2023年11月30日木曜日

花だより 汚い言葉や乱暴な言葉遣いをするのには理由がある マルバノキ

 子どもは、悪い言葉をすぐ覚えて使います。親が使っている場合、友だちの影響、一番はテレビからかもしれません。親は子どもの間違った言葉づかいを矯正する必要があります。言葉の間違いを犯さない子どもは一人もいません。子どもは単語のさまざまな組み合わせ方を試します。その組み合わせが間違っているのに、誰もそれを指摘して直さないなら、子どもはそれが正しいと誤解して使い続けてしまいます。
 人を罵倒したり差別したりする不適切な表現が含まれていることがあるので要注意です。ネットでスポーツ選手への心ない書き込みをする輩も多いといいます。小さいころから、親は「そういう言葉を使ってはいけません。言ってはいけません。やってはいけません。」と注意する責任があります。そうしなければ、子どもはそれを受け入れられると思い込んでしまうからです。言葉の使い方が不適切だと周囲から拒絶と批判を招き、自尊心を台無しにしてしまいます。

 子どもが汚い言葉や乱暴な言葉遣いをするのには2つの理由がある。
1 注目してほしいから
 叱ってくれたり、対面してゆっくり話を聞いてくれたりすることは、子どもにとって非常にうれしいことなのです。
 そのため、言葉遣いに注目して子どもの相手をすると、かえって悪い言葉遣いを悪化させることになります。
2 要求を通したいから
 乱暴で威圧的な言葉を使って要求して、相手が折れれば、それが成功体験になります。そんなときは相手にしないことです。
 悪い言葉に対して叱ることは、子どもにとって思うつぼです。そんなときは、距離をおいて、子どもの言葉に関心を示さないことです。

2023年11月29日水曜日

花だより 魔の2歳児 癇癪(かんしゃく)は成長過程の特徴 🍓 ベコニア

 

 癇癪(かんしゃく)は成長過程の特徴
 赤ちゃんは空腹や眠気、おむつが濡れているなど、不快な思いを泣くことで表現します。すると親は、あやしたり、ミルクをあげたりして、それを解消しようとします。それは親子の大切なコミュニケーションの始まりです。
 1歳になるとつかまり立ちやハイハイで行動範囲や視野が広がり、興味のあることが増えます。ところが自分の思い通りにできないことが多く、不満な気持ちに、不快や不安が加わり、癇癪(かんしゃく)を起こすようになります。
 原因を取り除いても、いったん癇癪が起きると、自分で気持ちをコントロールできない状態になり、地面に寝転がって奇声を上げたり、泣き叫ぶ、物を投げる、人をたたくなどのパニックを起こします。
 2,3歳になると自我が芽生え意思表示ができるようになると、自己主張で癇癪やパニックが激しくなります。これが「魔の2歳児」です。
 そんな時は、場所を変えることで、気持ちが変化し、落ち着けることがあります。抱きしめたり、背中をトントンしたりしてあげることも効果的です。落ち着いて泣き止んだら、しっかり褒めることが大切です。
 体と脳が著しく成長し、何でも自分でチャレンジする自立の勢いが、大人には反抗期に見えるのですが、親にとっても子どもにとっても、自立に向かっている大切な時期なのです。
 やがて親の言葉を理解し、表現やコミュニケーションの取り方が分かってくると、癇癪やパニックは減っていきます。
 発達障害の子どもの場合も同じような対応が効果的です。子どもが癇癪やパニックを起こすのは、親の責任ではなく、成長過程や特性であることを理解すべきです。
     11月25日(土)読売新聞「子育て応援団」より (牧野要約)

  

2023年11月28日火曜日

花だより 家庭の持つ「5つの力」はこれから幼児施設で担う リンドウ

             
 家庭の持つ「5つの力」~                    

1 愛の力
  家庭は親から子に愛情が注がれる場所です。いつも家庭に会話があり、笑いがある。誰   
 かにいいことがあれば、みんなで喜び、悲しみも全員で共有する。こんな日常が子どもの
 安定した心理状況を育てます。
2 経済の力
  衣食住全ての面で子どもの生活が保障され、学校にも通える。家庭はこうした「健康 
 で文化的な最低限度の生活」を子どもに提供する場所です。そのために親は働いてお金 
 を稼ぎます。家庭は経済の力を持つ場所だということです。
3 しつけの力
  自分の健康管理や公共マナー、他者との交わり方など、しつけの領域は多様です。そ
 うした礼儀作法や規範を教えて身につけてさせる場所が家庭です。
4 文化の力
  文化とは、音楽や美術に親しみ、時にはスポーツを楽しむといった高尚なものだけで
 はありません。親子の触れ合いこそが「家庭の文化」です。最も簡単な文化活動は、家
 族の団らんであり会話です。日常の出来事に対する喜怒哀楽のやりとりです。
5 人格の力
  子どもは親をまねて育ちます。子どもは育ってほしいようには育たない。育てたように  
 育つのです。「人格の力」と言っても気負うことはありません。いつも地道に働いてい
 る。親同士が仲良く、互いに労わり合う飾らない姿を示せばいいのです。
                      (全国教育文化研究所 重水 健介)
 
子育ては社会が担う、保育料や給食費の無償化に伴い、0歳からこども園に預ける子が増えそうです。家庭の「5つの力」は、そのほとんどを幼児施設(こども園)で担わなければならなくなります。

2023年11月27日月曜日

花だより 忘年会は「うざい」 サフラン 

 

「うざい」
 人と人との関係をわずらわしく思う若者が増えています。最近よく使う「うざい」という言葉がそういう気持ちをよく表しているようです。
「うざい」とは「うざったい」が縮まった言葉で、「わずらわしい」、「面倒くさい」といった形容詞です。なぜ、人間関係でそんなにも「わずらわしい」を感じるのでしょうか。
 人と人の関係は、昔の方がもっとわずらわしかった。子どものやることに口を出す大人はたくさんいました。先生も恐かったし、父親も恐かった。個人のプライバシーを守るという考え方はなかったので、人間関係のわずらわしさを逃れて一人になるということはできなかった。人間関係は今よりずっと濃密だったが、それでわずらわしさを感じることはなかったような気がする。もしかしたら、濃密な人間関係が当たり前で、わずらわしさを感じなかったのかもしれない。
 そろそろ忘年会シーズンです。上司と酒を飲みたがらない若者が増えているそうです。とりあえずビールではなく、自分の飲みたいお酒を頼む。お酌はしない。お酒自体飲まない。飲むなら気のあった友人同士で飲みたい。これも全て「うざい」=「わずらわしい」のでしょうか?
コロナで忘年会や新年会をやらなくなって良かったと思っていることでしょう。

2023年11月26日日曜日

花だより 人間にとって成熟とは何か イワレンゲ 蜜柑

 

  

 70歳に近づき、人生の終盤を迎えましたが、「成熟」したとは全く思っていなくこの本に興味が惹かれました。
 『人間にとって成熟とは何か』(曽野綾子著)
 人が平等に年を取るが、しだいに人生が面白くなる人と、不平不満だけが募る人がいる。両者違いは何か?「正しいことだけをして生きることはできない」「『もっと尊敬されたい』という思いが自分も他人も不幸にする」「他人を理解することはできない」など、人はどのように成熟していくべきなのか、大人とは何かを説く、周りに振り回され、自分を見失いかけた人へ、生き方の指南本です。
 曽野綾子氏は、敬虔なクリスチャンですが、宗派を問わず「人の道」は共通しています。さまざまな角度から持論を展開しています。この本を読んで、自分はますます成熟には程遠いと思いました。こうした本が売れる背景には、多くの大人が道徳観を失いかけていることにあるように思います。
 児童相談所に一時保護される子どもたちが急増してます。児童相談所預かりになった家庭ばかりでなく、子どもたちは、さまざまな家庭の事情を抱えているのです。何が起こっても不思議ではありません。不登校児童生徒も年々増加しています。
 毎朝、子どもたちが学校に来ます。次の日も、また次の日も、それが繰り返されます。しかも子どもたちはたいてい無事です。もちろん無事でなければなりません。毎日の無事を日常と呼ぶのですが、日常とは奇跡かもしれません。人が成熟しないと社会は成熟しません。

2023年11月25日土曜日

花だより 学芸会が変わった? アザトウナ

 

 学芸会は、学校行事の中でも運動会に並ぶ2大行事で、地域の行事でもある。孫の晴れ舞台を見に、遠くにいる祖父母もやってくる。当然、指導する教師も力が入る。それが、コロナと働き方改革で大きく様変わりした。名称は学習発表会になり、午前中で終了する。さらにYouTubeで配信され、会場に行かなくても見られるようにして、遠くいる祖父母にも配慮しているという。授業時数の確保が難しくなると、こうした行事は縮小される。
 こども園の発表会が行われた。今年はコロナによる制限が解除されて、観客の主役は祖父母だった。孫の晴れ舞台を見に、わざわざアメリカや四国からやってきた祖父母がいて、ずっと涙を流して見ていた。舞台に上がる子どもたちもド緊張状態、固まってしまいセリフが言えない子もいる。これもいい経験だ。幼児は、それでも許される。立っているだけでかわいい、それが動いて、セリフを言うのだから、親や祖父母にはたまらない。
 俳優は、テレビより映画、映画より舞台だという。テレビや映画は、何度でもやり直しがきくが、舞台は一発勝負、観客の反応がダイレクトに伝わる。演じた後に浴びる拍手が何とも言えないそうだ。また、舞台は、音楽、衣装、照明、大道具などの美術を含めた総合芸術だ。そうした華やかな世界に憧れる人は多い。
 夏休み、冬休みなると劇団四季や歌舞伎、宝塚などの公演をよく観に行った。地方に来る演劇、温泉ホテルの人情芝居も観て、学芸会で使えないかと構想を練った。当然、学芸会にかける時間とお金は半端ではなかった。亡くなった母は衣装担当だった、「作るのはいいけど、なるべく早く言ってね。」とよく言われた。
 教員採用試験(面接)で「どうして小学校の教員になりたいと思ったのか?」と聞かれ「運動会と学芸会があるからです。」と答えた。学芸会は変わってしまった。


2023年11月24日金曜日

花だより 「老夫婦 あれこれそれで 喜寿傘寿」 キチジョウソウ イチョウ

 

 同窓OB会の役員をしています。コロナで4年間活動を休止していました。この間、会員は80歳以上の高齢者が多くなり、亡くなる方も増えました。コロナ過で家族葬が主流になり、会として弔意を表すことができず、後日ご自宅を訪問することが多くなりました。「勤労感謝の日」も、ご霊前で手を合わせに行ってきました。
 奥様は大変お元気で、お話を聞くことができました。退職して2~3年は働いていたそうですが、その後、家にいるようになると、アルツハイマー認知症が進み、奥様がずっと介護されていた話を伺いました。「奥様の体調はいかがですか」と尋ねると「私が倒れたら、この人をだれが看るのと思うと病気になんかなれませんよ」
 11月22日は「いい夫婦の日」でした。「ライフライン 水ガス電気 そして妻」という川柳がありました。なかなか妻への感謝の言葉は、面と向かって言えないものです。「老夫婦 あれこれそれで 喜寿傘寿」「物価高 夫婦の価値も 上昇中」です。

2023年11月23日木曜日

花だより 先生がよく使う「指導が入る」とは? ピラカンサ

 

「指導が入る」とは?
      尼崎市教育委員会学校教育部学校教育課生徒指導担当係長 西村 純一 
                             (牧野要約)
*しどう【指導】 ある目的に向かって教え導くこと(『広辞苑』第5版岩波書店)
 ~学校では「指導する」とは言わないで「指導が入る」と言う?~
 生徒指導の先生がよく使うのが「指導が入った」「指導が入る」という言葉です。通常の会話では、単に「指導する」と言いますが、あえて「指導が入る」と言うには意味があります。
【エピソード】
 担任の若い先生は、生徒指導担当のベテランの先生から、「先生のクラスのA君は、授業中の態度が悪いので注意をしておきました。先生からも改めて指導を入れておいてください。」と言われ、A君を呼んで丁寧に注意をしました。その後で、「指導しておきました。」と報告すると、「指導は入ったかい?」と尋ねられ、「はい。大丈夫だと思います。」と答えました。すると生徒指導担当のベテラン先生は、怪訝な顔をしました。若い先生には、その表情の意味するところが分かりませんでした。
 ≪指導が「入る」とは?≫
 「指導が入る」というのは、教師が指導をした結果、児童生徒が十分な反省をし、教師にとって望ましい行動変容がみられることを含意する言葉なのです。
 「指導が入った」とは、どういう状態を指すのでしょうか。
 指導する目的は、児童生徒を本人や周りが困っている状態から、本人も周囲も望ましいと考える方向へと導くことです。その際、教師からの強い指導(威嚇的な叱責等)によって、児童生徒が怯えやその場しのぎのために、一時的に行動を改善させた(見えるようにした)場合には、「指導が入った」とは言いません。指導とは、児童生徒自身の気づきを促し、自ら適切に判断し、行動する力を育むことだと考えられているからです。したがって、児童生徒が指導内容をしっかりと理解し受け入れ、自ら反省し行動を改め場合に、はじめて、「指導が入った」と言うのです。
 ≪「指導が入る」ためには≫
 問題行動を起こした児童生徒が、納得・反省という意味で指導を受け入れることが「指導が入る」ことです。
 「指導が入る」ことをイメージでたとえると、受け入れる側の児童生徒が自身の心のコップを上に向けることです。そのコップに指導によって水(説諭)が注がれ、水が溜まっていくことで自分の心の中で反省することが可能になります。心のコップが下を向いたままで指導すると、水ははじかれ周りに飛び散ります。これではいくら丁寧に話をしても指導は入りません。叱る指導を受け入れられるかどうかは、教師と児童生徒との信頼関係によるところが大きいのです。
 学校だけで通用する言葉ですが、奥が深いです。きちんと理解して使うことです。

2023年11月22日水曜日

花だより 叱っても効果がなければ叱る意味がない リュウノウギク

 

 叱っても効果がなければ叱る意味がない! 多胡 輝 
「みっともないから止めなさい。」「みんなに笑われますよ」
 日本人は、こういうしかり方をよくします。いずれも世間の目を気にしますが、このしかり方には重大な落とし穴があります。人のいないところなら何をしてもいいのか?ということになりかねないからです。
「あれ買って、これ買って…」と泣いている子に「みっともないから止めなさい。」と母親が叱ると、その子はのどをヒクヒクさせながら「買って、買って」と言い続けました。
 同じような状況で他人がいないところで怒ったら、この子は「みっともないから止めなさい。」と言っても止めないでしょう。「よいこと」と「わるいこと」のけじめは、この子にとって、周りに人がいるか、いないかということになります。
 人がいようがいまいが、“ダメなものはダメ、悪いことは悪いこと”としっかりけじめをつけるのが叱るということです。
 また「お父さんに言ったらなんと言うかしら」という言い方をよく母親はしがちですが、これは母親としての責任逃れです。父親の権威に頼って叱っているだけです。「お父さんがダメといったダメ。お父さんがいいと言ったら(私も)いいよ。」つまり、子どもに嫌われたくないという母親のエゴイズムがよく現れています。
 叱るときは真剣勝負です。「自分はいいんだけど」という曖昧さを残していたら、子どもはその辺の空気を読むのが上手ですから、「ハハーン、お父さんに分からないようにやればいいんだ。」と思ってしまいます。
 叱るというのは、“ダメなものはダメ、悪いことは悪い”、そのことを1ミリの譲歩もないということを子どもの脳裏にすり込むことです。
  SNS上のトラブルが横行しています。「違法じゃないから」と言い逃れをする人がいます。時代の流れに法律が追い付いていないのが現状ですが、その前に、道徳心や倫理観からダメなものはダメという意識がないと、世の中よくなりません。
 

2023年11月21日火曜日

花だより 教員から自主性と創造性を奪ってはならない ミセバヤ

 



 教務主任時代の一番の仕事は、授業時数の計算で、如何に授業時数を確保することだった。それは「ゆとり」の確保であり、学力を向上するための必須だった。ところが、今は働き方改革で標準授業時数を超えてはならないという。さらに長期休業も50日から56日になり、夏休みも延長される。それで本当に「ゆとり」が生まれるのか?と思ってしまう。
 教員こそクリエーティブな仕事はないと思っていたが、それは遠い昔の話である。まだ自分が新卒のころは、「学級王国」と言われ、個性的な教員が多くいて、独特の学級経営をしていた。それにより教員同士の切磋琢磨があった。当時は、それに対して管理職からとやかく言われなかったように思う。ところが、今は授業妍をすれば、「学習指導要領のどこにそんなこと書いてある?」、板書の仕方、ノートの取り方、学習のルールまで、こと細かく決められていて、それをしないと指導が入る。だから教師は、決められたことを決められた通りにやるようになる。マニュアル教師と呼ばれる所以だ。
 さらに日常的な時間外勤務と理不尽なことを言ってくる保護者対応が加わっている。精神疾患を患う教師が増えるはずだ。そんな先生が「キャリア教育」をするのは、チャンチャラおかしい!ルールを守らず、規則で押さえられる子どもたちは、反発して暴れるのも当然だ。
 教員の働き方改革では、仕事内容の精選を訴えているが、根本的な問題として、これまで文句も言わずにやってきたのは、教師としてのやりがいの上にサービス残業があったからだ。働き方改革の真の狙いは、モチベーションを上げることでなければならないはずだ。
 学習指導要領を読んでも、細かく具体的にこう指導しなさいとは書いていない。ところが学校に降りてくるとなぜか変わってくる。教育は、教師の自主性と創造性に負うところが大きい。だから4%の教育特別が付いたはずだ。
 教員から自主性と創造性を奪ってしまうから、教員を志す者がいなくなった。労働時間の時短も大事だが、根本的なところを大事にしてほしい。

2023年11月20日月曜日

花だより 人間としての「目」を育てる 道徳教育  ムラサキシキブ

 

  人間としての「目」を育てる   村瀬千樫(元北海道教育大学教授)
 「ヒトの目に感性の働きが加わると、はじめて人間の目になる」と言われています。4億年という長い時間をかけてヒトの目になり、その上に優しさやいたわりなど、人間味を加えた目、つまり、人間性を持つ目ができて初めて「人間」と言えるのです。
  子どもたちは様々な環境の中で生まれ、育てられ、人間になっていきます。しかし、この一人一人の子どもたちを取り巻く成長過程のその時々は、決して美しく、温かい環境ばかりではありません。学校教育の中では、教科はもちろん、様々な学びを通して、自分の身の回りの人々の優しさや思いやり、自然の美しさや崇高さなどを見る「目」を持った人間に育って欲しいと心から思います。
  目は耳からの540倍の情報量が得られるといいます。目が情報獲得の窓であり、また、大脳と眼球は密接な関係にあることから創造力を育てると言われる所以です。
  子どもたちには、「何を見るか、真実は何か、これを見て何を感じるか、どのような価値を持つか」など、道徳教育には、目を育てる(心を育てる)教育が求められています。
 同時に、教師は子どもたちへの包容力を持ちつつ、濁りのない素直な目で見つめなければなりません。そして、教育に関わる人間の「目」を大切にし、感性を常に磨き続けなければならないのです。 (要約 牧野)

2023年11月19日日曜日

花だより 首相の給料UP ウメバチソウ

 

 首相の給料UPに「待った!」がかかり、UP分は返納するらしい?
 ある町の連合会長(組合)をしていたとき、町長さんの給与(報酬)を決める会議に出席することになった。事前に町職員に聞いてみると、「上げてください。そうしないと我々の給与の上がらない。」という。町のトップの給与の上がらないと副町長、教育長等の特別職、議員報酬、役場の部長、係長などの管理職の給与が上がらない(決まらない)。そうなると一般職の給与も上がらないというのだ。
 会議では、上げることに反対する意見も出たが、丁寧な説明(他市町村との比較など)を受けて、満場一致で示されたUP率で決まった。
 市長さん、知事さんもそうだろう。財政の厳しい自治体の首長さんの給与は、低く抑えられている。それほど大変な仕事をしているわけだから、それに見合った対価(報酬)があって当然だと思う。
 ベースUPを提唱している岸田首相が、自らの給与を上げないとか、返納するというのは、いかがなものかと思う。また、「国民の声を聴け!」と追求するのもどうなのか?ただ残念なのは、支持率が低いからこうなってしまった。これまでの政策の評価だとしたら、致し方ないのかもしれない。
 東大を出た優秀な人たちは、官僚になって日本を支えてきた。ところが官僚や政治家になるより、もっとお金になる職業はある。「志」や「使命感」だけに頼っていてよいのか?

2023年11月18日土曜日

花だより 小さい町にも良いところはある イソギク

 



 こども園の職員は、町民すべてを知っている? 
 「11月から、〇〇の〇〇さんの孫の〇〇が入園してくるよ。」「そう、何人目の孫だい?」「2番目の〇〇ちゃんの子かい?」こんな会話が職員室で当たり前のように行われる。外様の私には驚きですが、うちの先生方は、地域のことをよく知っています。
 阪神淡路大震災で一人の死者も出なかった地域があったそうです。同じ震災を受けた地域で死者がたくさん出た地域とそうでない地域がありました。前者は、マンションが建ち並び、大型スーパーがあるいわゆる近代的な地域で、後者は、古くからの商店街を中心とした古い町並みの地域だそうです。この違いは、普段からの近所付き合いにありました。地域住民の結びつきが強い地域では、地域住民が助け合って救助活動をした結果、一人の死者も出さなかったそうです。逆に隣の住人と挨拶も交わさない、顔も知らない。という地域は、災害時に弱いだけでなく、犯罪多発地帯でもあり、青少年の非行率も高いという結果が出ています。
 小さい町にも良いところはあります。うちの町は、災害に強い町だと思います。

2023年11月17日金曜日

花だより リフレーミング(短所も見方を変えると長所に見える) ガマの穂 甜菜工場(斜里)

 


  ◇リフレーミング
(短所も見方を変えると長所に見える?)

 「〇〇ちゃんは、おおらかでいいわね!」は、ほめ言葉? 
 ☆こんな子も見方を変えるとこうなる★ 
「責任感がない」→無邪気な、自由な 
「だらしない」→こだわらない、おおらか 
「調子に乗りやすい」→雰囲気を明るくする 
「のんき」→細かいことにこだわらないマイペースな子と見ることもできます。
甘えん坊な」→人にかわいがられる
「あきっぽい」→好奇心旺盛な 
「おしゃべり」→社交的な
「おっとりした」→細かいことにこだわらない
「しつこい」→粘り強い 
「せっかちな」→行動的な
 「お宅のお子さんは、社交的ですね」と言われたら、遠回しに「おしゃべりでうるさい」言っていると思った方がいいかもしれません。逆に、せっかち落ち着きのない子は、行動力のある子かもしれません。

2023年11月16日木曜日

花だより 「笑い」(『笑点』) ダルマギク ヒマラヤスギ

 



 日本テレビ日曜夜6時といえば『笑点』です。50年以上も同じスタイルの番組が人気を維持しているのは驚きです。それだけ「笑い」というのは、いつの時代も人に愛されているのです。それに『笑点』の笑いは品がいい。
 「笑い」の種類 同じ「笑い」でもいい笑いをすることが大事!
①気持ちのよい笑い~楽しいことの経験や想像 
②優越の笑い~人より自分が優れている。 
③予想外の笑い~予想外の展開、言葉や意味の取り違い 
④あいさつの笑い~相手に好印象を与える。 
⑤照れ隠しの笑い~人に褒められたとき、うれしいとき 
⑥攻撃の笑い~人の欠点を笑う 
⑦ごまかす笑い~失敗したとき、嘘をつくとき
 「笑うことで癌が消えた。」という事例もあるそうです。
 「笑う門には福来たる」と言います。
 笑いの絶えない家庭でありたいものです。

2023年11月15日水曜日

花だより 寒くなっても外で遊ぶこども園 サツマイモ ミズヒキ

 




 
《寒くなると生活リズムが乱れがちになる》
 初雪の便りが聞かれるようになった。朝晩の冷え込みがだんだんと厳しくなる。こうなると「寒くて布団から出たくない!」寒くてついつい朝寝坊になりがちです。また、屋外で活動できる時間が短くなり、屋内に引きこもりがちになり、子どもたちの生活リズムが乱れてしまう傾向にあります。
《寒くても外遊びをするべし!》
 子どもたちが心身ともに健やかに育つために、運動や遊びはとても大切です。外で思いきり遊ぶことにより、次のような効果があります。
○空腹感を感じ食事をしっかりとることができる。夜更かしせずによく眠ることができる。
○自然に触れながら楽しく運動したり、遊んだりすることで、気持ちがリフレッシュできる。
○筋肉が強くなり、骨が丈夫になって、風邪などの病気にかかりにくくなり、かかっても治りやすい。
○友だちとかかわることで、ルールなどを学び、社会性を身につけることができる。
 こども園では、少しくらい寒い日でも天気が良ければ、園庭で遊ぶようにしています。その方が抵抗力がついて、かえって風邪をひかないのです。

2023年11月14日火曜日

花だより 子育てを見直す シメジ ヤクシソウ

 


  ~子育てを見直す~
◇親が、子どものために反省すべきことは、放任主義と無関心、過保護と甘やかし。自分の子どもだけはという親のエゴ。とにかく泣く子には、すぐに何でも買い与えることはよくない。

◇「おんぶ、だっこ、添い寝が大切。愛情の量は、高価なものを買い与えることではない。
◇何事も自分の子どもは悪くない。「社会が悪い、先生が悪い、よその子が悪い」という風潮では、素直なよい子は育たない。
◇親も教師も社会も、はじめから子どもにレッテルを貼っていないか反省する。本人が変わろうとしても、周りの見方が変わらない。
◇子どもにとって、親の甘やかしは、わがままな子を育て、構い過ぎや口やかましさ(過保護:過干渉)は、自立心の芽を摘む。
◇15%以上の子どもは、親と一緒に食事をしない。親と子どものどちらに問題があるのか?
◇近頃の子どもの異常 
 ① 朝食抜きで登校する子ども 
 ② 倒れるとき、手をつかずに顔面を打つ子ども 
 ③ 我慢できない子は、他人を思いやることができない。 
 ④ 自然の中に連れ出しても、自然にかかわる遊びができない子ども 
 ⑤ 人間嫌いで、特定の家族と家の中でしか話せない子ども
◇子どもからのSOS信号を見逃していないか。事が起きてからでは遅すぎる。
◇家族の不仲は、子どもの情緒を不安定にさせ、心の素直な成長を妨げる。
*子育て(しつけ)を全て幼稚園や保育所、こども園に任せてはいけません。親の責任です。

2023年11月13日月曜日

花だより 子は親に期待している(黒柳徹子さんの母親:朝さん) カエデ ミゾソバ

 



  「親が子に期待するのと同じくらい、子は親に期待している」
 親が子を思いやるのは当たり前と思われていますが、どれだけの親が実際に子どもを思いやっているでしょう。「思いやり」とは、子どものことをよく知ることです。よく耳を傾け、子どもの中の世界がどんなものなのか理解しようとし、たとえ自分の思う通りでなくてもその子の世界を受け入れることです。
 子どもの存在に感謝し、尊敬を払い、愛情を深めていくことによって、親子の関係は進歩していきます。思いやりの心を持って接すれば、話をするのも安心で楽しくなり、いじめなどの悩みも自然に打ち明けられるようになるはずです。
 昭和62年NHK連続テレビ小説「チョッちゃん」は、黒柳徹子さんの母親、黒柳 朝(ちょう)さんの半世紀を描いたものです。徹子さんは、幼少期は発達障害で小学校を退学させられました。ところがご自身は、20歳になるまでそのことを知らなかったそうです。母親が自由に育ててくれたことのみならず、自分の人格を認めてくれていたので、のびのびと生きてこられた。とお母さんに感謝しています。

2023年11月12日日曜日

花だより 学テの地域間格差 ダイモンジソウ ミヤマボウキ

 

      

 読売新聞 11月8日 「学テ地域差小中とも縮小」道教委情報共有『成果』 
小学校:国語~全国(67.2)北海道(65.8) 算数~全国(62.5)北海道(61.0)
 どの教科も全国平均を下回ったものも、その差は、初めて2.0ポイント以内におさまったとして、取り組みの成果は出ているとしたが、地域別、規模別に見ると、札幌市などの大都市や中核都市は、道内平均を上回り、規模が大きいほど平均正答率が高い傾向が見られた。
 比べて、地方のオホーツクは(小学校)全国との差は、国語(-4.9)、算数(-5.6)、根室:国語(-3.5)、算数(-7.7)、日高:国語(-4.2)、算数(-6.2)で、縮まったとはいえ道内の地域差は、まだかなりある。「小規模、少人数の方が目が届き、教育効果がある」とは言えないことは、これまでの学テの結果から分かっていたことだ。
 ちなみに中学校(オホーツク)は、国語(-3.4)、数学(-5.6)、英語(-6.6)だった。こうした結果を見たオホーツクの保護者は何を感じるのだろうか? 地域から学力向上の機運が一向に上がらないのが不思議でならない。
 人手不足が言われているが、企業が欲しているのは、能力のある優秀な人材だ。どんなに時代が変わっても勉強はしっかりしなければならない。教師は、教えなければならない。
 道教委は、学力向上策として「タブレット端末を使った指導が得意な教諭を各地へ派遣している。」と言っているが、タブレットを使えば、本当に学力が上がるのだろうか?  

  




2023年11月11日土曜日

花だより 子どもの不安は、大人の不安 タマホシクサ ビート(甜菜)

 


  子どもの心のケア

 災害時、子どもは大人が思っているほど、大人ほど深刻な事態には陥っていないものです。避難所で健気に遊んでいる子どもたちの姿ががあります。むしろ、親や教師といった自分を守ってくれるはずの大人から影響を大きく受けているのです。親や教師の不安定な態度を子どもが最も恐れるのです。子どもは身近な大人の様子をうかがい、その様子から状況の深刻さを想像するものです。つまり大人と子どもは一蓮托生の関係の中に存在しています。子どもは、大人が自分のことを本当に守ろうとしてくれているか、冷静に見極める力を本能的に持っているのです。
 大人がたとえ強がりを見せてでも、子どもに学校が安全で楽しい場所であると伝えてやることで、落ち着いた生活ができるのです。大人に守られた世界で生きているという感覚を失うことがなければ、子どもは大人以上に健全に生きてくことができます。
      「ポストコロナ時代の教育を考える」 武庫川女子大学 倉石哲也教授
 子どもが不安になるのは、親が不安を感じているからです。「お母さんが付いているから、大丈夫だよ!」と言って、笑顔でギュッとハグしてあげると子どもは一番安心するのです。「学校に行きたくない」と言い出したら、まず試してみてください。
  

2023年11月10日金曜日

花だより 威厳のある親 ウメモドキ カッコウアザミ

 

 親子関係は同等ではない
 親がテレビを観ながら、ゲームをしながら「勉強しなさい!」と言っても効き目はありません。親もがまんすることが大切です。子どもが勉強しているときは、親はテレビを消すべきです。ゲームをしないことです。子どもにお手伝いさせるときは、自分は休んでいるのではなく別な仕事をすることです。
 どんな集団にも秩序があります。秩序を維持するためにはリーダーが必要です。親はリーダーでなくてはなりません。威厳がなくてはなりません。
 横並びのグループは、何か問題が起こると右往左往するばかりでちっとも前に進むことができません。家族という集団の中で、親子が横並び(同等)になるのはよくありません。趣味や娯楽なら横並びで楽しめます。あるいは食べ物なら平等に分け合うことができます。しかし、何から何まで横並びだと、いざ問題が起こったとき子どもは親の言うことを聞きません。自分と横並びだと思っている親が説教をしても子どもは聞き流してしまいます。
 親は各上でなければなりません。友だちのような関係は良くありません。家庭内でのリーダーは常に親であることを教える、示す必要があるのです。
 威厳を感じるのは子ども側です。親があえて威厳を示すものではありません。威厳を示すとは、例えば、小さな約束一つとっても、きちんと守ることです。守れなかったときには、子どもであってもきちんと謝ることです。日頃の信頼関係が蓄積されて威厳になっていくものです。溢れる愛情を子どもに注いでいれば、子どもは親を尊敬するし、そこに威厳を感じるものです。



2023年11月9日木曜日

花だより 対人関係がうまく築けない子 ノコンギク マリーゴールド

 


  対人関係がうまく築けない子 急増!
 ●運動会の練習中に整列の指示に反発して教師を殴った。(小6男子)
 ●悪口を言われたと思って1年生の顔を殴った。(小3男子)
 ●着席するように教師から指導されて腹を立て、教室の窓ガラスを割った。(小5男子)
 このような事件が増えています。原因は、「忍耐力」「コミュニケーション力不足」により、自分の気持ちをうまく表現できないため暴力に走る。「規範意識の低下」「家庭教育の問題」「暴力的なメディア」などの原因ではないかという意見があります。
 暴力に発展するまでもないが、「ちょっとしたトラブルからすぐパニックになる子」、「自分の気持ちを相手に伝えることができない子」、「友だちとうまくやっていけない子」が増えています。自分の気持ちや考えが相手に伝えることができず、自分の心の奥に押し込んでしまったり、逆に暴力やいじめなどの陰湿な攻撃行動を企てたりする。友だちがほしいという気持ちは強いのに、素直に表現できず、相手の気持ちを勝手に解釈してしまい、葛藤を抱いて、すぐに傷ついてしまう。
 本来、健全な対人関係は、親子関係、兄弟関係、仲間関係、教師との関係、地域の人々との関係などさまざまな対人関係の中で教えられ経験を通して育まれるものですが、今の子どもたちには、対人関係が希薄で、自分たちでトラブルを解決する力が十分育まれていないのです。
 友だちにすぐ暴力をふるう子に「やさしくしなさい」、すぐ泣く子に「泣いてはダメ」と一方的に叱っても、その子は次から「やさしくしよう」とか「泣くのはよそう」とは素直に思わないのです。
 *何度言ってもできない子の3つのタイプ
◎タイプ1~どうすればよいか知識がない
 「やさしくしなさい」と叱られても、どのようにふるまえば「やさしい」行動なのか分からなければ、その行動は出てこない。(例:「だいじょうぶ?」と声をかけてあげる。)こんな子には具体的な行動を具体的な知識として教えてあげることが必要です。
◎タイプ2~知識はあるが行動ができない
 「ごめんね」と謝ればいいのにその勇気はない。自信がない、恥ずかしい、といった具合に意欲や気持ちのところでもう一歩行動にできない。「さあ、やりなさい」と背中を押して、「よく○○やったね」と声をかけ、できそうなチャンスの場を与えてほめてやる関わりを増やす必要があります。
◎タイプ3~知識もあり行動もできるが状況把握ができない
 知識もあり、行動もできるのに対人関係でトラブルが多い子。例えば、友だちが何かもめている最中に「仲間に入れて」と声をかけても彼らは聞いていない。そんなとき、ちゃんと『入れて』と言ったのにみんなは自分を無視した。と先生に訴えてくるのは、このタイプの子です。他の人の気持ちに気付かせる対応が必要です。

2023年11月8日水曜日

花だより 野菜の無人販売がピンチ! イヌダテ 菊

 


 野菜の無人販売がピンチ! 
 野菜の無人販売は、農家の収入の1割を占めている。農家は現金収入を得ることができるし、消費者は安価で購入できる。規格外品の活用はSDGsになる。ところが盗難が相次ぎ、
(お金を料金箱に入れていかない)売り上げが減少していて農家は困っている。対策を講じようにも、防犯カメラや自動販売機の設置には費用がかかる。そもそもそれができるくらいなら、農家の敷地内で無人販売などしていない。そのピンチを救おうとしているのがNTTだ。とテレビでやっていたのを見た。
 NTTが開発した野菜の自動販売機を無償で提供し、売り上げの一部をもらうというもので、農家は大助かりだという。
 しかし、これで解決ではない。どうして100円が払えないのか? 無人販売は、人々の善意の上に成り立っていた。それが崩壊している。これは教育の問題だろう。
 法律家が、「人間社会が成熟していれば、人々の道徳意識、倫理観が高ければ法理はいらない。あったとしても限定的になるだろう。」と言ったのを思い出す。校則もそうだ。規則を守らないのが出てくると、校則は増え、事細かくなっていく。人類は、AIという素晴らしい夢のようなものを開発したが、もう悪用することを考えている。
 外国人が日本に訪れて、自動販売機が路上にたくさんあるのを見て、お金が盗まれないのか?と驚くという。お金は盗まれる。だからキャッシュレスなのだ。それに比べて、まだ日本は治安のよい安心な国で、人々の倫理観も高いということなのか?

2023年11月7日火曜日

花だより これからの子どもたちに大事なこと 菊 トリカブト

 


 
自分で考えて行動することが大事
 10年、20年後どんな社会になっているか、先が見通せない、予測のつかない時代になりました。そんな時代に生きる子どもたちには、これまでの先生から一方的に教わる受け身の学習ではなく、自ら主体的に学ぶ(アクティブ・ラーニング)学習が必要です。これは学校の勉強だけでなく、スポーツでも同じです。言われたことだけをやっていては、上達しません。自分で考えることが大事です。
 AIロボットが人間に代わって仕事をするようになり、おそらく8割は、今はない新しい職業に就くと言われています。
 「将来何になりたいですか?」と聞くと、女の子なら、以前は看護婦さん、スチュワーデス(キャビンアテンダント)、美容師さんが定番でした。昔は、お嫁さん、専業主婦もありましたが、もうあり得ません。芸能界にあこがれて、アイドルになりたいと言っている子もいますが、今はAIで完璧な仮想アイドルを作ってしまうこともできます。銀行の窓口もスーパーのレジも無人化です。トラックやタクシーのドライバーさんも必要なくなるかもしれません。
 高校生が、職場体験でこども園にやってきました。「保育士は、これからもなくならない職業だと言われているので…。」が理由でした。
 人手不足と言われながらも、それは能力のある人材のことです。しっかり勉強することは、いつの時代でも変わらないことです。

2023年11月6日月曜日

花だより 校長の職務とは適材適所たらしむること 秋刀魚 マルバノキ

 

校長の職務 
  田んぼの肥やしは人の足音  教員の肥やしは校長の足音  
   毎日、毎日、丹念に田んぼを見回り、しっかり管理すること 
 校長の職務とは適材適所たらしむること
 一人一人の能力を引き出し、それを十分に発揮することのできる分野、あるいは仕事に打ち込めるようにすること。その方法として適時適授、すなわち、経過する時に応じてタイミングを失うことなく、師弟の間には、互いに授け、授けられるとう関係が成り立たなければならない。
 ビジョンと必要な人材が見えてくると実は気がつかなかった自校の教職員の別な一面、新しい一面が見えてくる。どこの学校にも、いろいろな個性を持った教職員はいるが、それを校長がよく把握し、それぞれの能力に応じて適時適授を忘れることなく、適材適所たらしむることこそ円滑な学校運営につながる。
 今年の校長採用面接試験が終わったと聞いた。 これは昭和の校長の言葉であるが、学校経営の基本である。是非参考にしてほしい。 


 

2023年11月5日日曜日

花だより 校長の心得 菊(2) 白冠斜里岳

 

~校長心得~
命(命令)を下すと忖度
自分がこうしたいと思うことを人に命じて、その命のままに自在に人が動くということは、事を運ぶうえにおいて、きわめて大事なことである。しかし、命になれて、いつのまにか命がなければ人が動かないということになっては大変である。組織は成り立たない。 
組織が硬直すると、進歩も発展も生まれない。たとえ命がなくても、以心伝心、命ずる人の意を汲んで(忖度?)、それぞれの人が適時適確にすすんで事を運んでゆく柔軟な姿のなかにこそ、かぎりない発展性が生まれてくる。 
 そのためには、命を下す前に、まず人の言うことに耳を傾けることである。まず聞くことである。聞いた上で問うことである。そして、そこに我が思い異なるところがあれば、その気づかざる点を気づかせ、思い至らざる点の理非(道理にかなっていること、いないこと)を説く。そうした納得の上に立って、断固、命を下さねばならない。命を受ける人に納得があるということは、その人の知恵がそれだけ高まったということである。わけのわからぬままに命に従わせていたのでは硬直する。命を下すということは、ほんとうにそんな容易なことではないのである。 (松下幸之助の言葉から)

2023年11月4日土曜日

花だより 料理で一番大事なのは「自然」 ダンギク オギナタコウジュ

 


 日本の食文化 五味(酸・苦・甘・辛・塩) 
 「和食」はユネスコ無形文化遺産です。これは料理だけでなく、食べ物に関わる生活様式や自然の中に生かされていることを感謝しながら生活する日本人の食文化も含まれてのことです。
 昔は、冬は保存食の味噌漬けや醤油漬けなどを食べていました。塩分を摂りすぎると腎臓に負担がかかるので、春先に酸っぱいものやえぐみのある山菜などを食べて冬に身体に溜まった毒素を出していました。日本は「苦み」を重視する傾向があり、これは他の国の料理と違うところです。
 季節に合った旬のものを食べることや五味をバランスよく食べることが身体のためにもいいのです。五味が全て入っている食物が「味噌」です。味噌汁の中に五色の食材を入れたのが御御御付け(おみおつけ)です。「御」という文字が3つも付いた、たいへん身体に良い食物です。
 料理はバランスをとることが大切です。まるい器には四角く盛り、四角い器には丸く盛ります。そうするとバランスがとれて心が落ち着き、きれいで、美味しそうになります。
 夏は薄い器やガラスの器を使って涼しそうに盛り、冬は厚ぼったい皿になだらかに盛ってあげると温かく見えます。これが盛りつけの基本です。 
 料理で一番大事なのは「自然」 自然が保たれていないと美味しい野菜や魚、肉は育ちません。人間は全てのものに感謝と思いやりの気持ちを持ち、もっと謙虚に生きなければならない。「いただきます」「ごちそうさま」と、食前、食後に手を合わせる習慣も大事なことです。

若松のフラワーパラダイス