幼児施設(こども園)の働きやすい環境づくり
そのヒントは、保育者の中にあります。例えば、園長が知恵を絞って、保育者の使いやすい書類の様式を検討することは悪いことではないのですが、実際にそれを使って仕事をするのは保育者です。大工道具は、それを使う大工さんが選び、使い込むことで、徐々に手に馴染んできます。道具は大工の命なのです。専門職である保育者も与えられた道具を与えられるまま受け身的に使うだけではなく、自分たちに合った仕事の道具を選んだり、そろえていく感覚が必要です。そのため、保育の記録や計画の様式や使い方について、保育者とともに対話を通して検討することが必要です。書いて終わりにするのではなく、保育のために必要な様式や使い方であれば、多少負担感はあっても、そこには保育の手ごたえだけでなく「納得感」が生まれます。そして、継続的に対話を重ね、自分たちの手に馴染む道具に工夫していけるようにしていくことが大切です。
園長は、保育者に任せる部分は、積極的に「委ねる」「任せる」「権限を与える」ことで、保育者が自分たちの働きやすい環境づくりを自分たちで探っていけるようにすることです。園長のリーダーシップの基本は「聴く」ことです。これは学校も同じです。