねて来て、ともに語り合い、いっそう楽しくなる。たとえ学問が成就したことを世間の人が認めてくれなかったとしても、それを嘆くことはあるまい。その道を求めていく人を君子というのだから…。」とある。
第二章 為政編十九 「まず実行せよ」 
 孔子の高弟が「君子とはどのような者か」と聞いた。孔子は答える。「君子とは、まず行動を先に見せ、その後にものをいうものである。」
第一章 学而編十 「学問は自分を磨くためにある」
 「学問は自分自身の教養を深めるためで、人に知られるためにやるわけではない。学問が進み人格が備わったことを、人が知るか知るまいが、そんなことはどうでもいいことだ。それより他人の真価を見抜けない自分の能力の低いことを憂うべきである。」
 「論語読みの論語知らず」という言葉があるらしい。論語の言葉を座右の銘にしている
企業経営者が多い。私と違い、それを実行しているから成功者なのだ。ところが、ビックモーターのような企業経営者もいる。是非、論語を読んでもらいたい。

2023年7月23日日曜日

花だより なぜ「知床」を訪れるのか? ナデシコ ニッコウキスゲ

 

   
 風の音、木々のざわめき、小鳥のさえずり、自然は、生き生けるもののあふれんばかりの生命力である。勢いよく生い茂った深緑に包まれていると、身体まで緑に染まって、新たな力が体内に満ちてくるようだ。
 
人は、なぜ「知床」を訪れるのか?
 知床は、流氷が接岸する世界最南端の地である。流氷の下で生息するプランクトンは、豊かな動植物の源となっている。河川には、サケ・マスが遡上し、その恵みがヒグマやエゾシカ、キタキツネ、シマフクロウなどの野生動物、更には森林の木々にもたらされている。
 観光船事故で落ち込んだ観光客も回復傾向にある。
 いつか何かに追い立てられ、急かされてあわただしく時を過ごしているうちに、人はともするとゆとりを失い、気持ちをいらつかす。自分のことは棚に上げ、他の人に当たり散らすこともある。あるいは自分の殻に閉じこもって悶々と過ごすこともあるかもしれない。
 ときには自然の声に耳を傾け、身をゆだねてみたい。時間が静かに流れ始め、自分を振り返る余裕や物事に感動を持って受け止めるみずみずしい心がよみがえってくるはずである。それまでのとらわれにふと気づき、対処する道が見えてくることもある。人間は自然の中の一部なのである。こんな時代だから、知床が世界自然遺産になり、人々が多く訪れるのかもしれません。
 ただし、知床はただの観光地ではない。時には、恐ろしい牙をむくことを忘れてはならない。
収穫を迎えた訓子府の麦畑



2023年7月22日土曜日

花だより 相談しやすい人 ヤマユリ

 

《シリーズ「いきいき子育て」》
 ~子どもが相談したくなる親は、どこがちがうのだろう~
 人は愛され理解されたがっている存在です。理解されないときの不満がたまるとキレることもあります。突然子どもがキレたとき、本人も親も理由がよく見えず、怒ったり苦しんだりしますが、理由はあるものです。
 日頃から相手の話をじっくり聞く、同じ目の高さで考える、深い関心を払う、といった姿勢を親が身につけることで子どもは親に愛されている実感を得ることができます。
 子どもは愛されていると感じるとき、安定した気持ちで問題に立ち向かうことができます。そして、不必要に攻撃的にならず、他者や問題を受け入れることができると大きく成長するのです。
 スクールカウンセラーは言います。まず信頼されること、そのためには傾聴すること、相手を認めること。決して上から目線で話さないこと。心を開き、本音を聴けるのは、そう簡単なことではありません。時間がかかる場合があります。
 今の時代「悩みがあったら、気軽に〇〇へお電話ください」と子どもに呼び掛けても、誰も掛けてきません。掛けてくるのは、「実はうちの孫が…。」と祖父母ばかりです。
 愛を感じる親でありたいものです。
   ***子どもが愛されていると実感できるコミュニケーションをする***

2023年7月21日金曜日

花だより 斜里知床ねぷた(小山内会長) シモツケソウ 馬鈴薯


《弘前ねぷた斜里保存会小山内さん》
 門外不出の“弘前ねぷた”がどうして斜里で行われているのか?
 ~歴史と伝統のある「弘前ねぷた」を適当にやられては困る。忠実に受け継ぐことを条件に全国で斜里町だけが運行を許されている。~それまでには、大変な苦労があった。

 小山内氏(“師匠”と呼ばれている)は、ねぷた絵を描くのに何度も弘前まで足を運んで学ぶわけにはいかないので、分からないことがあると電話で描き方を教わった。だから一ヶ月の電話代が半端じゃなかった。あまりの熱意に弘前の絵師が、見本を描いて送ってくれた。墨の入れ方、蝋(ろう)描きの仕方、色の付け方、絵の構成、目の位置など、話を聞くと奥深さを感じます。
「最近は、歳をとって筆の勢いがなくなった。」と言いますが、なかなかどうして素晴らしい筆さばきです。一番感心したのは、建具の職人さんということもあって、段取りの良さです。朝は早くから学校に来て、準備をしてくれています。「一番肝心なのは紙貼り」、学校で貼ったのは「ダメだ!」と言われ、職人さんたちを呼び寄せて、紙貼りを仕直してから作業に取りかりました。子どもたちも私も師匠の指示には「はい、はい」と従って、黙々と作業を続けます。
  北海道は、たかだか100年ちょっとの歴史しかない。伝統文化といえるものもない。私たち道産子にとって、感覚的に「しきたり」とか「伝承文化」というものを理解するは難しいものです。本州の冠婚葬祭に参列すると北海道との違いに驚きます。
 世界自然遺産に囲まれ、尚かつ、こうした伝統文化に触れる活動を経験できる斜里朝日小の子どもはとても幸せです。まさに斜里ならではの特色ある教育活動です。
 しかし、師匠は、「学校の勉強もあるから、これだけやっているわけにもいかないしな。何かいい方法を考えなければならない。」と心配してくれています。あれからもう15年経ちました。師匠はお元気でしょうか?今年も今週末斜里知床ねぷたが巡行されます。


 

2023年7月20日木曜日

花だより 深刻「教員確保」 ノウゼンカズラ

 

~教員確保~ 7月18日の読売新聞より
 現在の教職課程では、4年制大卒で1種免許、短大卒で2種免許を取れる。2種は1種に比べて必要な単位数が6割程度と少なく、文部科学省は4年制大学でも2種が取れる特例を導入する方向で検討している。
 ただ2種免許では教科指導や生徒指導などを学ぶ時間が限られており、学校着任後のミスマッチを心配する声もある。埼玉県の公立小の校長は「教員への適性は時間をかけて見極めるべきだ。現場理解が不十分なままだと、学校のさまざまな問題に対応できないのでは」と心配する。都内の公立中校長は「志願者のすそ野を広げることは必要だが、先生の『粗製乱造』につながらないような手立てが必要だ」と指摘する。
「後から免許」採用の合格者に対して、山口県は免許取得にかかる学費を年26万円まで補助すると決めているが、学校着任に向けた研修については「これから具体的に検討する」という。さいたま市も「これまでの職場と学校は大きく違う」とし、授業見学などの機会を設けたいとしている。
 ◆教員免許= 教職課程を修了した人の「普通免許」、優れた経験を持つ人向けの「特別免許」などがある。普通免許は専門性が高い方から専修、1種、2種に区分される。2種は高校では教えることができない。正規教員になるには、免許を取り、自治体の採用試験に合格する必要がある。
 公立小 倍率最低2・5倍…「働き方改革不可欠」指摘もある
 2022年度採用試験の倍率は、公立小学校で最低の2・5倍まで落ち込んだ。大量採用世代が退職期を迎えた一方で、志願者が減っているためだ。忙しい学校現場の「ブラック」なイメージが広がったことなどが、減少の要因となっている。
 小学校で35人学級が段階的に導入されていることや、特別支援教育を受ける子が増えていることなどから、少子化の中でも必要な教員数は大きくは変わっていない。そのため、今後も各自治体が教員志願者を奪い合う状況は続きそうだ。
  教員採用に詳しい東京学芸大の浜田豊彦副学長は、「志願者を増やそうという工夫は必要だが、自治体ごとの努力では限界がある。国が『働き方改革』をしっかりと進め、学校の職場としての魅力を取り戻すことが不可欠だ」とする。

 私は、専修(大学院卒)の教員をもっと増やすべきだと思う。専修資格を有する教員の大幅ベースアップを期待する。医師や弁護士は高給取りでも誰も文句は言わない。教員もそうなればいいと思う。それくらい大変な職業だ。教職はブラックだというイメージで、学校の先生は大変だ。と同情してくれている。ところが働き方改革が進み、教員の給与がUPすると、ますます教員に対する社会の目は厳しくなる。不祥事が起きたり、指導力に問題があったりすると、袋叩きにされるだろう。教員不足問題、それ以上に不適格教員が職場にいることの方が深刻なのだ。幼稚園教諭や保育教諭、保育士もそうだ。2年や専門学校で資格が取れてしまうほど、簡単な職業ではない。教員の質と職場環境の改善は、教員養成課程の改善と給与UPを切に希望する。

2023年7月19日水曜日

花だより できない子の「3つのタイプ」 蝦夷スカシユリ

 


      
 症状によって処方箋は違う!
 何度言ってもで
きない子どもたちの中には、次のような3つのタイプがあります。
 支援すると言っても、見守る、共感する、助言する、一緒にするなど、さまざまです。それぞれにあった方法を考える必要があります。
*タイプ1~どうすればよいか知識がない
 「やさしくしなさい」と叱られても、どのようにふるまえば「やさしい」行動なのか分からなければ、その行動は出てきません。(例:「だいじょうぶ?」と声をかけてあげる。)こんな子には、具体的な行動を具体的な知識として教えてあげることが必要です。
*タイプ2~知識はあるが行動ができない
 「ごめんね」と謝ればいいのにその勇気はない。自信がない、恥ずかしい、といった意欲や気持ちのところでもう一歩行動にできない。「さあ、やりなさい」と背中を押しても、押せば押すほど引っ込み思案になってしまう。このタイプの子どもは、「やれたためしがない」「自分にできるとは思えない」という心情が強いのです。普段から少しずつ「○○さん、えらいね。よく○○やったね」と声をかけ、できそうなチャンスの場を与えてほめてやることが大切です。
*タイプ3~知識もあり行動もできるが状況把握ができない
 知識もあり、行動もできるのに対人関係でトラブルが多い子がいます。例えば、友だちが何かもめている最中に「仲間に入れて」と声をかけても彼らは聞いていない。そんなとき「ちゃんと入れてって言ったのにみんなは私を無視した」と先生に訴えてくるのは、このタイプの子です。他の人の気持ちに気付かせる対応が必要です。
 どのタイプなのかを見極める児童理解(普段の観察)ことが大切です。

2023年7月18日火曜日

花だより 行ってみたい都道府県、第一位は北海道? ハマオモト

 

 行ってみたい都道府県、第一位は北海道?
 雄大な自然、新鮮な海産物と農産物、食べ物が美味しい、夏は涼しい、そんな北海道にあこがれる人が多いようです。コロナが落ち着いてきて、待ってましたとばかり、本州ナンバーの車を多く見かけるようになりました。最近は、キャンピングカーや大型バイクの一団が多いように思います。見ると結構年配の人たちです。お金と時間に余裕があるからでしょう。
“足湯”に入っていると本州から来た観光客から声を掛けられました。

「北海道は、どこにでも温泉が湧き出ていて、いいですね?」
「北海道は、昼間は暑いですが、夜は涼しいというか、寒いくらいですね!」
「北海道は、どこに宿泊しても、サケ、イクラ、ウニとカニが出ますね?」
「北海道は、道路がまっすぐでいくら走っても景色が変わりませんね!」
“それがよくて北海道に来ているのだろう!”と思いながら、「夜は出歩かない方がいいですよ。北海道どこでも街中も熊が出ますから!」と脅すと「本当ですか?」と本気にしました。
 退職したら、ゆっくり旅行でもと考えていましたが、まだまだ、そんな余裕もお金もありません。

2023年7月17日月曜日

花だより ヘリコプター・ペアレンツ オオマチヨイグサ テッポウユリ

 

 

 何でも悪いのは学校と決めつけてクレームをつける「モンスター・ペアレンツ」と呼ばれている親たちがいます。アメリカでは「ヘリコプター・ペアレンツ」という言い方もあるそうです。ヘリコプターに乗って上空から監視するように学校を眺めていて、問題が生じるとサッと降りてきて学校に文句をいい、訴訟にもっていってしまう。
 いずれにしろ子は親を見て育ちます。モンスター・ペアレンツに育てられた子どもが清々しい品格を身に付けるとはとても思えません。マナーを身に付けない、そして、ルールを守れない子ども、わがまま放題で自由をはき違えた子どもが再生産されていくことになります。
 人に対する優しい気持ちや世の中のルールを教えるのは家庭しかありません。それを子どもに身に付けさせるのがしつけなのです。
 学校は、家庭でしっかりとしたしつけがなされているということを前提にして運営されているのです。こうした記事は、普段平穏に過ごしているときに「学校だより」に書くといいです。


2023年7月16日日曜日

花だより 浴衣の着付け トキソウ

 

 浴衣の着付け  
 女の子が、髪を結い、ちょっと薄化粧をして、浴衣を着ると夏まつりや花火大会にはよく似合います。テレビで外国人に浴衣を着せているシーンをよく見ます。しかし、着せることのできる日本人は少なくなったと思います。
 夏祭り、花火大会で浴衣姿の男女を多く見かけました。若い人が着るのは大変結構なことですが、残念ながら着方がだらしない。今は、帯もオシャレでワンタッチ式で着やすいのでしょうが、誰かに着せてもらったのでしょう。親に着せてもらったとしたら寂しい限りです。特に男の子の浴衣姿は最低!!寝間着よりまだ悪い!
 母は、着付けの先生ではありませんが、「ちょっと来なさい。みっともない着方をしないのよ。男の帯は腰で締めるの…。」と言いながら着せられたことを覚えています。そんな母は、私が成人したとき着物と浴衣を作ってくれました。必要性は全く感じなかったのですが、それでも小さい頃からの習慣なのか今でもお盆やお祭りになると着ることがあります。帯も自分で締めることができます。
 浴衣を着て、ブランドバックを持って、金髪、ピアス、ネックレスにサンダルは、まだ許せても、浴衣を着るならきちんと粋に着て欲しい。「そんなこと言うのは、パパが歳をとった証拠だよ。」と娘は言います。 

2023年7月15日土曜日

花だより 訓子府メロン ねむの木

 



 「訓子府といえばメロン!是非、メロンを栽培しているところを見てみたい。」という要望があり、13日(木)管内園長研修会で訓子府メロン発祥の地、清住のHISAZUMIファーム見学してきました。50mのハウスが5棟並んでいました。年々減らしているそうです。以前は100mハウスが何棟もあったそうです。
 オホーツク管内で50年、訓子府のブランド品として、愛され続けてきた「くんねっぷメロン」ですが、ここ数年、生産者の高齢化や後継者不足に伴い、生産量が減ってきている状況にあります。(手間暇かかるメロンより、玉ねぎの方が収益が高い)
 メロン栽培には、養蜂場の協力が不可欠です。訓子府には菅野養蜂場があって、受粉時期の5月中旬から6月中旬にかけて、ハウスに蜂箱の配達しています。また、町内の菓子店では、期間限定でメロンを使ったスイーツを作り販売しています。くんねっぷといえば「メロン」なのです。街灯もメロンの形、公衆トイレもメロンの形をしています。
 7月中旬から下旬にかけて収穫の最盛期を迎えます。訓子府の気候風土がメロン栽培に適しています。寒暖差と日照時間の長さから、他の有名産地に負けない甘さ、美味しさがあります。是非、ご賞味ください。
 ~美味しいメロンの見極め方~
 《メロンの選び方》
■網目が盛り上がり、均一に張っている。
■買うときに甘い匂いが強すぎない(熟しすぎ)
■外見は球形で左右対称(変形していない)
◇つるが緑でピンとしている。
◇果皮が軽く叩くと詰まった音がする。
《保存方法と食べごろ》 
□買ってきたら常温で保存する(冷蔵すると追熟しなくなる)
□購入から3~4日で甘いにおいがする。
□つるの先端が枯れてくる。
□可否を軽く叩くと少し鈍い音になる。
□尻を押すと柔らかい。
 *ポイント食べごろになったら食べる2時間前に冷蔵庫で冷やすして食べる。冷やし過ぎると甘さを感じにくくなります。
 
          

2023年7月14日金曜日

花だより 子どもの身体や行動に現れるサインを見逃さない ノゲシ カライトソウ

 


  子どもはSOSがうまく言えない
 とても元気で明るい女子が急に頭痛や腹痛を理由に学校を休みようになりました。担任は、何らかの原因で不登校になったのではないか、学級内で「いじめ」があるのではないかと心配しました。すると半年たって、急に元気になり、登校し始めたのです。理由は、夫婦不和でした。母親は離婚を決意し、娘と二人で生きていくことを決めてからは、女子の体調は元に戻ったのです。
 いじめや不登校につながる悩みなど、子どもが心の問題を抱えたとき、それは、しばしば身体的なサインとなって現れます。腹痛・吐き気・下痢・食欲不振・めまい・頭痛・発熱といった症状や過食・拒食・不眠・ヒステリーといった行動などさまざまサインがあります。サインに気づいたら、病気だと心配するだけでなく、心の問題が背景にないか考えてみることが大切です。「気のせいだ」「わがまま」「ズル休み」というような言葉で片づけず、様子をよく見て、話をよく聞き、理解しようとする姿勢が大事です。
        ***子どもの身体や行動に現れるサインを見逃さない***

2023年7月13日木曜日

花だより 「なすことによって学ぶ」は教育の原点  蝦夷スカシユリ ハイビスカス

 


 《体験学習》
 こども園にも農園があって、今年はじゃがいも、とうきび、サツマイモ、枝豆、キュウリ、トマトを栽培しています。学校での菜園活動は、植物を育て、継続的に世話をすることで、生きていることの尊さや素晴らしさ、枯れたり死んだりすることの悲しさや恐ろしさ、農家の方の苦労などを自らの体験を通して学ぶことをねらいとしています。また、こうしたづく野菜づくりなどの体験活動は、今問題になっている“心の教育”にもつながるものです。
 最近、子どもに関する様々な事件や犯罪が多発していて、目を覆いたくなるようなニュースが報道されます。根底には、、子どもたちの人間関係の希薄さや生命を尊重する心、思いやりの心、規範意識の低さなどがあると言われています。「荒れる子どもたち」と言われますが、その前提に手本を示さなければならない「荒れる大人たち」の問題が深刻です。  
 学校教育の現場が「家庭や社会の教育力の欠如」と嘆いているだけではどうにもなりません。学校、家庭、地域(三者)の協力・連携が必要であり、その前提となる相互の信頼関係を築くことが大切です。学校ばかりでなく、「豊かな心」を育む体験活動を子どもたちに多く経験させたいものです。「なすことによって学ぶ」は教育の原点です。生活科や総合的な学習は、そのためにできました。


2023年7月12日水曜日

花だより 夢と魔法の国ディズニーランドに学ぶ ベニバナ

 

 “夢と希望の国 ディズニーランド
 「私は人生で大切なことをすべてディズニーランドで教わった」という本があります。それを模して「私はこども園で人生の大切なことを学ぶ」と言っています。
 一日数万人が訪れる場所ですが、ゴミは全く落ちていません。ポップコーン1粒でも落とそうものなら、すぐ清掃スタッフが来て取っていきます。夢の国にはゴミがあってはならないのです。同じく夢を売る場所でも、競馬場は、清掃係りの職員がいくら掃除をしても次から次へと捨てられるゴミの山に対応しきれないでいます。

 この違いは何か? 公衆トイレによく落書があります。一つの落書きが次の落書きを呼ぶ。学校のトイレの落書きは、その学校が荒れているかどうかのバロメーターとも言われます。ですから、とても気になります。
 「用務員さんが落書きの上をペンキできれいに塗ってくれました。1日目はサンドペーパーがけ、2日目塗装、そして、乾いてから2度塗り、仕上がるまで4日もかかりました。
 ディズニーランドを訪れる人のほとんどが「また来たい」と言うそうです。アトラクションが素晴らしいのはもちろんですが、スタッフのおもてなしがすごい!園内がきれい。サービスが最高!だからでしょう。
  学校もディズニーランドのようだったら、学校に来るのが楽しくてしょうがないはずです。(アトラクション=授業内容、園内=校舎、サービス(スタッフ)=先生)まずは、きれいな校舎が第一条件です。

2023年7月11日火曜日

花だより 家庭の教育力は、これからますます低下する。  エゾカンゾウ アガパンサス

 

 
ずいぶん厳しく叱られたけど今ではそれに感謝しています
 最近のSNS上の問題(犯罪)を見ると、「自分さえ良ければいい」社会の基本的なルールを守らない。そんな人が増えてきたように思います。「自分さえ良ければいい」「ルールを守らない」という人は、なかなか人から信頼されないものです。子どものころから、間違った行いは本気で叱り、その場で正すことが大事です。「自分の子だけ良ければいい」という考え方(自子主義)は止め、叱るときには何がいけないのか、理由をきちんと伝えることです。また、気分や感情に流されず一貫性をもって叱ることも大切です。そして、親自身もルールに反することはしないように気を付けることです。子どもに信頼され、尊敬される親であり続けるためにも大切なことです。
  家庭の教育力をどう高めるか?  教育再生会議で問題になりました。「国が家庭教育に介入するな!」という意見もあるようですが、何もしないと何も変わりません。現に、なぜ教員になりたくないのか?面倒な保護者対応が嫌だからです。子育て支援が手厚くなり、誰もが幼児施設に無償で入れるようになります。「教育の第一の責任者は親です」と言えなくなります。誰が責任を負うのでしょうか?

2023年7月10日月曜日

花だより 男女混合の徒競走 矢車草 トマト

 


  恥ずかしながら、うちのこども園では、男女混合の出席名簿になったのは、今年からです。
ジェンダー教育についての先生方(地域、保護者も含めて)の理解がまだ深まっていません。
   国際女性フォーラム in 彩の国 ~女性みらい会議~ 分科会(1996 年) 
    吉田 英子さん(国立市立第七小学校教諭)の講演から

 第一歩 運動会を男女混合でやってみよう! 
             
名簿を男女混合にする、卒業式を男女混合にする。
 < 混合名簿 区別と差別 >
 混合名簿を始めた時に、教員の人たちから一番多く聞いた批判というのは、「自分たちが男女別にしていることは、差別でなく区別である。」ということを本当に言っていました。それから「名簿なんて言うことは些細なことなんだから、もっと本質的なことにせまれ。」とも言われ ましたし、「子どもたちに混合名簿、混合並び方なんて言って強いるのは良くない。子どもの 自主性に任せるべきだ。」というようなことをおっしゃる偉い先生いました。 ただ、今までの並び方とか名簿だって子どもが選択してやったものじゃないんだけど、どう いうわけかその時その人たちは「子どもの自主性に任せるべきだ」というふうなことをおっし ゃたり、「民主教育を進めていけば男女差別は解消する」ということをおっしゃる先生もいました。それから居直られて「そんなの俺の趣味にあわない。俺は男女差別論者だ。」とかなんとか怒鳴ったり、いろいろな人がいました。本当に今だったらそんなこと言う人は袋叩きにあっちゃいますけど、13 年前ですから、どっちかというと私がやっていることの方が出る杭みた いな感じだったので散々叩かれました
 日本教職員組合が昨年度(2022年度)、全国1万校あまりの学校から回答を得た調査では、小学校は97%、中学校は86%で男女混合の名簿が採用されている。
 専門家は ジェンダーやセクシャリティーについて研究している鳴門教育大学大学院の眞野豊准教授は、男女別の名簿について、男性優位の価値観を無意識に子どもたちに教えることにつながることが問題だと指摘しています。
「整列や点呼の際に、男性がいつも先で女性があとになることによって公的な場においては男性が主役で女性が脇役であるべきだといった男性優位の価値観を無意識に子どもたちに教えてしまうことにつながる可能性があると思う。さらに、性的少数者への配慮ということを考えると、男女別の名簿は時代に合っていないのではないかと考える。」
 「現場の感覚からすると、男女別の名簿を使用する場面のほうが限られていると感じる。日常の学校生活の中でわざわざ男女別の名簿を使うのは、男女別で授業を進めることがある体育科くらい。男女別の名簿にすることで、嫌な思いをする子が出てくるかもしれない。そのデメリット以上に『使いやすいから』などの理由を優先していいのか、考えてもらいたい。」
 さらに、学習指導要領の前文で、あらゆる他者を価値ある存在として尊重することなどが記されていることや文部科学省の生徒指導の手引きで、教職員が性的マイノリティーの児童や生徒への理解を深め、対応することの必要性が記されていることなどから、学校や教師が価値観を見直し、対応することが求められるとしています。
 「教師の言動によって、知らず知らずのうちに意図せず男女のあり方や男性優位の価値観が身についてしまうことについて、学校が自覚的になることが必要だと考える。これまで当たり前としてきた男女別名簿や男女別の制服、それに男女別の校則などを、ジェンダー平等の視点、あるいは多様な性の視点から見直してほしい。」
 幼い子どもは、性別の概念があいまいです。固定概念や先入観がないので、自分の好きなものを自由に選べる時期です。しかし、この時期に周囲の大人が「男らしさ」や「女らしさ」を押し付けてしまうと、子どもはジェンダー差があることを自然と受け入れてしまいます。だからこそ、幼い子どもにはジェンダー平等を意識した声がけを行い、子どもが自分らしさを尊重できる環境づくりが大切になってきます。
 女性の社会進出は当然、管理職や政治家をもっと増やすべきです。そのためには社会構造を変えなければなりません。それを変えることができるのは教育だと思います。

2023年7月9日日曜日

花だより お父さんの育児 ハマヒルガオ

 

 【シリーズ「いきいき子育て」】 
《子育ては母親の仕事 そう思っているお父さんは時代遅れ!》
 こども園の参観日がありました。お母さん方に交じってお父さんの姿がありました。中には夫婦で我が子の様子を見に来ていました。送迎はお父さんの役割になっている家庭もあります。男性の育休取得率も上がっています。若い世代の子育ての考え方は、だいぶ変わってきています。
 しかし、まだ家庭での父親の存在感が薄いことが指摘されています。母親だけに子育ての責任をゆだねて、父親の理解や協力がないままでは、母親の子育てに対する不安感や負担が増したり、母と子の関係が密着しすぎたりすることにつながる心配があります。

 父親がもっと家庭の中での役割を積極的に担い、夫婦でしつけについてよく話し合っていくことが大切です。そのためにも、夫婦はお互いに尊敬し合い(愛し合い)、子どもの前で相手をけなしたり、見下したりすることのないようにすることです。
  少子化対策は、お金を出すことではなく、日本人の子育てに関する意識を変えることが一番のカギです。 ~夫婦で共同して子育てをする~

2023年7月8日土曜日

花だより ~知床からのメッセージ~ イワタバコ

 

 斜里町の元午来町長が勇退を記念して自伝「大地の遺産」~知床からのメッセージ
  この本には、生い立ちから自然保護運動への目覚め、知床の世界自然遺産登録までの道程が詳しく綴られています。10年後、20年後を考える政治家は、そんなに多くない。まして、50年後100年後を考える政治家がこの国に何人いるだろう。午来町長は、100年後、いや1000年後の知床の森のありようを思い描きながら仕事をしてきた。(まえがきから)
 知床の深い森から、人と自然のあり方を思考し、人々と共に行動してきたミスター知床が語りおこす、迷走する「美しい国」への、熱く深くまっすぐなメッセージ
 “私は、ウトロの開拓農家に育ち、貧困の中で中学しか出ていないけれど、大切なことは、みんな知床が教えてくれた。大自然と毎日五感でふれあっていたことが、私のものの見方、考え方、そして、生き方を決定づけた。”
 知床の観光船沈没事件が起きて、知床が別の意味で注目を浴びてしまいました。斜里朝日小学校に赴任したのと同時にミスター知床の牛来町長が勇退しました。そのときにいただいたのがこの本です。この事件に一番心を痛めているのは、牛来さんでしょう。
 斜里町では、7月22日・23日に斜里知床ねぷたが巡行します。津軽藩士殉難慰霊碑を建立し、弘前市と友好都市の締結をしたのが縁で文化交流が始まりました。唯一弘前以外で「ねぷた」の巡行が認められているのが斜里知床ねぷたです。新たな鎮魂の意味も含めた巡行になります。


2023年7月7日金曜日

花だより ゆとり教育の失敗をまだ言う? キボウシ

 

ゆとり教育は失敗だったのか?
 本当のゆとりとは? 学校で勉強して、帰ってきたら塾へ行き、お母さんからは毎日のように『勉強したの?』と言われ、遊ぶ暇もありゃしない。これも一流大学に入るため、一流会社に就職するため。それより子どもにもっとゆとりを・・・。」とはじまった教育改革と理解されているようです?
 教育改革の重点の一つに、~ゆとりある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実させる。~とあります。どうもこの「ゆとり」の解釈が間違っていたように思います。確かに教科書の内容は易しくなりました。その分、基礎的基本的な内容を確実に身につけることが求められています。端的に言えば、これまでテストで80点くらいとっていればよかったものが、今は100点でなければならないということです。しかし、100点をとるのは簡単なことではありません。
 先進国の中で、家庭学習の時間が一番短いのが日本の子どもという結果が出ています。「学力低下で日本は滅びる」と主張する人もいます。だからと言って「1日4~5時間も勉強しなさい。」というのではありません。
 担任の先生から夏休みの課題が出ます。自分では、1日の生活表の中で、午前中の1~2時間は勉強時間に当てなければなりません。お父さんの仕事が○○なら、子どもの仕事は勉強です。「よく遊び、よく学べ」です。
 「勉強しなさい」と言ってもしないものが、言わなかったら全くしません。小学校のときに、家庭学習の習慣が身に付いていない子は、中学校に行っても勉強はしません。「勉強しなさい!」と強く言えるのは小学校までです。中学・高校になってから言うと大変なことになります。

2023年7月6日木曜日

花だより 礼儀とマナー ヒルガオ サクランボ

 

《シリーズ「いきいき子育て」》 ~礼儀正しく~
 「みっともないでしょう。はずかしいと思いませんか。行儀よく食べなさい。」「笑われますよ。あなたの食べ方は、礼儀知らずと思われますよ。」これは、日本人のお母さんやお父さんが、あるレストランで子どもに話している言葉です。
 「やめなさい。隣の人が、いやな思いをしますから、礼儀正しく待っていなさい。」「他の人に迷惑をかけるようなことはしてはいけません。
 食事中のマナーを守りなさい。」これはイギリス人の親が子どもに話す言葉です。日本人とイギリス人では、注意する言葉が違っています。日本人は、笑われてはいけない。イギリス人は、他の人の心をいやな思いにしてはいけない。ということになります。注意の仕方は違っても、自分の周りの人に不愉快な思いをさせない。ということでは同じです。
 礼儀正しくすることは、教養が高くなり、しつけが行き届いたときにできるものです。約束事ですから、約束した事柄を知らなければなりません。子どもの頃から、一つ一つ約束を覚えて、大人になるまでに全部覚え、それを日常の生活の中で正しく実行するようにしたいものです。
 「あいさつで人を大切に」を子供たちに語りかけてきました。「朝、子どもたちから『おはようございます』と声をかけてくれます。」と近所の方から言われました。定着しつつあることにうれしく思いました。あいさつも、「あっ、先生だ。あいさつしよう」と頭で思ってから言うのではなく。かけ算九九の「2×2=4」が暗唱してぱっと出るのと同じように、自然に人と出会ったら「おはようございます」と言えるくらいに体の中に染み込ませることが大切です。
  礼儀を身につけるのも夏休みの大切な学習の一つです。

2023年7月5日水曜日

花だより 一期一会(7月の人事異動) グラジオラス

 


 「一期一会」・「合縁奇縁」 人生は出会いで決まる。
 町長選があったことから、こども園を所管する子ども未来課に7月1日付の異動で課長が変代わり、また、新しい出会いがありました。
 人との出会いの名言、格言はたくさんあります。それだけ、人生にとって出会いは大切なのです。名言、格言を調べてみました。
「出会いの中で、あなたが最初にすることは、挨拶でも握手でもない。あなたがまずすることは「笑顔」です。」(ムーミン)
 人は笑い方でわかる。知らない人に初めて出会って、その笑顔が気持ちよかったら、それはいい人と思ってさしつかえない。
 人との出会いは、ベストタイミングで訪れる。偶然の出会いに見えるかもしれないが、そう見えるだけで、不要な出会いだったら、そもそも出会っていない。
 「縁を大事にすれば運が上がる 運を大事にすれば縁に恵まれる 縁と運は表裏一体」
 出会いは偶然ではなく、必然なのです。この出会いを大切にしましょう。
              






2023年7月4日火曜日

花だより 「自分は大切にされている」と感じられるように育てる ササユリ ゼラニウム

 

 

  「自分は大切にされている」と思えない子が、どうして人を大切にできるのか?
 《ルールやマナーを守れる子にするには》
 ~社会のルールやマナーをきちんと守れる子どもを育てるためには、子どものうちから、悪いことはきちんと叱って、できたら、ちゃんとほめること。そして、大切にされている。その思いで、子どもの心は育つ~
 子どものときからきちんと叱ることが大切ですが、むしろ、最後の「『大切にされている』と思うことで、子どもの心が育つ」というメッセージがいちばんのキーポイントだと思います。そして、ただ子どもを叱るだけでなく、子どもに「大切にされている」という気持ちを育てることが一番大切なのです。ただ、「大切にされている」と子どもが感じることと、ルールやマナーをきちんと守れることとどう関係するのかをきちんと伝えるべきです。ルールを守れない大人がいるのも、きちんと叱られていないからではなく、むしろ「自分が大切だ」と感じられるように、育ててもらっていなかったと思うのです。
 幼子がスーツケースに入れられて捨てられるという悲惨な児童虐待事件がありました。こうした事件が後を絶ちません。心が痛みます。

2023年7月3日月曜日

花だより 温泉で出会った凄い人 タチアオイ ハマナス

 

  暑い日は温泉に限る

 汗をかいた日は、町内の温泉に行き、熱い湯に浸かるのがいい。
 サウナから出てきた人が水風呂にザブンと飛び込んだ。潜ったまま10秒くらい経って、やっと浮かんできた。大柄で短髪、金のネックレス、顔が怖そう。これはまずいと思い、視線を合わさないようにして熱い湯に我慢して入っていた。
 すると水風呂から出るとお年寄りの客に声をかけ、背中を流し始めたのです。(知り合いか?そうでもないらしい。)次に備え付けのシャンプーを並べ、シャワーを元に戻し、風呂桶を片付けだした。(従業員か?そうでもないらしい。)
 最後に、床に飛び散った泡を流して、「お先!」と言って出て行ったのです。一連の行動を熱い湯の中で見ていたので、すっかりのぼせてしまいました。“すごい人もいるもんだ!”とすっかり感心しました。反面、見る目がない自分を反省して見習いたいと思いました。