~平成12年度の作品~
【平成17年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
《シリーズ「いきいき子育て」》
“子どもは、言ったとおりには育たない。やったとおりに育つ”
子どもの心に迫る 対人関係がうまく築けない子 急増!
●運動会の練習中に整列の指示に反発して教師を殴った。(小6男子)
●悪口を言われたと思って1年生の顔を殴った。(小3男子)
●着席するように教師から指導されて腹を立て、教室の窓ガラスを割った。(小5男子)
このような事件が前年度に比べて15%も増えています。原因は、「忍耐力」「コミュニケーション力不足」により、自分の気持ちをうまく表現できないため暴力に走る。「規範意識の下」「家庭教育の問題」「暴力的なメディア」などの原因ではないかという意見があります。
暴力に発展するまでもないが、「ちょっとしたトラブルからすぐパニックになる子」、「自分の気持ちを相手に伝えることができない子」、「友だちとうまくやっていけない子」が増えています。 自分の気持ちや考えが相手に伝えることができず、自分の心の奥に押し込んでしまったり、逆に暴力やいじめなどの陰湿な攻撃行動を企てたりする。友だちがほしいという気持ちは強いのに、素直に表現できず、相手の気持ちを勝手に解釈してしまい、葛藤を抱いて、すぐに傷ついてしまう。
本来、健全な対人関係は、親子関係、兄弟関係、仲間関係、教師との関係、地域の人々との関係などさまざまな対人関係の中で教えられ経験を通して育まれるものですが、今の子どもたちには、対人関係が希薄で、自分たちでトラブルを解決する力が十分育まれていないのです。
友だちにすぐ暴力をふるう子に「やさしくしなさい」、すぐ泣く子に「泣いてはダメ」と一方的に叱っても、その子は次から「やさしくしよう」とか「泣くのはよそう」とは素直に思わないのです。
*何度言ってもできない子どもたちの中には、次のような3つのタイプがあります。
◎タイプ1~どうすればよいか知識がない
「やさしくしなさい」と叱られても、どのようにふるまえば「やさしい」行動なのか分からなければ、その行動は出てこない。(例:「だいじょうぶ?」と声をかけてあげる。)こんな子には具体的な行動を具体的な知識として教えてあげることが必要です。
◎タイプ2~知識はあるが行動ができない
「ごめんね」と謝ればいいのにその勇気はない。自信がない、恥ずかしい、といった具合に意欲や気持ちのところでもう一歩行動にできない。「さあ、やりなさい」と背中を押して、「よく○○やったね」と声をかけ、できそうなチャンスの場を与えてほめてやる関わりを増やす必要があります。
◎タイプ3~知識もあり行動もできるが状況把握ができない
知識もあり、行動もできるのに対人関係でトラブルが多い子。例えば、友だちが何かもめている最中に「仲間に入れて」と声をかけても彼らは聞いていない。そんなとき「ちゃんと『入れて』と言ったのにみんなは私を無視した」と先生に訴えてくるのは、このタイプの子です。他の人の気持ちに気付かせる対応が必要です。
*次回に続く
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