NHK大河ドラマ『いだてん』の総集編を見た
人気がないと聞いていたが、実に興味深く、面白く見させてもらった。前回の東京オリンピックは、私は9歳でテレビに釘付けだった当時のことを思い出した。しかし、定番の時代劇ではなく、近現代史を取り上げた意欲作であったが、若干わかりずらく視聴率が低かったのも何となくわかるような気がした。紅白も大河ドラマも数字が取れないとなるとNHKも頭を抱えているだろう。
新しいものを進んで受け入れていくイノベーター(革新者)と、流行に敏感で自ら情報収集を行うアーリーアダプター(初期採用層)というのは、マーケティングの理論では16%くらいしかいない。それ以外の大衆も味方に付けないと、視聴率は取れないという。
次回作は、定番の時代劇に戻り「明智光秀」になる。今は、素人が作るYouTubeを見る人が増えているらしいが、NHKには、視聴率に関係なく質に高い番組をつくってもらいたい。
2019年12月31日火曜日
花だより 『いだてん』総集編 アオキ
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月30日月曜日
花だより 「あれも、これも」の指導がいい ベニベンケイソウ
「あれも、これも」の指導がいい
生徒指導コンサルタント 吉 田 順
◎「あれか、これか」の指導は危険
生徒指導の世界には、よく議論になって相反する指導があります。例えば「“ダメなことはダメ”という指導」とか「毅然とした指導」が不可欠な指導であると考えるのに対して、その指導では息苦しく、否定的な対応になるという考えがあります。似た議論に、「厳しい対応がいいのか、優しい対応がいいのか」「叱る指導か、ほめる指導か」さらに「生徒指導的対応か、カウンセリング的対応か」などというものもあります。これらの議論に迷ったりしていると、指導は場当たり的になり一貫性を失い、やがて学校や学級は崩れていくでしょう。
教育の世界には、「あれか、これか」という迷いはよくあることですが、正解は「あれも、これも」だと思います。ところが議論になると大方「ほめる」「カウンセリング的対応」に軍配が上がりますから不思議です。耳に心地よい言葉が並び、理想的な教育に思えて納得してしまうからです。そのため、ついつい迷ってしまうのです。
◎「あれも、これも」の指導がいい
どのような“場面”で指導したのかが問題なのに、ある場面でうまくいったことが、他の場面にも通じるかのように単純に広げてしまうため迷うのです。
例えば、問題行動が頻発する学校で、ただ褒めたり、カウンセリング的対応ばかりしていたりしても、事態は好転しません。逆に、厳しいだけでも生徒は心を開きませんから、原因への対策も方針も適切には立てられません。このような偏った指導を放置しておいてはいけないのです。
逆の場合もあります。厳しい指導(実際は「校則指導」や「規律指導」に過ぎないのがほとんどですが)をして、いまは落ち着いている学校だとします。すると多くの人が「この状態になったのもこれからのこの状態を維持できるのも、厳しい指導をしてきたからだ」と考えがちです。本当は別の理由で落ち着いてきたのかもしれないのに、人は目に見えるものにとらわれますから、厳しい指導の成果だと思ってしまいます。
こうなると、ますます厳しさに拍車がかかり、校則や規律を守らせることが優先され、厳しい指導をしない教師にはダメな教師のレッテルが貼られます。落ち着いた学校になったのは悪いことではありませんが、問題はここからです。
落ち着いた学校とは、些細な問題なら子どもたち自身で解決できる、大きな問題(例えば「暴力」「授業妨害」「いじめ」など)であれば、教師の指導が通って解決できる学校のことです。問題が一切起こらずに今後も落ち着いた学校現場を維持するなどということは、到底ありえません。
ところが、この厳しい指導だけで落ち着かせていた学校は、既に生徒の心が先生たちから離れていていることが多く、大きな問題が起こったときには指導が通らなくなっています。生徒指導は、その根本に教師と生徒の信頼関係がないとうまくいかないからです。
信頼関係の底流には、例えば「この先生の言うことなら従おう」「この先生には嫌われたくない」などという単純で素朴な感情があります。その感情が教師を尊敬していくことにつながるのですが、それがなくて指導は絶対に通りません。
「校則」や「規律」を優先する指導では、やがてその指導が目的化しますから、生徒の心を掴むことはできず、「暴力」や「授業妨害」などの大きな問題に対応できなくなり、学校は荒れていきます。ですから、「厳しい指導」だけではダメで、生徒から尊敬されるような人間関係をつくるには「あれも、これも」なのです。
◎“一時棚上げ”にして「原因」に迫る
「茶髪禁止」という校則があったとします。心の中では疑問を持ちながら指導をせざるを得ないとします。また、大いに賛成する人もいるでしょう。指導して生徒が簡単に従うのならば問題はありませんが、いずれにしてもそう簡単にはいきません。
この場合は、「ダメなことはダメだ」と茶髪を直させることを最優先するのではなく、一時棚上げにして、まず話を聞きます。茶髪にするのには、必ず原因(理由)がありますから、そこがわからないと的確な指導方針は立てられないからです。
したがって、保護者と相談する必要もありますので、担任だけに任せておいてはいけません。生徒指導部が援助する段階です。
一般的に思春期の子どもたちは「人から認められる」「人から必要とされる」などの欲求が満たされないと、不正常な手段(問題行動など)でそれを満たそうとしますから、正しく満たされる場をつくるのが学校(学級)の役割です。「あれも、これも」の指導に必要な考え方は、この“一時棚上げ”という柔軟な考え方です。しかし、時には曖昧な指導だと批判されたり、別の立場からは「毅然とした指導」ではないと批判されたりします。ですから生徒指導部は、確固たる信念がないと教師集団の合意を得ることができません。
結局、厳しい対応も優しい対応も、叱る指導もほめる指導も、生徒指導的対応もカウンセリング的対応も、みな必要なのです。生徒指導方針は、根底にあるべき教師と生徒の信頼関係を壊したりするようなものではあってはいけない、ということを肝に銘じておいてください。
生徒指導コンサルタント 吉 田 順
◎「あれか、これか」の指導は危険
生徒指導の世界には、よく議論になって相反する指導があります。例えば「“ダメなことはダメ”という指導」とか「毅然とした指導」が不可欠な指導であると考えるのに対して、その指導では息苦しく、否定的な対応になるという考えがあります。似た議論に、「厳しい対応がいいのか、優しい対応がいいのか」「叱る指導か、ほめる指導か」さらに「生徒指導的対応か、カウンセリング的対応か」などというものもあります。これらの議論に迷ったりしていると、指導は場当たり的になり一貫性を失い、やがて学校や学級は崩れていくでしょう。
教育の世界には、「あれか、これか」という迷いはよくあることですが、正解は「あれも、これも」だと思います。ところが議論になると大方「ほめる」「カウンセリング的対応」に軍配が上がりますから不思議です。耳に心地よい言葉が並び、理想的な教育に思えて納得してしまうからです。そのため、ついつい迷ってしまうのです。
◎「あれも、これも」の指導がいい
どのような“場面”で指導したのかが問題なのに、ある場面でうまくいったことが、他の場面にも通じるかのように単純に広げてしまうため迷うのです。
例えば、問題行動が頻発する学校で、ただ褒めたり、カウンセリング的対応ばかりしていたりしても、事態は好転しません。逆に、厳しいだけでも生徒は心を開きませんから、原因への対策も方針も適切には立てられません。このような偏った指導を放置しておいてはいけないのです。
逆の場合もあります。厳しい指導(実際は「校則指導」や「規律指導」に過ぎないのがほとんどですが)をして、いまは落ち着いている学校だとします。すると多くの人が「この状態になったのもこれからのこの状態を維持できるのも、厳しい指導をしてきたからだ」と考えがちです。本当は別の理由で落ち着いてきたのかもしれないのに、人は目に見えるものにとらわれますから、厳しい指導の成果だと思ってしまいます。
こうなると、ますます厳しさに拍車がかかり、校則や規律を守らせることが優先され、厳しい指導をしない教師にはダメな教師のレッテルが貼られます。落ち着いた学校になったのは悪いことではありませんが、問題はここからです。
落ち着いた学校とは、些細な問題なら子どもたち自身で解決できる、大きな問題(例えば「暴力」「授業妨害」「いじめ」など)であれば、教師の指導が通って解決できる学校のことです。問題が一切起こらずに今後も落ち着いた学校現場を維持するなどということは、到底ありえません。
ところが、この厳しい指導だけで落ち着かせていた学校は、既に生徒の心が先生たちから離れていていることが多く、大きな問題が起こったときには指導が通らなくなっています。生徒指導は、その根本に教師と生徒の信頼関係がないとうまくいかないからです。
信頼関係の底流には、例えば「この先生の言うことなら従おう」「この先生には嫌われたくない」などという単純で素朴な感情があります。その感情が教師を尊敬していくことにつながるのですが、それがなくて指導は絶対に通りません。
「校則」や「規律」を優先する指導では、やがてその指導が目的化しますから、生徒の心を掴むことはできず、「暴力」や「授業妨害」などの大きな問題に対応できなくなり、学校は荒れていきます。ですから、「厳しい指導」だけではダメで、生徒から尊敬されるような人間関係をつくるには「あれも、これも」なのです。
◎“一時棚上げ”にして「原因」に迫る
「茶髪禁止」という校則があったとします。心の中では疑問を持ちながら指導をせざるを得ないとします。また、大いに賛成する人もいるでしょう。指導して生徒が簡単に従うのならば問題はありませんが、いずれにしてもそう簡単にはいきません。
この場合は、「ダメなことはダメだ」と茶髪を直させることを最優先するのではなく、一時棚上げにして、まず話を聞きます。茶髪にするのには、必ず原因(理由)がありますから、そこがわからないと的確な指導方針は立てられないからです。
したがって、保護者と相談する必要もありますので、担任だけに任せておいてはいけません。生徒指導部が援助する段階です。
一般的に思春期の子どもたちは「人から認められる」「人から必要とされる」などの欲求が満たされないと、不正常な手段(問題行動など)でそれを満たそうとしますから、正しく満たされる場をつくるのが学校(学級)の役割です。「あれも、これも」の指導に必要な考え方は、この“一時棚上げ”という柔軟な考え方です。しかし、時には曖昧な指導だと批判されたり、別の立場からは「毅然とした指導」ではないと批判されたりします。ですから生徒指導部は、確固たる信念がないと教師集団の合意を得ることができません。
結局、厳しい対応も優しい対応も、叱る指導もほめる指導も、生徒指導的対応もカウンセリング的対応も、みな必要なのです。生徒指導方針は、根底にあるべき教師と生徒の信頼関係を壊したりするようなものではあってはいけない、ということを肝に銘じておいてください。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月29日日曜日
花だより クレーム対応(2) ホオズキ ロウバイ
クレーム対応 続き
2 「納得」を目指すのではなく「要求を断りあきらめさせる」
前回の点を踏まえれば、保護者の要求が、学校が法律上すべきことを超えている場合は、学校としてもできる範囲での対応になることを伝えることが必要です。
「学校はすべてを解決しなければならない」とか「教員は時間外も生徒や保護者に対応しなければならない」という考えは成り立たないことを保護者に伝え、理解させる必要があります。
そのうえで、学校ができる範囲で教育上の配慮をしても保護者が納得しない場合は、それ以上の対応を断ることが必要です。
学校の現場では、なんとかモンスターペアレントをなだめようと、納得、了解を得るために、場合によっては教員が本来の筋を曲げて対応してしまうということがみられます。しかし、モンスターペアレントの対応では、「納得・了解」をゴールとして目指すべきではなく、「要求を断りあきらめさせる 」ことをゴールにすることが、正しい対応の基本になります。
3 組織として対応する仕組みをつくる
モンスターペアレントに対する対応で、もう1つ重要なことは、度を越えた要求については組織として対応する環境を作っておくことです。
以下でこの点についてご説明します。
保護者からのクレーム対応の現場では、以下の点が問題になります。
① 「法律上すべきこと」と「教育上すべきこと」の切り分け・判断
② 「教育上すべきこと」について何をどこまでやるかの判断
③ モンスターペアレントかそれとも保護者の正当な要望かの判断
④ モンスターペアレントの要求を断りあきらめさせるための伝え方、対応方法
これらの点について、教員個人に判断をまかせてしまうと、モンスターペアレントの要求に応じて誤った判断をしてしまったり、あるいは対応に苦慮して疲弊してしまうといった問題が起こります。
そのため、学校としては、モンスターペアレントに対して組織として対応するということを職場内で明確にすることがまず必要です。
実際にモンスターペアレントに対応する窓口は担任や学年主任とすることが適切なことが多いですが、その場合でも職員会議で情報を共有し、対応を決めるなどして、窓口となる教員をサポートする体制が必要です。
また、保護者を説得し納得させられないことは必ずしも教員の力量不足を意味するわけではないということも職場内でメッセージとして伝えることが必要です。
4 弁護士に相談できる環境を作る
さらに、モンスターペアレントの対応において判断を誤らないためには、判断に迷ったとき、困ったときはいつでも弁護士に相談できる環境を作っておくことが必須です。
法的な判断とクレーム対応に精通した弁護士に相談することで、具体的な場面について対応するべき内容が明確になります。
また、学校のみでは対応できない場合は、弁護士にモンスターペアレントの対応を依頼することも可能です。
保護者に対して弁護士から説明をすることで、保護者に自分の要求が法律上通らないことを理解させることができるのです。
2 「納得」を目指すのではなく「要求を断りあきらめさせる」
前回の点を踏まえれば、保護者の要求が、学校が法律上すべきことを超えている場合は、学校としてもできる範囲での対応になることを伝えることが必要です。
「学校はすべてを解決しなければならない」とか「教員は時間外も生徒や保護者に対応しなければならない」という考えは成り立たないことを保護者に伝え、理解させる必要があります。
そのうえで、学校ができる範囲で教育上の配慮をしても保護者が納得しない場合は、それ以上の対応を断ることが必要です。
学校の現場では、なんとかモンスターペアレントをなだめようと、納得、了解を得るために、場合によっては教員が本来の筋を曲げて対応してしまうということがみられます。しかし、モンスターペアレントの対応では、「納得・了解」をゴールとして目指すべきではなく、「要求を断りあきらめさせる 」ことをゴールにすることが、正しい対応の基本になります。
3 組織として対応する仕組みをつくる
モンスターペアレントに対する対応で、もう1つ重要なことは、度を越えた要求については組織として対応する環境を作っておくことです。
以下でこの点についてご説明します。
保護者からのクレーム対応の現場では、以下の点が問題になります。
① 「法律上すべきこと」と「教育上すべきこと」の切り分け・判断
② 「教育上すべきこと」について何をどこまでやるかの判断
③ モンスターペアレントかそれとも保護者の正当な要望かの判断
④ モンスターペアレントの要求を断りあきらめさせるための伝え方、対応方法
これらの点について、教員個人に判断をまかせてしまうと、モンスターペアレントの要求に応じて誤った判断をしてしまったり、あるいは対応に苦慮して疲弊してしまうといった問題が起こります。
そのため、学校としては、モンスターペアレントに対して組織として対応するということを職場内で明確にすることがまず必要です。
実際にモンスターペアレントに対応する窓口は担任や学年主任とすることが適切なことが多いですが、その場合でも職員会議で情報を共有し、対応を決めるなどして、窓口となる教員をサポートする体制が必要です。
また、保護者を説得し納得させられないことは必ずしも教員の力量不足を意味するわけではないということも職場内でメッセージとして伝えることが必要です。
4 弁護士に相談できる環境を作る
さらに、モンスターペアレントの対応において判断を誤らないためには、判断に迷ったとき、困ったときはいつでも弁護士に相談できる環境を作っておくことが必須です。
法的な判断とクレーム対応に精通した弁護士に相談することで、具体的な場面について対応するべき内容が明確になります。
また、学校のみでは対応できない場合は、弁護士にモンスターペアレントの対応を依頼することも可能です。
保護者に対して弁護士から説明をすることで、保護者に自分の要求が法律上通らないことを理解させることができるのです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月28日土曜日
花だより クレーマー対応 カトレア ホオズキ
弁護士からのアドバイスです。
クレーマー対応の4つのポイント
1 「法律上すべきこと」と「教育上すべきこと」は明確にわける
モンスターペアレントの対応では、「学校が法律上しなければならないこと」と、「教育上すべきこと」(より正確には「教育上したほうがよいこと」)をわけて考える必要があります。
例えば、子供同士のけんかについて、けがをした子供の親から学校に対して、相手の子供や保護者に対する面会の場を設定することを求めてきたケースを考えてみましょう。
「教育上すべきかどうか」という観点で考えれば、上記のようなケースでは、学校として面会の場を設定したうえで、問題が解決するまで我慢強く対応するべきということになります。
問題があった子供に反省させ、また保護者からも学校の指導について理解を得ることが望ましいともいえるでしょう。
しかし、それでは、多大な時間を割かざるを得ず、他の必要な業務に支障が出ることは避けられません。しかも、最近では学校が辛抱強く対応しても納得せずに、かえって学校側の対応が悪いなどとして、保護者が学校に非難の矛先を向けてくるケースも増えています。
この問題の解決のカギは、「教育上すべきかどうか」という観点をいったんおいて、「学校が法律上しなければならないかどうか 」という観点から考え直すことです。
(1)学校が法津上しなければならないこととは?
例えば、子供同士のけんかについては、小学5年生の自習時間中のけんかについて学校の責任を否定した福岡地方裁判所平成元年8月29日判決が参考になります。
この判決は、まず「小学校の校長や担任教諭らには児童の安全について万全を期すべき義務がある」としたうえで、しかし、「その義務の範囲は、学校における教育活動及びこれと密接に関連する学校生活関係に限定される」としています。そして、「特に生徒間事故において校長らの具体的な安全保持義務が生ずるのは、事故発生の危険性を具体的に予見することが可能であるような特段の事情がある場合に限られる」としています。
つまり、校内のけんかであっても、学校には原則として法的責任はありません。
学校の責任が発生するのは、けんかが発生することが当然予想されるのに学校がなにもしなかったような特別なケースに限られます。
判例の立場を踏まえれば、少なくとも、法的には、学校が被害者と加害者の面会の場を設定したり、保護者からの理解が得られるまで、長時間、保護者に対応する責任はないことがわかります。
(2)「教育上すべきこと」については学校の裁量がある
もちろん、学校の運営は、法律上すべきことをやっていれば足りるわけではなく、「教育上すべきこと」についてはできる限り対応するべきであり、それこそが教員の本分ともいえるでしょう。
しかし、「教育上すべきこと」については、以下の点で、「法律上すべきこと」と違いがあります。
この考え方は、けんかの例だけでなく、いじめの調査や、担任による指導に対するクレームの場面でも同様にあてはまります。
「学校が法律上すべきこと」と、「教育上すべきこと」をわけたうえで、「教育上すべきこと」についてはどこまでやるか、何をやるかは学校側の判断であるという考え方をしっかりおさえて対応する必要があります。(明日に続く)
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月27日金曜日
花だより おまえなんか部活をやめろ! ナンテン クリスマスベコニア
あのときの生徒指導 これで良かったのか?
~部活動をやめさせてしまった~
≪事 例≫
「おまえなんか部活をやめろ!」とテニスコートでA子に叫んだのは、2学期の末でした。学習意欲もなく授業態度も悪いA子。それでも運動能力は高い彼女にとって唯一の居場所が部活動だったと顧問の私の指導にはどうにか従っていたことはわかっていました。しかし、いじめのような他の部員とのトラブルは部全体に悪影響を与えていました。
それからA子は練習に顔を出さなくなり、不登校になりました。その後万引きをして警察に捕まりました。恵まれない家庭環境とも関係があったのでしょう。あのとき退部を迫ったことがA子を追い込んだのでしょうか。
*あなたならどうしますか?
◎こうすれば良かった指導
▼部活動を私物化しない
部活動の運営は顧問に委ねられています。ときに顧問の指導の熱心さが暴走して「力の支配」を招いたり、顧問のさじ加減ひとつで運営が左右され「部活の私物化」にもつながりかねないことを意味します。
A子に退部を迫ったとき、どこかに「勝利を目指している『俺の部活』だから、それを邪魔する者は俺の判断で辞めさせる」という意識がなかったか。誰のための部活動なのかを考えないまま、「やめろ」と叫んでいなかっただろうか。「この部は部員のためにある」という冷静な判断はできなかったのだろうか。
▼排除の論理につなげない
校内暴力が吹き荒れた80年代に「腐ったミカンは周囲のミカンも腐らせる」として、「荒れ」を主導する生徒を学校から排除する論理がまかり通り、批判を浴びた。混乱収拾のためにA子を退部させたことは、この排除の論理と何も違わない。家庭環境から考えて、スポーツに触れられる機会は学校以外にはなかったし、部活は運動能力の高いA子にとって唯一自己肯定できる場だったであろう。「やめろ」の前に、厳しく接しながらも成長を持つ解決方法を模索すべきだった。
▼部員同士の解決力に期待する
部活動という凝集性が高い集団だから、A子も交えた話し合いの場や相互の言い分を聞く機会を設定し、部員同士で関係を修復していく力を期待してもよかったかもしれない。
ただし、その実現のためには、練習方法・作戦・選手起用などに日常的に部員を参加させていくような顧問の日頃の指導の在り方が問われる。
(月刊「生徒指導」11月号)
~部活動をやめさせてしまった~
≪事 例≫
「おまえなんか部活をやめろ!」とテニスコートでA子に叫んだのは、2学期の末でした。学習意欲もなく授業態度も悪いA子。それでも運動能力は高い彼女にとって唯一の居場所が部活動だったと顧問の私の指導にはどうにか従っていたことはわかっていました。しかし、いじめのような他の部員とのトラブルは部全体に悪影響を与えていました。
それからA子は練習に顔を出さなくなり、不登校になりました。その後万引きをして警察に捕まりました。恵まれない家庭環境とも関係があったのでしょう。あのとき退部を迫ったことがA子を追い込んだのでしょうか。
*あなたならどうしますか?
◎こうすれば良かった指導
▼部活動を私物化しない
部活動の運営は顧問に委ねられています。ときに顧問の指導の熱心さが暴走して「力の支配」を招いたり、顧問のさじ加減ひとつで運営が左右され「部活の私物化」にもつながりかねないことを意味します。
A子に退部を迫ったとき、どこかに「勝利を目指している『俺の部活』だから、それを邪魔する者は俺の判断で辞めさせる」という意識がなかったか。誰のための部活動なのかを考えないまま、「やめろ」と叫んでいなかっただろうか。「この部は部員のためにある」という冷静な判断はできなかったのだろうか。
▼排除の論理につなげない
校内暴力が吹き荒れた80年代に「腐ったミカンは周囲のミカンも腐らせる」として、「荒れ」を主導する生徒を学校から排除する論理がまかり通り、批判を浴びた。混乱収拾のためにA子を退部させたことは、この排除の論理と何も違わない。家庭環境から考えて、スポーツに触れられる機会は学校以外にはなかったし、部活は運動能力の高いA子にとって唯一自己肯定できる場だったであろう。「やめろ」の前に、厳しく接しながらも成長を持つ解決方法を模索すべきだった。
▼部員同士の解決力に期待する
部活動という凝集性が高い集団だから、A子も交えた話し合いの場や相互の言い分を聞く機会を設定し、部員同士で関係を修復していく力を期待してもよかったかもしれない。
ただし、その実現のためには、練習方法・作戦・選手起用などに日常的に部員を参加させていくような顧問の日頃の指導の在り方が問われる。
(月刊「生徒指導」11月号)
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月25日水曜日
花だより 生協の掲示板 クリスマスローズ
~学校評価についての所感~
佐藤教育長の「徒然なるままに」から
今、学校現場でも役所でも、そして企業活動においても「情報公開」というものがその組織の透明性や明瞭性等々を視る判断基準の一つとして厳しく問われています。世の中の一つだと思いますが、言うは易く行うは難しいものです。我々が経験している狭い範囲だけで「モノ」を見つめ、既得権益の視点で陰に篭ってしまうと、全体的、将来的にプラスにならない場合が多いと考えた方がよいでしょう。他の視点から客観的に批評され、己の姿を治すのはなかなか辛いことではありますが、少々痛い思いや辛いことでも、人の世のことです。
冷静な客観性を持った批判であれば、大なり小なり何時かは双方向に良き結果が出ると思うのです。
《生協の掲示板(お客様からのご意見)》
~レジの子の態度が悪い。チャラチャラしている。化粧が濃い、ネールしてレジが打てるのか?~
こんなことにも店長さんは、「お客様に不快を与えてしまいましたことに深くお詫び申し上げます。(以下略)」と答え、掲示板に貼ってありました。さらに店長さんは、こう続けていました。
“生協は、正式には「生活協同組合」といい、一人ひとりがお金(出資金)を出し合い、みんなで利用、運営しながら暮らしを向上させていく、消費者自身の組織です。だからこそ会員の声、お客様の声には真摯に向き合うのです。こんなことまでオープンにしてとお思いでしょうが、こうすることで会員、お客様から信頼されていると思っています。”
学校評価にもつながると思いませんか?
佐藤教育長の「徒然なるままに」から
今、学校現場でも役所でも、そして企業活動においても「情報公開」というものがその組織の透明性や明瞭性等々を視る判断基準の一つとして厳しく問われています。世の中の一つだと思いますが、言うは易く行うは難しいものです。我々が経験している狭い範囲だけで「モノ」を見つめ、既得権益の視点で陰に篭ってしまうと、全体的、将来的にプラスにならない場合が多いと考えた方がよいでしょう。他の視点から客観的に批評され、己の姿を治すのはなかなか辛いことではありますが、少々痛い思いや辛いことでも、人の世のことです。
冷静な客観性を持った批判であれば、大なり小なり何時かは双方向に良き結果が出ると思うのです。
《生協の掲示板(お客様からのご意見)》
~レジの子の態度が悪い。チャラチャラしている。化粧が濃い、ネールしてレジが打てるのか?~
こんなことにも店長さんは、「お客様に不快を与えてしまいましたことに深くお詫び申し上げます。(以下略)」と答え、掲示板に貼ってありました。さらに店長さんは、こう続けていました。
“生協は、正式には「生活協同組合」といい、一人ひとりがお金(出資金)を出し合い、みんなで利用、運営しながら暮らしを向上させていく、消費者自身の組織です。だからこそ会員の声、お客様の声には真摯に向き合うのです。こんなことまでオープンにしてとお思いでしょうが、こうすることで会員、お客様から信頼されていると思っています。”
学校評価にもつながると思いませんか?
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月24日火曜日
花だより 24時間教員休業のススメ ポインセチア シャコサボテン
24時間教員休業のススメ
臨床心理士・公認心理士 井上 麻紀(教職員の職域病院勤務)
一人でも多くの先生方が、幸せと感じる人生を歩くお手伝いをしたい。
具体的にどうやって「24時間教員」をやめるのか、そのヒントをお伝えします。だまされたつもりで、今日から試してください。
≪休みの日をつくる≫
土曜日・日曜日のうちの一日は、仕事から離れる日を持ちましょう。この日は仕事をしない勇気を持つことも時には必要です。学校という同じ人間関係の中だけにいると、同じ役割を担うため、視野が狭くなり、思いつめやすくなります。
休みの日は、全く違ったことをしてみましょう。何をするか迷ったら、仲のよい、あるいは仲のよかった友だちに連絡してみましょう。子育て中や介護中の方は、一日、いえ半日だけでも、親・配偶者、公的サービス機関に任せて、ゆっくりする時間を持ちましょう。
≪帰宅したら「ただの人」に戻る≫
仕事を持ち帰らないと回らない場合もありますが、いったん帰宅したら、例えば「ただの娘」「ただの息子」「ただの母」「ただの父」に戻る、というイメージでいましょう。家庭によって娘・息子・母・父に期待されるイメージは違いますが、とりあえず「今日の教員はおしまいです」という感覚は、意外と役に立ちます。
緊急時以外は、仕事の連絡を受けても「ただの人」に戻った状態で気持ち的にはほどほどに対応するのがメンタルヘルスを保つ秘訣です。
≪自分に戻れる時間・空間・人を確保する≫
自分が弱音を吐けて、心地よいと感じる人間関係を求めましょう。身近にいない人は、「お話をうかがう専門家(心理士・SC)」のメンタル相談にお越しになるか、あるいは気軽に電話相談を利用するのもおすすめです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月22日日曜日
花だより 「郷に入っては郷に従え」は通用しない! ポインセチア ユズ
「郷に入っては郷に従え」は通用しない!
《差別なんかしません! そもそも考え方が違う?》
カナダ人(フランス系)のお父さんと日本人のお母さんを持つ女の子が入学することになりました。
“ハーフということで「いじめ」に合うのではないか”と心配した父親が学校に相談に来ました。
「髪の毛や目、肌の色が違うことで差別はしません。そんなことは関係ありません。他の子といっしょに扱いますので、ご心配なく…。」と説明してもなかなか納得しません。最初は、日本語がよく分からないからと思ったのですが、よく話し合っていくうちに考え方が違うことに気づきました。
「うちの子は、他の子と違うんだからそれをまず認めてください。カナダは、ヨーロッパ系でもフランス人もいれば、イタリア人、ドイツ人もいるし、アフリカ系の人もいれば、アジア系の人、様々な人種で成り立っている国なのです。だからカナダの教育は、それぞれの違いを認めることからはじまる。うちの子は、日本の子とは違うし、私もカナダ人で日本人とは違うから、考え方も違います。それをきちんと認めて欲しい。」と言うのです。
外国の人は、自分の考えをしっかり主張します。“郷に入っては郷に従え”という日本人的な考えは通用しません。中国人や韓国人は、外見は日本人と似ていますが、考え方(思想)は、だいぶ違うように思います。外交交渉が難しいのはよく分かります。グローバルな社会で生きていくためには(わかり合うためには)、互いの違いを認めることから始めないといけないのです。男女の関係もそうです。男と女はそもそも違います。その違いを認め合うことが大切です。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月21日土曜日
花だより 風邪をひいたとき シクラメン ユズ
《お互い様》
子どもが風邪をひいたとき、学校に行かせる親とそれを非難する親
風邪をひいたときにするマスクには3つの効果があるそうです。
一つは、人から風邪をうつされないため 二つ目は、人に風邪をうつさないため 三つ目は、マスクをすることによって「わたしは風邪をひいています。」と回りの人に知らせるためです。
「風邪をひいている子どもを学校に来させるな」と言ってくる親がいます。自分の子に風邪をうつされたくないからです。一方で「子どもは熱があるのですが、私は仕事に行かなければならないので、学校に行かせますからよろしく」と電話を掛けてくるお母さんもいます。“学校で何とか看病して下さい”ということなのでしょうか。でも、電話してくるお母さんは、まだいい方です。熱でふらふらしているのに学校に来る子もいます。電話をして迎えに来てもらおうとしても家族が留守。ということがよくあります。
自分の立場だけを主張して、責任を人に押しつけてしまっているようです。言えば学校が何とかしてくれるだろうということなのでしょうが、それを考えるのは学校ではありません。それぞれの家庭で考えることです。
子どもたちは、先生も含めて集団生活をしているのですから、風邪をうつしたりうつされたりすることは「おたがいさま」でやむを得ないことです。そうやって免疫力を高め風邪をひきにくい体をつくっていくわけですから、悪いことばかりではありません。みんなおたがいさまなのだと考え、ちょっとだけ相手の立場に立って考えてみることができないでしょうか。
子どもが風邪をひいたとき、学校に行かせる親とそれを非難する親
風邪をひいたときにするマスクには3つの効果があるそうです。
一つは、人から風邪をうつされないため 二つ目は、人に風邪をうつさないため 三つ目は、マスクをすることによって「わたしは風邪をひいています。」と回りの人に知らせるためです。
「風邪をひいている子どもを学校に来させるな」と言ってくる親がいます。自分の子に風邪をうつされたくないからです。一方で「子どもは熱があるのですが、私は仕事に行かなければならないので、学校に行かせますからよろしく」と電話を掛けてくるお母さんもいます。“学校で何とか看病して下さい”ということなのでしょうか。でも、電話してくるお母さんは、まだいい方です。熱でふらふらしているのに学校に来る子もいます。電話をして迎えに来てもらおうとしても家族が留守。ということがよくあります。
自分の立場だけを主張して、責任を人に押しつけてしまっているようです。言えば学校が何とかしてくれるだろうということなのでしょうが、それを考えるのは学校ではありません。それぞれの家庭で考えることです。
子どもたちは、先生も含めて集団生活をしているのですから、風邪をうつしたりうつされたりすることは「おたがいさま」でやむを得ないことです。そうやって免疫力を高め風邪をひきにくい体をつくっていくわけですから、悪いことばかりではありません。みんなおたがいさまなのだと考え、ちょっとだけ相手の立場に立って考えてみることができないでしょうか。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月20日金曜日
花だより 冬休み注意すること アロマ シクラメン
《冬休みの生活》 こんなときどうしますか?
「お母さん、今日○○ちゃんと家で遊んでいい?」とお子さんが言ってきたらどうしますか?また、こうしたときのルールを決めていますか?
親が留守の家で、子ども同士遊んでいて、勝手に冷蔵庫を開けて、飲み食いしたりしていないでしょうか? 学校での指導というより、これは家庭のしつけの問題です。「でも、そのことを注意して、うちの子がいじめられたり、仲間はずれにされたら…、と思うとなかなか言えない。」と言う保護者の方もいらっしゃいますが、よその子でも、悪いことはきちんと叱らないとダメです。
冬季間は、どうしても家の中で遊ぶことが多くなります。勝手気ままな行動を慎ませましょう。「うちはうちだから…。」というルールは、みんなが迷惑します。
クリスマス商戦
子どもたちにとって、ゲーム機や新しいゲームソフトが手が入り、冬休みは、ゲーム三昧の夢のような日々が待っています。しかし、みんながみんなが欲しいものが手に入るととは限りません。「あそこの家は、新しいソフトがいっぱいあるし、ゲームをやってもうるさく言わないし、それにWi-Fiもあるから、やりたい放題だ!」とターゲットにならないように注意しましょう。
「お母さん、今日○○ちゃんと家で遊んでいい?」とお子さんが言ってきたらどうしますか?また、こうしたときのルールを決めていますか?
親が留守の家で、子ども同士遊んでいて、勝手に冷蔵庫を開けて、飲み食いしたりしていないでしょうか? 学校での指導というより、これは家庭のしつけの問題です。「でも、そのことを注意して、うちの子がいじめられたり、仲間はずれにされたら…、と思うとなかなか言えない。」と言う保護者の方もいらっしゃいますが、よその子でも、悪いことはきちんと叱らないとダメです。
冬季間は、どうしても家の中で遊ぶことが多くなります。勝手気ままな行動を慎ませましょう。「うちはうちだから…。」というルールは、みんなが迷惑します。
クリスマス商戦
子どもたちにとって、ゲーム機や新しいゲームソフトが手が入り、冬休みは、ゲーム三昧の夢のような日々が待っています。しかし、みんながみんなが欲しいものが手に入るととは限りません。「あそこの家は、新しいソフトがいっぱいあるし、ゲームをやってもうるさく言わないし、それにWi-Fiもあるから、やりたい放題だ!」とターゲットにならないように注意しましょう。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月18日水曜日
花だより 粋で素敵な年賀状 もう書きましたか? フタバアオイ ユズ
粋で素敵な年賀状 もう書きましたか?
近頃は、年賀状の是非論もあり、単なる儀礼と考えてやめる人も多いようです。
江戸商人たちが真っ先に送った先は、取引で思わしくなかった人やトラブルのあった人など、気まずい思いをした人たちだったそうです。なかなか出来ないことを、たじろがずに出す勇気、不穏な状態になったときの決断力!人情味のある江戸商人たちのこうした真の優しさこそ、粋で素敵なしぐさです。
最近は、家族の写真入りの年賀状をパソコンで作るのが多くなり、手書きする人はめっきり少なくなりました。そういう私も表書きもパソコンでやるようになりました。普段疎遠にしている人だからこそ、一言添えて、互いの安否を気遣い、新年の言祝ぎとその喜びを交わしたいものです。年賀状はお早めに、JPからのお願いです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月17日火曜日
花だより お父さん、ありがとう カンギク ビワ
~お父さん、ありがとう~
最近の家庭では父親の存在感がありません。原因の一つは、給料の振り込みにあると指摘する人がいます。お金の流れが子どもに見えないのです。お父さんが会社に行くこととお母さんが銀行でお金を引き出すことが直接結びつかないのです。そういうわけで父親の存在感は希薄になっていくばかりです。
これでは「いかんな」ということで、両親が相談してお金を引き出しはお父さんがするようにした家庭があります。お父さんが引き出してお母さんに手渡すのです。そのつど、お母さんが「いつもご苦労さま」と言います。
それだけのことですが、子どもにとって父親ががんばっているからお金が入ってくるんだということが実感できます。そして、お母さんが感謝している、ぼくも感謝しなければ、という気持ちが自然に芽生えてくるのです。家族の中にも感謝のこころはあるべきでしょう。そういう家庭なら「ありがとう」ということばが自然なかたちで行き交うことになるでしょう。
お母さんが料理を出してくれれば、お父さんが「うん、ありがとう。」
子どもが新聞を取ってくれば、お父さんもお母さんも「ありがとう。」
「ありがとう」と言い合える家庭は、風通しのいい清々しい家庭です。その子どもは社会に出て行っても、人の好意に自然に「ありがとう」と言える子になります。ポイントが高くなるということでしょう。決してその子にとってマイナスになることではありません。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月15日日曜日
花だより とりあえず“ビール”
とりあえず“ビール” なぜ若者は「うざい」という感じを持つのか?
人と人との関係をわずらわしく思う若者たちが増えています。若い人たちがよく使う「うざい」という言葉が若い人たちのそういう気持ちをよく表しているようです。「うざい」とは「うざったい」が縮まった言葉で、「わずらわしい」、「面倒くさい」といった形容詞です。なぜ、若者たちは人間関係でそんなにも「わずらわしい」を連発しているのでしょうか。わたしなどからすれば、人と人の関係は昔の方がもっとわずらわしかったと思います。子どものやることに口を出す大人はたくさんいました。警察官も今よりずっといばっていました。先生も恐かったし、父親も恐かった。個人のプライバシーを守るという考え方がありませんでしたから、人間関係のわずらわしさを逃れて一人になるということができませんでした。人間関係は今よりずっと濃密でしたが、それでわずらわしさを感じることはありませんでした。もしかしたら、濃密な人間関係にある種の免疫ができあがっていて、わずらわしさを感じなくなっていたのかもしれません。「うざい」と言われようが、遠慮することなくやかましく口を出すことです。
忘年会シーズンですが、上司と酒を飲みたがらない若者が増えているそうです。とりあえずビールではなく、自分の飲みたいお酒を頼む。お酌はしない。お酒自体飲まない。飲むなら気のあった友人同士で飲みたい。これも全て「うざい」=「わずらわしい」と思うのでしょうか?
人と人との関係をわずらわしく思う若者たちが増えています。若い人たちがよく使う「うざい」という言葉が若い人たちのそういう気持ちをよく表しているようです。「うざい」とは「うざったい」が縮まった言葉で、「わずらわしい」、「面倒くさい」といった形容詞です。なぜ、若者たちは人間関係でそんなにも「わずらわしい」を連発しているのでしょうか。わたしなどからすれば、人と人の関係は昔の方がもっとわずらわしかったと思います。子どものやることに口を出す大人はたくさんいました。警察官も今よりずっといばっていました。先生も恐かったし、父親も恐かった。個人のプライバシーを守るという考え方がありませんでしたから、人間関係のわずらわしさを逃れて一人になるということができませんでした。人間関係は今よりずっと濃密でしたが、それでわずらわしさを感じることはありませんでした。もしかしたら、濃密な人間関係にある種の免疫ができあがっていて、わずらわしさを感じなくなっていたのかもしれません。「うざい」と言われようが、遠慮することなくやかましく口を出すことです。
忘年会シーズンですが、上司と酒を飲みたがらない若者が増えているそうです。とりあえずビールではなく、自分の飲みたいお酒を頼む。お酌はしない。お酒自体飲まない。飲むなら気のあった友人同士で飲みたい。これも全て「うざい」=「わずらわしい」と思うのでしょうか?
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月13日金曜日
花だより 腰 痛 ヤツデ
北海道教育大学の神林教授(運動生理学)は、「20歳になるまでに全身持久力をある程度付けないと、将来生活習慣病にかかりやすいとされている。知力、体力をバランス良く育む施策を講じるべきだ。」と指摘しています。
▼△▼腰 痛▼△▼
~長時間教壇に立つ方々にとって、腰痛は職業病とも言われています。歩行なしで立っている状態は、実はとても腰に負担がかかる姿勢なのです。運動不足で筋肉が弱ったり、加齢に伴い椎間板などの弾力性が低下したりするとも腰痛の要因となります。~
私も腰痛で苦しんでいます。原因は運動不足(脚力、腹筋、背筋が弱ってきている)であることは自覚しています。春から夏にかけては、徒歩通勤でしたが、寒くなってきてからは車で来るようになり、デスクワークが続いたのが原因です。
子どもたちには「寒くても外で元気で遊びましょう!」と行っておきながら、自分がこれです。冬になっても、早朝からさっそうとウォーキングをしているお年寄りをたくさん見かけます。体力は、子どもや大人よりお年寄りの方があるかもしれません。
特に北海道は、冬場に運動が制限されることやテレビ視聴時間やゲームの長さが影響しているのではないかと言われています。今の小学生は、昔に比べて一日に1万歩近く歩いていないという調査結果があるそうです。週3時間の体育を6時間にすることはできません。「遊び時間を増やしてぇ~!」と頼まれますが、休み時間を今の倍にすることも現実的に不可能です。まずは、登下校は歩く、冬休みは、家に閉じこもっていないでスキー、スケートなど冬のスポーツを励むことを勧めます。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月12日木曜日
花だより なぜ幼稚園に入れるか? マンリョウ
孫が幸せに育つために 幼稚園のお遊戯会
ある町のある幼稚園のお遊戯会に行ってきました。衣装、小道具、メイク、ヘヤーメイクなど、親の力の入れ方が半端ではありません。観客の半数以上は祖父母で、目を細めて観ていました。
出演する子にマイクを向けると「ぼくは、〇組の〇〇です。」ときちんという子もいれば、中には、恥ずかしく黙り込んでしまう子、おだって怒鳴り声で言う子とさまざま。それを見て、また観客席が盛り上がります。おだつ子は、遊戯もめちゃくちゃで好き勝手なことをして、舞台中走り回っていました。
「親は、さぞかし恥ずかしい思いをしているだろう?」と思うと、そうでもない。
「うちの子、目立っているしょ。なかなかやるじゃん!」お友達のお母さんも「〇〇ちゃんは、個性的でいいよね。あれぐらいじゃないと…。」とあおり立てる。
休憩時間、「〇〇、バッチリ!うけてたよ。よかった。最高!」と子どもを褒める。その子は得意になって、またおだちはじめました。
そもそもなぜ幼稚園に入れるのでしょうか?
幼稚園教育のねらいには、◎社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。◎友達と一緒に遊びや仕事を進める楽しさを知る。◎友達とのかかわりの中で言ってはいけないことやしてはいけないことがあることに気付く。◎友達と楽しく生活する中できまりの大切さに気付く。などがあります。
同年齢の子どもたちが一緒に生活する中で、わがままな行動をおさえ、社会性を身に付けること(ルールを守ること)ができるようにするのです。そのために、一緒に歌ったり、踊ったりします。
「個性のない画一的な子どもを育てればいい」と言っているのではありません。
家に帰ってテレビをつけると、故中村勘三郎の追悼番組を放送していました。
まだ、4・5歳の息子2人に踊りの稽古をつけている場面でした。お兄ちゃんが、カメラに向かってピースサインを出しました。すると「大事な稽古の最中に何をしている!」と頬に平手がとびました。歌舞伎という日本の伝統文化継承の厳しさを垣間見ました。中村勘三郎は、古典と現代劇の融合を図った新しい歌舞伎を創造した人物です。それは子どもの頃からの芸の基本があってこそのものです。抽象画の奇才ピカソの初期の作品は実に写実的なものでした。個性は、基礎基本の上にあるものです。
「群」は「羊のむれ」から生まれた文字です。虎などの強い動物は単独行動ですが、弱い動物は群れ(集団)で互いに助け合って生活します。そこにはルールがあり、そのルールに従わずに単独行動をすると、強い肉食動物の餌食になってしまいます。地球上で最も弱いの動物は、人間かもしれません。だからこそルールが細かく決められています。そのルールを学ぶために幼稚園や保育所、学校があります。そのルールを教える第一責任者は、親です。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月11日水曜日
花だより 赤ちゃんはどこから フユサンゴ ヤドリギ
性教育 1年生の「赤ちゃんはどこから」の授業から
授業のねらいは、新しいいのちの誕生やその基礎的なことを知る。そして、命の大切さに気づくものでした。
「わたし男だったらよかった。赤ちゃん産むの痛そうだから、怖い!」
と言っていた女の子が、授業の最後に家族からの手紙を読んで泣き出しました。
~〇〇へ おなかの中にいるときは、けったり、くすぐったりしました。元気に生まれてきてくれるか、とてもしんぱいでした。お父さんもお母さんも早く〇〇の顔を見たかったです。生まれたとき、とってもうれしかったです。しあわせでした。〇〇生まれてきてくれてありがとう。~
生まれてきてよかった。この気持ちが土台になって、心が成長します。
これを自己肯定感といいます。自己評価、自尊感情ともいい、「自分は生きている価値がある」「私は大切な存在」「必要とされている」という気持ちです。1年生の心の中に自己肯定感がいっぱいになった授業でした。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月9日月曜日
花だより たすけあう家族 スイセン
2年生の学級で「たすけあう家族」という授業が行われました。
授業のねらいは、~◎家族には様々な形があることを知る。◎家庭内における家族の協力を知る。◎自分でできることは進んでやろうとする心を育てる。~でした。
家族にしてもらってうれしいことベスト5をクイズ形式で発表しました。(昔のテレビ番組「クイズ100人に聞きました」のように)「何かを買ってくれる。」は3位にランキングされていました。1位は、「ご飯を作ってくれる。」、2位は「洗濯をしてくれる。」4位は、「掃除をしてくれる。」5位は、「おこづかいをくれる。」でした。
反対に子どもから家族へ「してあげていること」は、料理の手伝い、米とぎ、茶わんあらい、風呂そうじ、洗濯物をたたむなどがありました。“2年生がこんなことまでするのか?”と感心しました。たいした2年生です。何かをするだけでなく、「勉強をしっかりする」とか、「元気に学校に通う」というのも家族にとって、とてもうれしいこと。という意見も出ました。
「どういう人を家族というのでしょうか?」という問いに、「いっしょに暮らしてくれる人」と答えた子がいました。「いっしょに暮らしている人」ではなく、“くれる人”と言ったところに、すでに家族への感謝の気持ちが込められているように思いました。家族の大切さを改めて知ることができたと思います。これまで以上に、お手伝いをたくさんしてくれると思います。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月8日日曜日
花だより 祖父母の功罪 チャ
祖父母の功罪 孫が幸せに育つために
冬休みが近づいてきました。休み中さらにゲーム三昧で生活が乱れることやネットトラブルに巻き込まれやしないか、先生方は心配しているのではないでしょうか?
クリスマスとお正月、子どもたちにとっては、1年で最高の1週間です。新しいゲーム機、新しいゲームソフト、スマホやタブレットを手に入れるチャンスです。親が買ってくれなくても最高のスポンサーがいます。
孫に欲しいものを買ってやるのは、じじばばの数少ない楽しみですが、やはりよくないでしょうか?
今は一人の子どもが、周囲に6人の財布を持っている、と言われています。両親と、その双方の祖父母の6人です。
母親は、「ゲームソフトは買わない。」と言っているのに、いつの間にか子どもが持っている。「どうして持っているの?」と聞くと、「おじいちゃんに買ってもらった。」と言う。おじいちゃんに「どうして買うんですか?」と詰め寄ると、「たまにはいいじゃないか、子どもが欲しいと言うんだから」と、「子どもが欲しいと言ったら、何でも買っていいんですか?」と、思わずキレそうになるけれど、そこはふだん面倒を見てもらっている手前、あまり強いことは言えず、グッとがまんする。こういう場合は、どうしたらいいのでしょうか?
やはり祖父母としては、基本的には親の方針を尊重して欲しいと思います。親が“ダメだ”と言っているのに、子どもに頼まれたからと言って、安易に買い与えているとすれば、それは問題です。
しかし祖父母としては、かわいい孫からねだられると、つい喜ぶ顔見たさで買ってしまう気持ちもよくわかります。ですから、孫は欲しいと言ってきたときは、まず、「お父さん、お母さんに聞いてみなさい。」と言うのがいいでしょう。また、親が決めた額以上は買わないとか、特別な日(誕生日、クリスマス、お正月、お祭りなど)のプレゼントにするなどが考えられます。とおじいちゃんおばあちゃんに教えてあげてください。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月7日土曜日
花だより 言葉の力で金メダル! セントポーリア
言葉の力で金メダル!
~オリンピック水泳の金メダリスト北島康介選手のコーチの平井伯昌さんの話~
「言葉というのは実は、そのスポーツ選手にとって、とても重要なものなのです。レースの結果やコンディションを自分の言葉を使って分析する。言葉で明確に目標を持つ、自らに言葉を投げかけることで、レース時の緊張をほぐす、コーチはメディアとしてコミュニケーションをとる。どれをとっても、言葉の上達は、競技の上達につながる。」と言っています。
平井さんが言語力を考えるようになったきっかけは、コーチとしての実体験があったからです。小学生からずっと教えてきた子どもが、高校生になって突然、水泳の成績が伸びなくなった。どうしてだろうと考えたときに、言語力が重要だと気付いた。それで北島選手を指導するにあたっては、言語でうまく自己表現できるような訓練、つまり泳ぎ方ではなくて、言葉の訓練を一生懸命やったというのです。
コーチは選手が泳いでいる体をカメラで把握するが、体の動きを見ただけでは、その選手が体の動きをどう感じているかは分からない。その感じをコーチにまず伝えなければ、コーチは指導できない。これは医者が患者から症状をきちんと説明してもらわないと、どう診断し、どう処理していいのか分からないことと同じです。スポーツにおいても、“言語の力、自己表現の力が重要である。”ということです。北島選手の金メダルは、平井コーチとのコミュニケーションから生まれたものなのです。
国語力の低下 子どもたちは、自分の気持ちや考えを自分の言葉できちんと語ることを苦手としています。あらゆる教育、学問の中で、言葉は重要です。教育ばかりではありません。夫婦や親子の中も言葉の力は重要です。“黙っていても分かっていてくれる”と思ったら大間違いです。言葉で相手に気持ちを正しく伝えることも夫婦円満の秘訣です。子どもの言語力は、親の言語力に大きく影響されます。SNSにアップしたり、メールが打てるからと言って、言語力があるとは限りません。。
~オリンピック水泳の金メダリスト北島康介選手のコーチの平井伯昌さんの話~
「言葉というのは実は、そのスポーツ選手にとって、とても重要なものなのです。レースの結果やコンディションを自分の言葉を使って分析する。言葉で明確に目標を持つ、自らに言葉を投げかけることで、レース時の緊張をほぐす、コーチはメディアとしてコミュニケーションをとる。どれをとっても、言葉の上達は、競技の上達につながる。」と言っています。
平井さんが言語力を考えるようになったきっかけは、コーチとしての実体験があったからです。小学生からずっと教えてきた子どもが、高校生になって突然、水泳の成績が伸びなくなった。どうしてだろうと考えたときに、言語力が重要だと気付いた。それで北島選手を指導するにあたっては、言語でうまく自己表現できるような訓練、つまり泳ぎ方ではなくて、言葉の訓練を一生懸命やったというのです。
コーチは選手が泳いでいる体をカメラで把握するが、体の動きを見ただけでは、その選手が体の動きをどう感じているかは分からない。その感じをコーチにまず伝えなければ、コーチは指導できない。これは医者が患者から症状をきちんと説明してもらわないと、どう診断し、どう処理していいのか分からないことと同じです。スポーツにおいても、“言語の力、自己表現の力が重要である。”ということです。北島選手の金メダルは、平井コーチとのコミュニケーションから生まれたものなのです。
国語力の低下 子どもたちは、自分の気持ちや考えを自分の言葉できちんと語ることを苦手としています。あらゆる教育、学問の中で、言葉は重要です。教育ばかりではありません。夫婦や親子の中も言葉の力は重要です。“黙っていても分かっていてくれる”と思ったら大間違いです。言葉で相手に気持ちを正しく伝えることも夫婦円満の秘訣です。子どもの言語力は、親の言語力に大きく影響されます。SNSにアップしたり、メールが打てるからと言って、言語力があるとは限りません。。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月6日金曜日
花だより 座席の決め方と席替えの必要性について ヒイラギ
~座席の決め方と席替えの必要性について~
座席というのは、子どもたちにとって大問題です。特に、現在の子どもたちの世界は、人間関係がとても狭いので、既に友だち関係のある子が近くにいるかいないかは、毎日の生活には重要なことなのです。
大人でも、何かの会合で見知らぬ人たちの中に知り合いを見つけたら、ほっとして近くに座るものです。それくらい近くによく知っている人や気の合う人がいれば、安心感を得ることができるのです。
教師からすれば、学級の生徒は全員同じ存在ですが、生徒一人一人からすると、よく知っている人、あまり知らない人、気の合う人、合わない人など、全員を同じ人と見なしていないのですから、こだわるのは当然です。
そのため担任は、座席の配置には確固とした方針をもっていなければなりません。
◆くじ引きで決めるリスク
学校現場で一番多いのが、このくじ引きです。しかし、くじ引きでは、いじめや私語のトラブルを防ぐことはできません。そこには意図的な配置をする余地がないからです。それでもこの方式が多いのは、席替えに不満があっても、くじ運が悪かったと諦め、担任への不満をそらすことができるからです。学級の状態を正確に把握し、くじ引きでも大丈夫という保証がなければとても危険な決め方です。
◆ジャンケンで決めるリスク
次に多いのが、ジャンケンです。その席に座りたい希望を子どもからとり、複数ならばジャンケンで決める方式です。ところが、学習意欲の低い子や荒れた子は後方の座席か端を選びますから、その結果、落ち着かない子が集まります。結局、偶発性に頼るくじ引きやジャンケンでは落ち着いた学級をつくるのはとても難しいのです。子どもの希望を最初に取り入れているので、生徒の意見を尊重した決め方だと勘違いしてはいけません。
◆指導の方針と方法をつくる
① 目が悪い、聞こえにくいなど、配慮を要する生徒の座席を優先する。
② 男女で並ぶ
③ 年間10回くらいは席替えをするので、いろいろな子と接する。
④ みんなの前では言えない特別な事情のある子もいるので、座席は先生が決める。
⑤ 私語の多い子は、前列にして授業に集中しやすくする。努力したら次の席替えで配慮する。
⑥ 私語の多い子同士は近くにしない。
⑦ 以上の方針は、懇談会や通信で保護者に説明し、協力してもらう。
*なぜそうするかという理由を説明する。
仲のいい子と一緒になりたいという生徒には、「教室ではどんなに離れていても、たった10メートルほどです。仲のいい子とは、休み時間に大いに語り合ってください。」④は「特別な事情かどうかは先生が判断します。それが担任の仕事です。⑤と⑥は「一番大切なことです。授業に集中できない子をさらに後ろにしたり、落ち着かない者同士を一緒にしていたのでは、担任は務まりません。」⑦は、座席に不満があって保護者から担任に言って変更してもらおうという安易な考えをなくすためです。だから保護者にも説明して協力してもらうのです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月5日木曜日
花だより 五郎丸ポーズで願いが叶う? キチジョウソウ
五郎丸ポーズで願いが叶う?
「校長先生、五郎丸ポーズをして『クリスマスプレゼントは、ゲームソフトにしてください!』と願ったら、必ず叶うって本当ですか?」
何か勘違いしているんじゃないの?
「どうして五郎丸選手は、キックをする前にあのポーズをするのでしょうか?」(全校朝会で聞きました。)
3年生が「気持ちを落ち着かせるため」「集中するため」と答えてくれました。
:::「ルーティン」:::
ルーティン(routine)とは、決められた一連の動き、決められた一連の動作。これを何かに取り組む際に毎回すると物事に集中できて望み通りの結果を出すことができるのです。
五郎丸選手以外のスポーツ選手では、イチロー選手のバッターボックスでの構えやお相撲さんの仕切りなど、みんな目標があって、それを果たすためにルーティン(決まったポーズ)をしています。
私たちもこれを活用して、必要な行動を「習慣化」するためのルーティンの行動をすればいいのです。
習慣には3つの要素があるそうです。①トリガー ②行動 ③報酬です。
トリガーは行動を自動的に呼び起こすためのきっかけ。行動は難しく考えずに言葉通り行動。報酬はこの習慣を何度も繰り返したいと思えるような自分へのご褒美です。この流れを繰り返し習慣化することが大切です。
繰り返し、習慣化することは、すでに皆さんもやっています。朝、決まった時刻に起きて、朝ごはんを食べて、歯を磨いて、決まった時刻に家を出て、学校では決まった日課表通りに勉強して、帰ってきて、家庭学習をして、決まった時間だけゲームをして、決まった時刻に寝ること(規則正しい生活)です。このうち一つでも狂うと生活リズムが乱れ、物事に集中できなくなってしまいます。このところ遅刻が増えています。寒くなって布団から出るのが億劫になっているのではないでしょうか?生活リズムをきちんと守るのは五郎丸ポーズのルーティンと同じです。きちんと生活している子のところには、ちゃんとサンタさんがやってきます。
「校長先生、五郎丸ポーズをして『クリスマスプレゼントは、ゲームソフトにしてください!』と願ったら、必ず叶うって本当ですか?」
何か勘違いしているんじゃないの?
「どうして五郎丸選手は、キックをする前にあのポーズをするのでしょうか?」(全校朝会で聞きました。)
3年生が「気持ちを落ち着かせるため」「集中するため」と答えてくれました。
:::「ルーティン」:::
ルーティン(routine)とは、決められた一連の動き、決められた一連の動作。これを何かに取り組む際に毎回すると物事に集中できて望み通りの結果を出すことができるのです。
五郎丸選手以外のスポーツ選手では、イチロー選手のバッターボックスでの構えやお相撲さんの仕切りなど、みんな目標があって、それを果たすためにルーティン(決まったポーズ)をしています。
私たちもこれを活用して、必要な行動を「習慣化」するためのルーティンの行動をすればいいのです。
習慣には3つの要素があるそうです。①トリガー ②行動 ③報酬です。
トリガーは行動を自動的に呼び起こすためのきっかけ。行動は難しく考えずに言葉通り行動。報酬はこの習慣を何度も繰り返したいと思えるような自分へのご褒美です。この流れを繰り返し習慣化することが大切です。
繰り返し、習慣化することは、すでに皆さんもやっています。朝、決まった時刻に起きて、朝ごはんを食べて、歯を磨いて、決まった時刻に家を出て、学校では決まった日課表通りに勉強して、帰ってきて、家庭学習をして、決まった時間だけゲームをして、決まった時刻に寝ること(規則正しい生活)です。このうち一つでも狂うと生活リズムが乱れ、物事に集中できなくなってしまいます。このところ遅刻が増えています。寒くなって布団から出るのが億劫になっているのではないでしょうか?生活リズムをきちんと守るのは五郎丸ポーズのルーティンと同じです。きちんと生活している子のところには、ちゃんとサンタさんがやってきます。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月4日水曜日
花だより 読書は、心と頭の栄養ドリンク サザンカ
“読書は、心と頭の栄養ドリンク”
2年生の国語の教科書に「かさこじぞう」という教材があります。
貧乏暮らしのおじいさんとおばあさんは、すげ笠をこしらえて、それを売って年越し用の餅を買おうとします。おじいさんが市場に行き、「笠はいらんかあ~。」と必死にうりましたが一個も売れません。帰り道、道端のおじぞうさんに「吹きさらしで寒かろう」とその笠をかぶせて帰ってきます。おばあさんは、そんなおじいさんに文句一つ言わず、「それはええことをしなすった。」とやさしく労ります。するとその夜、おじぞうさんが、じいさまとばあさまの家に餅や米やらお正月用品を持ってきてくれるという話です。
これを読んだ2年生は、「このおじいさんとおばあさんは、正直もんでやさしい人たちだから、ちゃんと神様、仏様が見ていてくれて、ご褒美のプレゼントをしてくれたんだ。」と感想を持ちます。発達段階に応じた物語教材は、子どもたちの心と頭を豊かにします。
何でもスマホが普及するようになって、読書離れが進み、教育雑誌が休刊になったり、廃刊になったりしています。
「教師が本を読んでいないのに、子どもに『本を読め!』と言えるでしょう?『最近の子どもは読解力がない。』と言われていますが、そもそも教師に読解力はあるのでしょうか?「もっと本を読んで教養を積みなさい!」と先輩の先生から言われましたことがあります。
子どもたちに夢と希望を持たせるのが大人の役割です。孫のクリスマスプレゼントは「本」と決めています。(孫には不評ですが?)
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月3日火曜日
花だより ミカンと桃の缶詰 葉ボタン
ミカンと桃の缶詰
車の運転をしながらラジオを聞いていると昭和の思い出と題した特集がありました。投稿してくるのは、もちろん50代以上の方です。その中に心がホッとステーションになる話がありました。
~私が小学校に入る前、風邪をひいたときの話です。父と母は、共働きで休むこともできず、兄と姉は学校に行き、一人寂しく家で寝ていなければなりませんでした。お昼になって、父がミカンと桃の缶詰を買って持ってきてくれました。三度の食事にも困る家計でしたので、それがどれだけ贅沢なものか幼いながらも分かりました。後になって分かったことですが、父は給料の前借りをして買ったものでした。それを会社から歩いて往復1時間をかけて持ってきてくれたのです。貧乏でしたが、仲の良い家族でした。それが私の昭和の思い出であり、自慢です。~
これを紹介したアナウンサーは、声を詰まらせていました。
家族の有り様が変わってきました。家族の絆をどう築いていったらいいのでしょうか?
政治が変わり、政策が変わると、社会そのものが変化します。時代の流れに対応していかなければならないのでしょうが、失ってはいけないこともあります。肩を寄せ合い、助け合いながら生きてきた昭和世代が、古き良き時代のことを話すとうるさがれてしまいます。しかし、どの時代でもそれが年寄りの役目だと思うのです。
車の運転をしながらラジオを聞いていると昭和の思い出と題した特集がありました。投稿してくるのは、もちろん50代以上の方です。その中に心がホッとステーションになる話がありました。
~私が小学校に入る前、風邪をひいたときの話です。父と母は、共働きで休むこともできず、兄と姉は学校に行き、一人寂しく家で寝ていなければなりませんでした。お昼になって、父がミカンと桃の缶詰を買って持ってきてくれました。三度の食事にも困る家計でしたので、それがどれだけ贅沢なものか幼いながらも分かりました。後になって分かったことですが、父は給料の前借りをして買ったものでした。それを会社から歩いて往復1時間をかけて持ってきてくれたのです。貧乏でしたが、仲の良い家族でした。それが私の昭和の思い出であり、自慢です。~
これを紹介したアナウンサーは、声を詰まらせていました。
家族の有り様が変わってきました。家族の絆をどう築いていったらいいのでしょうか?
政治が変わり、政策が変わると、社会そのものが変化します。時代の流れに対応していかなければならないのでしょうが、失ってはいけないこともあります。肩を寄せ合い、助け合いながら生きてきた昭和世代が、古き良き時代のことを話すとうるさがれてしまいます。しかし、どの時代でもそれが年寄りの役目だと思うのです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月2日月曜日
花だより 「弱い人を守りなさい」と教えるのは親 マルバノキ
「弱い人を守りなさい」と教えるのは親
人の間をすり抜けるようにして歩道を猛スピードで走っていく自転車があります。自転車は車道を走行しなければなりませんが、相変わらず歩道を走り、事故を起こすケースが増えています。
自転車に乗っていた子どもが軽い接触事故を起こして人にケガをさせると「学校の自転車指導に問題がある」と文句をいう親がいるそうです。でも、これは間違いです。ルールを教えるのは学校かもしれませんが、その土台になっている「弱い人を守る」という気持ちを教えるのは親です。親が子どもにその気持ちを教えていなければ、いくら交通ルールを教えても事故は防げません。ルールを守らなければ、“走る凶器”になるという気持ちを育てるのは親しかいません。
自転車の乗り方だけでなく、おりにふれて子どもを諭し、弱い人を守ろうという気持ちを育てていく必要があります。お年寄りが横断歩道を渡ろうとしているとき、赤ちゃんを抱いたお母さんを見かけたとき、保育園児が遊んでいるとき、いろいろな場面で子どもに伝えられます。しかし、どんな場面でも必ずこうしなければならないというルールはありません。だからいくらルールを教えても優しさは育たないのです。
“「痛快TVスカッとジャパン」(月曜夜8時フジテレビ)校長先生見てる?”と言われて、見ました。スカッとする話をドラマ化した番組です。自転車のようにルールを守らない人が多いので、このような番組が流行するのでしょうか?
人の間をすり抜けるようにして歩道を猛スピードで走っていく自転車があります。自転車は車道を走行しなければなりませんが、相変わらず歩道を走り、事故を起こすケースが増えています。
自転車に乗っていた子どもが軽い接触事故を起こして人にケガをさせると「学校の自転車指導に問題がある」と文句をいう親がいるそうです。でも、これは間違いです。ルールを教えるのは学校かもしれませんが、その土台になっている「弱い人を守る」という気持ちを教えるのは親です。親が子どもにその気持ちを教えていなければ、いくら交通ルールを教えても事故は防げません。ルールを守らなければ、“走る凶器”になるという気持ちを育てるのは親しかいません。
自転車の乗り方だけでなく、おりにふれて子どもを諭し、弱い人を守ろうという気持ちを育てていく必要があります。お年寄りが横断歩道を渡ろうとしているとき、赤ちゃんを抱いたお母さんを見かけたとき、保育園児が遊んでいるとき、いろいろな場面で子どもに伝えられます。しかし、どんな場面でも必ずこうしなければならないというルールはありません。だからいくらルールを教えても優しさは育たないのです。
“「痛快TVスカッとジャパン」(月曜夜8時フジテレビ)校長先生見てる?”と言われて、見ました。スカッとする話をドラマ化した番組です。自転車のようにルールを守らない人が多いので、このような番組が流行するのでしょうか?
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年12月1日日曜日
花だより 「eスポーツ」 エラチオールベコニア
「eスポーツ」は競技として広がるか?
サッカーや格闘技など対戦ゲームの腕前を競う「エレクトロニック・スポーツ(e
スポーツ)」が注目されています。インドネシアで開催中のアジア競技大会では初めて公開競技となりました。今後、スポーツとして普及するのでしょうか?
日本では「遊び」のイメージ強い
◆市場規模の急拡大
海外では「スポーツ」は技を競う「競技」と捉えられ、チェスは「マインドスポーツ」と呼ばれます。米国では賞金総額が数十億円に上るeスポーツの大会もあり、プロ選手もいます。
オランダの調査会社Newzooは、eスポーツの市場規模は2021年には16億5000万ドル(約1815億円)と16年の3倍を超えるとみています。今回のアジア大会で、日本代表は人気のサッカーゲーム「ウイニングイレブン」など2種目に出場します。次回22年の中国・杭州大会では、正式競技になり、24年のパリ五輪でも採用が検討されています。
◆日本でも普及進む
世界に比べて日本は出遅れていましたが、今年2月、プロライセンスの発行や日本代表の選考を行う「日本eスポーツ連合(JeSU)」が発足しました。
企業では日本テレビや吉本興業などがプロチームを結成。日本野球機構は7月、今年11月からeスポーツのプロリーグを開催すると発表しました。19年の茨城国体では、文化プログラムとして開催されるなど、普及が加速しています。
◆「スポーツ」と認識24%
日本では家庭用ゲーム機を中心に普及したため、ゲームはコンピュータを相手に個人で楽しむ「遊び」のイメージが強いと言われます。依存症などを心配し、ゲーム自体に否定的な人も少なくありません。
eスポーツの大会を行う「CyberZ(サイバーゼット)」が昨年、10歳代から60歳代に行った調査では、eスポーツを「スポーツと思う」と答えた人は24%でした。広く「スポーツ」を認められるためにも、競技性の高さや健全性が求められています。
「自己管理が必要」 立命館大学ゲーム研究センター 中村彰憲教授の話
「eスポーツの選手は体力づくりや対戦相手の研究など、厳しい練習を積んでいる。自分を律する力が必要で、米国では優秀な選手に奨学金を出す大学もある。プロを目指すなら、勉強や友人関係をおろそかにしない、日ごろの姿勢も大切だ。」
読売新聞の記事より(牧野要約)
~愛されているか、褒められているか、必要とされているか、人の役に立っているか、
この中の一つでもあれば、人は頑張って生きていける。~
不登校児童生徒の多くは、夜遅くまでゲームをして、昼夜逆転の生活をしている。毎日、好きなだけゲームをしているので、他の子どもたちより、はるかにゲームは強く、優越感に浸っている子が多い。「太鼓の達人」で全道大会6位になったと自慢する不登校生徒がいた。
ゲーム(eスポーツ)が、オリンピック種目になれば、目標ができて頑張る子がいるかもしれないが、学校に行かずゲームに専念する子が増えるのではないかと心配する大人が多いのも事実だろう。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月30日土曜日
花だより 一人で抱え込まない生徒指導 ハナカタバミ
担任一人が抱え込まなくてもよい、校内支援体制づくり
公立小学校教頭 大久保 惣太郎
継続的な支援が行える体制は、早期対応だけでなく、トラブルの未然防止につながっていきます。今後ますます校内の支援体制が不可欠になっていきます。
どの子にも「1人の教師が10回」でなく「10人の教師が1回」声かけできるような校内支援体制づくりに心がけています。
≪これまでの経験だけでは、やっていけない時代≫
夕方5時過ぎの職員室に、電話を手に口ごもる20代の若手A教諭がいました。電話を保留にして、「教頭先生、お時間いいですか?」とA教諭は私に問いかけてきました。
「担任している子どものトラブルについて保護者に連絡したのです、うちの子が話していることと、先生の話にズレがあるので、どうなっているのですかと言われ…。」と言います。
私は、「なぜ、保護者に連絡を入れる前に相談してくれなかったのか」と思いながら、「わかりました。直接、保護者にお会いしてお話ししましょう。双方の都合を聞いて、家庭訪問するか、ご来校願うかを決めて、一度電話を切りましょう。」と言いました。そして、生徒指導主事を交えて、これまでの経緯と今後の指導方針を確認し、A教諭と生徒指導主事で一緒に家庭訪問に向かってもらいました。
「なぜ、連絡する前に相談してくれなかったのか」と思ったのは、自分が同僚の声に耳を傾ける余裕が持てていないことに気づきました。小学校においても、生徒指導や保護者対応に関する事案が多様化していています。若手職員だけでなく、ベテラン職員にとっても、これまで経験したことが通じない場面に立ち会います。改めて課題に対して「うまくできた指導」だけでなく「うまくいかなかった指導」の双方から、お互いに学び合える機会が求められると考えます。
公立小学校教頭 大久保 惣太郎
継続的な支援が行える体制は、早期対応だけでなく、トラブルの未然防止につながっていきます。今後ますます校内の支援体制が不可欠になっていきます。
どの子にも「1人の教師が10回」でなく「10人の教師が1回」声かけできるような校内支援体制づくりに心がけています。
≪これまでの経験だけでは、やっていけない時代≫
夕方5時過ぎの職員室に、電話を手に口ごもる20代の若手A教諭がいました。電話を保留にして、「教頭先生、お時間いいですか?」とA教諭は私に問いかけてきました。
「担任している子どものトラブルについて保護者に連絡したのです、うちの子が話していることと、先生の話にズレがあるので、どうなっているのですかと言われ…。」と言います。
私は、「なぜ、保護者に連絡を入れる前に相談してくれなかったのか」と思いながら、「わかりました。直接、保護者にお会いしてお話ししましょう。双方の都合を聞いて、家庭訪問するか、ご来校願うかを決めて、一度電話を切りましょう。」と言いました。そして、生徒指導主事を交えて、これまでの経緯と今後の指導方針を確認し、A教諭と生徒指導主事で一緒に家庭訪問に向かってもらいました。
「なぜ、連絡する前に相談してくれなかったのか」と思ったのは、自分が同僚の声に耳を傾ける余裕が持てていないことに気づきました。小学校においても、生徒指導や保護者対応に関する事案が多様化していています。若手職員だけでなく、ベテラン職員にとっても、これまで経験したことが通じない場面に立ち会います。改めて課題に対して「うまくできた指導」だけでなく「うまくいかなかった指導」の双方から、お互いに学び合える機会が求められると考えます。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月29日金曜日
花だより 教員のやりがいは、管理教育からは生まれない イチョウ
吉田松陰の言葉 “至誠にして動かざる者 未だ之れあらざるなり”
~まごころを尽くして人の心を動かさないものは、今だかつてないのである~
“山口の思い出に何か一つ”と思い、手に取ったのが『吉田松陰先生の言葉~メッセージペーパー』
~志を立てて以て万事の源と為す 交(まじわり)を択(えら)びて以て仁義の行(こう)を輔(たす)く 書を読みて以て聖賢(せいけん)の訓(おしえ)へを稽(かんが)ふ~
“あらゆる事の根本を為すのは、志を立てることである。仁義を貫くには、多くの人の支えが必要である、その為には、人との交わりが大切である。聖人の教えを参考にして今に生かすようにするには、書物を読むことである。” 吉田松陰は10歳のとき明倫館(長州藩の学校)で教鞭をとったそうです。
教員のやりがいは、管理教育からは生まれない
「報告・連絡・相談」にプラスして「確認」の徹底をあげる校長先生が多い。教員は、校長からの管理が強化されているが、それは、校長も教育委員からの管理が強まっていることに他ならない。管理が強まるということは、教員の自主性や創造性が削がれるということにつながる。
教員こそクリエーティブな仕事はないと思っていたが、それは遠い昔の話である。まだ自分が新卒のころは、「学級王国」と言われ、個性的な教員が多くいて、独特の学級経営をしていた。それにより教員同士の切磋琢磨があった。当時は、それに対して管理職からとやかく言われなかったように思う。ところが、今は授業妍をすれば、「学習指導要領のどこにそんなこと書いてある?」、板書の仕方、ノートの取り方、学習のルールまで、こと細かく決められていて、それをしないと指導が入る。だから教師は、決められたことを決められた通りにやるようになる。マニュアル教師と呼ばれる所以だ。
さらに日常的な時間外勤務と理不尽なことを言ってくる保護者対応が加わっている。精神疾患を患う教師が増えるはずだ。そんな先生が「キャリア教育」(?)チャンチャラおかしい!ルールを守らず、規則で押さえられる子どもたちは、反発して暴れることを教師は知っているはずである。
教員の働き方改革では、仕事内容の精選を訴えているが、根本的な問題として、これまで文句も言わずにやってきたのは、教師としてのやりがいの上にサービス残業があったからだ。働き方改革の真の狙いは、モチベーションを上げることでなければならない。
学習指導要領を読んでも、細かく具体的にこう指導しなさいとは書いていない。ところが学校に降りてくるとなぜか変わってくる。教育は、教師の自主性と創造性に負うところが大きい。だから4%の教育特別が付いたはずだ。
教員から自主性と創造性を取ってしまうと教員を志す人はいなくなるだろう。労働時間の時短も大事だが、根本的なところを大事にしてほしい。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月28日木曜日
花だより こんな環境で子どもを育てたい キチジョウソウ
「先生、私、結婚して子どもが生まれて、来年小学生になります。去年、〇〇に家を建てました。」
「どうして、そこに家を建てたの?もっと便利なところあったでしょ!」
「そこの地域を車でよく通っていたんです。そしたら、横断歩道を渡る小学生が、みんな運転手さんの方を見て頭を下げるんです。」
「たぶん、学校でそう教わっているんだと…。そんな学校でうちの子も学ばせたいと思って、家族で相談して、ここに決めたんです。」
「そこの学校の校長先生に話しておくよ。きっと喜ぶと思うよ。」
学校には校区があって、保護者には基本的には学校選択の自由はありませんが、今は、学校も選ばれる時代になりました。公立の学校であってもPRが必要かもしれません。
若松小学校は特認校でしたのでPRビデオを作り、市内の各幼稚園、保育所を回り、入学者を募ったことがありました。
コミュニティスクールの考えが進み、開かれた学校づくりが求められています。学校の都合だけで学校経営をする時代ではなくなりました。全て迎合する必要はありませんが、保護者目線で学校経営を見直すことが求められています。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月27日水曜日
花だより 敏感で傷つきやすい子(HSC) アゼトウナ
「敏感で傷つきやすい子(HSC)」について知ろう
弘前医療福祉大学教授 小 玉 有 子
(月刊「学校教育相談」9月号)
~昨今は「鈍感力」が多くの人にとって強みになっています。しかし、「鈍感力」を磨きたくても自分の特性から逃れられず、どんどん自己肯定感が低下してしまう子がたくさんいます。~
敏感にいろいろな情報をキャッチしてしまうために、些細なことにもビクビクして日々を過ごしている子がいます。教室ではいつも誰かに見られているようで緊張しているとか、グループ作業すると細かいことが気になって集中できないとか、さまざまな困難さに直面しています。さらに、「気にしすぎだよ」「大げさだよね」「面倒くさい人」等、友だちや教師からのネガティブな表現に、傷ついているのです。
世の中には、繊細な敏感な感受性の高い人は、5人に1人くらいの割合で存在していると言われています。また、自閉傾向がある人たちにも感覚過敏がみられます。最近ではエンパス体質(自分のことのように、相手の気持ちが理解できる)という言葉もよく聞かれるようになりました。そこで、「敏感で傷つきやすい子(HSC)」について、基礎的な情報を整理してみました。
HSPとHSC
HSP(person)は、日本では「とても繊細な人」「敏感すぎる人」「ひといちばい敏感な人」等と訳されていて、子どもの場合はHSC(child)と呼ばれています。
遺伝的な特性としての敏感さを持つと言うことで、これは生まれつき持つものであり、正常な特性です。病気ではありません。人口の15~20%の人にみられます。
生物学的には、この特性は人間だけでなく、昆虫から霊長類に及び100以上の種にもみられるということがわかっています。そして、どの種についても、刺激に対して「より敏感に反応するもの」の比率はだいたい同じで、全体の15~20%だと言われています。HSP・HSCを障害とはっきり分けて考えていますが、自閉特性と区別するのが難しいケースや両方の特性を重視して持っている場合も考えられるので、十分な観察が必要です。
4つの特性「DOES」
D:深く考える O:過剰に刺激を受けやすい E:共感力が高い S:些細な刺激を察知する
自閉傾向に見られる感覚過敏
・触覚過敏 ・聴覚過敏 ・視覚過敏 ・臭覚過敏 ・味覚過敏 ・食感過敏
HSP,HSCと区別するためには、発達障害の特性も十分理解しておいた方がいいでしょう。
鈍感力と敏感力
渡辺淳一氏が『鈍感力』というエッセイを書いて以来、「鈍感力」という言葉はすっかり市民権を得ました。「鈍感力」とは、些細なことを気にせずに、ポジティブに物事を考える力のことを指します。他人の視線や世間での自分の評判などをいちいち気にしすぎるのではなく、自分に自信をもって堂々と過ごすための能力です。昨今は「鈍感力」が多くの人にとって強みになっています。
しかし、「鈍感力」を磨きたくても、自分の特性から逃れられず、どんどん自己肯定感が低下してしまう子もたくさんいるのです。「敏感(繊細)は、文化によって異なった評価を受ける。敏感であることに価値を置かない文化では、HSPは低い自尊心を持つ傾向にある」と言われています。
しかし、例えば、ライオンに狙われているウサギを想像してみてください。ライオンの視線や気配、足音等に敏感に気づくことができる個体こそ、生き残る可能性が高いのです。
生き残るウサギになろう
HSCの子に「あなたの脳は、他の人より敏感で、いろいろな情報をキャッチしすぎるのかもしれない。でも、あなたの敏感力はあなたの強みでもある。気になる視線が安全かどうかを判断できるのもあなた自身です。」と話しました。同級生の視線を感じたら、顔をあげてその視線の元を確認し、○か×か、判断してみることを提案しました。「もし、あなたがHSCなら、あなたは生き残るウサギになれるよ」 その子は、はじめて笑顔を見せました。
子どもたちが「敏感力」を強みにするために、そして自己肯定感を育むために、われわれ大人はどのように支援できるのでしょうか。どのような言葉かけをすべきなのか、教師も保護者も、今一度立ち止まって、考えてみる必要がありそうです。
(牧野要約)
弘前医療福祉大学教授 小 玉 有 子
(月刊「学校教育相談」9月号)
~昨今は「鈍感力」が多くの人にとって強みになっています。しかし、「鈍感力」を磨きたくても自分の特性から逃れられず、どんどん自己肯定感が低下してしまう子がたくさんいます。~
敏感にいろいろな情報をキャッチしてしまうために、些細なことにもビクビクして日々を過ごしている子がいます。教室ではいつも誰かに見られているようで緊張しているとか、グループ作業すると細かいことが気になって集中できないとか、さまざまな困難さに直面しています。さらに、「気にしすぎだよ」「大げさだよね」「面倒くさい人」等、友だちや教師からのネガティブな表現に、傷ついているのです。
世の中には、繊細な敏感な感受性の高い人は、5人に1人くらいの割合で存在していると言われています。また、自閉傾向がある人たちにも感覚過敏がみられます。最近ではエンパス体質(自分のことのように、相手の気持ちが理解できる)という言葉もよく聞かれるようになりました。そこで、「敏感で傷つきやすい子(HSC)」について、基礎的な情報を整理してみました。
HSPとHSC
HSP(person)は、日本では「とても繊細な人」「敏感すぎる人」「ひといちばい敏感な人」等と訳されていて、子どもの場合はHSC(child)と呼ばれています。
遺伝的な特性としての敏感さを持つと言うことで、これは生まれつき持つものであり、正常な特性です。病気ではありません。人口の15~20%の人にみられます。
生物学的には、この特性は人間だけでなく、昆虫から霊長類に及び100以上の種にもみられるということがわかっています。そして、どの種についても、刺激に対して「より敏感に反応するもの」の比率はだいたい同じで、全体の15~20%だと言われています。HSP・HSCを障害とはっきり分けて考えていますが、自閉特性と区別するのが難しいケースや両方の特性を重視して持っている場合も考えられるので、十分な観察が必要です。
4つの特性「DOES」
D:深く考える O:過剰に刺激を受けやすい E:共感力が高い S:些細な刺激を察知する
自閉傾向に見られる感覚過敏
・触覚過敏 ・聴覚過敏 ・視覚過敏 ・臭覚過敏 ・味覚過敏 ・食感過敏
HSP,HSCと区別するためには、発達障害の特性も十分理解しておいた方がいいでしょう。
鈍感力と敏感力
渡辺淳一氏が『鈍感力』というエッセイを書いて以来、「鈍感力」という言葉はすっかり市民権を得ました。「鈍感力」とは、些細なことを気にせずに、ポジティブに物事を考える力のことを指します。他人の視線や世間での自分の評判などをいちいち気にしすぎるのではなく、自分に自信をもって堂々と過ごすための能力です。昨今は「鈍感力」が多くの人にとって強みになっています。
しかし、「鈍感力」を磨きたくても、自分の特性から逃れられず、どんどん自己肯定感が低下してしまう子もたくさんいるのです。「敏感(繊細)は、文化によって異なった評価を受ける。敏感であることに価値を置かない文化では、HSPは低い自尊心を持つ傾向にある」と言われています。
しかし、例えば、ライオンに狙われているウサギを想像してみてください。ライオンの視線や気配、足音等に敏感に気づくことができる個体こそ、生き残る可能性が高いのです。
生き残るウサギになろう
HSCの子に「あなたの脳は、他の人より敏感で、いろいろな情報をキャッチしすぎるのかもしれない。でも、あなたの敏感力はあなたの強みでもある。気になる視線が安全かどうかを判断できるのもあなた自身です。」と話しました。同級生の視線を感じたら、顔をあげてその視線の元を確認し、○か×か、判断してみることを提案しました。「もし、あなたがHSCなら、あなたは生き残るウサギになれるよ」 その子は、はじめて笑顔を見せました。
子どもたちが「敏感力」を強みにするために、そして自己肯定感を育むために、われわれ大人はどのように支援できるのでしょうか。どのような言葉かけをすべきなのか、教師も保護者も、今一度立ち止まって、考えてみる必要がありそうです。
(牧野要約)
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月26日火曜日
花だより 暴力はなぜ母親に向かうのか? サフラン
小中学生の問題行動の中で、集団的な暴力はすっかり影をひそめ、家庭内暴力、特に母親に対する暴力が増えています。
暴力はなぜ母親に向かうのか?
警視庁が出している「少年の家庭内暴力は誰に向けられているのか」という統計で、家庭内暴力の約6割が母親に向けられているそうです。一方、父親に暴力を振るうのは全体の約1割程度ですが、最近では少し比率が上がってきています。
ちなみにこの統計は、19歳以下を対象としたものですが、それ以上の年齢層であっても、やはり多くの家庭で母親が暴力のターゲットにされていることがほとんどです。
1 なぜ母親がターゲットになるのか?
(1)母親の方が子どもと向き合っている時間が単純に長い
子どもの中で感情のマグマが溜まっていき、ある日突然何かのきっかけで爆発する時、目の前にいる母親に対して矛先が向かうからです。
(2)母親への「依存と甘え」
子どもの人生が母親の生きがいになっているという母子カプセル化ケースなどでは、特にこの「依存と甘え」が表出します。子どもにとって自分を生み育ててくれた母親というものは、いつまで経っても「依存と甘え」の対象になりやすいのですが、この母親へ向かう「依存と甘え」にメスを入れる役割は父親にあります。
ところが、父親が家庭に無関心であったり、母親へのDVを繰り返している場合には、自然と母子関係が強くなりすぎてしまう傾向にあります。
そうなると母親への執着が生まれ、べったりと寄り添うあまり離れられなくなってしまうのです。時には弱音を吐いたり、愚痴を吐いたりする母親に対して、代理人としてその対象を攻撃したり、復讐したりして母親への強い味方意識を持ってしまいます。
(3)現実と空想世界の区別がつかなくなり、パーソナリティ障害の症状へ向かう
子どもが心の混乱状態の中で、もし母親が少しでも子どもから離れたり、逃げ出したりしようものなら、執拗に追いかけては探し出し、暴力を振るってしまうことも少なくありません。年齢なども一切関係なく、40歳前後の成人であっても、60~70歳の母親に対して追いかけまわし、暴力を振るっているケースも実際に存在します。
2 罪悪感と暴力
しかし、根底では子どもは母親想いであり、母親のことを愛しています。ですから暴力を振るってしまった後で、必ずと言っていいほど母親に対して「申し訳ないことをしてしまった・・・」と深く反省の念も抱いています。
「こんな暴力ばかり振るっているダメな自分を絶対に見捨てずにいてくれるのか?」という不安の中、暴力を続けることで母親を試し続けていくのです。どんなに殴っても母親は逃げないし、倒れないという幻想を心から思い続けて、より一層暴力はエスカレートしていってしまいます。
彼らは、「母親だけは絶対に離したくない存在」として全精力をかけて、その愛というものを確かめたいと切望しているのです。
こういった考えを抱くようなレベルになってしまうと、本格的にパーソナリティ障害の域に達してしまいます。
暴力はなぜ母親に向かうのか?
警視庁が出している「少年の家庭内暴力は誰に向けられているのか」という統計で、家庭内暴力の約6割が母親に向けられているそうです。一方、父親に暴力を振るうのは全体の約1割程度ですが、最近では少し比率が上がってきています。
ちなみにこの統計は、19歳以下を対象としたものですが、それ以上の年齢層であっても、やはり多くの家庭で母親が暴力のターゲットにされていることがほとんどです。
1 なぜ母親がターゲットになるのか?
(1)母親の方が子どもと向き合っている時間が単純に長い
子どもの中で感情のマグマが溜まっていき、ある日突然何かのきっかけで爆発する時、目の前にいる母親に対して矛先が向かうからです。
(2)母親への「依存と甘え」
子どもの人生が母親の生きがいになっているという母子カプセル化ケースなどでは、特にこの「依存と甘え」が表出します。子どもにとって自分を生み育ててくれた母親というものは、いつまで経っても「依存と甘え」の対象になりやすいのですが、この母親へ向かう「依存と甘え」にメスを入れる役割は父親にあります。
ところが、父親が家庭に無関心であったり、母親へのDVを繰り返している場合には、自然と母子関係が強くなりすぎてしまう傾向にあります。
そうなると母親への執着が生まれ、べったりと寄り添うあまり離れられなくなってしまうのです。時には弱音を吐いたり、愚痴を吐いたりする母親に対して、代理人としてその対象を攻撃したり、復讐したりして母親への強い味方意識を持ってしまいます。
(3)現実と空想世界の区別がつかなくなり、パーソナリティ障害の症状へ向かう
子どもが心の混乱状態の中で、もし母親が少しでも子どもから離れたり、逃げ出したりしようものなら、執拗に追いかけては探し出し、暴力を振るってしまうことも少なくありません。年齢なども一切関係なく、40歳前後の成人であっても、60~70歳の母親に対して追いかけまわし、暴力を振るっているケースも実際に存在します。
2 罪悪感と暴力
しかし、根底では子どもは母親想いであり、母親のことを愛しています。ですから暴力を振るってしまった後で、必ずと言っていいほど母親に対して「申し訳ないことをしてしまった・・・」と深く反省の念も抱いています。
「こんな暴力ばかり振るっているダメな自分を絶対に見捨てずにいてくれるのか?」という不安の中、暴力を続けることで母親を試し続けていくのです。どんなに殴っても母親は逃げないし、倒れないという幻想を心から思い続けて、より一層暴力はエスカレートしていってしまいます。
彼らは、「母親だけは絶対に離したくない存在」として全精力をかけて、その愛というものを確かめたいと切望しているのです。
こういった考えを抱くようなレベルになってしまうと、本格的にパーソナリティ障害の域に達してしまいます。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月25日月曜日
花だより 教師の話しすぎはよくない。モミジ
教師の話しすぎはよくない。子どもの思考の妨げになる。(校内研修の反省)
全国学力調査で長文読解力、記述式問題の正答率が極めて低い。(特にB問題、国語、算数ともに)考える力、思考力、判断力、表現力が弱いという結果が出ています。これは学力調査が始まって以来、変わりません。B問題の学力UPは、これからの課題です。
そのためには授業を見直さなければなりません。国語の時間にどれだけ本を読み、どれだけ考え、発表する時間が補償されているかということです。先生が1時間のほとんどを話し、子どもの発表を先生が補足して、まとめて、板書して、それを聞いて書き写し、「わかりましたか?」これでは力が付きません。課題解決(的な)学習にはなりません。
5年生の授業研(国語「まんがの方法」)は、説明文の読み取りの発展から、自分でマンガを選び、表現方法の工夫を探し、それを交流・発表する活動です。これはB問題の読解、記述式につながるものです。こうした授業の工夫・改善が学力向上につながることを期待します。
校内研の授業反省では、仮説に結びつけて、自ら課題意識を持ち、意欲的に活動することができたか。自分の考えをまとめて、かつ発表することができたか、そこに焦点を当てるべきです。どの研究でも仮説や研究内容は立派ですが、その取組の結果、子どもたちはどう変わったか?その検証が曖昧です。「教育は、すぐに結果は出ない。」そんな逃げはもう許されません。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月24日日曜日
花だより 日本の職人さんから学ぶこと ヒガンバナ
“日本っていいな!”
TVH「和風総本家」:毎週欠かせず見る番組です。日本の伝統文化や職人、世界に進出している日本の技術を紹介している番組が増えてきました。風土や歴史から生まれた日本独特の文化を外国人が高く評価し、興味を持っています。グローバル社会ではありますが、日本の文化をもっと知るべきです。
日本の職人さんから学ぶこと
昨今、盗作疑惑というモノが騒がれています。インターネットの普及により情報がグローバル化し、一般人でも画像検索をかければ世界中の類似のモノに容易にたどりつくことができるようになりました。そして、それに対して個人がSNSを利用して「パクリだ」と発信し広がっていくことがあります。著作権は守られるべき権利で盗作を肯定するつもりはありませんが、ちょっと待ってもらいたい。
優れた作品というモノが、ある日突然何もないところから現れるのでしょうか。過去の影響を受けていない作品というモノはないと考えます。学問もそうですが先行研究があるから次につながっていくわけで、すべてをリセットしてゼロから生み出すというのは途方もない労力を要するものです。芸術にしても過去の優れた作品、技術があるからこそ新しいことにつなげていける。そうでなければ「文化」は断片的になってしまい、成長していかない。文化は過去に学び、次につなげることで確立していき、やがてそれは伝統と呼ばれるようになっていくのです。
「学ぶ」ということについて 近年教育現場では「自ら学ぶ力を育てる」ということが話題になっています。自ら学ぶとはどういうことなのかでしょうか。
①人から教わる 之は人から直接教えを乞うということです。学校の授業など、最も一般的な方法です。しかし、教える側の主観が強すぎたり、一方的になりがちで自ら学ぶという姿勢は少なくなる可能性があります。
②人から盗む これは職人など実技が伴う業界でよく言われることです。芸術などの分野では言葉で伝えられることは限られているため、手取り足取り教えてくれるのは希であり、師匠や先生を見て勝手に学んでいくモノです。
③書物から学ぶ 技術書など文字化されたものを読むことで実際に本人を前にしていなくても学ぶことができる。ただ文字で表されだけただけは伝わりにくいことも多いのです。
④モノから学ぶ これは文字や言葉でなく実際に存在するモノを通して、学ぶということです。結果は目の前にあっても、高低は分からないので推測していくことになります。
⑤経験から学ぶ これはおそらく一番身に付く学習方法かもしれません。自分自身の経験を基に学習していく。特に失敗による学習が重要です。失敗した原因を探りそれを改善し次につなげるのです。
それぞれ長所短所がありますが、少なくとも学ぶという行為は自ら興味を持ち、研鑽を深めていかなければ身に付かないものです。日本の職人さんは、②・④・⑤から学んでいます。
つまり①の人から教わる授業は、あまり効果がないということです。授業改善のヒントはこんなところにもあります。今盛んに言われているアクティブ・ラーニングは、こうした考えに基づいています。
TVH「和風総本家」:毎週欠かせず見る番組です。日本の伝統文化や職人、世界に進出している日本の技術を紹介している番組が増えてきました。風土や歴史から生まれた日本独特の文化を外国人が高く評価し、興味を持っています。グローバル社会ではありますが、日本の文化をもっと知るべきです。
日本の職人さんから学ぶこと
昨今、盗作疑惑というモノが騒がれています。インターネットの普及により情報がグローバル化し、一般人でも画像検索をかければ世界中の類似のモノに容易にたどりつくことができるようになりました。そして、それに対して個人がSNSを利用して「パクリだ」と発信し広がっていくことがあります。著作権は守られるべき権利で盗作を肯定するつもりはありませんが、ちょっと待ってもらいたい。
優れた作品というモノが、ある日突然何もないところから現れるのでしょうか。過去の影響を受けていない作品というモノはないと考えます。学問もそうですが先行研究があるから次につながっていくわけで、すべてをリセットしてゼロから生み出すというのは途方もない労力を要するものです。芸術にしても過去の優れた作品、技術があるからこそ新しいことにつなげていける。そうでなければ「文化」は断片的になってしまい、成長していかない。文化は過去に学び、次につなげることで確立していき、やがてそれは伝統と呼ばれるようになっていくのです。
「学ぶ」ということについて 近年教育現場では「自ら学ぶ力を育てる」ということが話題になっています。自ら学ぶとはどういうことなのかでしょうか。
①人から教わる 之は人から直接教えを乞うということです。学校の授業など、最も一般的な方法です。しかし、教える側の主観が強すぎたり、一方的になりがちで自ら学ぶという姿勢は少なくなる可能性があります。
②人から盗む これは職人など実技が伴う業界でよく言われることです。芸術などの分野では言葉で伝えられることは限られているため、手取り足取り教えてくれるのは希であり、師匠や先生を見て勝手に学んでいくモノです。
③書物から学ぶ 技術書など文字化されたものを読むことで実際に本人を前にしていなくても学ぶことができる。ただ文字で表されだけただけは伝わりにくいことも多いのです。
④モノから学ぶ これは文字や言葉でなく実際に存在するモノを通して、学ぶということです。結果は目の前にあっても、高低は分からないので推測していくことになります。
⑤経験から学ぶ これはおそらく一番身に付く学習方法かもしれません。自分自身の経験を基に学習していく。特に失敗による学習が重要です。失敗した原因を探りそれを改善し次につなげるのです。
それぞれ長所短所がありますが、少なくとも学ぶという行為は自ら興味を持ち、研鑽を深めていかなければ身に付かないものです。日本の職人さんは、②・④・⑤から学んでいます。
つまり①の人から教わる授業は、あまり効果がないということです。授業改善のヒントはこんなところにもあります。今盛んに言われているアクティブ・ラーニングは、こうした考えに基づいています。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月23日土曜日
花だより 清々しさって何ですか? リンドウ
~日本のお母さん方へ~ 「清々しさって何ですか?」
「品格」とは、気取った話し方やすました態度のことをいうのではなくて、稟とした清々(すがすが)しい心のもちようなのだということです。「品格」のない若いお母さんたちをあちこちで見かけるようになりました。スーパーマーケットで売られているぶどうを一粒とって、そのまま口に入れた子どもがいました。その様子を見ていたお母さんがこう言ったそうです。「あっ、ダメ。洗っていないから汚いでしょ!」
そばにいた店員が見かねて「そんなことされたら困ります。」と注意をすると「食べられて困るなら、きちんとラップして売って下さい。」と食ってかかったといいます。
なんとも殺伐とした光景ですが、最近こんなお母さんがわりとたくさんいるようです。
「自分の子どもは悪くない。悪いのは周りの人たち」という理屈にならない理屈をふりまわして、子どもをかばっているお母さんたちです。
「ぼく(わたし)悪くないもん」という未熟な精神状態のまま大人になってしまった人たちが、はたしてこの国を支えていけるかと考えると、気持ちが悪くなります。マナーを身に付けない、そして、ルールを守れない子ども、わがまま放題で自由をはき違えた子どもが再生産されていくことになります。
「品格」のある人間とは、しっかりとしたマナーを身に付け、きちんとルールを守れる人をいいます。人に対する優しい気持ちや世の中のルールを教えられるのは家庭しかありません。それを子どもに身に付けさせるのが「しつけ」なのです。学校は、家庭でしっかりしたしつけがなされていることを前提にして運営されているのです。やっていいことと悪いことの区別を教えられるのは何をおいても家庭なのだということを是非わかっていただきたい。(多 湖 輝 著の「母の品格」より)
中国人観光客の爆買いとかマナーの悪さが言われていますが、ハローウィンの日、渋谷の交差点でバカ騒ぎをしている様子が各局のニュースで取り上げられました。日本人の「品格」は、大丈夫でしょうか?
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月22日金曜日
花だより さまよう教育行政 ピラカンサ
教育ジャーナリスト文化学園大学名誉教授 野 原 明
(「教育展望11月号 要約:牧野)
この数年、文部科学省の施策がさまよい続けている。
■高大接続システム(大学入試)改革の実施
文部科学省は、政府の教育再生実行会議の提言と中央教育審議会の答申に基づいて、大学入試センター試験に代え、2020年度から「大学入学共通テスト」を実施することを決めた。
*単なる知識の量だけでなく、思考力・判断力を見る記述式の問題を出す
*英語の「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測るためのテストを民間業者に委託する。
▼記述式の出題・・・採点の公正・公平性の確保などの問題
▼英語の民間試験・・・全国高校長協会が反対を表明し、民間業者は、責任を持った対応が難しいことから、文科省は延期を表明
■学習指導要領の改訂
今回は、教育内容を改訂してきたこれまでと異なり、教育の方法についても改める方向を示している。
「主体的・対話的で深い学び」「社会に開かれた教育課程」「教科等横断的な教育課程の編成」「カリキュラム・マネジメント」がそれである。
特に「教科等横断的な教育課程」の編成は、いわゆる「生活・体験主義」の教育課程の実現を図るもので、これまでも論争が繰り広げられ、「這い回る経験主義」と酷評され、排除されてきた経緯がある。
これを進めようとするならば、現在の教員に対する指導・研修が必要だが、その方策は不明のままである。
■小学校の外国語活動の重視について
授業時数の確保は全て学校に委ねられ、現場は、どこから捻出するか悩んでいる。
「学校の働き方改革」で学校内業務時間の上限を示しているのと新たな指導要領が求める業務の拡大とは明らかに矛盾している。学校に丸投げしている行政の無策が目立つ。
■教育行政の混迷
自民党教育再生実行本部の提言に始まり、政府の教育再生実行会議を経て進められる官邸主導・現場軽視のやり方に原因があると考えざるをえない。
日本私立大学連盟の鎌田会長は、「最近の文科行政はきちっとしたビジョンがないまま(官邸主導の有識者会議などから)責められればそれに応え、パッチワークみたいだ」と批判している。指摘されるような主体性のない行政の責任は重い。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
2019年11月21日木曜日
花だより 世界無形文化遺産「和食」 リュウノウギク
世界無形文化遺産「和食」
その土地の美味しいモノを食べるのも旅の楽しみの一つです。財布のひもも緩みがちになり、ちょっと背伸びしたお店に入ってしまいます。そして、年をとると和食中心の選択になりがちです。東京や京都、そして今年は、山口を訪れました。北海道(オホーツク)とは違った店の佇まいがあります。風情のある中庭、いかにも高級そうな置物や掛け軸、そして器に洗練された盛りつけの料理とおもてなしに豊かな気持ちになります。なるほど世界遺産です。
料理人として伝えたいこと
土山 憲幸氏 (元赤坂プリンスホテル総料理長)
おもてなし 料理の力は30%で、あとは雰囲気や環境、そして「おもてなし」が大きな役割を占めます。料理人は、季節にあった新鮮な食材を、その持ち味を生かすように調理し、盛り付け、取り合わせ、器との調和など見た目の美しさも考え、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくお出しし、最高のおもてなしをするように心がけます。人に対する暖かな気遣いが「おもてなし」の基本です。
日本人の平均的な口の大きさは約3センチだと言われています。ですから料理をつくるときには、約3センチに切ってお出しします。刺身、お新香、煮物でも基本は3センチです。それ以上のものは箸で崩せる硬さにします。例えば、がんもどきは耳たぶくらいの硬さ、焼き魚も切り身して箸で崩せる硬さに焼き上げてお出しします。
五味(酸・苦・甘・辛・塩)昔は、冬は保存食の味噌漬けや醤油漬けなどを食べていました。塩分を摂りすぎると腎臓に負担がかかりますから、春先に酸っぱいものやえぐみのある山菜などを食べて冬に身体に溜まった毒素を出します。日本は「苦み」を重視する傾向があり、これは他の国の料理と違うところです。
季節に合った旬のものを食べることや五味をバランスよく食べることが身体のためにもいいのです。五味が全て入っている食物が「味噌」です。味噌汁の中に五色の食材を入れたのが御御御付け(おみおつけ)です。「御」という文字が3つも付いた、たいへん身体に良い食物です。
料理はバランスをとることが大切です。まるい器には四角く盛り、四角い器には丸く盛ります。そうするとバランスがとれて心が落ち着き、きれいだな、美味しそうだなとなります。
夏は薄い器やガラスの器を使って涼しそうに盛り、冬は厚ぼったい皿になだらかに盛ってあげると温かく見えます。これが盛りつけの基本です。
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。これは料理だけでなく、食べ物に関わる生活様式や自然の中に生かされていることを感謝しながら生活する日本人の食文化も含まれます。
料理で一番大事なのは「自然」だと思います。自然が保たれていないと美味しい野菜や魚、肉は育ちません。人間は全てのものに感謝と思いやりの気持ちを持ち、もっと謙虚に生きなければならないと思います。「いただきます」「ごちそうさま」と、食前、食後に手を合わせる習慣も大事にしていきたいと思っています。
5年国語の教科書「まんがの方法」の中に“まんがは理屈ぬきにおもしろい”でも、よく調べてみると独特の表現手法や作者の工夫が見られる。それを理解するとさらにまんがを楽しく読むことができる。美味しい料理は、理屈抜きに美味しいと思っていましたが、そこには伝統・文化から生まれた洗練された「おもてなし」のこころがあったのです。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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