どうしてそうなったか? アルバイトに明け暮れていたのです。本州出身の先輩は、親からの援助を一切受けないことを条件に教育大に入学しました。自分の稼ぎで授業料、家賃などの生活費を賄っていました。高収入を得るために夜のバイトも始めました。当然、午前中の講義は出なくなり、単位不足で留年することになったのです。
今、「103万円の壁」が議論になっています。その対象は大学生です。もっと働けるようにして経済的な負担を軽減しようとするものです。しかし、学生の本業は学業です。そんなに働かなくてもいいようにするのが政治の役割と主張する人もいます。国会の議論を聞いていて、先輩のことを思い出しました。
12月26日(木)テレ東の「WBS」で夜間保育所の特集をしていました。夜6時過ぎ、シングルマザーの母親が3歳の子を迎えに来ました。「夜間保育所があると安心して働けます。もっと増やしてほしいです。」とインタビューに答えていました。最終のお迎えは夜の9時を過ぎていました。夜のシフトの保育士が園を閉めて帰宅したのは11時でした。
夜間保育所では、夕食を出して入浴もさせます。20時なると寝かしつけます。お迎えに来た時はもう寝ています。子どもは、家に帰って寝るだけでの生活です。そして、朝また預けにやってきます。
そこの園長は、「人手不足に加え、夜間のシフトに入ってくれる保育士がいません」と言っていました。
子育ては社会が担う、女性の社会進出を促進することを目指し、子育て支援の充実が図られています。夜間保育所を増やし、保育士を確保するのは行政の仕事です。預けることが前提の政策です。しかし、子育て中の母親は、安心して長期の育児休暇を取得できる。それが叶わなくても、勤務時間を短くするとか、社会ができることは、いろいろあるように思います。母親の負担軽減も大事ですが、一日中預けられる小さい子どもは、何も言えません。学生の本業は学業です。母親の本業は、育児?仕事?どっちでしょうか?
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