2019年11月19日火曜日
花だより 働く意味(障がい者の就労) ムラサキシキブ
働く意味 ≪日本理化学工業≫ 就学継続支援事業
日本理化学工業は全従業員84人中62人が知的障がい者(内26人が重度の障がい者)が働いている、学校で使うチョーク製造を主とした会社です。(平成31年2月現在)
会社設立は昭和12年ですが、知的障がい者の雇用は昭和35年2人を雇用したのがスタートでした。このような障がい者多数雇用を目指したのは、禅寺のお坊さんから「人間の究極の幸せは、1つは愛されること、2つ目はほめられること、3つ目は人の役に立つこと、4つ目は人に必要とされることの4つです。福祉施設で大事に面倒をみてもらうことが幸せではなく、働いて役に立つ会社こそが人間を幸せにするのです」と教わったからでした。
障がい者たちの頑張りのお陰で国内チョーク業界にあってシェア70%を超えるトップメーカーなっており、重度の障がい者達でも企業の貴重な労働力となることを実証したのです。
この間会社は、知的障がい者から一般社会では得られない多くの気づき、それも人間としての生き方、社会・国のあり方まで多くの示唆をもらいました。この気づきは多くの方に伝えることが日本理化学のもう一つの使命と考えています。
日本理化学の障がい者の採用基準は重度障がい者の雇用という事もあり、①自分の身辺処理は1人でできる ②簡単でも返事ができる ③.一生懸命仕事する ④周りの人に迷惑かけない の4つであり、従って時間をかけて教え指導するのではなく、それぞれの今もっている理解力に合わせて作業ができるよう環境を整える事に重点をおいています。
今ある理解力で(例えば材料の計量は、文字を読み、数字を合わせるのではなく、色の容器同色のおもりで作業する。時間の作業は砂時計をみて作業するなど)仕事ができるようにしてあげると、禅僧のいわれた通り、役に立っている幸せを感じ集中して一生懸命仕事する人たちであることを知りました。
訪れた見学者から貴重な気づき
小学校の5年生が見学したあとの御礼の手紙に「神様はどんな人にも世の中で役に立つ才能を与えて下さっているのですね」とあり、神様は人間を人の役に立つことを幸せに思う人間に作って下さり、周りの大人が役立つようにしてあげれば一生懸命やってそれが才能にもなるのだと企業の役割の大事さを教えられました。
日本理化学の知的障がい者は、国民みんなが幸せになるよりよい国づくり提言まで気づかせてくれたのです。この気づきを多くの方々に伝え、また多くの方々の賛同を得て、共生社会を実現することを日本理化学の使命と考えております。
皆々様のご支援を切に念じて止みません。
NHKでこの会社を取り上げた番組を見ました。こうした障がい者の就労を支援する事業(就労継続支援事業)があります。
就労継続支援事業~通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき,就労の機会を提供するとともに,生産活動その他の活動の機会の提供を通じて,その知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業の事を言います。雇用契約を結び利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」の2種類があります。
そのA型就労施設は、北見にもいくつかあります。
日曜日、妻が「今日のお昼は外食にする?どこかいいところ知っている。」と言うので、「前々から一度行ってみたいところがあるんだ。」と仕事で知った人が働いているお店に向かいました。
妻は、「あの人がそうなの?笑顔で接客しているし、他の従業員に指示して、店長さんみたいでしょ!」と驚いていました。
お店は、ビュッフェスタイルのセルフサービス、働く側に配慮されていました。メニューも限られていますが、リーズナブルの価格で、休日ということもあってか賑わっていました。
若者の中には、働く意味が見い出せない。定職を持てない「ニート」が増えているといいます。人手不足でコンビニの深夜営業ができなくなり、AIを活用して店舗の無人化を進める時代になりました。働き方が大きく変わろうとしていますが、障がい者の働く姿から、本来の働く意味を考えさせられました。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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