家族について考える「理想の家族像」
45年にわたり平穏に暮らしてきた一家にとって、記念すべき年になったに違いない。この秋、「最も長く放送されているテレビアニメ番組」としてギネスの世界記録に認定された「サザエさん」の話である。
3世代7人の大家族が、スマホもテレビゲームもない茶の間のこたつを囲む。今では考えられない設定だか、いつ見てもホッとする。長年高視聴率が続くのも、多くの人が一家を「理想の家族」と見ているからだろう。
今年は家族の在り方を問う司法判断が相次いだ。最高裁は9月に夫婦の子と婚外子でできた子の相続格差は憲法に反するとの決定を出した。今月には、女性から性別を変更した夫を、妻が第三者の精子提供を受けて産んだ子の実父と認めた。
社会変化や生殖医療の進歩でいろんな「家族のかたち」ができているのに、法律が追いつけていないらしい。マスオさんの年齢を過ぎ、波平さんに近づいた世代として、とまどう面はあるが、新たなルールが必要ということだろう。
もうすぐ冬休み。クリスマスやお正月には団らんも増えよう。家族とは何か。この機会にじっくり考えてみてもいいかもしれない。
読売新聞『編集手帳』より(平成25年12月22日)牧野要約
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