2019年1月14日月曜日

花だより 椿 「兼高かおる世界の旅」

「兼高かおる世界の旅」
  いまや女性の社会進出、活躍が当たり前となった現代の日本。学校や職場でも、優秀で元気なのは女性ばかりです。女性の価値観、果たすべき役割が大きく変化しています。では、古い型の「女らしさ」はもはや求められないのでしょうか? いや、女性上位の時代だからこそ、従来の男性とは異なる価値観、よき女性らしさを、職場や家庭に持ち込んでほしいものです。 
 ベストセラーになった坂東眞理子氏の『女性の品格』では、「礼状が書ける」「約束をきちんと守る」「型どおりの挨拶ができる」「姿勢を正しく保つ」「贅肉をつけない」「人に擦り寄らない」「よいことは隠れてする」「恋をすぐに打ち明けない」など~ビジネスから装い、話し方、恋愛にいたるまで、女性としての振舞い方を具体的にアドバイスしています。何げない日常の立居振舞いに、女性の生き方と品位はおのずと表われるものです。
 海外リポート番組の草分け「兼高かおる世界の旅」(TBS系)の案内役として1990年まで31年間、150カ国を巡った旅行ジャーナリスト、兼高かおるさん(90歳)が1月5日お亡くなりになられました。
 この番組は海外旅行ブームに先駆けた名物番組でした。国内旅行すらできない小学生だった私は、「兼高かおる世界の旅」を見るために、日曜日でも朝は普通に起きて、身支度をし、朝ご飯を食べて、そしてテレビをつける。オープニングの音楽とパンアメリカン航空の飛行機の映像が映し出されると、今日は「アルプスの国スイスだよな!」と前回の予告をきっちり覚えていて、わくわくしたものです。
 日本人の海外渡航が自由化される1964年以前から、さっそうと世界各地を飛び回った行動力、そして、気品のある語り口、私たちの年代の日本人にとって兼高かおるさんは、エキゾチックな美人で聡明、まぶしい存在でした。
 兼高さんは、リポーターやナレーターだけでなく、ディレクターやプロデューサーも兼務していたことは、亡くなった報道で知り、さらに驚きました。「女性の品格」女性の社会進出の先駆けでした。
「平成」が終わるときに、「昭和」がまた遠くなってしまって淋しく感じます。

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