【平成18年度 北見市立若松小学校 学校便りから】
《心がホッとステーション》 ~若松老人クラブのお誕生会に参加~
老人クラブでは、年3回誕生会をしています。今回は、8月から11月生まれの5人のおじいちゃん・おばあちゃんの誕生会に20人が集まり、ごちそうを食べ、カラオケを唄ってお祝いをしました。今回の中には90歳をこえる方が2人もいました。藤井さんのおじいちゃんは91歳ですが、新聞を隅から隅まで読むのが毎日の日課だそうです。
「日本人の心はどうなってしまったんだ?校長さん、子どもたちの教育しっかり頼むよ!」
~おじいちゃんの嘆き~
校長さん、ちょっと聞いてくれないかい。この前な・・・。死んだばあさんの葬式を息子がしないという家があってな。わしが、「それはおかしい」と言ったら、「喪主の俺がしないといっているんだ。文句あるか。」こう言うんだな。「死んだじいさんとばあさんが一生懸命働いて広げた畑を息子の代になって売ってな。そのお陰で今の生活があるんだろ!葬式というものは、関わりのある人が集まって故人を偲ぶものだ。あんた一人で決めるもんじゃないだろ。そんなことも分からんのか!」と意見したことがあってな。わしらは、戦前の教育を受けてきている。家族や両親を大切にすることは当たり前だと思っている。戦前の教育が全て悪かったわけではないだろうと思う。今の人は、好きな男ができたら、邪魔になったわが子を殺す母親もいる。“いったい日本人の心は、どうなってしまたんだろなあ~。”と嘆いていました。
~「男はつらいよ」~
BSテレビ 毎週土曜9時に放映されている寅さんシリーズ「男はつらいよ」を見るのが楽しみです。その映画監督の山田洋次氏は、今の教育についてこう語っています。
~家族同士のコミュニケーションの欠落でしょうね。核家族化がはじまって20~30年が過ぎ、その中で育った子どもたちが親になって、本格的な家族の断絶が起きているのではないでしょうか。寅さんの映画を作っていた時代は、「そうなんだ、こんな風に人と人が愛し合い、仲良くなるための面倒な努力をしながら社会が成り立つんだな。」という思いで観客は満足してくれた。けれども、今の若者たちとその思いを共有できるのだろうか?と不安になるのです。何故か、日本人は毎日ゆとりなく過ごしていて、人と人が深く関わり合う時間がない。それは学校の先生にも言えることで、先生って、学校で子どもと仲よくしているのが仕事なはずなのに、それができない状況にあるようです。子どもは先生の生活を一人占めしていたいと願うものではないでしょうか。
寅さん役の渥美清さんは、小中学校を通して成績は、一番ビリか、ビリから二番目だったそうです。だから彼には成績の悪い子どもの気持ちがよくわかるんですね。ロケーション中に、渥美さんの周りには不良少年が不思議と集まってくる。この人は味方だと。寅さんの役だからというのではなくて、渥美さんの人柄を一目で見取ってしまう。この人はエリートや秀才より俺らの側に立っている人なんだと。渥美さんのような、できの悪い子の味方になってくれる先生が、学校に二人くらいいたら、子どもたちはどんなに学校が楽しくなるでしょうね。~
寅さんシリーズには、私たち日本人が忘れかけている「人情」がテーマになっています。毎回、笑って、泣いて、見ています。
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