~平成12年度の作品~
【平成17年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》
~北見地方リコーダーアンサンブルフェスティバル 11月27日(日)北見芸文ホール~
月曜日は暗い一日でした。少年団だよりですでにご存じかと思いますが、金賞はとったものの全道推薦にはなりませんでした。今年来た橋本先生は、「レベルの高いコンテストで金賞をとったのにどうしてみんな喜ばないのですか?」と不思議がっていました。
誰もが演奏が終わった後、金賞と全道大会出場を疑いませんでした。グランプリに輝いた斜里の川上小学校の先生からも「さすが若松小!毎年素晴らしい演奏をしますね。」と声をかけられました。
意外な結果に月曜日の全校朝会で子どもたちに何を話そうか大変迷いました。
「スポーツヒーロー物語」から ~微妙な判定~
1976年モントリオールオリンピックに出場した男子体操日本チーム。団体総合5連覇がかかる大会に、エース笠松茂が病気で出場できなくなりました。
規定演技で差をつけ、自由演技で守りきるのが日本の勝ち方でしたが、規定演技が終わってソ連に続く2位でした。自由演技にはいっても高得点を出すソ連選手たち。日本チームはつり輪でけが人を出し、残りの3種目をぎりぎりのメンバーで戦わなければなりません。
体操は審判による採点で勝負が決まる競技です。当時、体操界ではソ連に有利な採点があったとされていました。(体操に限らず、フィギアスケートやシンクロもそうだと言われていました。)そうした状況の中で、オリンピック3大会に出場したベテラン加藤沢男選手をはじめ日本チームは、全員一丸となって演技に集中しました。そして、つぎつぎと高得点を重ね見事、大逆転に成功したのです。圧倒的な実力を示して勝利をつかんだのです。
後に「そのような採点によって、血のにじむような努力を評価されることをむなしく思ったことはないですか?」と質問された加藤選手は、笑ってこう語りました。
「それは逆だと思います。電気計時などの冷たいメカニズム、エレクトロニクスで人間の努力がはかられることこそ、私はむなしいと思います。体操は、オリンピックの中でももっとも人間的な、人間くさい種目です。審判をふくめた人間対人間の戦いだからこそ、おもしろくてならないのです。」
体操に限らず、審判が人間である以上「微妙な判定」はつきものです。しかし、それどころか「誤審の可能性もすべて競技の本質」という加藤選手の意見は、体操を、そしてスポーツを深く理解した「スポーツマン」としてのすごさを表しています。
決して、今回の審査について不審を抱くものではありません。プロの目(耳)は、私のような素人の感覚とは全く違うのですから・・・。結果は残念でしたが、素晴らしい演奏であったことには間違いありません。
リコーダーのリーダーで6年生の杉山卓也君が、全校朝会で「僕たちは、これまでたくさん練習してきました。結果は残念でしたが、これからも頑張ります。」と挨拶をしました。私は、杉山君が加藤沢男選手に見えました。
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