2019年1月3日木曜日
花だより スノードロップ 分別のある大人
【分別のある大人】
東北地方では、子どもを叱るときにお尻を『この宝物、この宝物!』と言いながら叩くという。よく「いつまでも子どもの心を失わないでいたい」と言う人がいる。打算や駆け引きが行き交う社会では、子どものような純真でいることは確かに希有なことであり、貴重なことだといえる。しかし、子どもの心は一面、事の善悪や分別を知らない無知な心、未熟な心でもある。していいことと悪いことの区別がつかず、自分の感情のおもむくままに行動したりもする。だから子どもの心だけでは良好な人間関係は結べない。おとなの分別があってこそ、それは輝きを放つのです。
今日我が国では、おとなになりきれない人が増え、ものの考え方や心の在り方が幼稚化する傾向がますます強まってきている。他人がどう思うかなどまったく意識の外にあり、周囲への配慮に欠けた行為、おとなげないわがままなふるまいが目にあまる。ハロウィンで渋谷に集まる若者たちや荒れた成人式など、見ていて呆れるばかり。
その中で夕張市の成人祭が地元の若者の手作りで開催された。予算が1万円しかないと聞いて、全国各地からたくさんの援助金があったそうだ。実行委員長の女の子がテレビのインタビューに「どこかに困っている人がいれば、助けてあげられる大人になりたい」と答えていた。是非とも純真な心を持った分別のある大人になってほしいものである。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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