2024年8月13日火曜日

花だより バトンパスの技術だけでは勝てない ハマナス オニユリ

     

  
パリ五輪での日本選手の活躍に歓喜したが、柔道やレスリングなどのクラス別では、世界と対等以上に戦えるが、陸上や水泳、バレーボール、バスケットボールなどでは、世界との差を痛感した。男子100mは、9秒台を出しても決勝に進出できなかった。400mリレーでは、きれいにバトンをつないだが、アンカーであっという間に抜き去られた。「もうバトンパスの技術だけでは勝てない」と解説者は言った。
 そんな中、マラソン以外の女子陸上種目で女子やり投げの北口選手の金メダルは価値がある。表彰台に上がった外国の選手と体格で差がない。むしろ大きいくらいだ。そして、すごい勉強家だという。東京五輪から、体作りを一から見直したという。旭川東高校出身だから、きっと勉強もできたに違いない。恵まれた体格と努力の結果の金メダルなのだ。
 大谷翔平選手もメジャーリーガーの中で体格では引けを取らない。加えて24時間野球のことを考え、厳しい練習に励むのだから、あれだけの成績を残せる。
 優れた技術は、強靭な基礎体力とメンタルがないと見に付かない。それは学力も同じだ。
 主体的・対話的で深い学び、思考力・判断力・表現力の重視で、夏休みの宿題は、計算ドリルや漢字の書き取りが姿を消した。ところが今年の学力テストで「読む」ことの点数が低くかった。基礎的な能力のない子に思考力はあるのか? 
 詰め込み、教え込みの反動で、教えずに考えさせる授業が広まった。大事なことは教えるのが当たり前なのに、教えることがタブーになってはいないか。学力テストの成績が芳しくない地域こそ、そうした傾向が強い。
《教えること》をおろそかにして「問題解決型」と呼ばれる授業に熱心に取り組み、結果的に基礎的な学力まで低下させている。
《考えさせる》というと、発展的内容での授業を思い浮かべるが、重要なのは理解を通じて基礎を習得させる際に考えさせることだ。パリ五輪で改めてそう思った。

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