うちの子の髪を金髪に染めてなぜ悪い
核家族が主流になって、さまざまな個性を持った家族ができてきました。暮らしぶりも様々です。朝食はトーストとミルクという家庭もあれば、ご飯と味噌汁という家庭も少数派になりましたが、まだあります。それぞれが自由に冷蔵庫から勝手にものを出して食べるビュッフェスタイルのような家庭まであります。でも、コンビニおにぎりよりは、まだいいでしょう。
暮らしぶりがさまざまなので、それぞれの家庭の生活スタイルに合わせて、いろいろな個性が生まれてきています。家庭の生活スタイルは文化ですから、その文化の中で“自分流”を貫く人もたくさん出てきます。言葉を換えれば、みんなバラバラになってしまって、今は、手本となるような暮らしぶりや生き方がなくなってしまいました。
「オンリー・ワン」という言葉が尊重されるようになりました。自分の個性を生かした生き方をしたいということなのだと思います。見習うべき手本がないので、自分を磨いて「オンリー・ワン」を際だたせていくしかないということでしょう。ただしこの考え方は、大変危険です。「うちの子の髪を金髪に染めてなぜ悪い。誰に迷惑をかけているわけではない。」こういう育て方だって「オンリー・ワン」の人間を育てる考え方です。しかし、そういう危うさをもっている家庭を再生させられるのも、また家庭でしかありません。
突拍子もないことを主張して、自分の生き方を際だたせようとすることは、みっともないことだと子どもに教えられるのも家庭なのです。突拍子もないことを言うのは、独創的とか創造力があると単純に思ってはいけません。
親が子どもに教えられるのは、「散らかしたものは自分で片付けなさい。」というきわめて常識的なことです。でも、そういう常識を身につけた人間にこそ本物の「オンリー・ワン」だと思います。 多湖 輝著「母の品格」より
0 件のコメント:
コメントを投稿