癇癪(かんしゃく)は成長過程の特徴
赤ちゃんは空腹や眠気、おむつが濡れているなど、不快な思いを泣くことで表現します。すると親は、あやしたり、ミルクをあげたりして、それを解消しようとします。それは親子の大切なコミュニケーションの始まりです。
1歳になるとつかまり立ちやハイハイで行動範囲や視野が広がり、興味のあることが増えます。ところが自分の思い通りにできないことが多く、不満な気持ちに、不快や不安が加わり、癇癪(かんしゃく)を起こすようになります。
原因を取り除いても、いったん癇癪が起きると、自分で気持ちをコントロールできない状態になり、地面に寝転がって奇声を上げたり、泣き叫ぶ、物を投げる、人をたたくなどのパニックを起こします。
2,3歳になると自我が芽生え意思表示ができるようになると、自己主張で癇癪やパニックが激しくなります。これが「魔の2歳児」です。
そんな時は、場所を変えることで、気持ちが変化し、落ち着けることがあります。抱きしめたり、背中をトントンしたりしてあげることも効果的です。落ち着いて泣き止んだら、しっかり褒めることが大切です。
体と脳が著しく成長し、何でも自分でチャレンジする自立の勢いが、大人には反抗期に見えるのですが、親にとっても子どもにとっても、自立に向かっている大切な時期なのです。
やがて親の言葉を理解し、表現やコミュニケーションの取り方が分かってくると、癇癪やパニックは減っていきます。
発達障害の子どもの場合も同じような対応が効果的です。子どもが癇癪やパニックを起こすのは、親の責任ではなく、成長過程や特性であることを理解すべきです。
11月25日(土)読売新聞「子育て応援団」より (牧野要約)
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