2024年6月30日日曜日

花だより 働きやすい環境づくり 馬鈴薯

 


 幼児施設(こども園)の働きやすい環境づくり
 そのヒントは、保育者の中にあります。例えば、園長が知恵を絞って、保育者の使いやすい書類の様式を検討することは悪いことではないのですが、実際にそれを使って仕事をするのは保育者です。大工道具は、それを使う大工さんが選び、使い込むことで、徐々に手に馴染んできます。道具は大工の命なのです。専門職である保育者も与えられた道具を与えられるまま受け身的に使うだけではなく、自分たちに合った仕事の道具を選んだり、そろえていく感覚が必要です。そのため、保育の記録や計画の様式や使い方について、保育者とともに対話を通して検討することが必要です。書いて終わりにするのではなく、保育のために必要な様式や使い方であれば、多少負担感はあっても、そこには保育の手ごたえだけでなく「納得感」が生まれます。そして、継続的に対話を重ね、自分たちの手に馴染む道具に工夫していけるようにしていくことが大切です。
 園長は、保育者に任せる部分は、積極的に「委ねる」「任せる」「権限を与える」ことで、保育者が自分たちの働きやすい環境づくりを自分たちで探っていけるようにすることです。園長のリーダーシップの基本は「聴く」ことです。これは学校も同じです。

馬鈴薯畑

 


2024年6月29日土曜日

花だより 教頭不足 危機的状況 クローバー ササユリ

 


 教頭不足 危機的状況 
 「依然として教頭先生の成り手がいません。子どもたちへの教育や先生方の仕事に大きな影響を与えることになります。」
 札幌市以外道内共通の現象のようです。特にオホーツク管内は広く、へき地も多い。教頭になれば、どこに行くか分からない。確かに日常生活に少なからず影響があることでしょう。しかしながら、普通の公務員、民間のサラリーマンは、人事異動、昇格は紙切れ一枚の人生です。理解と納得はないのです。当然。百人が百人誰もがニコニコして異動することが可能ならばそれが一番良いのでしょうが、あり得ないのは明白の理です。組織運営を考える以上、組織全体の最適な人事をするのが人事権者の責任というものです。「あれは嫌、これなら良い」「この条件がクリアされるならば教頭になってもいい…」という世界は、学校以外の者には理解不能です。まずは、子どもたちのために先生になった出発点をもう一度思い起こして欲しいです。是非ここは大きな視野に立って検討してください。

2024年6月28日金曜日

花だより 今はリモート授業は当たり前に ホタルブクロ

 


 今はリモート授業は当たり前に
 コロナの流行以来、GIGAスクール構想で家庭のパソコンやタブレットを活用できる環境が整い、家で遠隔(リモート)授業が受けられるようになると、学校は、悪天候や感染症対策のために臨休や学年・学級閉鎖を簡単にするようになりました。
 しかし、リモート授業で欠かせないのは、教員と子ども、子ども同士のつながりをしっかり保つことです。互いにつながっていれば、多くの子どもは一人で前に進むことができる。自宅でも学べるように学習目的を明確にし、子どもの意欲的を高めてほしい。
 ただリモート授業の限界も見えてきました。教室と違って画面越しではすべての子どもに目配りができない。学習意欲の低い子は置いていかれてしまうリスクがある。休校中に生活リズムが崩れ、ストレスで心身の健康を害する子どももいる。
 特に小学校低学年は、年齢的に遠隔授業だけでは学習は成立しません。体を動かし、実物を見て、触って感じるという体験が不可欠です。動植物の画像を見ても、生き物とは何かという概念は蓄積できません。算数を学ぶ時も、おはじきを数えるという動作を伴ってこそ理解が進みます。子どもは体験を通して学ぶのです。
 可能な限り対面授業を続けてほしいものです。同時に授業時数が足りなければ遠隔授業で補えるように準備しておくことが必要です。これからは対面と遠隔とのバランスが何より大切だとおもいます。

2024年6月27日木曜日

花だより 「書」に無頓着 レンゲツツジ

 

  「書」に無頓着
 「字を上手に書く」「きれいに書きたい」「下手な字を見せたくない」
「ああ~、失敗した!先生見ないで、下手くそだから…。」と言う子は、まだ見込みがありますが、「字は読めればいい!」と字に対して無頓着な子に書写を教えるのは、辛いものがあります。子どもだけではありません。黒板にチョークの時代が終わり、字に無頓着な先生が増えました。
 「校長先生は、書写研の会長ですよね。書写の授業をやってもらえませんか?」と頼まれてやっていたことがありました。書写(毛筆)の時間のそのほとんどは準備と片付けに費やされます。実際に書くのは半紙3枚か4枚です。学校の書写の時間だけで毛筆が上手になることはありません。
 書道の“道”は、柔道や剣道と同じ、道徳の“道”です。礼儀や作法、生き方を学ぶものです。ちなみに字の上手、下手は知能の高さと関係ありません。
 公共施設の標札は、首長さんが書くことが多いです。各省庁の標札は大臣が書くそうですが、新しい標札を見ると首をかしげたくなるものがあります。昔の文人は、皆“書家”でした。礼儀や作法、美意識に対して少しは気にかけてほしいものです。「書」は日本の文化です。


2024年6月26日水曜日

花だより あなたは特に何に力を入れて学級経営をやりたいですか? ササユリ ヒメユリ

 


 学級経営案
 働き方改革の影響なのか、最近の学級経営案は薄ぺらくなりました。これでいいのかと思ってしまう。目標の羅列ではなく、目標達成のために 「いつ・どこで・どんなふうに」より具体的な方策を書くのが学級経営案です。A4ー1枚で本当にいいのでしょうか? 
 あなたは特に何に力を入れて学級経営をやりたいですか?
1 学級経営の機能
 (1)児童を具体的に理解する。     
 (2)学力の定着をはかる基礎づくりをする。
 (3)望ましい習慣・態度を身に付けさせる。
 (4)望ましい学級集団に育てる。
 (5)望ましい学級環境をつくり出す。
 (6)望ましい家庭と協力関係をつくり出す。
 (7)学級事務を能率的に処理する。
2 学級目標を考える
 学校の教育目標は、学校の教育活動全てのめざすところであり、学年も学級もこれをよりどころとして活動している以上、学級の目標もこれから離れて存在するものではない。
 学級の実態、児童の実態、発達段階、保護者の願いを考慮して、スローガン的なものでなく、具体的な表現とし、網羅的でなく、精選し重点化していく必要がある。
3 学級経営の方針と重点(以下の項目について、自分ならこうする)
(1)学習指導的な側面
  ①授業時数の充足、内容面の充実、質的な向上
  ②一年間を通して一貫して力を注ぎたい点(計算力、音読、読み聞かせなど)
  ③一斉指導やペア学習、個別指導(TT)など能力や適性に応じた指導法の工夫
(2)生活指導的な側面
  ①健康や安全、交通安全、予防衛生などの指導と管理
  ②コミュニケーションの活性化、人間関係の円滑化のために特に実施する事項
  ③基本的な生活習慣を身につけさせるために学級として特に実施する事項
  ④豊かな心を育てるために計画的に実施する事項
    ⑤集団行動、集団活動、言語生活などで子どもを伸ばすための具体的な措置
(3)学級事務的な側面
 ①季節や行事に応じた教室等の学習環境づくり
 ②児童作品や成績物の効果的で能率的な処理
 ③効果的で継続的な家庭との連絡方法(学級通信)
 ④諸帳簿や記録、調査や整理のしかた、活用法についての具体的な計画
  最低これくらいは必要です。学級経営案は、4月に作成して終わりというものではありません。子どもの実態に合わせて、常に修正を加えていくものです。PDCAが大切です。

2024年6月25日火曜日

花だより 星の王子様の薔薇の花 ザクロ

 

 
 朝、プランターの花に水をやったり、花柄を摘んでいると「園長先生は、お花を育てるのが好きなんですね」と言われました。そこで思い出すのは、『星の王子さま』です。
 ~ある星に行くと、たくさんの美しいバラの花が咲いていました。その様子を見て、星の王子さまは、そこにいたきつねに言います。「そりゃ、ぼくのバラの花を何でもなく、そばを通っていく人が見たら、ただのバラの花だと思うかもしれない。だけど、あの一輪の花が、ぼくには、とても大切な花なんだ。だって、ぼくが水をかけた花なんだからね、風に当たらないようにしてやったんだからね・・・・、不平も聞いてやったし、自慢話も聞いてやったし・・・」。それを聞いたきつねは、「あんたが、あんたのバラの花をとても大切に思っているのはね、そのバラの花のために、暇つぶしをしたからだよ。」と言いました。~ 
 きつねは冷静に、一見冷たく解説していますが、私たち教師は、きつねの側面を持ちながらも、星の王子さまでありたいと思います。星の王子さまも“ぼくのバラの花”の世話をしながら、心は満ち足りています。
 一方で、この作品の巻頭には、「その大人の人は、昔、子どもだったのだから、私は、その子どもに、この本を捧げたいと思う。」と書かれています。何でも興味深く受け入れることができた子ども時代の自分を思い起こしなさい。そして、今の自分をしっかり見つめなさい。大切なものを見失っていませんか、と聞こえてきます。
 

2024年6月24日月曜日

花だより こども園の運動会 シロツメクサ

 

 こども園の運動会の反省から
  ~幼児の社会性や協調性、集団規律を育てるのに運動会は欠かせない~
 運動会の練習は、集合や整列などの集団行動がほとんどです。団体種目はもちろんですが、開会式、閉会式、遊戯もまた集団行動です。一人の勝手気ままでわがままな行動は許されません。
 東京オリンピック(前回)の整然とした入場行進を見て、「運動会の入場行進もこうあるべきだなあ」と幼いながら感じたものです。行進とか整列は、軍隊を連想させるということで最近は厳しい指導はしません。今回のパリオリンピックでは、入場行進どころか、選手はボートでセーヌ河を下るというのです。
 なぜ軍隊で集団行動を重要視するかといえば、それは一人の勝手気ままな行動が死やケガに直結するからです。
 弱い動物ほど群れて行動します。群れからはみ出した子どもをライオンなどの肉食動物は襲うといいます。人間にとって集団行動をきちんと身に付けるということは、身を守るという社会人としてとても大事なことなのです。
 1歳から5歳児まで園児たちは、この運動会の練習を通してぐっと成長しましました。運動会は、体力や運動能力だけでなく、集団行動から社会性や協調性、規範意識を学ぶ大事な行事なのです。時代の変化なのか、順位や勝敗を決めない、組体操のような危険なことはしない、教員の負担軽減で種目数を減らして午前中で終わらせるようになりましたが、こども園の運動会は、そうはしません。

              わが家の前 街路樹のハナミズキ

2024年6月23日日曜日

花だより スタバの秘密 姫小百合 シモツケソウ

 

 
 昨日、孫がスターバックスに行きたいと言うので行ってきました。驚いたことが3つありました。
◆一つは、PCを広げている若者が数人いたことです。気が散らないのだろうか? コーヒー1杯で本を読みふけるとか音楽(レコード)を聴くという喫茶店は昔ありましたが、今はスタバとPCは当たり前だと、孫に言われました。
◆二つめはトイレです。女性用のマークがあったので隣は男性用だと思ったら、男性のマークがありません。よ~く見ると「all gender」と書いてありました。恐る恐る開けると、障害者用のトレイのように広く、おむつ替え台もありました。そして、男性用の便器はありません。これからのトイレはこうなるのか? 本園(教育委員会子ども未来課と同居)には男性用のトイレがありますが、女性職員30名に対し男性はわずか3名しかいません。近いうちに「all gender」になるかもしれません。園児たちのいる保育室のトイレは、もちろん男女兼用です。
 三つめは店員(スタッフ)の対応です。孫がトッピングでチョコレートを頼むと「多めにしておきますね」と可愛い女性スタッフが笑顔でチョコをぐるぐるしてくれました。「スタバのスタッフは、みんな感じがいいんだよね」と孫が言いました。
 高校生が「北見にスタバがあったらいい」と言ったのがきっかけで、今では市内に2店舗あります。スタバがなぜ人気があるのか、商品価値だけではないことがわかりました。

2024年6月22日土曜日

花だより 先輩保育士から学ぶこと ノアザミ 花菖蒲

 


 子ども(0~5歳児)が伸びる保育者のかかわり
     ~先輩保育士から学ぶこと~
 こども園に教育実習生が来ています。実習日誌のやりとり、指導担当者からのアドバイスです。
【子どもの注意を十分に引いてから、かかわる】
  子どもたちがおもちゃやブロックを使ってマイペースで遊んでいる時は、それだけが目に入って、保育者の声が入っていきません。そんな時、つい大きな声を出してしまいますが、そんな場合は、子どもの視線を追いかけて、その中に保育者が入る。子どもの注意をひくためには、保育者が動作を大きくする、声にメリハリをつける、動作と声を合わせてリズムをつくりながら子どもを巻き込んでいくようなかかわりが有効です。
【子どもに反応してもらうことで、さらに注意を引く】
 言葉かけだけでは、十分に注意を引けない場合には、一通り話しかけた(説明、指示した)後、「これからどこに行くの?」「帰ってきたら、手を…?」「それから、何があるの?」など聞き直す、子どもたちに反応してもらうことです。一方的な話しかけには注意を向かない子も、声に出したり、動作をすることで、注意が向くようになります。
 大人は「できて当たり前」と思っていることも幼児には通用しません。ちょっとした保育者のかかわり方で、できるようになります。ベテランの保育者から学ぶことは多いです。

2024年6月21日金曜日

花だより 問題のない学級などない 生徒指導は毎日の授業にある ルピナス テッポウユリ

 


 問題のない学級などない 生徒指導は毎日の授業にある 
 子どもの社会ではトラブルはつきものです。問題行動を起こす子どもの99%は家庭に問題があります。しかし、家庭のせいにしてはならないのです。いろいろな家庭事情の子が集まっているのが学級です。それをどう解決したり、指導したりするか、そこに教えるプロとしての力量が問われます。
 しかし、一人一人の家庭の中にまで立ち入って解決することなどできません。教師一人の力なんてたかがしれています。それより、大きくゆったりと構え、夢や希望を語っていればいいのです。それくらいの気持ち余裕が必要です。
  教師の暗い表情は禁物! それが子どもに安心感を与えます。
 教師の指導だけで子どもが変わると思ったら大きな間違いです。自分の子どもの頃のことを振り返ってみて下さい。いちいち先生に言われて行動していたでしょうか?
 ただし、教師の配慮に欠けた言葉で、子どもや親から反感をかったり、不信感を招くことがありますから、気をつけなければなりません。
 道徳は週に1時間です。カリキュラムに生徒指導の時間はありません。学校の9割は教科指導です。“教師は授業で勝負する”とは、生徒指導も含め、学級づくりは授業を通じて行うということです。何でも話せる雰囲気、一人一人が大切にされる授業、人の話をきちんと聞く姿勢など、授業を通して培われるものです。どうか毎日の一時間一時間の授業を大切にしてください。

2024年6月20日木曜日

花だより 教師たるもの 花菖蒲 ノアザミ

 


 ~教師たるもの~不登校児から逃げない!
 不登校~いろいろな事情で学校に行けなくなっている子どもたちも数多くいるという現状を思い起こすと、何とか、それぞれ気持ちを振り絞って玄関から一歩外に出て欲しいと願わざるを得ません。
 学校や行政だけの対策では限界があることは重々承知していますが、やはり一人一人の子どもの状況を把握し、緻密に接点を保っていくことが、まず教師に求められるのだと思います。
 いろいろな事情で子育てのできない保護者もいて、苦しんでいるかもしれませんが、子どもの心はそれ以上に苦しんでいると受け止めるべきだです。
 明るい出口を求めて、教師たるもの、個々の子どもの心に寄り添い、子どもが安心して話しかけてもらえる先生であって欲しいと思います。教師の必須条件は、学生時代の頭の良さより、子どもや保護者に対する広くて深い包容力と洞察力です。

2024年6月19日水曜日

花だより 子どもにバカにされたらどうしたらいいか? 月見草

 

 子どもにバカにされたらどうしたらいいか?
 「親をバカにする」要因
「最近、子どもが親のことをからかってバカにするようになり、腹立たしい。」
幼稚園に上がったあたりから見られ、小学校に入ると増えるようになります。
「ウソをつく」という行為同様、「バカにする」という行為は、言葉が達者になったからという理由だけで出てくるものではなく、物事を複雑に考える作業ができるようになってきたことでの副産物ともいえます。
 子どもが親をバカにしたような態度をとる背景には、さまざまな理由があります。
1. 人をバカにすることで、自分を防衛しているケース
 人は、自分に自信がない、自分の立ち位置が危うい、こういうとき、自分を大きく見せて威嚇したり、逆に、相手を小さく見ることで、自分を守ろうとします。
「相手をバカにする」のは、後者のパターンで、たとえば、ママに叱られてむしゃくしゃするから、ママを下に見るような発言をして、自分をなぐさめている場合などがこれに当たります。
2. 家庭内のバランスが崩れ、子どもが王様状態になっているケース
 子どもが生まれてからは、子ども中心の生活になるものですが、その途中でバランスを崩し、子どもが何をやっても許されるような王様状態になってしまうと、もしその子が軽率な発言をしたとしても、取り立てて責められることがない、正しくは、親が指摘することができない状態になっていることがあります。
3. 親に対する感謝や尊敬の念が育っていないケース
 親が尊敬できないような行動を取る場合(例:虐待、生活習慣の乱れなど)、感謝の念が育たないのは当然ですが、「バカにする発言」に多いのは、親が子どもの世話をするのは「当たり前だ」と、子ども自身が認識している場合です。
 赤ちゃんの時代を過ぎても、親がお世話をやりすぎてしまっている場合に多いようです。この場合、母親が時間がなくてバタバタしていても、子どもはずっと好きなことをして「親が動けばいい」と尊敬の念に欠けるため、親をバカにしても、良心を痛めたりすることもないのです。
 以上が、「親をバカにする」という行為に陥りやすい状況です。全体として、親子関係のバランスが崩れていると、子どもはそのスキに「バカにする」という行為に至りがちになります。
 とくに、2や3のようなケースは、赤ちゃん時代の「のびのびと育てたい」という思いが、のちにエスカレートしている場合に多く、子どもの好きなようにやらせてあげるのが、「のびのび子育て」と考え、しつけがうまく進まなくなってバランスを崩してしまうことがよくあります。
 対策としては、子どもと親が、主従関係にならないようにすることがポイントです。親は子どものお友だちではないので、しつけの場面では、毅然とした態度できちんと導いてやることです。  「子育てお悩み相談室」より                

2024年6月18日火曜日

花だより 学校の素顔 タイセンボク

 

 学校の素顔 良い学校かどうか、どこを見ればわかる? 
 学校視察に行くと、「いい話」ばかりを聞かされ、校内見学でも、生徒がまじめに授業を受けている教室や立派な施設を見せられることが多い。これが本当の姿なのかとつい勘ぐりたくなります。
 どうすれば、学校の素顔に触れられるのか?
 受験関連会社がアンケート調査をしたら、「トイレを見る」との回答が多かった。なるほどトイレが汚いようでは、使っている生徒の心が乱れているでしょう。さらに扉が壊れ、落書きがひどいなら、「荒れている学校」と判断しても構わない。ところが最近は、このことが学校側にも知られていて、保護者から苦情が出るので率先してきれいにしている学校が多いのです。最近は、別のところをチェックするよう勧める専門家もいます。ロッカーや掃除用具入れも要チェックです。~
 運動会後、お母さん方にトイレ掃除をしてくれました。「案外きれいでしょ!」と言う声に安心しました。もしかしてトイレ掃除をしながら学校チェックをしていたかもしれません。
 公開研究会に行くと、授業公開をする学級は、掲示物や棚などきれいに整理されていますが、特設授業の学級だけを見て、その学校が素晴らしいかどうかは分かりません。
 授業公開をしていない教室に入り、掃除用具箱を開けて見るようにしています。それと理科室や図工室など特別教室も見ます。図書室は、だいたい控え室になることが多いので、きちんと片付けられていますが、図工室まできちんと整理整頓されているといい学校だと判断します。
 学校に出入りする業者さんは、職員室の状態や机上の様子を見て、「この学校は?」と判断するそうです。気を付けけましょう!

2024年6月17日月曜日

花だより 父の日は? ウツボグサ ルピナス

 


 「父の日」は? 
 「母の日」より軽く扱われている「父の日」ですが、子どもたちは、いろいろ考えていたようです。
「サプライズを考えているんだ。秘密だから言えないよ。」
「去年は、似顔絵をかいてあげたら、とってもよろこんでくれたんだ。今年は、去年よりもう少しうまくかいてあげるんだ。」
「去年は、ひげのブツブツをいっぱいかいたら、『毎朝ちゃんとそってるよ』と言われたから、今年はかかない。」
「パパと手をつないだ絵をかいたら、めっちゃよろこんで、ずっと家にはってあるよ。」
「母の日は、カーネーションとか贈るとうれしがるけど、パパは、花はよろこばない。」
「パパは、ビールが好きだけど、飲みすぎないように1本だけ買ってあげる。お母さんが『発泡酒でいいんじゃない!』て言ったから、そうする。」
「うちは、お父さんいないんだけど…」
「それは悪いこと聞いちゃったね。ごめんなさい!」
「気にしなくていいよ。“強く生きなきゃいけないんだ”とお母さんが言ってた。」
 なるほどね…。
 パパが「父の日」に対して思っていることは、貰って嬉しいものだけではないようです。毎日頑張っているパパに、父の日に思い切り感謝してあげると、パパも幸せな気持ちになるはずです。昨日の「父の日」は、パパを思いっきりハッピーにしてあげましたか?



2024年6月16日日曜日

花だより 学校だより(通信)を出す理由 エゾキスゲ

 

 学校だより(通信)を出す理由 
 学校HPを研究している大学の先生から聞いた話です。
 ~テレビや新聞のニュースは、事件・事故など非日常的な記事が多い。学校通信はそうではなく、学校での日常の出来事を家庭や地域に発信するものです。学校のことは、分かっていそうで分からないものです。「学校・家庭・地域が連携してやっていきましょう!」と言っても、互いに信頼関係を築くには、まず学校のことを理解してもらうことが大切です。これからの学校は、広報活動が大事になってきます。~
 「学校だより」を出すのは校長の務めです。「文責:牧野」です。ところが文章で学校の様子を伝えるには文才が必要ですが、これがありません。“3かく「文を書く、恥をかく、汗をかく」”といいます。恥をかきかき文を書いていますが、何かの役に立つのなら、その汗(労)はかこうと思っています。
 「学校だよりを出しても読んでくれない。出してもあまり効果はない。」という人がいます。半分の保護者が読んでくれたら十分、継続すること、内容を工夫することで、読者は増えます。 
 「お母さんね。『学校だより』が来たらね、2回は読んでるよ。」と3年生の女の子が言っていました。「パパやママより、じいちゃん、ばあちゃんの方が読んでるよ。」と言われたりすると心がホッとステーションになりました。
上常呂のパークゴルフ場

2024年6月15日土曜日

花だより ダメなところを責めるより、よいところをほめる ノアザミ マイヅルソウ

 


 「イキイキ子育て」より
ダメなところを責めるより、よいところをほめる
「野菜サラダ全部食べたよ」
「そうかえらいなあ~。丈夫で賢くなるぞ!」
 子どもに大切なのは、自信と自分を大切にする力です。それは植物の根のようなもので、深く広く張るほど大きな実りをもたらします。表面的なことにとらわれることなく、その子が大きく育つことを信じて心に豊かな水を与えることです。
 そして、その水や栄養となるのが、子どものよいところを見いだし、褒めることです。しかし、褒めていればいいというものでもありません。叱るべきところは、きちんと叱らなければなりません。叱ることで善悪の判断がつくようになります。
 一つ叱ったら、2つ褒めるくらいのバランスを心がけるとよいです。褒めることで子どもが喜びを感じ、自信や自尊心を育てていくのです。
 (「父の日」の前に)「園長先生、お父さんの顔だよ」と見せにきました。
「お父さんは、メガネをかけているんだね。上手に描けたね。」と褒めてあげると、「ぼくのも見て」と次々やってきて、褒めるところを探すのが大変でした。
 

2024年6月13日木曜日

花だより 何度言ってもできない子の3つのタイプ アカツメクサ

 


何度言ってもできない子の3つのタイプ
◎タイプ1~どうすればよいか知識がない
 「やさしくしなさい」と叱られても、どのようにふるまえば「やさしい」行動なのか分からなければ、その行動は出てこない。(例:「だいじょうぶ?」と声をかけてあげる。)こんな子には具体的な行動を具体的な知識として教えてあげることが必要です。
◎タイプ2~知識はあるが行動ができない
 「ごめんね」と謝ればいいのにその勇気はない。自信がない、恥ずかしい、といった具合に意欲や気持ちのところでもう一歩行動にできない。「さあ、やりなさい」と背中を押して、「よく○○やったね」と声をかけ、できそうなチャンスの場を与えてほめてやる関わりを増やす必要があります。
◎タイプ3~知識もあり行動もできるが状況把握ができない
 知識もあり、行動もできるのに対人関係でトラブルが多い子。例えば、友だちが何かもめている最中に「仲間に入れて」と声をかけても彼らは聞いていない。そんなとき「ちゃんと『入れて』と言ったのにみんなは私を無視した」と先生に訴えてくるのは、このタイプの子です。他の人の気持ちに気付かせる対応が必要です。

                         
「鬼滅の刃」原画展を見てきました。

2024年6月12日水曜日

花だより 部下育成の秘訣(現代版) 紫陽花

 

   部下育成の秘訣(現代版)
 昔は、「ほう・れん・そう」でしたが、今は「おひたし」、「こまつな」、「ちんげんさい」が大事だそうです。
「報告・連絡・相談」は社会人の常識であり、知らない人はほとんどいないでしょう。しかし、それがきちんと実践できていますか?と、問われたらどうでしょうか。
《秘訣1》もらったホウレンソウは、「おひたし」で返す!(上司の心得)
 「お」=怒らない 
 「ひ」=否定しない 
 「た」=助ける 
 「し」=指示する
 もらったホウレンソウはバッサリ両断するのではなく、しっかり「『おひたし』で返す」ことが大事です。
《秘訣2》仕事は効率よく「こまつな」で進める
 「こま」=困ったら 
 「つ」=使える人(できる人)に 
 「な」=投げる(協力を要請する)
 上司は、その部下の困りごとを「誰が一番得意」か、社内や身の回りのリソースを部下以上に熟知しておくことが必要です。
《秘訣3》部下が「ちんげんさい」にならないように常に気を配る
 「ちん」=沈黙する 
 「げん」=限界まで言わない 
 「さい」=最後まで我慢
  こうなってしまったら退職の危機です。
  ‘’池上彰のニュース解説でやっていました。‘’ 
 *「もやし」で返す若者(部下)はいるでしょうか?
 「も」=もっと 
 「や」=やります 
 「し」=心配しないで
              道端のフランス菊(マーガレットとは違います)


2024年6月11日火曜日

花だより 全国国公立幼稚園・こども園協議会全国大会(北海道大会) 

 

 「幼児の遊びは、学びです。」どうか理解してください。
  全国国公立幼稚園・こども園協議会全国大会(北海道大会) 

      72627日(札幌市コンベンションセンターで開催)
【研究主題】
  「子どもの未来への架け橋となる幼児教育」~今こそ、遊びの重要性の力強い発信~

 【研究主題への思い】
 私たちは、保育の中で、子どもたちが出会う「やってみたい」という気持ちを大切にし、子どもの主体性を尊重し、一人一人がやりたいことに没頭できる環境をつくり、援助しています。保育者は確かな幼児理解に基づき、幼児期にふさわしい生活の中で適切な環境を整え、子どもが何を楽しみ、何を学んでいるのか、そして、何が育とうとしているのかを見取り、支えていくことが大切です。このように遊び込む中で、「おもしろそう」「もっとこうしたい」と思う『学びに向かう力』、友達と一緒に遊ぶことで育まれる『人間性』、考えたり工夫したり、表現したくなる『思考力、判断力、表現力の基礎』、その繰り返しの中で実感したり、納得したりして『知識・技能の基礎』を育んでいけるように保育を行っています。

しかし、幼児教育では、「幼児期の遊びは学び」であることは自明ですが、「生きる力の土台」を育んでいるということについて、幼児を取り巻く様々な人たちへの理解が、思うように進んでいかないことは、これまでも長く課題とされてきています。未だ「遊んでばかりで学校に行ってから大丈夫なのか」と不安に思うのは、保護者や地域の方々ばかりか小中学校の教員にもいます。「遊びを通して学ぶ保育」が保育者以外には見えにくく、理解しにくいものだということを踏まえたうえで、私たちが今まで研究・研修で積み上げてきた実践から、分かりやすく説明することが必要です。
 そのためには、保育者自身の意欲や意識の向上が必要であり、具体的な子どもたちの姿から、自信をもって発信することが、育ちをつなぐ架け橋になると考えます。今一度、立ち止まり、確認し合い、国公立幼稚園・こども園だからこそできる、幼児教育のスタンダードである「遊びの重要性」を今こそ、力強く発信することが必要です。

2024年6月10日月曜日

花だより ちぐはぐ ヤマボウシ

 

 「ちぐはぐ」の語源は諸説あるが、大工用具に基づくという俗説がある。金槌を指す鎮具(ちぐ)と釘抜きの破具(はぐ)を合わせたという説だ。金槌で釘を打った後、釘抜を使えば何も進まない。その食い違いに由来する。政治資金規正法の改正を巡り、与野党のちぐはぐぶりが目に余る。法改正が実現しても、各党が政治資金の透明性を高める努力を続けなければ、政治不信は払拭できまい。と、つい釘を刺したくなる。政界の隙間風や抜け穴をなくす腕利きの‘大工’の姿を夢想してみる~ 6月3日の読売新聞「編集手帳」
 スマホで調べると~ちぐはぐな色、しっくりしない感じ、違和感がある、つじつまが合わない、調和していない、言っていることが食い違っている、と出てきた。
 例えば、若者の服装を見て、これは「ちぐはぐ」だと感じても、それが今の流行だという。「ちぐはぐ」の感じ方は、政治家とジャーナリスト、一般国民と違うのかもしれない。 


2024年6月9日日曜日

花だより こども園の運動会練習 スイカズラ アザミ

 

 こども園の運動会練習 
 スターターは園長です。「いちについて、よ~い」ピストルは雷管ではなく、電子音です。ところが練習初日は、鳴っても走りません。「走れ!」と言わないと動きません。こども園の運動会練習は、一つ一つが学習です。
 開閉会式の練習がありました。園児にとって、じっと立っているのは一番苦手です。
「園長先生のお話です。しっかり聞きましょう。」
 「おうちの人、町の人は、こども園の運動会でみんなの元気の姿、がんばる姿を見に来ます。元気な姿は、どんな姿か、下を向いていると元気に見えません。顔を上げて、しっかり前を向いて…。」と言うと、全員顔を上げました。姿勢の悪い子、よそ見をしているもちゃんと話は聞いているのです。

 上を向くとは 諦めること
 下を向くとは 落ち込むこと
 横を向くとは 比較すること
 後ろを向くとは 後悔すること
 前を向くとは がんばること

 坂本九の「(^^♪上を向いて歩こう」の歌詞を職員室でしました。
 「園長先生、その歌は知りません。」と若い先生に言われました。
 「園長先生、知っているのは、私たちの年代だけです。」と言ったのは、50代でした。

2024年6月8日土曜日

花だより 子どもはこうして生き方を学びます ハマナス

 


  子どもはこうして生き方を学びます
  ◇批判ばかり受けて育った子は、非難ばかりします。
  ◇敵意に満ちた中で育った子は、だれとでも戦います。
  ◇ねたみを受けて育った子は、いつも悪いことをしているような気持ちになります。
  ◎心が寛大な人の中で育った子は、がまん強くなります。
  ◎はげましを受けて育った子は、自信を持ちます。
  ◎ほめられる中で育った子は、いつも感謝することを知ります。
  ◎公明正大な中で育った子は、正義感を持ちます。
  ◎人に認めてもらえる中で育った子は、自分を大事にします。
  ◎仲間の愛の中で育った子は、世界に愛を見つけます。
          作 ドロシー・ロー・ノルト 訳 吉永 宏
     お手本を示すのは親です。親の生き方を見て子は育ちます。
            決して難しいことではありません。ごく普通に当たり前のことをやることです。
      子どもたちの学びをどう進化させるか?
   校長採用論文試験の準備が始まりました。
  キーワードは、「主体的・対話的で深い学び」と「カリキュラム・マネジメント」です。「学びに向かう人間性」、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力」この3つの力をバランスよく育むことです。これを先生方に浸透させ、保護者から信頼されるために、どんな学校経営をするか、その具体策や校長としての決意を書かなければなりません。

花だより 運動会様変わり ノイバラ

 



  「健全な精神は健全なる身体に宿る」
☟道産子の体力低下☟(6月1日「体力・運動能力テスト」の結果が公表されました。)
  運動会の練習は、集団行動、集団規律を学ぶ重要な機会です。これは人が社会生活を営む上で大切なことです。特に消防や警察、自衛隊で徹底して訓練するのは、一人の勝手な行動で命を失うことがあるからです。それと運動会の練習の時くらいしか、全力で走ること、競い合うことはありません。ところが、今の運動会は昔と違って、午前開催、種目数減、簡素化で練習時間が減り、入退場やリズムに時間を割き、肝心の走ることに時間を掛けなくなりました。運動会本番まで、徒競走を全力で走るのは、総練習も含めて3回あるかないかです。時間にしてわずか1分もないでしょう。いくら速く走れる高価なシューズを履いても、これでは速く走れるはずがありません。
 体力は頑張りの基です。走ることは、全てのスポーツに共通する基本の能力です。運動会は、最大の行事であり、体を鍛え、多くのことを学ぶ機会です。年寄りは、余計なことは言わないようにしたいと思っていますが、運動会が縮小されるのは、とても残念です。

2024年6月7日金曜日

花だより 合計特殊出生率(過去最低の1.20) ガーベラ

 

厚生労働省は5日、2023年の1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」を発表しました。8年連続の減少で過去最低の1.20となり、北海道は1.06で東京に次ぐワースト2位。ちなみに訓子府は1.38、置戸1.35、津別1.44、美幌1.34、北見市は1.31となっています。少子化に歯止めがかからない状況は、この数値からも分かります。
 一方で1.70と道内最高だったのが人口約5,300人の共和町です。北海道電力泊原子力発電所(泊村)に近く、社員約300人が住む。妊産婦健康診断時の交通費助成や看護師・保育士の自宅訪問事業、子育て支援センターを開設し、常勤職員5人が見守っています。
 「子育て世代の多さと町の支援の充実が、高い出生率につながっている。」と共和町の担当者は語っています。経済的な安定と、子育ての悩みを共有できる安心感が大事だということです。行政には、当事者目線で子育て世代を支える政策が求められます。
                                                              66日のネットニュースから)
 経済的な安定は、私たちにはどうすることもできませんが、「子育ての悩みを共有する安心感」は、幼児施設が最も得意とするところです。

 


2024年6月6日木曜日

花だより 完食指導はしない! ウツギ

 

                                  

   花見の席で、来春役職定年を迎える高校の校長先生と同席しました。お酒が進むと現職当時の話になって、「今、私が若い頃の指導をしたら、体罰やパワハラで処分される。時代は変わった。生徒も昔のような飲酒、喫煙、服装の乱れなどの生徒指導上の問題は少なくなったが、SNS上の隠れた問題や保護者からのクレームが増えた。」と言っていました。こうした問題は、高校に限ったことではありません。
 幼稚園や小学校では、行き過ぎた「給食は残さない」指導(完食指導)は、学校教育法違反になると弁護士が言っています。
 学校教育法では、「教育上必要があると認めるときは、懲戒は加えることはできるが、体罰を加えることはできない。」となっています。
 ここで問題になるのは、「行き過ぎた」というのが、どこまでかということと「懲戒」は、どの程度まで許されるのかということです。
 児童生徒や保護者からの訴えがあり、法律の専門家である弁護士が対応するとなると、学校は、「行き過ぎた」指導ではなくても忖度して、そういった指導はしなくなります。現に、完食指導をする学校はほとんどありません。完食指導だけではありません。これまで当然のように行われていた指導が見直されています。体罰どころか懲戒までなくなりつつあります。
 また、「子どもの権利条約」も影響しています。大人と同じように、子どもが一人の人間として持っている権利(1、生きる権利 2、育つ権利 3、守られる権利 4、参加する権利)「子どもにとって一番いいことは何かということを考えなければならない」とされています。さまざまな特性のある子どもを受け入れている学校では、行き過ぎた全体主義の指導や教師の威圧的な指導は姿を消しました。ところが最近の子どもは、偉くなり、生意気になったと嘆く人がいます。


2024年6月5日水曜日

花だより 素敵なご婦人との出会い スイレン

 


 早起きは三文の得(徳)~素敵なご婦人との出会い~ 
 朝7時前、学校の花壇に水やりをしていると自転車に乗った中年のおばさんから「学校の先生ですか?」と声をかけられました。この話を妻にすると「通信に載せるときは、『おばさん』ではなく、『ご婦人』と書くのよ。」と注意されました。
 そのご婦人から「何年生の担任ですか?」と聞かれました。ジーンズを履いていたので若く見られたのかと思い「5年生です。」と答えようとしたら、「もしかして校長先生ですか?運動会は、晴れるといいですね。」そう言うと深々と礼をして、自転車にまたがり去って行きました。
 その姿を見送っていると、すぐ止まって、歩道に落ちていたゴミを拾いカゴの中に入れました。その後も何度も止まっては、ゴミ拾いをしていました。きっと毎日の日課なのでしょう。早起きはするものです。こんな素敵なご婦人と出会うことができました。

訓子府レクレーション公園の芝桜

2024年6月4日火曜日

花だより 人事評価シートの記入 ツリガネソウ

 

 公立の幼稚園では、「園運営の評価を数値で示せ」そのために「目標」も数値で評価しやすい内容にするように言われているそうです。「‘教育は、そんなものではない’と反論したいところですが、公立は行政の一部なので仕方ない」とある園長先生が言っていました。
 今は何でも数値化や効率化が求められています。しかし、企業経営と学校経営とは違います。北海道の学力が低く、道教委は「2020年までに全国平均まで上げる」という数値目標を掲げましたが、残念ながら未だ達成していません。教育とは人間が行うものなので、そう簡単なものではないのです。
 公立の保育教諭も自治体の職員と同じ人事評価が行われるため、人事評価シートを作成しなければなりません。ところが差し戻しになりました。
 ~指摘事項~
 *目標は、‘あいまい’な表現を使用すると評価が困難となるので、明確な表現にすること
 【NGワード】使わない言葉
 ~頃、早めに、早期、努力する、努める、頑張る、目指す、徹底する、励む、支援する、助言する、調整する、連携する、促す、可能な限り、極力、出来るだけ、必要に応じて、積極的に、的確に、強化する、効率化する、明確化する、強化する、推進する、検討する、考慮する、~等、意欲的に、挑戦する、できれば~ 
 まだ他にもあります。これらは普段よく使っている言葉ですが、曖昧な言葉で評価がしづらいためシートに記載するときは使わない。
 それでは、どう書くか… 
・〇〇を 〇○までに達成する。 
・〇〇まで 〇〇を支援することで 〇〇できるようにする。
 と書くように求められます。
*「〇〇をしたから、子どもがこうなった。」となるくらいなら苦労はありません。そうならないのが教育の難しさなのです。とはいえ、教育界は、評価が甘いと言われています。保育教諭も組織(行政)の一員なので「郷に入れば郷に従え」です。

2024年6月3日月曜日

花だより 花の季節 イワカガミ

 



 《花の季節》 
 花の命は短く、桜はその代表ですが、その潔さがまたいいのです。近くの公園が一面黄色のたんぽぽ畑になり、ブログに載せようと写真を撮りに行くと草刈り作業をしていました。桜より、たんぽぽの方が短い一生でした。たんぽぽの綿毛が飛んで行って姿を消すと季節は夏だそうです。校庭のライラックが咲きました。青空をバックにすると爽やかさを感じます。また、ご近所の庭の藤が満開です。町内には手入れの行き届いた藤棚がいくつもあります。
 本州より1か月遅れでオホーツクも花の季節を迎えました。今年も花壇にPTA奉仕作業でペチュニア、マリーゴールド、サルビア、アリッサム、ケイトウの花の苗を植えてくれました。花で飾られている街は、犯罪が少ないそうです。「花があるとなんかいいよね。」と登校してきた女の子が言いました。「花は美しいが、花は自分が美しいとは思っていない、美しいと感じる心が美しい」



2024年6月2日日曜日

花だより ああ~運動会 牡丹

 


 運動会は、おじいちゃん、おばあちゃんの楽しみ 
 「校長先生ですか、2年生の孫がお世話になっています。孫がどうしても見に来てほしい。と言うものですから来ました。天気がよくていい運動会ですね。」と声をかけられました。すると横でお母さんが「『どうしても来たい。』と言ったのは、おじいちゃん、おばあちゃんの方なんですよ。私たちだけなら、場所もお弁当もそんなにこだわらないけど、おじいちゃん、おばあちゃんが来るとねぇ~。」と言っていました。これが小学校最大イベントの運動会なのです。
 ゴミが少ない?  
 運動会終了後、PTA役員で会場を1週しました。ほとんどゴミが落ちていませんでした。「今年は、お客さんのマナーが良かった。校長先生、学校便りのホッとステーションに書いたらいいですよ。」と言われたので、職員室に戻り、このことを先生方に話したところ、5年生の担任が、「いい話に水を注すようで申し訳ないのですが、PTA役員の人が回る前に5年生でゴミ拾いをしました。結構たくさんありましたよ。」と言われました。

6月1日 訓子府小学校の運動会 


2024年6月1日土曜日

花だより 「氷山モデル」 サツキツツジ 菖蒲

 


   過日、研修部担当から「氷山モデル」についての資料提供がありました。
「氷山モデル」とは、システムの全体像を氷山にたとえ、私たちが魅惑されがちな「できごと」は海面上につきだしている氷山の一角に過ぎず、海面下の目に見えにくいところに「パターン」「構造」「意識・無意識の前提(メンタル・モデル)」があるとするシステム思考のフレームワークです。

 例えば「売上を上げるために何をしたらよいか」という対策や解決策を考えるとき、ここで「なんとかしなくては!」と思っている問題は、氷山にたとえると、海水面の上に見ている部分であり、それぞればらばらの「できごと」です。できごとはとても魅惑的で注意の多くがそこだけに向けられます。
 しかし、できごとのレベルで解決策を考えても、事後的に「反応」しているだけの対処療法にとどまり、しばらくしてまた同じことが起きたり、別の場所に問題が移ったりするだけで、効果的な解決にはなりません。
  問題を生み出しているパターンを見る(海面下を見る)
 氷山モデルでは、水面上に見えているできごとは、全体のごく一部であって、その下にもっと大きなものがあるのです。表面に見えているできごとを過去にさかのぼって考えてみると、「いつも販促キャンペーンの二ヶ月後に売上が落ちている」といったパターンが見えてきます。そして、このまま同じやり方を続けた場合のなりゆきがどうなるか、解決策を考えることができます。
 この「氷山モデル」は、教育にも当てはまります。問題行動を起こす子の対応は、起こした問題行動だけを見て対処するのではなく、過去にさかのぼって、成育歴や家庭環境、その子の特性など、問題行動を生み出しているパターンを探ることが大事です。
 事実、小1で担任した子が母子分離不安と診断され、その子の生育歴を調べると3歳の時、下の子が生まれたが、生後6か月で亡くなり、母親は悲しみに暮れ、それから母親に甘えることができなかったということが分かり、「1年生なんだから…。」ではなく、ときには甘えさせることも大切であることを母親に伝えたことがありました。