2019年1月31日木曜日

花だより タラバガニ 雪道の渋滞

~雪道の渋滞~
 大雪警報が出た朝、出勤途中にある高校が近づくと車が先に進まなくなりました。高校生を送ってきた保護者の車が校内に入るために並んでいて、大雪で幅員が狭くなり、さらに見通しも悪いために渋滞になっていたのです。夏の間は、自転車通学の学生が多いのですが、冬になるとバス通に代わったり、親が送迎するようになり、夏場より、車の量が増えるのです。それにしても渋滞の列が100m以上もつながっているのは初めてでした。悪天候で、子どもが、親にお願いしたのか、親が気を利かせて送ってきたのか定かではありませんが、「高校生でもこれか?小学生ならしょうがないかな?」と思いました。
「車での送迎はお控えください」と何度も呼びかけたことがありました。
 保護者の言い分は、交通事故が心配だから、不審者が心配だから、登下校中にいじめっ子に合うから、祖父母が心配して送ってくれるから、出勤途中にあるからついでに…、と言うものですが???
 北見市の郊外にある若松小学校は特認校で、市街地から保護者が送迎することを条件にを受け入れています。保護者会で「玄関から玄関までの車の送迎は止めて、少しは歩かせましょう。」という意見が出て、学校の手前約1キロ地点にある空き地に車を止めて、そこから歩かせることにしました。10分も歩けば着く距離ですが、子どもたちは、なぜか倍以上の時間をかけて登校するのです。おしゃべりはもちろん、花を摘んだり、カエルや虫を捕まえたり、道草をするからです。でも、それが大事なのです。

2019年1月30日水曜日

花だより ネコヤナギ 早寝早起きの子は勉強ができる


 早寝早起きの子は勉強ができる!
                  財団法人日本青少年研究所長 千石 保 氏
 学校の時間割で面白い現象がある。すがすがしい朝の1時間目は、さぞかし国語や算数に違いないと思うだろうが、意外に体育の時間が多い。なぜなら朝は、頭が眠っているからだ。子どもたちは、寝るのが遅い。どこの家でも「早く寝なさい」「早く起きなさい」と口を酸っぱくしていっても、なかなか寝ない。テレビを途中で切って寝るなんてとても勇気と決断がいる。子どもに限らない。親がテレビを消す決断ができないのだ。
 中国やアメリカでは、テレビを見せない親が多い。テレビに引きずられて、だらだらした生活を嫌う気風がある。そうした文化は“しつけ”と似ている。“しつけ”そのものかもしれない。特にイギリスでは、テレビは自律心を欠く恥ずかしいものと見られている。だから、テレビはロッカーの中にしまってある家庭が多い。ところが日本は、立派な大画面のテレビが床の間に置いてあって、これ見よがしに顕示している。どうみてもテレビは恥ずかしい対象になっていない。
 アメリカの中流家庭でも、イギリス的気風があるようだ。とにかくテレビを見ない。見せないようにしている。事実、アメリカの子どもは概して早寝早起きである。
 アメリカ・中国の高校生の就寝時刻は、午後10時から11時の間が最も多く、ほぼ40%くらい。日本は、夜中の12時から1時が最も多く、約35%くらいである。深夜1時~2時でも15%もある。
 授業中、よく寝たり、ぼうっとしている。という日本の生徒は73.3%に達し、アメリカの48%、中国の30%に比べるといささか心配になる。
 早寝早起きの効用は、学習到達度も高くなる。今回実施された全国一斉学力テストの結果から見ても、規則正しい生活をする生徒の学習到達度は高い。勉強のよくできる子は、家庭の生活習慣と関係が深いことが判る。
 朝の読書を取り入れている学校がたくさんあります。チャイムを合図に、それまで子どもたちの声が響いていた校内が静まり、モードが変わって、授業の前に10分間を「読書」の時間として本を読む。朝のすがすがしさと同時に文学や絵本に親しむと、身も心も目覚めさせてくれます。

2019年1月29日火曜日

花だより ハナアナナス 教師の信頼度は第一印象で決まる


 教師に多いスーツに運動靴、警察に言わせれば〝泥棒スタイル?」〟
 でも、女教師のスーツにハイヒールは、行き過ぎ!
 いつもジャージだった私に、亡くなった母が「ヨシミツ、そんな恰好で学校に行くのかい?学校の先生でしょ!」と注意されたことがありました。
特に小学校の先生は、子どもが相手なので、外見を整える意識は薄いかもしれません。
学校関係者以外の方からの指摘が必要かもしれません。気をつけたいものです。
 

  教師の信頼度は第一印象で決まる
           Muse Branding Academy 代表取締役 谷澤 史子
 ~ポイント~
① 教師の外見を整えることは、生徒指導の説得力をアップさせる。
② 保護者は、教師の外見を厳しい目で見ている。
③ 基本的なスーツの着用ルールを知る。
④ 子どもたちが触れる社会の象徴として、教師も外見を整える必要がある。
 人は外見?中身?
 「メラビアンの法則」によると、55%は「見た目」で、38%は「この調子」、わずか7%が「話の内容」という順で第一印象が決まるそうです。
 子どもたちを導く教師が、自分自身の身だしなみや外見を整えることができなければ、説得力がなくなってしまいます。
 教師の外見について、子どもたち以上に厳しい目を向けるのは保護者かもしれません。
保護者は、教師に会う機会はあまりありません。そのため、第一印象で教師を評価せざるを得ないのです。
 ≪外見で気をつけるポイント≫
① 清潔感~清潔なのはもちろんですが、求められるのは清潔感です。洗髪しているのは 
 「清潔」あり、洗髪し、櫛を通して乱れを整えるのが「清潔感」です。
② 姿勢~立ち姿や座っている姿勢も大事ですが、表情姿勢も大切です。表情の基本姿勢は
 「笑顔」です。
③ 服装~スーツの色は、濃紺がベスト、ワイシャツは白か淡い色が望ましい。靴下は紺色
 で、座った時に脛を見えないように長めがお勧め、女性は、紺、グレー、ベージュから
 選ぶ、それに露出度を抑えたインナー、靴は黒か茶色で3~5㎝のヒールのパンプスが
 無難です。アクセサリーは小ぶりの物、メイクはナチュラルメイクに心がける。
④ 所作~耳で聞くだけでなく、目で聴く(目を合わせる)、手で聴く(メモする)、口で
 聴く(復唱する)、身体で聴く(前傾姿勢)、心で聴く(共感)を意識しましょう。所
 作で一番差がつくのは挨拶です。丁寧で心を込めた挨拶をしましょう。
 教師は、子どもたちが学校に触れられる社会の象徴です。学校の常識と社会の常識のズレがないように、教師が見本を示すことも仕事の一環と心得て、今一度自身の外見を見直しましょう。

2019年1月28日月曜日

花だより エンドウマメ 心の向きを変えてみる

「校長先生の“学校だより”、毎回楽しみに読んでいますよ。」
「最近は、ネタ探しで大変なんですよ。」
「私が読んだ本に、いいことが書いてありましたよ。“学校だより”で紹介してください。学校にクレームをつける親が少しは減るかもしれませんよ。」
  ◇◇◇心の向きを変えてみる◇◇◇
 どんなに文明が進歩しても、病気をはじめ、家庭の不和、仕事上のトラブル・・・と、悩みの種はつきません。そうした状態になったとき、とかく私たちは不運を嘆き、相手を責め、周囲を恨んだりしがちなものです。しかし、何かのせいにしている間は、本当の意味で問題が解決することはありません。むしろ自分の心の向きを変えてみることで、解決へと動き出すことを知るべきです。
 これまでの心遣いを振り返り、切り替えることで、困難を却って運命を開くチャンスにすることだってできます。その第一歩は、自分中心の見方をしてこなかったかと反省することから始まります。

2019年1月27日日曜日

花だより ミカン 働き方改革が進まない理由


 なぜ、日本人は定時に帰りづらいのか? 心理学から考える「働き方改革」
                  NPO人間科学研究所代表 榎本 博明
 働き方改革の審議の中では、学校の「ブラック」批判に応えるかたちで、教師という仕事の「やりがい」も明記すべきと言う意見がありました。ところが「やりがい」を強調しすぎると、かえって「働き方」がおかしくなる?
 ≪仕事の「やりがい」と落とし穴≫
 日本には、「お金のため」という考え方に抵抗を感じる人が多いです。「お金のために働く」と言う人はいやらしく感じるし、最初から「お金はいくらいただけるのですか?」と聞きにくい風潮があります。他国でしたら、お金の確認・交渉は当たり前です。仕事は「お金のため」にするのが当然なのです。
 そこで日本で強調されるのが、「やりがい」です。「何かのためになること」「自分が役立てること」が示されると、日本人は納得して仕事に打ち込むことができるのです。
 学校でも子どもたちに「お金を稼ぐこと」を正面から教える機会はありません。その代わりに教えるのは、使命感を持つことの大事さであり、自分が成長することの尊さです。そのため今の若い人たちは、強い「成長志向」を持っています。
 ではその「成長志向」が何に結びついているかというと、若者の離職・転職の多さです。「今の仕事では成長できない。」と感じると、すぐに辞めてしまう。あるいは「自分が成長できる仕事は何か」にこだわるあまり、職に就くこと自体のハードルが上がってしまうのです。仕事が「お金のため」と割り切れれば、就職活動もだいぶ楽になります。
 なぜ、日本人はお金にこだわらないように見せるのか?
 日本人は昔からお金よりも名誉を重んじていましたが、人の目も気にします。「みっともないことをしてはいけない」と自己規制しているのです。
 ≪「間柄の文化」と「自己中心的の文化」≫
 欧米文化は、「自己中心の文化」です。自分がどれだけ大きくなれるか、強くなれるか、儲かるか、自分ために生きています。日本人は、小さいときから「人のため」ということを意識しています。「人間」という通り、人と人の間に生きる。これが「間柄の文化」と呼んでいます。
 「自己中心の文化」は、思ったことを言えばいいし、したいことをすればいい、人の影響を受けるのは自分が未熟だから、という考えです。「間柄の文化」は反対に、常に人に配慮しなければなりません。相手の立場や気持ちに配慮できないことが未熟とされます。
 この「間柄の文化」は日本の長時間労働にも影響を及ぼしています。目の前の子どもが何か課題を抱えているとき、「勤務時間が過ぎました、私の給料はこの時間までなので帰ります。」とは、日本の教師はなかなか言えません。相手の立場や配慮することが優先され、自分の役割を限定できないのです。欧米では、教師も勤務時間がきっちり決まっていて、それ以外の時間に子どもの相手はしません。
 *(私見)キリスト教では、労働は神から与えられた罰だと言います。欧米人が、バカンスを長くとるのも罰からの解放なのでしょう。しかし、日本の繁栄は、まさに「間柄の文化」によって生まれたものです。「自己中心の文化」をそのままコピペすることはできないでしょう? 

極寒の朝

2019年1月26日土曜日

花だより ミスミソウ 吹雪臨休


《どうして?中学校が休みなのに小学校は休みにならなかったの!》
 朝、4時半に起きて、カーテンを開けて見ると予報とは違い穏やかな天気でした。5時に役場前まで様子を見に行きました。すでに車道・歩道とも除雪されていました。あちこちで黄色い回転灯が見え、除雪が急ピッチで進められていました。学校の方まで来ると、校地内に丁度除雪車が入るところでした。そのとき雪は止んでいました。
 家に戻り、6時になって町内の校長と協議しました。天気予報でも「警報」は出ていなく回復に向かうということでしたので、この程度なら「できるだろう」という判断をしました。中学校は、スクールバスで通学する生徒がいることから臨休になりました。(周辺の小規模校は臨休にしました)
 ところが7時過ぎから、雪が降り出し、風が強くなり丁度登校時間がそのピークとなってしまいました。玄関で「校長先生、どうして休みにしてくれないの?」と何人もの子から抗議をうけました。職員室に入ると電話が鳴りっぱなしでした。「中学校が休みなので、てっきり小学校も休みだと思いました。」という電話が多かったようです。欠席が多いのではないかと心配をしましたが、それほどでもありませんでした。下校時は、1・2年生が4時間授業高学年より早い下校でしたので、先生方がついて集団で下校させました。
 これからもこのようなことがあるかもしれませんのでお知らせします。
 6時までに町内の校長会で協議します。それまでに各学校では、校区内の状況を調べます。斜里は広範囲なので、それぞれの学校(特に小規模校)で最終判断をします。
 斜里小・朝日小は市街校なので同じ対応をとることにしています。 
 中学校はスクールバスの関係で別な対応をとります。
 臨休の場合は、6時30分までに各先生に連絡をします。
 7時頃までには各家庭に連絡網(またはメール)でお知らせします。
 「やります」という連絡はしません。
  荒天の場合、周辺の状況を聞くために6時頃学校から電話することがあるかもしれませんので、 その時はご協力をお願い致します。
 *ただし「安全第一」です。場所によっては、吹きだまりができていたり、除雪した歩道もふさがっている場合もあります。そのときは、ご家庭で判断されて結構です。
 学校は、1年間で行う授業時数が決まっています。台風や吹雪、インフルエンザによる学校閉鎖等も考慮して、少し多目に計画を立てていますが、それほど余裕はありません。子供たちは休みが多ければいいと思うでしょうが、校長は、子どもの安全を最優先にして、いかに授業時数を確保して勉強させるかを考えます。

2019年1月25日金曜日

花だより フウキギク 新卒の下手な授業でも子どもはついてくる?


 《新卒の下手な授業でも子どもはついてくる?》
 授業が成立しない原因のほとんどは、教師不信が根っこにある。授業が成立する第一条件は、子どもから好かれていなければならないということです。
どんなに教材研究をして授業に臨んでも、子どもから嫌われている教師の授業は、発表を求めても反応がなく、教師の説明に集中しない。そして、それを補おうとして宿題を出しても提出率が悪いのです。教師が子どもに好かれ、信頼されていれば、多少授業が下手でも子どもはついてきます。
 つまり、授業技術や教材理解以前に「人格的力量」の問題なのです。ベテラン教師より授業技術の劣る新卒の教師が1年目から学級担任ができるのも、これを期待してのことです。これは先天的に備えた資質で、そうしたセンスを持っている者しか教師にはなれないのでしょうか?
 新卒で若いというだけで子どもから好かれるのは、わずか2~3年のことです。その間に、人格的力量を高めていかなければならないのです。
 ≪子どもに好かれ信頼されるには≫
(1) ひいきしない (2)時間のけじめをつける (3)上手にほめる (4)子ども  の話を受容的に聞く
 これは、授業だけでなく、子どもとかかわる全ての場面で求められる教師の基本姿勢です。若いホステスと年配のホステス、どちらがチヤホヤされるかといえば、それは若いほうがいい。ところが若いホステスさんは、お店のナンバーワンには、なれないそうです。

2019年1月24日木曜日

花だより エリカ スケートなんて嫌いだ!


 スケートなんて嫌いだ!という気持ちもわかりますが
「だって冷たいし、足が痛くなるし、同じところばっかり滑るし、つまんない。」
 全校朝会で「道産子って知っていますか?」と聞くと4年生の男子が手を挙げた。「馬のことで、北海道の人のことも道産子といいます。」完璧な答えが返ってきました。
 北海道の開拓は、“どさんこ馬”なしには語れない。各地にある馬頭観音の石碑
 古老から聞いた話~開拓当時は、春になると東北地方から人々が船でやって来て、森林を伐採し、畑を耕し、海や川では漁をして、冬になる前にそれらを船に積んで戻った。その時、馬は原野に置き去りにされた。マイナス20度になる原野で馬たちはじっと堪え、人が来る春を待った。どさんこ馬は、体が小さくばんば馬のような馬力はない。サラブレットのように速くも走れない。でもがまん強く厳しい作業にはうってつけの馬だった。今のようにトラクターもトラックもない時代。馬は大切な家族のようなものだった。だから馬が死ぬとそれを慰霊するために「馬頭観音」を建立し、年に一度必ず部落の人が集まって慰霊祭をするようになった。そんな“どさんこ馬”のように厳しい自然環境に立ち向かった開拓民(道民の先祖)は、多少のことではへこたれないがまん強さがある。
 「スケートは辛いからやるんだ!」
 スケートは決して楽しいスポーツではないかもしれません。心地よい汗をかくこともなければ、ひもを縛るにも一苦労するし、細いエッジの上に立つことすら難しいのに、「膝を曲げて腰を低くして滑りなさい。」と言われる。足首がグラグラするからひもをしっかりしばると今度は足が痛い。足が痛いと転びやすくなって、今度はお尻が痛い。鼻水は氷るし、本当に泣きたくなってきます。
 そんなスポーツだからこそやる。北海道に住んでいるからスケートができる。スケートがうまくなるためだけにやるのではなく、忍耐力をつけるためにやる。これくらいのことががまんできないと“どさんこ”とはいえません。北海道の厳しい財政を再建するには、道民のがまん強さがないとやっていけません。

2019年1月23日水曜日

花だより フクジュソウ 市田柿 穴埋め問題

 【問 題】 
1 次の文は、「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(平成28年9月14日文部科学省)からの抜粋です。( )の中に適切な語句を下から選んで記入しなさい。
(1)不登校については、取り巻く(   )によっては、どの児童生徒にも起こり得る 
  こととして捉える必要がある。また、不登校という状況が継続し、結果として十分な  
 支援が受けられない状況が継続することは、(     )の低下を招くなど、本人の(   )や社会的支援のために望ましいことではないことから、支援を行う重要性につ 
 いて十分に認識する必要がある。
(2)不登校については、その(   )や背景が多様・複雑であることから、教育の観
  点のみで捉えて対応することが困難な場合があるが、一方で、児童生徒に対して教育 
 が果たす役割が大きいことから、学校や教育関係者が一層充実した指導や(   )へ
 の働きかけ等を行うとともに、学校への支援体制や関係機関との連携協力等の(  ) 
 による支援等を図ることが必要である。
(3)不登校とは、多様な原因・背景により、結果として不登校状態になっているという
  ことであり、その行為を「(     )」と判断してはならない。不登校児童生徒
 が悪いという根強い偏見を払拭し、学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い
 (      )と受容の姿勢を持つことが、児童生徒の(     )を高めるため
 にも重要であり、周囲の大人との(     )を構築していく過程で社会性や人間性
 の伸長につながり、結果として児童生徒の(    )につながることが期待される。
(4)不登校児童生徒への支援は、「(         )」という結果のみの目標にす
  るのではなく、児童生徒が自らの(   )を主体的に捉え、社会的に(   )す 
 ることを目指す必要があること。また、児童生徒によっては、不登校の時期が(  )
 や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択
 上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することを留意すること

    環境  自己肯定感  進路  要因  家庭  ネットワーク 
    問題行動  共感的理解  自己肯定感  信頼関係 社会的自立 
    学校に登校する  進路  自立  休養


2019年1月22日火曜日

花だより シンビジウム プロポーズは、メールじゃイヤ!


  プロポーズは、メールじゃイヤ! ~恋 文~(全校朝会で)
 「今、皆さんは「書く」勉強をしています。大きくなったら、素敵なラブレターが書ける人になって下さい。素敵なラブレターを書くためには、どうやったら相手に気持ちが伝わるか①文章の構成を考えること ②言葉をたくさん知っていること ③字を間違わないこと ④ひらがなばかりだと笑われます。漢字を覚えること ⑤そして、何より大切なことは、誰かを好きになることです。 そして、あるラブレターを紹介しました。
 先日、お会いして以来、あなたの顔を忘れることができません。
 ぼくは、昔から女の人と話すのが苦手でした。ところが、あなたと話していると一行に疲れません。むしろ、心がウキウキする感じがします。これほど自分にあった女性が他にいるとは思えません。
 今すぐにでもプロポーズしたいところですが、ぼくの一方的な気持ちをあなたに押しつけることになります。それでも、どうかぼくと結婚を前提にお付き合いしていただけないでしょうか。そして、ぼくという人間をあなたによく知ってもらいたいと思うのです。よいお返事をお待ちしております。

《返 信》 
 あなたの気持ちは、前々から何となく感じておりました。
 私も以前から、あなたに好意以上の感情を持っておりました。あなたのお言葉がどれほどうれしく感じたことか、大げさではなく、天にも昇る気持ちでした。汗だくになってプロポーズするあなたが愛しくてなりません。
 私を選んでくださってありがとうございました。あなたと一緒にこれからの人生を歩んでいける喜びを、今、噛みしめています

 ある子が言いました。「校長先生、ラブレター書くのうまいね!」
「これは、校長先生が書いたんじゃないからね!」「えっ!それじゃ、〇〇先生かな?」
 ある女の先生が言いました。「プロポーズは、メールじゃイヤだけど、目の前で言って欲しいです。」そういう男性が早く見つかることを願っています。

2019年1月21日月曜日

花だより オンシジウム 「息子」は「自らの心の子」と書く

「息子」は「自らの心の子」と書く
 親として、子どもにかけた期待を裏切られるほど情けなく切ないことはない
   「このできそこないめ!」と子どもを怒鳴る
   できそこない ではなく「育てそこなった」のだ
   息子という字は、「自らの心の子」と書く
   なってもらいたいように、自らおこなってみたらどうだろう
   してもらいたくないことは、自らつつしむこと
   子どもは、親の通った道を歩むもの

 娘が小学生の頃、捨て猫を拾ってきたときがありました。
「だれが面倒見るの?」と叱ったら、母が「喜充も小さい頃、よく犬や猫を拾ってきて、怒られたもんだ。」と言いました。それを聞いていた祖母が「そういうミツ子(母)も小さい頃、何匹も拾ってきて、怒ったことがあったっけね。」と言ったことがありました。 
 たぶん、ばあちゃんも、そうだったんだろうと思います。子どもは、親の通った道を歩むものなのです。
  知り合いの校長先生の息子さんは、東大を出て一流企業に勤めました。「我が娘とは違うなあ!」と思ったのですが、そうではなく親の育て方の違いだったのです。

2019年1月19日土曜日

花だより クンシラン 神田北見市長に聞く

 ~13年前を振り返る~
【神田北見市長に今年度の目標を聞く】(若松地区公民館にて)
  いま、時代の転換点!行政も市民も変わる!私たちは挑戦していく!
  2006年3月5日(日)1市3町合併で新市誕生!!
    ~ひと・まち・自然きらめく オホーツク中核都市~
 のんたの湯や温根湯温泉、サロマ湖、たまねぎ、ホタテ、白花豆など、新しい北見の資源を活用して産業の活性化を・・・。特産品や観光地を活かすことで、まちの発展の可能性が限りなく広がります。
◎これからの街づくり~大きな事業は別として、どこの道路を直したらよいか、除雪の順番はどうしたらよいかなどは、地域住民の皆さん(将来は小学校区を基準とした自治区を設定する)に決めてもらいます。このようなことは、これまで行政が全て決めていましたが、これからは、皆さんに優先順位を決めてもらいます。(例:①公園の新設 ②市道の補修 ③街灯の設置 ④、⑤・・・など)しかし、予算は限られていますので、その上位から市が執行するようにします。(全部やるのは無理です。)
 阪神淡路大震災で一人の死者も出なかった地域があったそうです。同じ震災を受けた地域で死者がたくさん出た地域とそうでない地域がありました。前者は、マンションが建ち並び、大型スーパーがあるいわゆる近代的な地域で、後者は、古くからの商店街を中心とした古い町並みの地域だそうです。この違いは、普段からの近所付き合いにありました。地域住民の結びつきが強い地域では、地域住民が助け合って救助活動をした結果、一人の死者も出さなかったそうです。逆に隣の住人と挨拶も交わさない、顔も知らない。という地域は、災害時に弱いだけでなく、犯罪多発地帯でもあり、青少年の非行率も高いという結果が出ています。
 私がすすめる街づくりは、住民の結びつきが強い“住民自治”の街づくりです。
◎合併のねらい~これからの地方自治は、これまでの国や道の下請けではなく、私たちにできることは、私たちがします。地方に任せてほしい。(権限の委譲)国や道に代わってやります。そのためには、3~4,000の人口の町では難しいので、ある程度の規模の都市でなければならないのです。
◎銀河線廃止について 藤井さんのおじいちゃんが質問~市長になって、これが一番辛い決断でした。2~3年先送りすることもできましたが、乗客数は、銀河線がスタート時から比べると6割減なのです。このまま赤字を増やし続けて後の人に迷惑をかけるようなことはできませんでした。また、沿線の町長さんもなかなか廃止ということは言えないのです。それにバス転換しても赤字なのです。このままだと赤字はますます増えていきます。責任ある立場の者として(銀河線の社長)、断腸の思いで決断しました。この決断に至るまで一気に白髪が増えました。また、この廃止決断と同時に好きなたばこもきっぱり止めました。
 さまざまな課題に精力的に取り組んでいる市長さんですが、報酬は30%カットだそうです。この“ふれあい市長室”は、市政全般について市長と懇談することを目的に、各自治会を回っているようです。機会がありましたら、参加してみてはいかがでしょうか。懇談会のほんの一部を紹介しました。

2019年1月18日金曜日

花だより リンゴとミカン


 最近は、マンゴーとかドラゴンフルーツなど南国の果物やイチゴにしても品種改良したやたらと糖度の高い果物が人気のようですが、日本の気候風土に合った旬の果物を食すべきだと思います。
 冬はやっぱり 医者いらずのりんご 
 りんごの消費量が他の輸入くだものに押されて年々減ってきているそうです。かつてはオホーツク管内にも、りんご園が多くありました。この時期になると木箱の籾殻(もみがら)の中から取り出して食べた固くてすっぱい国光というりんごを思い出します。りんごは人間の体にとって、大変良い効果があることが立証されています。「1日1個のりんごで医者を遠ざける」とことわざにもあります。特に高血圧、動脈硬化、便秘、胃腸障害、貧血など、成人病に効くと言われています。                  
 冬はやっぱり 美容と健康にもミカン
  ミカンの内皮に含まれる食物繊維には脂肪分解作用があります。これは皮下脂肪より内臓脂肪への効果が高いそうです。ダイエットを気にする方には、もっともヘルシーなフルーツといえます。また、ミカンは、 ガン予防食としても注目されています。最新の研究で柑橘類の色素成分に含まれる「ベータ・クリフトキサン チン」は、ガン物質の働きを抑えます。その能力は、ベータカロチンの約5倍もあるということがわかってい ます。1日2個ミカンを食べるだけで、ガン予防に十分な量をとることができます。さらに、ビタミンCを多く とれるくだものは、レモンと思っていませんか?レモン1個45mgに対して、ミカンは2個で70mgとることができます。洗ったり切ったりする手間のいらない手軽さもミカンならでは利点です。                 


2019年1月17日木曜日

花だより フキノトウ メンタルヘルス

    メンタルヘルス 心の健康 遊ぶことが大切  
 体が疲れてくると、風邪をひきやすくなったり、胃腸がうまく働かなくなったりします。それは「少し休みなさい」というサインです。そういうときは、仕事を早く切り上げて、薬を飲んだり、医者に診てもらって回復を図ります。しかし、心の疲れはどうでしょうか?体のようにすぐサインが現れないので、多少調子が悪くても無理に頑張ってしまいます。大人であればストレス解消に、パチンコをしたり、お酒を飲んだり、釣りに出かけたり、それぞれがストレス解消法を持っています。しかし、子どもはそれを知りません。自分ではどうすることもできず、それが問題行動として現れてきます。
 「みんな なかよし」小学校の教室によく掲示してある言葉です。しかし、これほど難しいことはありません。“いじめのある学級”と“まったくいじめのない学級”の子どものストレスは、“いじめのない学級”の方が強いと言われています。子どものストレス発散は、わがままな行動や自己中心的な行動として現れるのが特徴です。いじめているという意識がないままに、ある一定の子どもに攻撃的になったり、また、必要以上に親に甘えたりするのです。“いじめのない学級”には、先生や親の言うことをよく聞く、お利口さんが多いのです。
 お利口さんほどストレスが多い 高学年になるとお母さんにべったりくっついて甘えることもできない。友だちのいやがることをしてはいけない。先生の言うことは、きちんと聞かなければならない。親の期待に応えなければならない。いつも良い子でなければならない。と思えば思うほど子どもにストレスは、たまってきます。本来子どもは、休み時間汗びっしょりになって遊んだり、家に帰っても暗くなるまで外で遊んで、兄弟げんかをしたりしてストレスを発散するものなのです。
   ストレスコントロール(ストレスを生かす)    医学博士 中 島 一 憲
 ストレスコントロールとは、お酒を飲んだりしてストレスから逃げることではありません。人生をより充実させて生きていくために、ストレスを自分が成長するための糧として主体的に取り入れていく姿勢が大切です。ストレスと上手に向き合い、ストレスへの耐性を強化しながら、さらに上のレベルを目指していくことがストレスコントロールです。苦労を乗り越えた収穫ほど、人間的に成長させ、深みを増していきます。ストレス発散で他人に迷惑をかけてはいけない。ストレスのない快適な環境をつくる努力をするより、ストレスに耐える心を育てることが大切なのです。

2019年1月16日水曜日

花だより カニサボテン 焼酎の続き

 焼酎の続き
 焼酎人気は、酎ハイなど、さまざまなものと組み合わせて飲むことができることにありますが、他に4リットルの焼酎のペットボトルは、実に用途が多様です。
 若松地区の湧水が名水と聞いて、汲みに行くことがあります。18リットルの容器では、重くて運ぶのが大変、1リットル用のペットボトルはかさばるし、持ちづらいが、その点4リットルの焼酎のボトルは、持ち手もついているので超便利なのです。ところが、我が家は晩酌の習慣がないのです。妹の家で大量の「ビッグマン」と書かれた4リットルのボトルがあると聞いて分けてもらい、さっそく若松名水を汲みに行きました。
 日曜日ともなると、水汲み場は混み合っていました。後ろに18リットル容器を2つ持って待っている人から「いい物お持ちですね。これは水汲みにいいですね。」と声をかけられました。「私も焼酎は好きなんですよ。」
「いやいや、これは妹の旦那が好きでね。そこから貰ってきたんですよ。」と答えてしまった。「この名水で割った焼酎は美味しいですよね。」となぜ答えなかったか、後で悔やみました。

         


2019年1月15日火曜日

花だより セントウソウ 焼酎は小宇宙


 焼酎は小宇宙(しょううちゅう)
                 薩摩酒造(株)常務取締役 鮫 島 吉 廣
 焼酎は、ウィスキーと同じ蒸留酒でありながら、不思議な酒である。とりたてて華やかな香りや濃醇な味わいがあるわけではない。それでいながら、生活の酒としてしっかり存在感を持っている。自分の好みに合わせて割って飲み、どんな料理にも合う。お湯で割っておいしさが増し、酔い覚めがいい。焼酎が九州の地酒にすぎなかったころ私は入社したが、これほどの焼酎ブームが来るとは想像もしていなかった。「針の穴も近づければ世界が見える」ちっぽけな穴も、目を近づければ広く豊かな世界が見えてくる。
 

2019年1月14日月曜日

花だより 椿 「兼高かおる世界の旅」

「兼高かおる世界の旅」
  いまや女性の社会進出、活躍が当たり前となった現代の日本。学校や職場でも、優秀で元気なのは女性ばかりです。女性の価値観、果たすべき役割が大きく変化しています。では、古い型の「女らしさ」はもはや求められないのでしょうか? いや、女性上位の時代だからこそ、従来の男性とは異なる価値観、よき女性らしさを、職場や家庭に持ち込んでほしいものです。 
 ベストセラーになった坂東眞理子氏の『女性の品格』では、「礼状が書ける」「約束をきちんと守る」「型どおりの挨拶ができる」「姿勢を正しく保つ」「贅肉をつけない」「人に擦り寄らない」「よいことは隠れてする」「恋をすぐに打ち明けない」など~ビジネスから装い、話し方、恋愛にいたるまで、女性としての振舞い方を具体的にアドバイスしています。何げない日常の立居振舞いに、女性の生き方と品位はおのずと表われるものです。
 海外リポート番組の草分け「兼高かおる世界の旅」(TBS系)の案内役として1990年まで31年間、150カ国を巡った旅行ジャーナリスト、兼高かおるさん(90歳)が1月5日お亡くなりになられました。
 この番組は海外旅行ブームに先駆けた名物番組でした。国内旅行すらできない小学生だった私は、「兼高かおる世界の旅」を見るために、日曜日でも朝は普通に起きて、身支度をし、朝ご飯を食べて、そしてテレビをつける。オープニングの音楽とパンアメリカン航空の飛行機の映像が映し出されると、今日は「アルプスの国スイスだよな!」と前回の予告をきっちり覚えていて、わくわくしたものです。
 日本人の海外渡航が自由化される1964年以前から、さっそうと世界各地を飛び回った行動力、そして、気品のある語り口、私たちの年代の日本人にとって兼高かおるさんは、エキゾチックな美人で聡明、まぶしい存在でした。
 兼高さんは、リポーターやナレーターだけでなく、ディレクターやプロデューサーも兼務していたことは、亡くなった報道で知り、さらに驚きました。「女性の品格」女性の社会進出の先駆けでした。
「平成」が終わるときに、「昭和」がまた遠くなってしまって淋しく感じます。

2019年1月13日日曜日

花だより クリンコザクダ シャンプーボトルのギザギザ


 《心がホッとステーション》 
 身近なことから ~思いやりの心を育てる~
 シャンプーボトルの側面にギザギザ(刻み)が付いているのをご存じでしょうか?目の不自由な方が、手で触ってシャンプーとリンスを識別できるように、このような工夫がされています。この刻みが付けられたきっかけは、目の不自由な妹さんをもつ消費者の方が、ボトルに輪ゴムを付けるなどして、シャンプーとリンスを区別している。なんとか触っただけで識別できるボトルはできないだろうか。そこで大手メーカーの「花王」では、新しい金型を作り、シャンプーのボトルに〈刻み〉をつけた。さらにこれを業界全体の財産にしようと各社に呼びかけ、現在では、ほとんどのメーカーがシャンプーに〈刻み〉をつけている。
 シャンプーの〈刻み〉誕生の背景には、このような多くの人の願いや苦労や工夫があったのです。目が不自由な妹さんをもつ方からの手紙。それに応えようとした「花王」の企業姿勢。そして、それを業界の共有財産とした各メーカーの方々。どれを取り上げても、心温まるエピソードです。

2019年1月12日土曜日

花だより カンザクラ よい授業とは?

【よい授業とは?】
 躾やルールは、口で言ってすぐ身に付くモノではありません。毎日の地道な積み上げが必要です。そして、授業がうまくいかないことを子どものせいにしてはいけません。何より大事なことは、教師の心構えです。
 若い先生は、先輩のよい授業をたくさん見ることです。ただ見るだけではいけません。
見る視点を持っていなければなりません。
 ~10のチェックポイント~
□1 授業のねらいが的確にとらえられているか
□2 教材が精選されているか
□3 指導の立場が明確で、学ばせたり、考えたりする時間と説明したり、教えたりする時間との区別がついているか
□4 板書が見やすく、分かりやすく工夫されているか
□5 個別指導について配慮がなされているか
□6 学習内容の定着が図られているか
□7 学習が連続・発展するように指導されているか
□8 評価の手立てが用意されているか
□9 学習中、望ましい雰囲気が高められているか
□10 学習環境が整備されているか
《よい授業を支える要件》 
①教材研究を十分にして、教材に精通していること
②子どもの発達段階や学習心理の上に立って、授業をすすめること 
③学習に対する子どものしつけや態度がつくられていること

2019年1月11日金曜日

花だより 胡蝶蘭 筆まめとメール

  【筆まめ・筆が立つ】
 喪中で年賀状を出しませんでしたので、代わって寒中見舞いを出しました。数が少なかったので久しぶりに手書きにしました。そんなとき目に留まった新聞記事がありました。
  「ことばの宝箱 ~筆~」 読売新聞 平成31年1月9日
「筆」は書く道具だけでなく、書き記したもの、さらに書く行為も指します。
メールが主流の世の中ですが、相手のことを考えながら筆を執った手紙も、すてきです。
 大手家の居間で、おばあちゃんが、海外で仕事をしているおじいちゃんに、手紙を書いています。
エッちゃん:おばあちゃん、おじいちゃんにお手紙?おばあちゃんは筆まめよね。
セイ君:豆?
お母さん:面倒がらずに手紙や文を書くことや、そのような人を「筆まめ」というのよ。
おばあちゃん:筆に任せて書くのが楽しいのよ。「筆に任せる」は、勢いに乗って思いのままに書くと言う意味よ。
お母さん:それに引き換え、おじいちゃんは筆不精ね。
セイ君:筆武将カッコイイ!
おばあちゃん:カッコ悪いよ。「筆不精」は、手紙や文章を書くのを面倒がることだよ。
  続き(省略) 他に
 筆を起こす~書き始めること
 筆が滑る~書くべきではないことまでつい書いてしまうこと
 筆を走らせる~すらすらと書くこと
 筆をおく~文章を書き終えること
 筆を入れる~文章や文字を直すこと
 随筆~特定の形式を持たず、見聞や経験を思いのまま書き記した文章のこと
 肉筆~印刷や複製ではなく、本人の手で書いたもの
エッちゃん:おじいちゃんから、返事が来たよ。
お父さん:うん、達筆だ。(字や文章を上手に書くこと)
 最後に「筆が立つ」 ☆辞書で意味を調べよう。
 「文章が上手なこと」とありました。
 
 記事を読んで、「もう、こうした言葉は死語になってしまった?」と思ったら、
 メールを上手に打つ人も「筆が立つ」、よくメールを打つ人は「筆まめ」と言ってもいいんじゃない?と若い人から言われました。


2019年1月10日木曜日

花だより トキワコザクラ 今、若手に必要な教育技術


教師教育の深層 ~今、若手に必要な教育技術~
                     追手門学院小学校講師 多賀 一郎 
≪協同学習か?一斉授業か?≫
 若い実践家や大学の教員の一部の中に
「一斉授業は旧い、時代遅れだ。」
「一斉授業では死んでいた子どもが、協同学習では生き生きする。」
「一部の名人教師しか、一斉授業は成立しない。」
 等と、声高に発信する方々がおられます。
 まず、この「協同学習vs一斉授業」という対立の図式そのものが成り立ちません。
 ≪下手な授業≫
 下手くそな一斉授業では、確かに子どもたちの目は授業が進むにつれてどんどん死んでいきます。そして、授業が分からないという子どもたちがたくさん置いてきぼりを食らいます。その状態に悩んでいた若手が協同学習中心の授業に切り替えたら、子どもたちは活動的になり学習が成立して、何もかも解決したように思い込んでしまうのです。
 未熟で子どもを見とる力がないので、形だけを真似ることしかできないのが若手です。実際に教室で何が起きているかを本当には分からず、ただ現象的には活発であることに満足を覚えている若手は、たくさんいます。
 下手くそな一斉授業があるのと同じように、下手くそな協同学習というのもあります。
 不遜なものの言い方をしますが、私はどのような学習形態であっても、そこそこの授業ができると思っています。それは教育技術をていねいに身に着けてきたからです。
 大切なのは協同学習にも一斉学習にも通用する教育技術をいかにして身に着けていくかということです。
 ≪多様な授業に対応する≫
 時代は多様性を追い求めています。
 インクルーシブ教育は、教室内の多様性を認めようという教育です。教室にはいろいろな子どもがいて、互いにそのことを認め合うということです。
 アクティブ・ラーニングの学習でも、一人一人が主体性を持って学び始めたら、そこに多様性が生まれるのは自然なことです。
 そして、これから増えていくであろうイエナ・スクール(*一人一人を尊重しながら自立と共生を学ぶ『イエナプラン教育』を実践するスクール。学校法人茂来学園大日向小学校2019年開校)や風越学園等に代表されるオルタナティブ・スクール(*現在の公教育とは別の方針・理念をもって運営されているスクールの総称)という新しい学校の在り方も、多様性の模索だと私は考えます。
 教師には、一斉授業におけるリーダーシップの力も必要です。協同学習におけるファシリテーター(*中立的な立場から活動の支援を行う)としての力もなくてはなりません。
若い先生方には、その両方の力を身に着けてほしいものです。どのような形でも授業ができる力があって、初めていろいろな問題に対応できるのです。
≪教師の技術もいろいろ≫
教師の技術には、大きく3つの考え方があります。
◆1つ目は、「技術として具体的に伝える手立て」
 教材研究の方法をどうしていくかというプランから始まり、話し方、立ち方のようなものは、学習形態にかかわらず必要なものです。保護者対応の仕方も、これに含まれます。ほとんどの教師は、このことを指導します。
◆2つ目は、「メンタルの持ち方」
 これは授業とは直接関係なく、自分の精神的なイメージ・コントロールの仕方や日常の心の持ち方等を教えることです。これは、特に今のメンタルの弱い若手教師には必要なことです。
◆3つ目は、「姿勢」
 これからの教師には、自らを振り返ってこれから先の在り方を創造していく力が求められます。まさしく教師自身がアクティブ・ラーナー(*学び続けることに果敢に挑戦するスピリットと行動力を備えた人)です。その姿勢を育てるのが、教育の課題です。
                      (*注釈)は牧野

2019年1月9日水曜日

花だより カンツバキ 「じぇ、じぇ、じぇ」


「じぇ、じぇ、じぇ」 
 流行語大賞の発表があったとき 何のことだがよく分かりませんでした。朝ドラ「あまちゃん」を見たことがなかったからです。年末に特集(総集編)を見て納得しました。
最高視聴率27% 常に20%をキープ 再放送、録画も含めると50%を超えていたのでは?  
 なぜこんなにヒットしたのか? 全編通してのテーマは「家族愛」「郷土愛」
 ○「あまちゃん」を見ると、朝から元気になれる。○家族そろって見られる。○中高年から若い世代まで幅広い支持を獲得した。○震災の北三陸を舞台にして、古き良き日本の田舎を再認識した。○東北に対する見方が変わった。○何もない、つまらない田舎が、徐々に自分の故郷を誇りに思うようになった。○オープニング曲、「潮騒のメロディー」、「いつでも夢を」など音楽の力が効いていた。○キャスティングや80年代のアイドル曲を入れるなど構成が工夫されていた。ヒットの要因は、たくさんあると思いますが、何といっても宮藤官九郎さんの“だれも悪者にしない。だれも死なせない。”という脚本の妙でしょう。
NHKなのでCMがないので4時間ぶっ通しで2日間見て、「じぇ、じぇ、じぇ」と感動しました。朝ドラ「あまちゃん」を見ることが毎日の習慣になり、あまロス症候群という言葉が生まれたのも納得です。
「あまちゃんを終えて」  アキの母親役の小泉今日子さんの寄稿です。
~希望の光へ さぁ私たちも!~
 あまロス症候群なんて言葉が生まれてしまうほど「あまちゃん」の放送が終了して心にぽかんと穴が空いてしまった人達がいるらしい。 あのドラマに関わった人間にとってなんて嬉しい言葉だろうと思う。
「あまちゃん」は挑戦だった。コアな人気は凄いけれど、なぜか視聴率には恵まれない宮藤官九郎さんの脚本でNHKの朝ドラを! しかも東北を舞台に震災前からその後までの時間を描く。ヒロイン能年玲奈ちゃんは久しぶりに完全オーディションで選ばれたほぼ無名の女の子。 母親から「ブス!」と罵られる猫背のヒロインなんて前代未聞である。
 怒ってばかりのスケバンみたいな母親だって前代未聞。朝ドラを見るのを毎朝楽しみにしているお年寄りに嫌われるのを覚悟の上で、私はそのスケバン母役を引き受けた。 ところが放送が始まると意外や意外。視聴率は好調だし、猫背のヒロインの透明感とつぶらな瞳は全国の皆さんの心をたちまち掴んでしまったし、 スケバン母もどうにか受け入れられたようである。
 伝説の海女を演じた宮本信子さんや大女優役の薬師丸ひろ子さんが物語をグッと引き締め、ドラマの楽しさを盛り上げた。 とはいえ、私達役者はあくまでも台本通りに演じただけである。一番の功労者はやはり脚本家なのだ。 宮藤さんの脚本には愛と尊敬の念があると思う。一人一人の役者さんに与える台詞は他の誰が言ってもきっと面白くならない。 その人にしか絶対に言えない言葉だ。だから割り当てられた台詞を役者が発した時、いるいる、そういう人!と愛すべきキャラクターが出来上がってしまう。面白おかしく小ネタを挟んで茶化しているようだけど実はテレビの力というものをちゃんと信じて愛して敬っている。
 役者もプロデューサーもディレクターもみんな、そんな宮藤さんの脚本を信じて最大限の力を出し合えた。 だから「あまちゃん」は視聴者の皆さんにも愛されたのかもしれない。

2019年1月8日火曜日

花だより テンドロビウム お説教「慎み」

お説教 ~慎(つつし)みはゆとりの心から~ 
  肥大した欲望が、個人を、人類を押しつぶしかねない今日の世相です。
  感情をコントロールできない短絡的な行動(最近の悲惨な事件)に唖然とするばかりです。今は慎みという言葉は、死語になってしまったのではないでしょうか。慎みは我慢ではありません。弱気でもありません。心のゆとりから生まれてくるものです。
  目の前のことだけでなく、先を考える余裕、自分のことだけでなく、周りの人のことを考えるゆとりから出てくるものです。慎みある生き方が、結局のところ一番確かな、長続きする道だということを忘れてはなりません。豊かな時代だからこそ、子どもには、我慢することを覚えさせる必要があります。それが自分をコントロールする第一歩です。
 そのためにも、先ず大人が慎む姿勢をしめさなければなりません。
 最近、お説教を聞いて「ありがたなあ~」と思うようになりました。これも歳をとったせいでしょうか?

2019年1月7日月曜日

花だより ハコベ お正月の出来事

       ○▼□お正月ウォッチング○▼□
 昔は、「元旦からお金を使うものではない」と言われたものです。それに元旦はどのお店も休みでしたが、今は大型店の元旦初売り広告チラシが31日の新聞にたくさん入っています。我が家は、「そんな商戦には乗らない。出かけない」と決めていましたが、31日腕時計が電池切れで止まってしまい。元旦早々出かけることになってしまいました。まず、車の多さにビックリ、店内の人の多さにビックリです。小さい子が「何見るの?何見るの?」とお母さんに聞いていました。きっと車の中で「いいかい、見るだけだからね。見るだけで何も買わないからね。」とお母さんから言われたのでしょう。あまりの人多さに電池交換だけして早々に帰ってきました。元日から働いている皆さん本当にご苦労様です。
 「心技体・気剣体一致」お正月恒例教え子とのクラス会
                  ~女満別豊住小学校で剣道をしていた教え子たちと~

  辛かった稽古、負けてばっかりだった大会、稽古袋にお菓子とゲームボーイを入れて大会に行って先生に怒られたこと、負けた次の日の稽古では、先生にしごかれたこと、強くなっていつか先生に仕返しをしたいと思っていたことなど、思い出話で盛り上がりました。この教え子たちは、中学、高校、大学に進んでも剣道を続けました。「小学生の頃、先生から厳しく言われたこと、あのときはよくわからなかったけど、大人になって分かってきました。」の言葉で救われました。
 書初め 若松老人クラブの新年会に出席しました。皆さん大変お元気で新年を迎えられました。そこで91歳になる藤井さんの書を拝見しました。「少年老い易く学成り難し」しっかりした筆遣いとても91歳とは思えない見事な書でした。私は「心清寿長」(心が清ければ“寿=命”長生きするという意味)の書を持って行きましたが、まだまだ敵いません。

2019年1月6日日曜日

花だより カンアオイ お正月三が日


 若松地区新年会 若松地区の住民は約200人で、その内米寿(88歳)以上が15人もいる北見一番長寿の地域だそうです。
「イモやカボチャを食べて育ったのに、なぜこんなに長生きするのか。若松は温泉も出るし、水がいいからかな?」と96歳になるおじいさんが言っていましたが、私は、精神力の強さだと思います。
 おじいさんは、亥年だそうです。亥年の人の性格は、“目標に向かい、勇気を持って、真っ直ぐ進む!”ああでもない、こうでもないと悩んでいないで、こうと決めたら、最後までやり通す。猪突猛進的な性格です。
 お正月三が日 「あっ?校長先生だ!」 東部ダイエー店で
 ぶらぶらしてゲームコーナーまで行くと、パチンコ台がピカピカ光っていました。見るとやっているのはお年寄りで“大当たり”を出していました。“100円で150発!お正月サービス”と書いてありました。隣があいていたので座ろうとした瞬間。後ろから「校長先生。おめでとうございます。」とあいさつされました。1年生の男の子でした。「校長先生、何しているの?」と言われ、「うん??? お年玉たくさんもらったから、買い物に来たのかい?無駄遣いしたらダメだよ!」と言うと「校長先生もね!」と言われました。それから、書店をぶらぶらしていると、店頭には「親の品格」「会社の品格」など「〇〇の品格」という本が多く並べられていました。
 2006年のベストセラーは「国家の品格」でしたが、引き続き、品格シリーズで2007年は「女性の品格」がベストセラーになりました。
 坂東眞理子著 《昭和女子大学学長》「女性の品格」では、品格の一番は、心のこもった「あいさつ」ができることだと言っています。
 いまや女性の社会進出、活躍が当たり前となった現代の日本。学校や職場でも、優秀で元気なのは女性ばかりです。女性の価値観、果たすべき役割が大きく変化しています。では、古い型の「女らしさ」はもはや求められないのでしょうか? いや、女性上位の時代だからこそ、従来の男性とは異なる価値観、よき女性らしさを、職場や家庭に持ち込んでほしい、と著者は語っています。「礼状が書ける」「約束をきちんと守る」「型どおりの挨拶ができる」「姿勢を正しく保つ」「贅肉をつけない」「人に擦り寄らない」「よいことは隠れてする」「得意料理をもつ」「恋をすぐに打ち明けない」など~本書は、ビジネスから装い、話し方、恋愛にいたるまで、女性としての振舞い方を具体的にアドバイス。何げない日常の立居振舞いに、女性の生き方と品位はおのずと表われるものです。
 学校も女性教師の方が圧倒的に多いので、この本を読んで私も勉強しなければならないと思いました。


2019年1月5日土曜日

花だより 梅 高梨沙羅の強さの秘密

~高梨沙羅の強さの秘密~
 ジャンプ選手だった父親から小さいころからジャンプをやらされたというイメージがあるようですが、「普通の子だと思ったらだめ。普通の子どもは親に言われてやるものだけど、あの子は違う。あの子は全部自分でやる子だから!」
天才ではなく努力家 「そこまでやってしまう?」
 152㎝の小柄な体を弱点にしないサッツのタイミングやバランスの良い空中姿勢などセンスの良さは、年端も行かぬころから寸暇を惜しんで、自らの意思で、物事に取り組んで来た“揺るがぬ向上心と普通じゃない努力家気質”が生んでいるという。
 それは、高梨が憧れる女子ジャンプのパイオニアであり、コーチをしている山田いずみ氏の「よく沙羅は才能があると言われるけど、実は人一倍の努力家だから、あんなジャンプができるんです。」という見方とも合致する。ジャンプをやりたいと言い出したのは、小学2年の高梨自身だった。兄の寛大の飛ぶ姿を見ていた小さな少女が、すぐに空中を舞う爽快感のとりこになった。怖いなんて思いはこれっぽっちもなく、「面白かった」と平然と振り返る。
 まだ女の子がジャンプを飛ぶことの認知度が高くなかった当時。両親はむしろ、やらせたくはなかった。母の千景さんは既に習っていたバレエをやらせたかったし、父の寛也さんは兄の指導に熱心だった。だが、娘は思い通りにはなってくれなかった。父は「どうしてもやりたいなら構わないが、その代わり中途半端にはならないように」と言うと、娘は「はい」と返事し、決意が揺らぐことはなかった。
 勉強もできる! 勉強に関してもそうだ。友だちが塾で英語力を付けたと聞くと自分も負けじと通うようになった。どこにでも必ず勉強道具を持ち歩き、コーチの1人は以前に「遠征帰りの空港の乗り継ぎ時間にも普通なら疲れてぐったりするのに、一心不乱に教科書とにらめっこしていた。」と、時間を無駄にしないストイックさに驚嘆していた。そうした努力のおかげで、15歳だった高校1年時には高校卒業程度認定試験(旧大学入試検定)をパスしたほどなのだ。勉強に力を注ぐのは、ジャンプ選手を引退した後の人生設計もしっかり念頭に置いているからでもある。中学3年のときには、将来の夢として「中学校の体育の先生になりたい。だから、教員免許を取得できる課程を修了しなければならないことも考えています。」と語っている。
 世界一流の選手は、凡人とはどこか違う。「うちの子とは違う。」と言ってしまうとお仕舞です。
 なぜ伝記を読むか? 伝記の中で描かれる人生と自分の人生を比較することです。

2019年1月4日金曜日

花だより 乙女桜 聞く力

聞く力 『ビートたけしのTVタックル』という討論番組で司会進行役をしている阿川佐和子さんの本が売れています。
 出演者がそれぞれ勝手にしゃべるので、その司会進行は大変なのですが、阿川さんは、話をしている人の「呼吸を感じる」と言います。
 お相手が一気呵成に話しているのを、どうにも止められないと思ったら、とりあえず話の流れを耳に入れます。そろそろ話にピリオドが打たれそうな気配を感じた頃合に、ちょうど人間は誰でも息継ぎをします。その短い瞬間を狙って、「で、〇〇さんは、どう思われますか?」と、他に発言したそうな相手にバトンを渡す。それをあまり早くやり過ぎると、話を中断されたゲストは気分を害しますから、そこはタイミングと話の内容をよく吟味するそうですが、なるほど司会進行とは難しいものです。
 「バトンの奪い方」 それは、相手の話がなかなか終わらなかった時、頃合を見計らって、ちょっとした隙間を見つけると、「たしかに〇〇さんのおっしゃるとおり」と大きな声で敬意を表し、意見に同調する。そして、その後で「おっしゃるとおりではありますが...」と反論を始める、というものです。同調されると、人は「でしょ?」と一瞬油断します。確かにタイミング良くできれば、これは巧妙なやり方かもしれません。
 半分は冗談だと阿川さんは、おっしゃっていますが、大事なことは、返す言葉の種類ではなく、言い方や表情、動作、スピードやトーンなど総合した情報によって、「本心でなぐさめてくれている」かどうかが相手に伝わることです。言葉ではなく、そこに込められた気持ちが大切ということです。
 以上、ほんの少しですが、阿川佐和子さん流の「聞き上手になれるポイント」をご紹介しました。
「聞く」ことの一番大切なのは、“話をする相手への気遣いや誠意、目上の人には敬意を表する。”というような基本的なことを抑えておくことなのだということをこの本は一貫して伝えています。例えば相手と目線を合わせて話す(見下ろさない)とか、話すときに腕を組まないなど、そういう簡単なところからでも「上手に聞く」ことは始められる。勉強になりました。

2019年1月3日木曜日

花だより スノードロップ 分別のある大人


 【分別のある大人】
     東北地方では、子どもを叱るときにお尻を『この宝物、この宝物!』と言いながら叩くという。よく「いつまでも子どもの心を失わないでいたい」と言う人がいる。打算や駆け引きが行き交う社会では、子どものような純真でいることは確かに希有なことであり、貴重なことだといえる。しかし、子どもの心は一面、事の善悪や分別を知らない無知な心、未熟な心でもある。していいことと悪いことの区別がつかず、自分の感情のおもむくままに行動したりもする。だから子どもの心だけでは良好な人間関係は結べない。おとなの分別があってこそ、それは輝きを放つのです。
 今日我が国では、おとなになりきれない人が増え、ものの考え方や心の在り方が幼稚化する傾向がますます強まってきている。他人がどう思うかなどまったく意識の外にあり、周囲への配慮に欠けた行為、おとなげないわがままなふるまいが目にあまる。ハロウィンで渋谷に集まる若者たちや荒れた成人式など、見ていて呆れるばかり。
 その中で夕張市の成人祭が地元の若者の手作りで開催された。予算が1万円しかないと聞いて、全国各地からたくさんの援助金があったそうだ。実行委員長の女の子がテレビのインタビューに「どこかに困っている人がいれば、助けてあげられる大人になりたい」と答えていた。是非とも純真な心を持った分別のある大人になってほしいものである。

2019年1月2日水曜日

花だより オモト 論語


 論語「家族の情」より 
 ~楚の国の葉公が孔子に言った。
「私の領地には曲がったことの大嫌いな正直者がいます。父親が羊を盗んだときも、子でありながら訴え出たような立派な者です。」これを聞いた孔子は「私の町にも正直者がいますが、これとは異なっています。子は父の罪をかばい、父は子の罪をかばいます。罪を隠すことは善くないことですが、これを人情の極致であって、自然な親子の情というものでしょう。」~
 論語】 世の中が乱れて住みにくくなると『論語』がもてはやされるといいます。日本人の傍らにはいつの時代にも、この書がありました。不朽の名著です。『論語』は戦前の教育を受けた人にとっては必読の書であり、戦後においても教養人といわれる人たちの家庭には必ず一冊はあったものです。なぜなら、『論語』が日本人の道徳観の基本であり、自らの道徳実践の“ものさし”であったからです。いうならば『論語』は、日本人の背骨を作ってきた書物なのです。
 ところが『論語』は“儒教の聖典”と呼ばれ、政治家や経営者が座右の書としているためか、自分たちには関係ないと思っている人が実に多いのです。そのためか、最近は、じっくりと読む人は少ないようです。
 論語は複雑な人間関係の中で、人として何を守るべきか、その心構えと実践を説いています。言い換えるなら「人格を鍛える教え」と言っても過言ではありません。もともと人間は一人では生きられない社会的動物です。その人間関係の中でもっとも大切なことは「相手を思いやる心」です。これを儒教では「仁」(人間愛)と称し、最高の徳とされています。
 この「仁」はエリートだけに必要とされるものでありません。誰もが一人前の社会人であろうとするならば、常識として備えておかなければならない「人の道」なのです。
 新春にあたり、新たな心構えを持つのにふさわしい書物です。


2019年1月1日火曜日

花だより クロマツ 生きることば あなたへ 


「生きることば あなたへ」 瀬戸内寂聴から
~思う存分喋れば、お腹にも心にも何も貯まりません。何でも貯めると、ろくなことはありません。ストレス解消は、気の許せる人と心ゆくまで喋ることです。ただし、本当に偉い人とは喋らずに聴くのです。~という言葉がありました。ときに親は子どもの聞き役に徹しなければならないときがあります。
 また“寂聴”という法名は、「出離者は、寂なるか梵音(ぼんのん)を聴く」という意味です。梵音とは、鐘とか木魚とか、お経の声とか、仏教に関するすべての音です。また、春の小川の音、小鳥の声、赤ん坊の産声、恋人の愛のささやき、この世の森羅万象のかなでる快いすべての音です。それを出家した者は、寂(しず)かな心で聴くということです。「寂(さび)しく聴く」という意味ではないようです。どうか聞き上手な親であってください。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。