2023年7月21日金曜日

花だより 斜里知床ねぷた(小山内会長) シモツケソウ 馬鈴薯


《弘前ねぷた斜里保存会小山内さん》
 門外不出の“弘前ねぷた”がどうして斜里で行われているのか?
 ~歴史と伝統のある「弘前ねぷた」を適当にやられては困る。忠実に受け継ぐことを条件に全国で斜里町だけが運行を許されている。~それまでには、大変な苦労があった。

 小山内氏(“師匠”と呼ばれている)は、ねぷた絵を描くのに何度も弘前まで足を運んで学ぶわけにはいかないので、分からないことがあると電話で描き方を教わった。だから一ヶ月の電話代が半端じゃなかった。あまりの熱意に弘前の絵師が、見本を描いて送ってくれた。墨の入れ方、蝋(ろう)描きの仕方、色の付け方、絵の構成、目の位置など、話を聞くと奥深さを感じます。
「最近は、歳をとって筆の勢いがなくなった。」と言いますが、なかなかどうして素晴らしい筆さばきです。一番感心したのは、建具の職人さんということもあって、段取りの良さです。朝は早くから学校に来て、準備をしてくれています。「一番肝心なのは紙貼り」、学校で貼ったのは「ダメだ!」と言われ、職人さんたちを呼び寄せて、紙貼りを仕直してから作業に取りかりました。子どもたちも私も師匠の指示には「はい、はい」と従って、黙々と作業を続けます。
  北海道は、たかだか100年ちょっとの歴史しかない。伝統文化といえるものもない。私たち道産子にとって、感覚的に「しきたり」とか「伝承文化」というものを理解するは難しいものです。本州の冠婚葬祭に参列すると北海道との違いに驚きます。
 世界自然遺産に囲まれ、尚かつ、こうした伝統文化に触れる活動を経験できる斜里朝日小の子どもはとても幸せです。まさに斜里ならではの特色ある教育活動です。
 しかし、師匠は、「学校の勉強もあるから、これだけやっているわけにもいかないしな。何かいい方法を考えなければならない。」と心配してくれています。あれからもう15年経ちました。師匠はお元気でしょうか?今年も今週末斜里知床ねぷたが巡行されます。


 

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