2019年11月30日土曜日

花だより 一人で抱え込まない生徒指導 ハナカタバミ

  担任一人が抱え込まなくてもよい、校内支援体制づくり
                        公立小学校教頭 大久保 惣太郎
 継続的な支援が行える体制は、早期対応だけでなく、トラブルの未然防止につながっていきます。今後ますます校内の支援体制が不可欠になっていきます。
 どの子にも「1人の教師が10回」でなく「10人の教師が1回」声かけできるような校内支援体制づくりに心がけています。
 ≪これまでの経験だけでは、やっていけない時代≫
 夕方5時過ぎの職員室に、電話を手に口ごもる20代の若手A教諭がいました。電話を保留にして、「教頭先生、お時間いいですか?」とA教諭は私に問いかけてきました。
「担任している子どものトラブルについて保護者に連絡したのです、うちの子が話していることと、先生の話にズレがあるので、どうなっているのですかと言われ…。」と言います。
 私は、「なぜ、保護者に連絡を入れる前に相談してくれなかったのか」と思いながら、「わかりました。直接、保護者にお会いしてお話ししましょう。双方の都合を聞いて、家庭訪問するか、ご来校願うかを決めて、一度電話を切りましょう。」と言いました。そして、生徒指導主事を交えて、これまでの経緯と今後の指導方針を確認し、A教諭と生徒指導主事で一緒に家庭訪問に向かってもらいました。
 「なぜ、連絡する前に相談してくれなかったのか」と思ったのは、自分が同僚の声に耳を傾ける余裕が持てていないことに気づきました。小学校においても、生徒指導や保護者対応に関する事案が多様化していています。若手職員だけでなく、ベテラン職員にとっても、これまで経験したことが通じない場面に立ち会います。改めて課題に対して「うまくできた指導」だけでなく「うまくいかなかった指導」の双方から、お互いに学び合える機会が求められると考えます。

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