年齢と共に「思いやりの心」は成長するものです。教師は、その年齢にあった指導をすることが必要です。「思いやりの心」があれば、ほとんどのトラブルは解消されます。
◎幼児期~自分と他人の区別が明確でない。自分も他人も同じことを考えていると思う。
◎小学校低学年~他人と比較して、自分と他人の違いが分かってくる。ただし、笑っているからうれしい。泣いているから悲しいといった程度で、相手の心情を推し量ることはできない。
◎中学年~他人の視点をかなり推測できるようになる。A君は、ぼくのことをきっと○○だと思っている。ぼくは、A君のことを○○だと思っているだろう。と互いの気持ちを推測できるようになる。
◎高学年~「私」と「あなた」といった二者関係だけでなく「彼」「彼女」といった第三者の気持ちを推測したり、自分自身を客観視することができるようになる。
◎中学生~学級、学校、社会、日本人として、といったようにさまざまな立場に立って考えられるようになる。
「思いやり」とは、自分の視点だけでなく、さまざまな人の視点を理解する力といえます。この発達レベルが低いと何かトラブルがあったときに、他人を変えようとするもの(他者変容思考)が強いと暴力をふるい、自分を変えようとするもの(自己変容思考)が強いとその場から逃げるという行動をとります。しかし、「思いやり」が発達すれば、他者変容思考は、「暴力」から「命令」「説得」と変化します。自己変容思考は、「逃避」から「従順」「妥協」へと変化するのです。最終的には互いのコミュニケーションを通して「調節」する行動をとるようになります。「思いやり」の心が育てば問題となる行動もなくなるのです。
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