土曜警備の五十嵐さん さわやかに、さりげなく、さいごまで
土曜日、学校に行くと駐車場に高級車が停まっていました。土曜警備(土曜休日の午前中勤務)の五十嵐さんの車です。退職後、魚釣りや菜園づくりなど勝手気まま悠々自適な生活をしていたそうですが、シルバー人材センターから、「学校警備の仕事をしてみませんか?」と誘われ、子どもたちのために何かお役に立てればと思って引き受けたそうです。
中庭の草取りをしていると、「校長さんが、休みなのに出てきて草取りをするんですか?私がやっておきますから、いいですよ。」職員室前の観葉植物の水やりをしていると、「校長さん、この“金の鳴る木”は、剪定しないとダメだね。任せてもらえるのならやっておきますよ!」と言ってくれます。本来は警備の仕事なのですが、用務員さんのように働いてくれます。
秋になると中庭は、桜、カエデ、イチョウの落ち葉でいっぱいになりますが、土曜日毎に五十嵐さんがきれいに掃除をしてくれます。
高く伸びたサボテンが、茶色になって枯れてきたので、切って捨てようか?と思っていたら、「校長さん、いやいやまだ大丈夫だ!」と言って、家から立派鉢を持ってきて、支柱を立て、肥料を足して甦らしてくれました。
校長室に天井まで届きそうな「青年の木(ユッカ)」がありました。大きくなりすぎてバランスが悪く、倒れそうになるので、夏休みに上の枝を切りました。「校長さん、植物には『生きる力』があるんだよ。大事に世話をしたら、新しい芽が出てくるかもしれない。」と言われて、切った枝をハウスの中に植えて水をやっていましたが、一向に芽は出てきません。それでも辛抱強く水やりを続けていました。すると9月の末になって、新芽が出てきました。11月に入り、気温が下がってくると、ハウスから校舎の中(日当たりの良い、暖かい場所)に移しました。それから芽がぐんぐん伸び出しました。植物の『生きる力』は大したものです。感動しました。
全校朝会でこの話をしました。「みんなが大きく成長するのは、何が大切ですか?」と問うと「栄養のあるモノを食べることです。」と答えた子がいました。「その通りです。そして、植物と違って人が大きく成長するために必要なのは、ご飯を食べるだけでなく、学校で勉強することです。このことを教えてくれたのは、皆さんは会ったことがないと思いますが、土曜日に学校の警備に来ている五十嵐さんです。」
🤩五十嵐さんは、学校が休みの土曜日の勤務です。ほとんどの人は五十嵐さんのことを知りません。ボランティアで大切なことは、人の為に尽くす、報酬を求めない、継続して行う、(さわやかに、さりげなく、さいごまで)だと言います。五十嵐さんを見ていると、この通りの人だなあ!と思います。皆さんの知らないところで、北小を支えてくれている人がいます。
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