親友の訃報
平成31年3月12日の夜、高校・大学の同級生S君(63歳)の訃報が飛び込んできました。S君は、校長退職後、K町の教育委員会に再就職していました。
学生時代 S君の思い出 彼から学んだこと 本当の優しさ
同郷で教師をめざし教育大に入り、同じアパートで暮らしていました。
そのアパートに、「お兄ちゃん遊ぼう!」と近所の小学3年生の男子がよく出入りしていました。部屋に上げ、宿題を教えたり、トランプゲームをしたりしていました。
ところがある日から、ぱたりとその子が来なくなりました。同時に貯金箱のお金が無くなっていることに気づきました。金額は数百円しか入っていなかったのですが、その子を疑いました。安アパートのドアには、ダイヤル式の鍵がかかっていて、開ける時に注意深く見ていたのです。その子を見つけ、問い詰めると正直に白状し、泣いて謝りました。少額だったこともあり、もうやらないことを約束させ、許すことにしました。
しばらく経って、S君が「あの子、盗み癖ないか?」と聞いてきました。あの後、S君も被害に遭っていたのです。ただ自分と違ったのは、S君は、その子の家まで行き、事情を説明し、弁償してもらったのです。弁償額は、少額であったようですが、当然その子は、親からきつく怒られ、その後、アパートでのトラブルはなくなりました。
安っぽい優しさが仇になったのです。自分の判断を深く反省しました。同じ教師を志す者として、恥ずかしくなりました。
S君の方が一年先に北見市内の校長に赴任していました。私が北小に赴任したとき、真っ先に電話をくれました。「焦ることはない、無理することもない、身体を大事にして、やることだ!」と、それなのに彼の方が先に行ってしまいました。
通夜の席、このことを思い出し、涙が止まりませんでした。
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