聞く力 『ビートたけしのTVタックル』という討論番組で司会進行役をしている阿川佐和子さんの本が売れています。
出演者がそれぞれ勝手にしゃべるので、その司会進行は大変なのですが、阿川さんは、話をしている人の「呼吸を感じる」と言います。
お相手が一気呵成に話しているのを、どうにも止められないと思ったら、とりあえず話の流れを耳に入れます。そろそろ話にピリオドが打たれそうな気配を感じた頃合に、ちょうど人間は誰でも息継ぎをします。その短い瞬間を狙って、「で、〇〇さんは、どう思われますか?」と、他に発言したそうな相手にバトンを渡す。それをあまり早くやり過ぎると、話を中断されたゲストは気分を害しますから、そこはタイミングと話の内容をよく吟味するそうですが、なるほど司会進行とは難しいものです。
「バトンの奪い方」 それは、相手の話がなかなか終わらなかった時、頃合を見計らって、ちょっとした隙間を見つけると、「たしかに〇〇さんのおっしゃるとおり」と大きな声で敬意を表し、意見に同調する。そして、その後で「おっしゃるとおりではありますが...」と反論を始める、というものです。同調されると、人は「でしょ?」と一瞬油断します。確かにタイミング良くできれば、これは巧妙なやり方かもしれません。
半分は冗談だと阿川さんは、おっしゃっていますが、大事なことは、返す言葉の種類ではなく、言い方や表情、動作、スピードやトーンなど総合した情報によって、「本心でなぐさめてくれている」かどうかが相手に伝わることです。言葉ではなく、そこに込められた気持ちが大切ということです。
以上、ほんの少しですが、阿川佐和子さん流の「聞き上手になれるポイント」をご紹介しました。
「聞く」ことの一番大切なのは、“話をする相手への気遣いや誠意、目上の人には敬意を表する。”というような基本的なことを抑えておくことなのだということをこの本は一貫して伝えています。例えば相手と目線を合わせて話す(見下ろさない)とか、話すときに腕を組まないなど、そういう簡単なところからでも「上手に聞く」ことは始められる。勉強になりました。
0 件のコメント:
コメントを投稿