2019年3月9日土曜日

花だより 梅 平林vs佐々木剣道対決


“「剣道」の「道」は「道徳」の「道」礼に始まり、礼に終わる”
  武士道(平林vs佐々木)相手を思いやる気持ちとは? 
 3年生の道徳の授業の特別講師を頼まれて、剣道の話をしました。
 剣道大会の決勝戦で教え子同士が戦いました。二人は、いつも一緒に稽古しているので、互いに手の内を知り尽くしています。そのため、なかなか決着がつかず、5分間の試合時間が過ぎ、延長戦になりました。それでも有効打がなく、延長、延長、また延長となり、息を呑む戦いとなりましたが、どちらを応援することもできずただ黙ってみているだけでした。そして、ついに平林君のメンが決まり勝負がつきました。竹刀をおさめ、正座をして向き合い、面を外して互いに礼をするのですが、二人ともなかなか面を外そうとしません。
 後で二人から聞いた話です。勝負が決まって竹刀を合わせたとき、(平林)「佐々木君は泣いているのが見えた。泣き顔を見せたくなくて面を外せないでいると思ったから、僕も佐々木君が面をはずすまで待った。」(佐々木)「負けて悔しく涙が出てきた。このまま面を外したら、泣いているのが分かると平林くんに悪いと思って、涙が止まるのを待った。でも、平林くんも面をはずしていなかったので、面を外し、手ぬぐいで汗を拭くふりをして涙を拭いた。」
 二人は、立派に成人して、結婚して子供もいます。会うといつもこの話になります。剣道では、勝っても派手なガッツポーズなどは絶対にしません。武士道の精神など、まだ知らない小学生でしたが、二人には武士道の精神が身に付いていたように思います。
『国家の品格』の著者 藤原正彦氏は、幼い頃から家庭において父親から武士道の精神を植え付けられた。その後、今日にいたるまで、武士道精神を自分の心の背骨としている。 
 武士道は、新渡戸稲造の名著『武士道』によって世界に紹介された。 「武士道には、慈愛、誠実、正義や勇気、名誉や卑怯を憎む心などが盛り込まれている。つまり、弱者、敗者、虐げられた者への思いやりであり、共感と涙である。「惻隠こそ武士道精神の中軸」であり、これは「他人の不幸への敏感さ」です。

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