2018年12月31日月曜日

花だより アオキ 人間にとって成熟とは何か

  『人間にとって成熟とは何か』(曽野綾子著)なぜベストセラーに?
 本作は「正しいことだけをして生きることはできない」「『もっと尊敬されたい』という思いが自分も他人も不幸にする」「他人を理解することはできない」など、人はどのように成熟していくべきなのか、大人とは何かを説く、生き方指南本です。
 購入者層は30~40代が中心です。さまざまな角度から持論を展開したことも注目度をさらに高め、今回のヒットに結び付いたようです。曽野綾子氏は、敬虔なクリスチャンですが、宗派を問わず「人の道」は共通しています。
 こうした本が売れる背景には、多くの大人が道徳観を失いかけていることにあるように思うのです。
 児童相談所に一時保護される子どもたちが急増してます。児童相談所預かりになった家庭ばかりでなく、子どもたちは、さまざまな家庭の事情を抱えているのです。何が起こっても不思議ではありません。不登校児童生徒も年々増加しています。
 毎朝、子どもたちが学校に来ます。次の日も、また次の日も、それが繰り返されます。しかも子どもたちはたいてい無事です。もちろん無事でなければなりません。毎日の無事を日常と呼ぶのですが、日常とは奇跡かもしれません。
 

2018年12月30日日曜日

花だより ホオズキ ベニベンケイソウ 今の小学生が成人を迎えるとき、どんな社会になっているのでしょうか?

  今の小学生が成人を迎えるとき、どんな社会になっているのでしょうか? 
「今、小学校に入学する児童の将来の就職先の65%は、現在はない職業である。」(アメリカ、キャシー・デビットソン) 
 アメリカで発表された論文です。信じがたい数値のように見えます。しかし、なでしこジャパンの高瀬愛実選手は、本校(北小)の卒業生ですが、当時女子サッカーのプロリーグはありませんでした。オリンピックにも女子サッカーはありませんでしたので、将来女子プロサッカー選手になろうなんていう夢は持っていなかったと思います。
 過日、病院にかかったとき、「次回から、受付は携帯電話できますが、どうしますか?」と言われました。インターネットなどの科学技術が進歩するとこれまで人がやっていた仕事を機械がやるようになります。現にお掃除ロボットが飛ぶように売れているそうです。12年後、16年後の社会がどうなっているか想像がつきにくい時代になりましたが、「はたらく」とは、周囲を楽にさせるもので、自分が楽になるためのものではないことは、どんな時代になっても変わりはありません。社会の変化に伴い、教育も変わってきます。単なる知識を覚えるだけではこれからは通用しません。これからの学校教育は、子どもに何かを教えるのではなく、子どもがどのように学ぶかである。興味や関心・意欲・態度、創造力、表現力が大切になってきます。


2018年12月29日土曜日

花だより カトレア ホウズキ 元横綱大鵬さん

元横綱大鵬の納谷幸喜さん(北海道弟子屈出身、川湯温泉に大鵬記念館があります。)
 大鵬さんは、「巨人、大鵬、卵焼き」と聞くと、表情を曇らせたそうです。巨人は、優秀な選手を高いお金を出して集めたチームで強いのは当然。私は、16歳のとき裸一貫で相撲界に入り、ここまでになった。巨人とは違う。「相撲の天才」と呼ばれたのも気にくわなかったらしいのです。
《気は優しくて力持ち》脳梗塞で左半身麻痺になったときは、「苦しむ人々の励みになれば」とリハビリに取り組む姿を公開した。偏狭なプライドがあったらできることではありません。力士時代から続けた献血輸送車・大鵬号の寄贈は70台に達するそうです。人の為にあろうとした72歳の生涯でした。無敵の強さだけではない。その優しさはどこから来るのだろう。貧しかった少年時代は、納豆売りや新聞配達をして母を支えたそうです。そんな原風景を持つ人がまたひとり逝ってしまいました。今の若者は、将来に夢を持てないでいるといいます。豊かな時代に、語るべきことはまだあっただろうと思います。
 「校長先生、なんで勉強しなければならないの?」校長室に来た女の子が言いました。
「校長先生も子どもの頃、ずっと同じことを思っていたよ。今になってね。(大人になって)知らないこといっぱいある。もっと勉強しておけばよかった。もっと早くこの事に気づいていればなあと思うんだよね。」
「それじゃ、校長先生、次の時間、私の代わりに教室で算数の勉強してきてくれる。私はここで校長先生の代わりに座っているから…。」(?) 
 大鵬さんは、「人生訓を丸い土俵から教わった。」と言っています。子どもたちは、【教室の中で人生訓】を教わります。私は、【子どもたちから人生訓】を教わります。

2018年12月28日金曜日

花だより ロウバイ AIと子ども


進化し続けるAIと子どもの成長
              奈良女子大学特任教授 麻生 武(牧野要約)
 ≪2030年以降の社会 企業の淘汰と職業の淘汰≫
 大きな社会変化はすでに生じている。グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブックといったテクノロジー業界の巨大企業が、準地球規模とも言えるようなビックデータを集め、恐るべき資金集積力を活用し、コンピュータサイエンス・テクノロジーに巨額の資金をつぎ込み、これまで想像もつかないようなネットワーク化された社会を構築しようとしている。
 2030年代あるいは2040年頃に汎用AIが出現すると言われている。完全な汎用ではなくても、特定領域においてかなり柔軟性をもつAIであれば、人間的労働の多くはAIによって代替されてしまうだろう。その兆候はすでに始まっている。2030年以降には、その規模が半端なものではなくなる。ドローンや自動運転が普及すれば、小売業だけではなく運送業にもほとんど人はいらなくなる。
「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクト終了の2016年において「東ロボくん」はすでにMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法制大学の頭文字)合格の水準(SS53~65)に達していたことを、プロジェクトリーダーの新井氏は危機感をもって指摘している。
「東ロボくん」は読解を苦手とする。ところが、読解力において「東ロボくん」に優っているとは言い難い、教科書を読めない子どもが大勢いるのである。今のままでは、彼(彼女)らは成長したときにAIに職を奪われてしまうと、新井は危機感をつのらせている。 
 弁護士、税理士、医師などの一部の仕事もAIで代替可能なことは、今日でもすでに指摘されている。技術進歩が経済成長と雇用の減少を生み出すのは普遍則である。汎用AIが出現する2030年以降、「需要不足による失業」が増加し、AIに代替えできない仕事を持つ者が労働可能人口の約1割になり、残り9割は仕事がなくなってしまう事態になる。それを21世紀における新たな「役立たず階級」の出現として危惧している歴史学者もいる。また、新井は、AI社会では、企業が淘汰されていく危険も大きいと指摘している。それは、アメリカで現実にアマゾンが引き起こしていることである。ゼロサム・ゲーム(参加者の総得点が常に0になる得点ゲーム。勝者が得点すれば、その分他の者は失点になる。)中で、勝者が総取りしてしまうのである。
 とは言え、あまり悲観的になる必要もないかもしれない。私たちには、子どもたちという希望のカードが残されているからである。未来は、私たちと子どもたちによって、まだ、変えていけるのだ。

2018年12月27日木曜日

花だより ナンテン 《学校は地域と共にある》


《学校は地域と共にある》 
我が家の近くにあるサービスストアーが今月いっぱいで店終いすることになりました。郊外の大型店に太刀打ちできなくなったのでしょう?駅前商店街の中心にあり、地域住民やバスでやってきて病院の帰りに買い物するお年寄りも多くいたのですが、不便になるばかりか、商店街がますます寂れていきます。
 朝7時前から、商店街では、店先の掃除と花壇の世話が始まります。街づくりは行政だけではなく、商店主や商工会の努力で支えられていることが分かります。学校に来るまでの道のり、立派な庭のある家が数軒あり、四季折々の風情を楽しむことができました。  
 ところが最近、草ぼうぼうの荒れ放題になっています。立派なお屋敷には住んでいる気配がありません。いかにもお年寄りが好む庭づくりでしたので、高齢になり子どもさんのところに行ったのか、施設にでも入られたのか?と心配になります。
 先週、北海道小学校校長会の教育研究大会が十勝(幕別町に全道から680名の校長が集まりました。)で行われ参加してきました。分科会で隣になったのが東川町の校長先生でした。修学旅行で訪れた町だったので話が弾みました。東川町は、きれいな街並みで、どこの家にも花が植えられていました。礼儀正しい小学生に出会った話をしました。
 その校長先生からは、東川町は旭川市のベットタウンとして発展を遂げる豊かな町、木工製品の町として有名なほか、田園風景が美しく、毎年「写真甲子園」が開催されている。豊富な伏流水で上水道がない町としても有名(水道代がタダ)、道内でも数少ない人口が増加している町、教育にも熱心で教育予算も手厚い。と次々自慢話が出てきました。そして、何より全国学力テストも上々だそうです。
 “子どもたちの健やかな成長は、学校だけでなく、家庭や地域と共にある。学校は、地域・家庭から信頼されなければならない。”高橋はるみ知事からメッセージが紹介されました。その通りだと思いました。

2018年12月26日水曜日

花だより クリスマスベコニア 「弱い人を守りなさい」と教えるのは親


《シリーズ「イキイキ子育て」》
「弱い人を守りなさい」と教えるのは親
 人の間をすり抜けるようにして歩道を猛スピードで走っていく自転車があります。自転車は車道を走行しなければなりませんが、相変わらず歩道を走り、事故を起こすケースが増えています。
 自転車に乗っていた子どもが軽い接触事故を起こして人にケガをさせると「学校の自転車指導に問題がある」と文句をいう親がいるそうです。でも、これは間違いです。ルールを教えるのは学校かもしれませんが、その土台になっている「弱い人を守る」という気持ちを教えるのは親です。親が子どもにその気持ちを教えていなければ、いくら交通ルールを教えても事故は防げません。ルールを守らなければ、“走る凶器”になるという気持ちを育てるのは親しかいません。
 自転車の乗り方だけでなく、おりにふれて子どもを諭し、弱い人を守ろうという気持ちを育てていく必要があります。お年寄りが横断歩道を渡ろうとしているとき、赤ちゃんを抱いたお母さんを見かけたとき、保育園児が遊んでいるとき、いろいろな場面で子どもに伝えられます。しかし、どんな場面でも必ずこうしなければならないというルールはありません。だからいくらルールを教えても優しさは育たないのです。「母の品格より」)
「痛快TVスカッとジャパン」(月曜夜8時フジテレビ)校長先生見てる?”と言われたので見てみました。
身の回りで起きたスカッとする話をドラマ化した番組です。自転車のようにルールを守らない人が多いので、このような番組が流行するのでしょうか?
                      

2018年12月24日月曜日

花だより カニサボテン 年賀状


 年賀状 もう書きましたか?
 近頃は、年賀状の是非論もあり、単なる儀礼と考えてやめる人やラインなどSNSに切り替える人も多く、年賀はがきの売り上げ枚数は年々減少しているそうです。
 江戸時代の商人たちが真っ先に年賀状を送った先は、取引で思わしくなかった人やトラブルのあった人など、気まずい思いをした人たちだったそうです。なかなか出来ないことを、たじろがずに出す勇気、不穏な状態になったときの決断力!人情味のある江戸商人たちのこうした真の優しさこそ、粋で素敵なしぐさです。
 最近は、家族の写真入りの年賀状をパソコンで作るのが多くなり、手書きする人はめっきり少なくなりました。普段疎遠にしている人だからこそ、一言添えて、互いの安否を気遣い、新年の言祝ぎとその喜びを交わしたいものです。
 「年賀状はお早めに」JPからのお願いです。

2018年12月23日日曜日

花だより ユズ たかが座席 されど座席


座席をどう決めたらいいか? ~「たかが座席、されど座席」~
 座席というのは、子どもたちにとって大問題です。特に、現在の子どもたちの世界は、人間関係がとても狭いので、既に友だち関係のある子が近くにいるかいないかは、毎日の生活には重要なことなのです。
 大人でも、何かの会合で見知らぬ人たちの中に知り合いを見つけたら、ほっとして近くに座るものです。それくらい近くによく知っている人や気の合う人がいれば、安心感を得ることができるのです。
 教師からすれば、学級の生徒は全員同じ存在ですが、生徒一人一人からすると、よく知っている人、あまり知らない人、気の合う人、合わない人など、全員を同じ人と見なしていないのですから、こだわるのは当然です。
 そのため担任は、座席の配置には確固とした方針を持っていないと無用なトラブルを生みますから「たかが座席」と侮れません。
◆くじ引きで決めるリスク
 学校現場で一番多いのが、このくじ引きです。しかし、くじ引きでは、いじめや私語のトラブルを防ぐことはできません。そこには意図的な配置をする余地がないからです。それでもこの方式が多いのは、席替えに不満があっても、くじ運が悪かったと諦め、担任への不満をそらすことができるからです。学級の状態を正確に把握し、くじ引きでも大丈夫という保証がなければとても危険な決め方です。
◆ジャンケンで決めるリスク
 次に多いのが、ジャンケンです。その席に座りたい希望を子どもからとり、複数ならばジャンケンで決める方式です。ところが、学習意欲の低い子や荒れた子は後方の座席か端を選びますから、その結果、落ち着かない子が集まります。結局、偶発性に頼るくじ引きやジャンケンでは落ち着いた学級をつくるのはとても難しいのです。子どもの希望を最初に取り入れているので、生徒の意見を尊重した決め方だと勘違いしてはいけません。
◆指導の方針と方法をつくる
① 目が悪い、聞こえにくいなど、配慮を要する生徒の座席を優先する。
② 男女で並ぶ
③ 年間10回くらいは席替えをするので、いろいろな子と接する。
④ みんなの前では言えない特別な事情のある子もいるので、座席は先生が決める。
⑤ 私語の多い子は、前列にして授業に集中しやすくする。
⑥ 私語の多い子同士は近くにしない。
⑦ 以上の方針は、懇談会や通信で保護者に説明し、協力してもらう。
 *なぜそうするかという理由を説明する。
 仲のいい子と一緒になりたいという生徒には、「教室ではどんなに離れていても、たった10メートルほどです。仲のいい子とは、休み時間に大いに語り合ってください。」④は「特別な事情かどうかは先生が判断します。それが担任の仕事です。⑤と⑥は「一番大切なことです。授業に集中できない子をさらに後ろにしたり、落ち着かない者同士を一緒にしていたのでは、担任は務まりません。」⑦は、座席に不満があって保護者から担任に言って変更してもらおうという安易な考えをなくすためです。だから保護者にも説明して協力してもらうのです。
◆生徒にゆだねる方式
 このような方針の原案を生徒が話し合ってつくる方式もあります。
 その場合の話し合いは、いきなり学級全員でやるのでは効率が悪いので、学級委員などを中心に5~6人で原案をつくり、最終的に担任が特別な事情のある子を考慮して決めます。この方式の利点は、担任でも気づかないことを子どもたちが知っていることがあり、それが座席の配置に反映させることです。そのため、かなり公平性のある子や正義感のある子がいないと、この方式は成り立たないことに注意してください。
            生徒指導コンサルタント 吉田  順(牧野要約)

2018年12月21日金曜日

花だより シクラメン 「まる」と「四角」


 北小学校【まるい屋根の教育】 「まる」と「四角」の教育課程編成 
 効率だけを求めてもよい教育はできませんが、車のブレーキの「あそび(無用の用)」と同じで、「あそび」が大きすぎては、危険な車になります。
 まるい屋根のまるい部分は、四角があっての“まる”です。効率がよいのは四角です。校舎を見ても、丸みを帯びた建物は、温かさや優しさを感じさせていいものです。しかし、まるい建物はコストがかかるし、メンテナンスにも難があります。雨漏り箇所は全てまるい部分です。教育課程編成においても同じ事がいえます。学力が低い現状で、教科の時数を減らして学芸会や北っ子まつりなどの特別活動ばかり多くするわけにはいきません。
 学力向上には、・教師の指導力向上を図る。・指導力を補うためにTTなど複数で指導したり、少人数指導をする。・時間をかけて丁寧に指導することです。しかし、年間の授業日数は決まっていますから、その中でいかに授業時数を確保するか、各学校で工夫するところです。「ゆとり」とは、休みを取ることではありません。時数に余裕があることが「ゆとり」です。
 授業時数を確保するために夏休み、冬休みを削る。開校記念日も休みにしない。土曜授業(土曜日に参観日、遠足などの行事を行う。教員の振替は長期休業日)を増やすなどが動きがあります。教員の働き方改革と合わせて、大胆な取り組みと教員の意識改革が必要です。 
 

2018年12月20日木曜日

花だより アロマ 授業の「あ・い・う・え・お」


授業の「あ・い・う・え・お」 
「あっ!そうか」と気づく 「いいねぇ~!」とほめる 「う~ん!」と考える 「えっ!」とおどろく 「おお~!」と感心する。
 先生がよく使う言葉に「考えなさい」があります。ところで「考える」とはどういうことか、子どもたちは分かっているのでしょうか?
 小学生が「考える」とは、“何か新しいことに出合ったときに、それと同じようなものやちがうもの(これまでの経験から)を見つけて、比べてみること”です。ですから、どれだけ多くの知識や情報があるかで、その考えが深まるかどうか決まります。豊かな創造力や発想力は、持って生まれた才能だけでなく、知識や経験から生まれるのです。小学生のときは、とにかく多くのことに興味を持って、多くの知識や情報を頭の中に詰め込むことが大切です。それは机上の勉強も大切ですが、体験を通して身に付けることが大事です。
 「思考力」や「判断力」を重視する教育が求められていますが、その基礎となるのは、「知識・技能」です。それを疎かにしないことです。

2018年12月19日水曜日

花だより シクラメン 子育ては「がまん」


「心の強い子」は成績も伸びる 多胡 輝 著より 
  子育ては親も「がまん」だと知ること 
 慎重な子、ものを大切にする子、自分の個性がはっきりしている子は、買い物のときでもパッと買うことはありません。あれにしようか、品物の前で考えてしまうものです。少し短気な親はこんなとき、「早くしなさい」と急かしたりします。イライラして「何で決められないの、グズなんだから」ときついことを言うこともあります。急かされた子は混乱してしまいます。自分ではアレがほしいのだけれども、自分が思っていたのと違うようだ、どうしようと考えているわけですから、ますます決めることができず、少し悲しそうな顔をして「じゃ、いらない。」と答えてしまいます。
 ある子は算数の問題がなかなか解けません。横で見ている親がイライラして、「こんなのがわからないの!」とか「さっさとやりなさい!」とか言います。子どもは混乱して考えることを停止してしまいます。問題そのものが上の空になってしまい、結局、なんのために机に座っているのか分からなくなってしまします。
 親の性格もありますが、早く結論を出したがるのは、子どもにとって気ばかり急がされて苦痛に感じるものです。こんなときは親自身ががまん力をつけなければなりません。親もゆったり構えて子どもとつき合うことです。そのためには短気はいけません。怒りたい気持ちをがまんすることが肝心です。子育てには「がまん」がつきものなのです。
                               (牧野要約)

2018年12月18日火曜日

花だより フタバアオイ 無用の用 敬天愛人


 「あそび」は『無用の用』 
 「あそび」の意味には、“ぴったりしないでゆとりがある。”という意味があります。
 車のハンドルやブレーキには適度な「あそび」が必要です。ブレーキペダルに足をのせた瞬間にブレーキが効いたり、ハンドルをちょっと動かしただけで進路が変わってしまったりしては、非常に危険です。このような機械の「あそび」は、とても重要です。これを「無用の用」といいます。
 しかし、あまりに「あそび」が大きいと欠陥車になるので気を付けなければなりません。
 【敬天愛人】『西郷どん』NHK大河ドラマ終了
 西郷隆盛は、何故逆賊になってまで西南戦争を指揮したのか?
 「理で説き 法で押え 情で動かす」
 理で説き、法で押えたのが、大久保利通でした。
 逆賊となった西郷だが、多くの人々から尊敬されたのは、「情の人」だったからでしょう。
 人の世は、効率だけでは成り立たない。無用なものは無い。
 大久保は、私財を投げ売って殖産興業発展に寄与したことを紹介し、ドラマは終了した。
 日曜の楽しみが無くなったのが残念です。 

2018年12月17日月曜日

花だより ビワ 暗記



 《「イキイキ子育て》~暗記させる~
 詩や引用文、フレーズなどを暗記することによって、子どもは言葉の構造や使い方を覚えます。新しい単語を覚え、他の単語との組み合わせ方を学ぶと、言葉を使うことの楽しさを感じるようになります。
 暗記した内容は、たとえ日頃それを口にしていなくても、いったん暗記した単語は記憶の中に定着しているものです。詩や演説を暗唱することは、子どもにとっては「成果」になります。暗唱は子どもの学習能力の証しであり、「これを覚えて自分のものにすることができた」という自信につながります。
 子どもに暗記させる内容は、親子の絆になるものや、子どもの人格形成に役立つものがよいでしょう。覚えておきたい大切なことわざや格言、美しい詩、有名な文章、力強い演説などを選び、なぜそれを選んだかを説明しながら暗記させると効果的です。また、悲しいときに気分を盛り上げるような楽しい内容の歌詞もよいでしょう。
 子どもに暗記させるときは、繰り返しを重視しましょう。何度も繰り返しているうちに覚えられるようになるからです。いったん覚えたものは数週間か数ヶ月毎に繰り返せると、さらに記憶に定着します。
 長くて一度に暗記させるのが難しいようなら、短く区切って少しずつ覚えさせると効果的です。このようにして長い内容を暗記できれば、子どもは達成感を得ることができます。
 子どもに詩や文章を暗記させて自信を与えましょう。伝統文化を受け継がせてもらっていると感じることで、子どもは自尊心を高めます。
 なぜ2年生でかけ算九九を覚えるのか? それは脳の発達段階でこの時期が一番いいからです。高学年になると、論理的な思考に変わっていきます。ですから、2年生のときに、かけ算九九を完全にマスターしておかないと、高学年になってから、「まだ、覚えていないから、もう一度やり直しをしましょう」と言っても難しいのです。

2018年12月16日日曜日

花だより カンギク 干支と還暦


 < 干支(えと) >は、十干と十二支を組み合わせたものが本来の「干支」
 十干の最初の「甲」と十二支の最初の「子」の組み合わせ「甲子(きのえね)」から始まり、「乙丑」「丙寅」「辛卯」・・・と続き、「癸亥(みずのとい)」まで組み合わせは60通りあります。干支がひとまわりして同じ干支が巡ってくることを「還暦」(60歳)といいます。
 「校長先生は、還暦なんだよ。」と言うと「もう一回りするまでがんばったら?」と言われました。
 書の世界では、年を記載するときは、平成二十六年とは書かずに、「甲午年」と書きます。また、「壬申の乱」「戊辰戦争」「辛亥革命」など、歴史上の大事件の呼び方に干支が使われています。おなじみ阪神甲子園球場の名称も竣工した1924年(大正13年)の「甲子(きのえね)」から来ています。
 さらに丙午(ひのえうま)生まれの女の子は、気性が荒いという迷信があって、出生率が低くなると言われています。こんな迷信を知っている人も少なくなりました。
 今度の1年生は、「子(ねずみ)年」と「亥(いのしし)年」生まれです。「ねずみ年」の性格は、細かいところに気づき、正直で勤勉。「いのしし年」は、正直で小心、遠慮がちで涙もろく、人情に厚いそうです。

2018年12月15日土曜日

花だより センリョウ テレビとの出合い 温州ミカン

~テレビとの出合い~ 冬期間は、家にいる時間が増えます。
 テレビを上手に使う(情報源)
 私たちはテレビと一緒に育った年代です。我が家にテレビが来たのは、昭和36年でした。世の中の出来事、オリンピックやディズニーの漫画、お笑いから映画まで、全てテレビを通して情報を得ました。まさにテレビっ子でした。子どもの頃、夢中になって見ていたのが、「兼高かおる世界の旅」(日曜日の朝)という世界の国々を紹介する番組でした。そんな私が今、はまっているのが、TVH(テレビ北海道)7チャンネルの番組です。
 テレビ東京系列は、読売や朝日といった大手新聞会社がバックのテレビ局ではなく、日本経済新聞社であるということが、他の局とは違った番組づくりをしていておもしろいと思います。(番組づくりが一貫している。) 4年前にオホーツク管内でもTVHが見られるようになって、チャンネルはほとんど「7」に固定です。(下記の番組を全て毎回見ているわけではありません。予約録画してまだ見ていないのもあります。)

 蜜柑(みかん)“スーパーの試食をすすめるみかん売り”
 コタツに入ってみかんを食べる。そんな季節になりました。「冬ミカン」または単に「ミカン」という場合もありますが、普通はウンシュウミカンを言います。「ウンシュウ」は、柑橘の名産地であった中国浙江省の温州のことで、名産地にあやかって付けられました。
 みかんはビタミンが豊富で、食べると風邪予防になると言われています。試食をして、美味しいみかんを買ってたくさん食べて下さい。お体ご自愛下さい。

2018年12月14日金曜日

花だより フユザクラ 教員とホステス みかん

  得意なものが指導上手とは限らない 
 “教員とホステスは、若い方が人気がある”と言う人がいます。この道20年のベテランホステスより、「昨日入ったばかりなんです~。」という若いホステスさんの方が指名があるといいます。しかし、ベテランホステスさんには、洗練された接客テクニック(作法)があります。若くてきれいなだけでは、ナンバー1にはなれないそうです。
 学校の先生も経験を積むことで、指導技術が磨かれていきます。経験から子どものつまずきや間違いやすいところを知っているので効果的な指導ができるようになります。
 過日、のどの痛みがなかなか取れなくて、教頭先生のすすめで酒井内科クリニックに行ってきました。ベテランの先生でしたが、問診の後、「念のためよく調べてみましょう。」と、レントゲンや血液検査などをしました。その後の診察で、「考えられる病気は、これとこれですが、さらに念のため、○○検査を1週間後にやりましょう。」と言われました。長年の経験だけでなく、きちんとした客観的なデータの積み上げから判断することの大切さは、教育にも(子どもを見る目)当てはまります。
 中学校の研究会からいろいろなことを考えさせられました。皆さんも自分の指導技術を磨くために、他の先生の授業を観ることを大切にしましょう。
 みかん(蜜柑) みかんには、βクリプトキサンが多く含まれていますが、これは骨粗しょう症や老化防止や風邪に効くと言われています。また、ビタミンCは、免疫力をアップする効果があり、風邪予防や風邪で破壊された細胞の修復にも効果があります。また、酸っぱさのもとのクエン酸は、疲労回復や細菌の繁殖を抑えてくれます。非常に体に良いみかんですが、一日2個食べるだけで1日に必要な量を摂ることができます。職員室でもマスクをかけている人が目立ちます。これからはコタツで暖まりながらミカンを食べることをお勧めします。また、前回の柿にもみかんと同じような効果がありますが、さらに柿は、二日酔いに効果があります。アルコール分を外に出す作用(血中アルコールの上昇を抑える)があります。宴会のデザートには柿がお勧めです。 

2018年12月13日木曜日

花だより ヤツデ 本岐小学校の閉校式 

閉校式 津別町立本岐小学校101年の歴史に幕
 平成26年12月7日(日) 教頭として最初に勤務した本岐小学校の閉校式に行ってきました。津別から阿寒湖温泉に向かう途中にあります。昔は木材の街として栄えましたが、相生線が廃線になってから、さらに人口が激減し、児童数が13名になってしまい、来年4月から津別小学校に統合することになりました。
 19年前に私が赴任したときは、まだ30数名の児童数がありました。校舎は、今でこそ近代的なモダンな建物ですが、当時はすきま風が入り込み、日本一寒い厳寒の陸別の隣とあって、廊下にこぼした水が瞬時に凍りました。当時は、まだ隣に中学校もあり、運動会は合同で行い、地域あげての大イベントで大変盛り上がったものでした。学校は地域の中心だったのです。
 式典では、廃校を惜しむ声と時代の流れの中では仕方ないという両方の複雑な心境が語られていました。
 1週間前には、同じく津別の活汲小学校が閉校式を行いました。27年度を持って、斜里の川上、以久科、朱円小学校が閉校になります。北見では日吉小学校が閉校になります。10年前は、管内には小中学校合わせて180校ありましたが、来年は140校を割ります。人口減少と少子化によるもので、仕方のないことですが、その地域の人にとってみれば母校がなくなるというのは非常に寂しいものです。
 北小はこの後、1学年2学級400人台で推移しますが、文科省がいう適正規模は、1学年3学級です。

2018年12月12日水曜日

花だより マンリョウ 風邪をひいたら“ミカンと桃の缶詰”


  風邪をひいたら“ミカンと桃の缶詰”
 ラジオを聞いていると「昭和の思い出」と題した特集がありました。投稿してくるのは、もちろん50代以上の方です。
*インフルエンザで学級閉鎖が相次いでいますが、こんな話に胸を熱くしました。
 ~私が小学校に入る前の風邪をひいたときの話です。父と母は、共働きで休むこともできず、兄と姉は学校に行き、一人寂しく家で寝ていなければなりませんでした。お昼になって、父がミカンと桃の缶詰を買って持ってきてくれました。三度の食事にも困る家計でしたので、それがどれだけ贅沢なものか幼いながらも分かりました。
後になって分かったことですが、父は給料の前借りをして買ったものでした。それを会社から歩いて往復1時間をかけて持ってきてくれたのです。貧乏でしたが、仲のよい家族でした。それが私の昭和の思い出であり、自慢です。~
 車の運転中に聞いていました。隣に座っていた妻は、「そう、そう、私の家もそうだった…。」と何度もうなずいていました。これを紹介したアナウンサーは、声を詰まらせていました。

2018年12月11日火曜日

花だより ヤドリギ サザエさん

家族について考える「理想の家族像」
 45年にわたり平穏に暮らしてきた一家にとって、記念すべき年になったに違いない。この秋、「最も長く放送されているテレビアニメ番組」としてギネスの世界記録に認定された「サザエさん」の話である。
 3世代7人の大家族が、スマホもテレビゲームもない茶の間のこたつを囲む。今では考えられない設定だか、いつ見てもホッとする。長年高視聴率が続くのも、多くの人が一家を「理想の家族」と見ているからだろう。
 今年は家族の在り方を問う司法判断が相次いだ。最高裁は9月に夫婦の子と婚外子でできた子の相続格差は憲法に反するとの決定を出した。今月には、女性から性別を変更した夫を、妻が第三者の精子提供を受けて産んだ子の実父と認めた。
 社会変化や生殖医療の進歩でいろんな「家族のかたち」ができているのに、法律が追いつけていないらしい。マスオさんの年齢を過ぎ、波平さんに近づいた世代として、とまどう面はあるが、新たなルールが必要ということだろう。
 もうすぐ冬休み。クリスマスやお正月には団らんも増えよう。家族とは何か。この機会にじっくり考えてみてもいいかもしれない。
              読売新聞『編集手帳』より(平成25年12月22日)牧野要約

2018年12月10日月曜日

花だより フユサンゴ 「ありがとう」といえる家庭


 風通しのいい家庭とは、どんな家庭?
 最近の家庭では父親の存在感がありません。原因の一つは、給料の振り込みにあると指摘する人がいます。お金の流れが子どもに見えないのです。お父さんが会社に行くこととお母さんが銀行でお金を引き出すことが直接結びつかないのです。そういうわけで父親の存在感は希薄になっていくばかりです。
 これでは「いかんな」ということで、両親が相談してお金を引き出しはお父さんがするようにした家庭があります。お父さんが引き出してお母さんに手渡すのです。そのつど、お母さんが「いつもご苦労さま」と言います。
 それだけのことですが、子どもにとって父親ががんばっているからお金が入ってくるんだということが実感できます。そして、お母さんが感謝している、ぼくも感謝しなければ、という気持ちが自然に芽生えてくるのです。家族の中にも感謝のこころはあるべきでしょう。そういう家庭なら「ありがとう」ということばが自然なかたちで行き交うことになるでしょう。
 お母さんが料理を出してくれれば、お父さんが「うん、ありがとう。」
 子どもが新聞を取ってくれば、お父さんもお母さんも「ありがとう。」
 「ありがとう」と言い合える家庭は、風通しのいい清々しい家庭です。その子どもは社会に出て行っても、人の好意に自然に「ありがとう」と言える子になります。ポイントが高くなるということでしょう。決してその子にとってマイナスになることではありません。
    「心の強い子」は成績も伸びる 多胡輝著より (要約:牧野)

2018年12月9日日曜日

花だより スイセン 腰痛

▼△▼腰 痛▼△▼ 
 ~長時間教壇に立つ方々にとって、腰痛は職業病とも言われています。歩行なしで立っている状態は、実はとても腰に負担がかかる姿勢なのです。運動不足で筋肉が弱ったり、加齢に伴い椎間板などの弾力性が低下したりすると腰痛の要因となります。(「教職員のための共催フォーラム」12月号より)
 ここ1週間腰痛で苦しんでいます。原因は運動不足(脚力、腹筋、背筋が弱ってきている)であることは自覚しています。春から夏にかけては、徒歩通勤でしたが、寒くなってきてからは車で来るようになり、デスクワークが続いたのが原因でしょう。
 子どもたちには「寒くても外で元気で遊びましょう!」と行っておきながら、自分がこれです。冬になっても、早朝からさっそうとウォーキングをしているお年寄りをたくさん見かけます。体力は、子どもや大人よりお年寄りの方があるかもしれません。
 特に北海道は、冬場に運動が制限されることやテレビ視聴時間やゲームの長さが影響しているのではないかと言われています。今の子は、昔に比べて一日に1万歩近く歩いていないという調査結果があるそうです。週3時間の体育を6時間にすることはできません。「遊び時間を増やしてぇ~!」と頼まれますが、休み時間を今の倍にすることも現実的に不可能です。まずは、登下校は歩く、冬休みは、家に閉じこもっていないでスキー、スケートなど冬のスポーツを励むことを勧めます。
 冬休みの乱れた生活(ゲーム三昧、昼夜逆転)が、冬休みが明けても続き、登校しぶりになり、不登校になるというケースもあります。その責任は、半分以上親にあります。

2018年12月8日土曜日

花だより チャ 叱っても効果がなければ叱る意味がない シクラメンのかほり


 「心の強い子」は成績も伸びる  多胡 輝 著より 
  叱っても効果がなければ叱る意味がない! 
「みっともないから止めなさい。」「みんなに笑われますよ」
日本人は、こういうしかり方をよくします。いずれも世間の目を気にしますが、このしかり方には重大な落とし穴があります。人のいないところなら何をしてもいいのか?ということになりかねないからです。
「あれ買って、これ買って…」と泣いている子に「みっともないから止めなさい。」と母親が叱ると、その子はのどをヒクヒクさせながら「買って、買って」と小声で言い続けました。
 同じような状況で他人がいないところで起こったら、この子は「みっともないから止めなさい。」と言っても止めないでしょう。「いいこと」と「悪いこと」のけじめは、この子にとって、周りに人がいるか、いないかということになります。
人がいようがいまいが、“ダメなものはダメ、悪いことは悪いこと”としっかりけじめをつけるのが叱るということです。また別の例ですが、「お父さんに言ったらなんと言うかしら」という言い方をよく母親はしがちですが、これは母親としての責任逃れです。父親の権威に頼って叱っているだけです。「お父さんがダメといったダメ。お父さんがいいと言ったら(私も)いいよ。」つまり、子どもに嫌われたくないという母親のエゴイズムがよく現れています。
 叱るときは真剣勝負です。「自分はいいんだけど」という曖昧さを残していたら、子どもはその辺の空気を読むのが上手ですから、「ハハーン、お父さんに分からないようにやればいいんだ。」と思ってしまいます。
 叱るというのは、“ダメなものはダメ、悪いことは悪い”、そのことを1ミリの譲歩もないということを子どもの脳裏にすり込むことです。
 それによって、子どもは世の中には越えてはならない一線があることを会得していくのです。その一線を越えたいと思ったとき、ここはがまんするしかないなと思える子が、心の強い子です。(要約:牧野)

2018年12月7日金曜日

花だより セントポーリア 作文嫌い


【作文嫌い】
 文章の目的は、相手にわからせることであって、美辞麗句を並べて飾り立てることではない。(論語) 
 ところで小説家は別として「文を書くのが好きだ。」という人はどれだけいるでしょうか?
《子どもを作文ぎらいにしてしまうのは大人です。》
 子どもは、自分の書いた作文を見せるのをいやがります。「字が汚い!」「意味がわからない!」「へたくそ!」と、骨を折って、せっかく書いた作文にケチをつけられたら、だれだって作文嫌いになってしまいます。子どもは、自分の作文の「愛読者」を発見すると作文好きになります。その「愛読者」は最低3人です。お父さん、お母さん、そして、先生と。もう一人、それは作者本人です。自分の作文をもっとも愛読するのは、作者自身だからです。ただし、褒めてやらなければ、自分の作品を大事にしません。
 作文好きにさせるのは、先生よりも寛大なお父さんとお母さんです。まず褒めてください。一行でもいいです。「ここよく書けたね」と、その褒め方一つで子どもの作文嫌いがなおります。 
 文章は「書く」ではなく、メールやパソコンで「打つ」時代になりました。これからますます作文嫌いが増えるのではないかと心配です。

2018年12月6日木曜日

花だより ヒイラギ 幼稚園のお遊戯会


  幼稚園のお遊戯会 
 幼稚園のお遊戯会に行ってきました。衣装、小道具、メイク、ヘヤーメイクなど、親の力の入れ方が半端ではありません。観客の半数以上は祖父母です。目を細めて観ていました。
 先生が出演する子にマイクを向けると「ぼくは、○○組の○○です。」ときちんという子もいれば、中には、恥ずかしく黙り込んでしまう子、おだって怒鳴り声で言う子とさまざま。それを見て、また観客席が盛り上がります。おだつ子は、遊戯もめちゃくちゃで好き勝手なことをして、舞台中走り回っていました。
「親は、さぞかし恥ずかしい思いをしているだろう?」と思うと、そうでもない。
「うちの子、目立っているしょ。なかなかやるじゃん!」お友達のお母さんも「○○ちゃんは、個性的でいいよね。あれぐらいじゃないと…。」とあおり立てる。
休憩時間、「○○、バッチリ!うけてたよ。よかった。最高!」と子どもを褒める。その子は得意になって、またおだちはじめました。
 そもそもなぜ幼稚園に入れるのでしょうか?
 幼稚園教育のねらいには、◎社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。◎友達と一緒に遊びや仕事を進める楽しさを知る。◎友達とのかかわりの中で言ってはいけないことやしてはいけないことがあることに気付く。◎友達と楽しく生活する中できまりの大切さに気付く。などがあります。
同年齢の子どもたちが一緒に生活する中で、わがままな行動をおさえ、社会性を身に付けること(ルールを守ること)ができるようにするのです。そのために、一緒に歌ったり、踊ったりします。
「個性のない画一的な子どもを育てればいい」と言っているのではありません。
家に帰ってテレビをつけると、故中村勘三郎の追悼番組を放送していました。
 まだ、4・5歳の息子2人に踊りの稽古をつけている場面でした。お兄ちゃんが、カメラに向かってピースサインを出しました。すると「大事な稽古の最中に何をしている!」と頬に平手がとびました。歌舞伎という日本の伝統文化継承の厳しさを垣間見ました。中村勘三郎は、古典と現代劇の融合を図った新しい歌舞伎を創造した人物です。それは子どもの頃からの芸の基本があってこそのものです。抽象画の奇才ピカソの初期の作品は実に写実的なものでした。個性は、基礎基本の上にあるものです。
「群」は「羊のむれ」から生まれた文字です。虎などの強い動物は単独行動ですが、弱い動物は群れ(集団)で互いに助け合って生活します。そこにはルールがあり、そのルールに従わずに単独行動をすると、強い肉食動物の餌食になってしまいます。地球上で最も弱いの動物は、人間かもしれません。だからこそルールが細かく決められています。そのルールを学ぶために幼稚園や保育所、学校があります。そのルールを教える第一責任者は、親です。

2018年12月5日水曜日

花だより ツワブキ 道徳「たすけあう家族」


 2年生の学級で道徳「たすけあう家族」という授業が行われました。
授業のねらいは、◎家族には様々な形があることを知る。◎家庭内における家族の協力を知る。◎自分でできることは進んでやろうとする心を育てる。
 家族にしてもらってうれしいことベスト5をクイズ形式で発表しました。(昔のテレビ番組「クイズ100人に聞きました」のように)「何かを買ってくれる。」は3位にランキングされていました。1位は、「ご飯を作ってくれる。」、2位は「洗濯をしてくれる。」4位は、「掃除をしてくれる。」5位は、「おこづかいをくれる。」でした。
 反対に子どもから家族へ「してあげていること」は、料理の手伝い、米とぎ、茶わんあらい、風呂そうじ、洗濯物をたたむなどがありました。“2年生がこんなことまでするのか?”と感心しました。立派な2年生です。何かをするだけでなく、「勉強をしっかりする」とか、「元気に学校に通う」というのも家族にとって「とてもうれしいこと」という意見も出ました。
「どういう人を家族というのでしょうか?」という問いに、「いっしょに暮らしてくれる人」と答えた子がいました。「いっしょに暮らしている人」ではなく、“くれる人”と言ったところに、すでに家族への感謝の気持ちが込められているように思いました。家族の大切さを改めて知ることができる授業でした。子どもたちは、これまで以上にお手伝いをたくさんしてくれると思います。(平成25年12月北小)

2018年12月4日火曜日

花だより サザンカ 孫が幸せに育つために


  孫が幸せに育つために
 孫におもちゃを買ってやると「子どもが欲しがっていたからといって、買わないでください!」と親から叱られます。じじばばの数少ない楽しみですが、やはりよくないでしょうか?
 今は一人の子どもが、“周囲に6人の財布を持っている”と言われています。両親と、その双方の祖父母の6人です。
 母親は、「ゲームソフトは買わない。」と言っているのに、いつの間にか子どもが持っている。「どうして持っているの?」と聞くと、「おじいちゃんに買ってもらった。」と言う。おじいちゃんに「どうして買うんですか?」と詰め寄ると、「たまにはいいじゃないか、子どもが欲しいと言うんだから」と、「子どもが欲しいと言ったら、何でも買っていいんですか?」と、思わずキレそうになるけれど、そこはふだん面倒を見てもらっている手前、あまり強いことは言えず、グッとがまんする。こういう場合は、どうしたらいいのでしょうか?
 やはり祖父母としては、基本的には親の方針を尊重して欲しいと思います。親が“ダメだ”と言っているのに、子どもに頼まれたからと言って、安易に買い与えているとすれば、それは問題です。
 しかし、祖父母としては、かわいい孫からねだられると、つい喜ぶ顔見たさに買ってしまう気持ちもよくわかります。ですから、孫は欲しいと言ってきたときは、まず、「お父さん、お母さんに聞いてみなさい。」と言うのがいいでしょう。また、親が決めた額以上は買わないとか、特別な日(誕生日、クリスマス、お正月、お祭りなど)のプレゼントにするなどが考えられます。
 クリスマス・お正月が近づいてきました。おじいちゃんおばあちゃんに教えてあげてください。

2018年12月3日月曜日

花だより ハボタン 子どもの好奇心



 子どもの好奇心 
   ちょっと危ないこと、悪いことに興味津々! 
 「1年生くらいの子がうちの庭石(土留めの石)をひっくり返していった。」と学校に電話があり、教頭先生が飛んで行きました。その日のうちに、1年生の男子が謝罪に校長室にやってきました。
 話を聞く生活科の時間、生きものをさがしに出かけたとき、小川の石をどけると虫がいっぱい出てきた。学校に来るとき、大きな石がいくつもあった。こんな大きな石だから、きっとたくさん虫がいるに違いないと思った。でも、一人ではひっくり返せないので、友だちに手伝ってもらってやった。一個やったけど、虫があんまりいなかったから、隣のもやった。元に戻そうと思ったけど、力が足りなかった。~
 好奇心旺盛なことは褒め、「よその家の敷地に入って、石を勝手にひっくり返したことは悪いことだから、きちんと謝ってきなさい。」と言いました。
 私も謝罪に行き、このことを伝えました。既にその子と親が謝りに来たということで、「子どもの頃は、みんなそこら中を走り回って悪さをしたもんさ。」とご立腹の様子はなく、自慢の庭を拝見して帰ってきました。   
 その後すぐこの子は、父親の転勤で九州に転校しました。しばらくして、手紙が届きました。
「こうちょうせんせい、げんきですか。ぼくは、げんきです。あのとき、こうちょうせんせいがあやまりにいってくれたから、ぼくは、そんなにおこられなくてよかったです。ありがとうございました。」この手紙と一緒に母親からも同じような内容の手紙が同封されていました。
 子どもはいろいろな体験を通して成長します。親も子どもと一緒に親として成長します。その手伝いをするのが教師の役目です。“ちょっとお手伝いができたかな?”とこの手紙を読んで思いました。
 子どもは、ちょっと危険なことや悪いことに興味を持ちます。氷がはると滑って危ないと分かっていてもわざと氷の上を歩きます。きれいに整備された公園より、いろいろな物が散在している空き地の方が遊び場として魅力を感じるものですが、善悪の判断をきちんと教えることは、親や教師の役目です。
「叱ること、謝ること、そして、認めること。」が大切です。

2018年12月1日土曜日

花だより エラチオールベコニア 保護者への上から目線を改めよう


  保護者への上から目線を改めよう
                    全国教育文化研究所 重水 健介
 ≪保護者に不満を持つ教師≫
 「みんな同じように指導しているのに、『先生はうちの子だけ叱る』と自分の子どものいうことを鵜呑みにして一方的に苦情を言う親がいる。」こんな相談をよく受けます。確かに保護者の中には、教師の考えを聞こうとせず一方的にクレームを付けたり、教師を困惑させたりする人がいます。
 そういう保護者には、大きく二つの傾向があります。
一つは、学校の出来事をわが子にとって都合の良いように考えてしまう傾向です。教師の意見よりもわが子の言うことを優先する自己中心的な考え方です。
二つめは、「成績が伸びないのは教師の指導に問題がある」というように、自分の子どものマイナス面を教師のせいだとする傾向です。しかも、それを攻撃的な口調や態度で表現する人もいます。
 ≪教師も自分を見なすべきではないか≫
 「子どもを健やかに賢く育てる」という目標は、同じなのに互いに相手を責めていては何も好転しません。保護者に対して腹立たしく感じるトラブルがあっても、まずは一呼吸おくことです。その後で、そうした保護者の言動を招いた原因が教師になかったかを反省すべきではないでしょうか。
 保護者の態度を批判する教師がいます。これは相手も同じです。「先生は、期待する教育をしてくれない。」と考える保護者も多いはずで、お互いさまです。両者が、率直に話し合える関係づくりが先決です。
 まずは教師が保護者に対して
① 専門的態度~教師は教育の専門家、子どもの教育は教師に任せておくべき、保護者はあ
 れこれ口出ししないで黙っていればいいという態度
② 独善的態度~教師は子どものために仕事をしている。保護者は教師のやっていることに
 協力するのは当然だとする自己中心的態度
③ 権力的態度~言葉の語尾を上げて「教えてやっている」と相手を見下ろすように、いか
 にも偉そうだったり、脅迫的であったり、いばった態度
 以上のような態度で保護者に接してこなかったか、問い直すことが大切です。
また、トラブルを避けたいという気持ちから、保護者の要求を全て受け入れてしまう態度は、教師として無責任であり、結局は保護者を軽く見ていることになります。
教師はこのような「上から目線の」態度で接している限り、保護者からの信頼を得ることはできません。無意識のうちに、こうした態度に陥っていないか、教師は自らを問い直すべきだと思います。その上で、保護者と共に自由に意見交換できる対等な協力関係をつくって、教育を進めたいものです。(抜粋、要約:牧野)