2024年6月1日土曜日

花だより 「氷山モデル」 サツキツツジ 菖蒲

 


   過日、研修部担当から「氷山モデル」についての資料提供がありました。
「氷山モデル」とは、システムの全体像を氷山にたとえ、私たちが魅惑されがちな「できごと」は海面上につきだしている氷山の一角に過ぎず、海面下の目に見えにくいところに「パターン」「構造」「意識・無意識の前提(メンタル・モデル)」があるとするシステム思考のフレームワークです。

 例えば「売上を上げるために何をしたらよいか」という対策や解決策を考えるとき、ここで「なんとかしなくては!」と思っている問題は、氷山にたとえると、海水面の上に見ている部分であり、それぞればらばらの「できごと」です。できごとはとても魅惑的で注意の多くがそこだけに向けられます。
 しかし、できごとのレベルで解決策を考えても、事後的に「反応」しているだけの対処療法にとどまり、しばらくしてまた同じことが起きたり、別の場所に問題が移ったりするだけで、効果的な解決にはなりません。
  問題を生み出しているパターンを見る(海面下を見る)
 氷山モデルでは、水面上に見えているできごとは、全体のごく一部であって、その下にもっと大きなものがあるのです。表面に見えているできごとを過去にさかのぼって考えてみると、「いつも販促キャンペーンの二ヶ月後に売上が落ちている」といったパターンが見えてきます。そして、このまま同じやり方を続けた場合のなりゆきがどうなるか、解決策を考えることができます。
 この「氷山モデル」は、教育にも当てはまります。問題行動を起こす子の対応は、起こした問題行動だけを見て対処するのではなく、過去にさかのぼって、成育歴や家庭環境、その子の特性など、問題行動を生み出しているパターンを探ることが大事です。
 事実、小1で担任した子が母子分離不安と診断され、その子の生育歴を調べると3歳の時、下の子が生まれたが、生後6か月で亡くなり、母親は悲しみに暮れ、それから母親に甘えることができなかったということが分かり、「1年生なんだから…。」ではなく、ときには甘えさせることも大切であることを母親に伝えたことがありました。

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