2019年1月2日水曜日
花だより オモト 論語
論語「家族の情」より
~楚の国の葉公が孔子に言った。
「私の領地には曲がったことの大嫌いな正直者がいます。父親が羊を盗んだときも、子でありながら訴え出たような立派な者です。」これを聞いた孔子は「私の町にも正直者がいますが、これとは異なっています。子は父の罪をかばい、父は子の罪をかばいます。罪を隠すことは善くないことですが、これを人情の極致であって、自然な親子の情というものでしょう。」~
【論語】 世の中が乱れて住みにくくなると『論語』がもてはやされるといいます。日本人の傍らにはいつの時代にも、この書がありました。不朽の名著です。『論語』は戦前の教育を受けた人にとっては必読の書であり、戦後においても教養人といわれる人たちの家庭には必ず一冊はあったものです。なぜなら、『論語』が日本人の道徳観の基本であり、自らの道徳実践の“ものさし”であったからです。いうならば『論語』は、日本人の背骨を作ってきた書物なのです。
ところが『論語』は“儒教の聖典”と呼ばれ、政治家や経営者が座右の書としているためか、自分たちには関係ないと思っている人が実に多いのです。そのためか、最近は、じっくりと読む人は少ないようです。
論語は複雑な人間関係の中で、人として何を守るべきか、その心構えと実践を説いています。言い換えるなら「人格を鍛える教え」と言っても過言ではありません。もともと人間は一人では生きられない社会的動物です。その人間関係の中でもっとも大切なことは「相手を思いやる心」です。これを儒教では「仁」(人間愛)と称し、最高の徳とされています。
この「仁」はエリートだけに必要とされるものでありません。誰もが一人前の社会人であろうとするならば、常識として備えておかなければならない「人の道」なのです。
新春にあたり、新たな心構えを持つのにふさわしい書物です。
平成28年3月 北見市立北小学校退職、その後、北見市教育委員会教育専門相談員、令和2年4月から、訓子府町教育委員会教育専門員 令和3年4月から、訓子府町認定こども園長
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